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表11−試験条件(単相3線式)
順序 回路
第1回路電流 第2回路電流 位相差
度
1 試験電流値の1/2 試験電流値の1/2 0
2 試験電流値の3/4 試験電流値の1/4
3 試験電流値の1/4 試験電流値の3/4
4 試験電流値の1/3 試験電流値の1/3 60
5 試験電流値の3/4 試験電流値の0.4
6 試験電流値の0.4 試験電流値の3/4
9.4.2 不動作電流試験
不動作電流試験は,表10の不動作電流を各部の温度がほぼ一定になるまで通電する。
なお,単相3線式用のものは,表10の不動作電流を表11の各条件で通電する。
9.4.3 200 %電流引外し試験
200 %電流引外し試験は,定格電流の200 %の電流を通電する。
なお,単相3線式用のものは,両回路それぞれ単独に通電する。
9.4.4 過電流時延試験
過電流時延試験は,表12に規定する電流を通電する。
なお,単相3線式用のものは,表11の順序1の条件で通電する。
表12−過電流時延電流
単位 A
定格電流 5 10 15 20 30 40 50 60
試験電流 22 40 55 70 100 120 150 180
9.5 過負荷試験
過負荷試験は,次の条件によって開閉を行う。
a) 定格電流20 A以下のものは150 Aの試験電流,定格電流30 A以上のものは定格電流の6倍の試験電
流を通じ,手動操作で閉路し自動で開路する操作を1回とし,1分間に6回の割合で50回繰り返す。
ただし,構造上この割合で操作できない場合は,試験品が投入できる割合に減じてもよい。
b) 50 Hz又は60 Hzの定格電圧で試験し,力率は0.450.5とする。
c) 電圧の変動率は,10 %以下とする。
d) 2極のものは2極を直列にして行う。単相3線式用のものは,通常,両回路直列とし220 Vの回路で
行うが,両回路それぞれ単独に110 Vの回路で行ってもよい。
9.6 越流試験
越流試験は,次の条件によって,白熱電球を点灯する。
a) 100 V 200 Wの白熱電球を基準とし,点灯状態で定格電流の100 %を流すことができる個数を試験品の
負荷側に接続する。必要に応じて12個は,200 Wより小さい電球でもよい。
b) 試験回路の電圧は100105 Vとし,電球負荷で通電したときの制限器の電源側端子における電圧降下
は5 %以下とする。
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なお,単相3線式用のものに対しては,いずれか一方の回路について行えばよい。
c) 試験は2秒間閉路後に開路し,2分間冷却し,この操作を連続3回行う。
9.7 電圧降下試験
電圧降下試験は,定格電流を通電し,端子間で電圧降下を測定する。ただし,2極のものは各極を直列
に接続した端子間で行い,単相3線式用のものは両回路それぞれ単独に行う。
9.8 温度試験
温度試験は,表10の不動作電流を連続通電し,各部の温度がほぼ一定となったとき,温度計法によって
測定する。ただし,試験は,単相2線式で2極のものの場合は2極を直列にして行い,単相3線式用のも
のは,両回路それぞれ単独に行う。
なお,接続電線は,表8に規定する太さの電線であって,JIS C 3307に規定する600 Vビニル絶縁電線
を使用し,その長さは1.5 mとする。600 Vビニル絶縁電線は,表13に規定するトルクで締め付ける。
表13−締付トルク
単位 N・m
端子ねじの呼び M3 M3.5 M4 M5 M6 M7 M8
トルク 0.4 0.6 0.8 1.5 2.0 3.7 3.7
9.9 耐久試験
耐久試験は,次の条件によって行う。
a) 定格電流を通じて6 000回開閉した後,無通電で4 000回開閉する。開閉の割合は,毎分約6回とする。
b) 50 Hz又は60 Hzの定格電圧で試験し,力率は0.750.8とする。試験品の電源側端子における電圧降
下は,無負荷時における電源側端子の電圧の2.5 %以下とする。
c) 単相3線式用のものは,表11の順序1の条件で行う。
9.10 絶縁抵抗試験
絶縁抵抗試験は,500 V絶縁抵抗計によって次の各部を測定する。
a) 開放状態及び投入状態で,主回路導電部と外郭との間
なお,外郭には,人が触れるおそれがある部分及びつまみを含む。
b) 開放状態及び引外し状態で,電源側端子と負荷側端子との間
c) 投入状態で異極端子間
d) 主回路導電部と試験用金属板との間
注記 この試験は,通常の使用状態又は試験用金属板の上に水平に置いた状態で試験を行ってもよ
い。
9.11 耐電圧試験
耐電圧試験は,9.10に規定する各部に正弦波に近い50 Hz又は60 Hzの1 500 Vの1/2以下の電圧を加え,
それから1 500 Vまで,電圧計でそのときどきの電圧が読み取れる範囲でできるだけ早く上昇させ1 500 V
に達した後1分間連続印加して行う。ただし,受渡当事者間の協定によって,1 500 Vの120 %に相当する
電圧を1秒間印加して行うことができる。
なお,耐電圧試験に使用する試験用変圧器の容量は,500 VA以上とする。
9.12 コイル異極間の耐電圧試験
単相3線式に用いるベクトル合成方式のもののコイル異極間の耐電圧試験は,交流3 000 Vの電圧を両
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コイル異極間に1分間印加して行う。
なお,この試験は,コイルだけについて行う。
9.13 短絡遮断試験
短絡遮断試験は,かなきん(密度が25.4 mmにつき縦72±4本,横69±4本で30番手の縦糸及び36番
手の横糸を使用したのり付けしない平織りの綿布)を排気孔又はハンドル開口部分に接して置いて,次の
条件によって短絡電流を遮断して行う。
a) 試験電流は,図1図3に示す回路において,S及びS1を閉じたとき流れる電流であって,50 Hz又
は60 Hzの定格電圧に等しい電源を用い,短絡発生後0.5サイクルにおける交流分の実効値が定格遮
断容量になる電流値とする。このときの回路の回復電圧は,90 %以上,力率は0.450.50とする。
図1−1極のもの
図2−2極のもの
図3−単相3線式用のもの
b) 動作責務は,“O-t-CO”とする。“O”は,試験回路の投入用開閉器Sで試験回路を閉路し試験品で自
動遮断を行わせることを示す。“CO”は,試験品で試験回路を閉路し,試験品で自動遮断を行わせる
ことを示す。“t”は,“O”試験と“CO”試験の時間間隔で,通常,2分間とするが,構造上この時間
で試験ができない場合は操作できる時間で行ってもよい。
9.14 耐熱試験
合成樹脂成形品の台及び蓋を使用したものの耐熱試験は,試験品を次の温度の空気中に1時間保った後
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取り出して自然に冷却したとき,膨れ,ひび割れ,機能を損なう変形などの有無を調べる。
− フェノール樹脂成形品 : 150±3 ℃
− その他 : 100±3 ℃
9.15 荷重試験
荷重試験は,試験品に正規の取付状態でつまみに丈夫なひもを付け,ひもの引張方向に荷重を加えて荷
重が100 Nに達してから1分間経過したとき,各部に異常がないかを調べる。
9.16 傾斜試験
傾斜試験は,試験品を正規の取付状態から前後左右に各々5 度傾斜した状態に取り付け,9.4.19.4.3に
規定する方法によって試験する。ただし,単相3線式用のものに対する9.4.1及び9.4.2の試験は,表11
の順序1の条件で行う。
なお,制限器の構造上最も厳しくなる条件で試験を行い,これに代えることができる。
9.17 温度特性試験
温度特性試験は,030 ℃のうち最も不利な周囲温度で,試験品が一定の温度になった状態で,9.4.1
9.4.4に規定する方法によって試験する。
なお,制限器の構造上最も厳しくなる条件で試験を行い,これに代えることができる。
9.18 アンモニアガス耐久試験
アンモニアガス耐久試験は,端子部分に使用する黄銅製部品について,次の条件で試験する。
各端子ごとに,表14に規定する太さの電線であって,長さ10 cmの電線を表9に規定する締付けで接続
し,端子カバーのあるものはそれを取り外したままで,試験品が試験液に接しない状態で操作用取っ手が
ある面を液面側としてデシケータの中に入れ,72時間保持する。この場合,試験中にデシケータの蓋を取
るなどしてアンモニアガスを拡散させてはならない。
その後,試験品を取り出し,表9に規定する締付トルクによって端子ねじを締め付けた後,電線を取り
外して目視観察を行う。
表14−電線の太さ
定格電流 A 15以下 20 30 40 50以上
600 Vビニル絶縁電線 単線 mm 1.6 2.0 2.6 − −
より線 mm2 − − 5.5 14 22
この試験に用いるデシケータは,JIS R 3503に規定する呼び寸法240 mmのデシケータを用い,底部に1
Lの試験液を入れる。
なお,試験液は,JIS K 8116に規定する特級塩化アンモニウム107 gを約700 mLの蒸留水に溶解し,そ
の溶液にJIS K 8576に規定する特級水酸化ナトリウム5070 gを約250 mLの蒸留水に溶解させた液を加
え,水素イオン濃度(pH)が10になったとき,全量が約1 Lになるように調整したものを用いる。
9.19 耐食性試験
耐食性試験は,次の順序で,鉄製及び鋼製の部品について試験を行う。
a) 試料をJIS K 2435の規格群に規定するキシレン,トルエンなどの中に浸せきし,グリースを全て取り
除く。ただし,ばね又はしゅう(摺)動する部分でグリースなどの腐食防護が施されているものは,
この処理は行わなくてもよい。
b) 試料を20±5 ℃のJIS K 8116に規定する塩化アンモニウムの10 %水溶液に10分間浸した後取り出し,
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乾燥させずに水滴を全て振り切ってから20±5 ℃の飽和水蒸気を含む容器中に10分間放置する。
c) 試料を100±5 ℃の温度の恒温槽で10分間乾燥させる。
10 検査
10.1 検査の種類
検査の種類は,次による。
a) 形式検査 製品の品質が,設計で示された品質項目を満足しているか否かを判定するための検査であ
って,一つの形式につき品質の良否を判定するためのもの。
b) 受渡検査 形式検査に合格したものと同じ設計・製造にかかる製品の受渡しに必要と認められる品質
項目が,規定を満たしているか否かを判定するための検査であって,受渡しを決定するためのもの。
10.2 形式検査
形式検査は,次の項目の順序で,同一品について箇条9によって試験を行ったとき,箇条7に適合しな
ければならない。ただし,b),n) 及びv) aa) の検査は,別試料で行う。
なお,検査中,接触部を磨いたり,装置の条件を変更してはならない。また,二重定格のものの検査に
ついては,箇条8,箇条11及び箇条12は,定格の大きい方について実施すればよい。
a) 構造
b) 端子部の強度
c) 動作電流
d) 不動作電流
e) 200 %電流引外し
f) 過電流時延
g) 過負荷性能
h) 越流性能
i) 電圧降下性能
j) 温度上昇
k) 耐久性能
l) 絶縁抵抗
m) 耐電圧
n) コイル異極間の耐電圧,ただし,単相3線式に用いるベクトル合成方式のものに限る。
o) 動作電流
p) 200 %電流引外し
q) 過電流時延
r) 短絡遮断性能
s) 動作電流
t) 200 %電流引外し
u) 過電流時延
v) 耐熱性能,ただし,合成樹脂成形品の台及び蓋を使用したものに限る。
w) 荷重性能
x) 傾斜性能
y) 温度特性
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JIS C 8368:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.120 : 電気付属部品 > 29.120.50 : ヒューズ及びその他過電流保護装備
JIS C 8368:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC3307:2000
- 600Vビニル絶縁電線(IV)
- JISC8306:1996
- 配線器具の試験方法
- JISK2435:1992
- ベンゼン・トルエン・キシレン
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態