JIS C 9612:2013 ルームエアコンディショナ | ページ 5

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8.2 安全性能の試験

8.2.1  温度試験
温度試験は,冷房運転及び暖房運転時に,それぞれ次によって行う。
a) 冷房運転での温度試験は,ルームエアコンの操作スイッチなどを,冷房能力が最大となる状態にして,
定格電圧・定格周波数でJIS B 8615-1の表3(冷房過負荷試験条件)の冷房過負荷試験条件でのT1温
度条件で運転を行い,各部の温度がそれぞれほぼ一定になったとき,表2に規定する測定箇所の温度
を測定する。この場合,速度調節装置をもつものは,その速度調節装置のスイッチを最高速度及び最
低速度に設定し,それぞれ試験を行う。
なお,最高速度又は最低速度に設定した場合,温度スイッチなどによって,送風機の速度が変わる
ものは,その送風機の速度が変わらないJIS B 8615-1の表3の冷房過負荷試験条件でのT1温度条件
に最も近い条件で送風機を運転させたときの試験も行う。
b) 暖房運転(暖房用電熱装置だけで暖房運転するものは除く。)での温度試験は,ルームエアコンを厚さ
10 mm以上の表面が平らな木台の上に置き,ルームエアコンの操作スイッチなどを暖房能力が最大と
なる状態にして,定格電圧・定格周波数でJIS B 8615-1の表8(暖房過負荷試験条件)の暖房過負荷
試験条件で運転を行い,各部の温度がそれぞれほぼ一定になったとき,表2に規定する測定箇所の温
度を測定する。この場合,速度調節装置をもつものは,その速度調節装置のスイッチを最高速度及び
最低速度に設定し,それぞれ試験を行う。
なお,最高速度又は最低速度に設定したとき,温度スイッチなどによって,送風機の速度が変わる
ものは,その送風機の速度が変わらないJIS B 8615-1の表8の暖房過負荷試験条件に最も近い条件で
送風機を,また,補助暖房用電熱装置をもつもので,温度スイッチなどによって補助暖房用電熱装置
を運転しないものは,補助暖房用電熱装置が運転できるJIS B 8615-1の表8の暖房過負荷試験条件に
最も近い条件で補助暖房用電熱装置を運転させたときの試験も行う。
c) 暖房用電熱装置だけでの暖房運転での温度試験は,ルームエアコンを厚さ10 mm以上の表面が平らな
木台の上に置き,定格電圧・定格周波数で8.1.7 c)に規定する方法で運転を行い,各部の温度がそれぞ
れほぼ一定になったとき,表2に規定する測定箇所の温度を測定する。この場合,速度調節装置をも
つものは,その速度調節装置のスイッチを最低速度にセットし,それぞれ試験を行う。
8.2.2 絶縁抵抗試験
絶縁抵抗試験は,8.2.1の試験の前及び直後で,直流500 V絶縁抵抗計で充電部と地絡故障時に充電する
おそれがある非充電金属部との間の絶縁抵抗を測定する。
8.2.3 耐電圧試験
耐電圧試験は,8.2.1の試験の直後で行う8.2.2の試験に引き続いて,定格電圧が150 V以下のルームエ
アコンでは1 000 V,定格電圧が150 Vを超えるルームエアコンでは1 500 Vの周波数50 Hz又は60 Hzの
正弦波に近い電圧を,充電部(低電圧回路を除く。)と非充電金属部との間,及び電圧が異なる充電部との
間に連続して1分間加える。ただし,電圧が異なる場合は,いずれか高い側の電圧に対する試験電圧とす
る。
なお,疑義を生じない場合は,製造工程中に,試験電圧の120 %の電圧を1秒間加え,これに代えても
よい。
注記 低電圧回路とは,ルームエアコンの電源から絶縁変圧器によって供給する電圧で,ルームエア
コンを定格電圧で運転したとき,充電部の対地電圧及び線間電圧が交流の場合は30 V以下,直
流の場合は45 V以下で,基礎絶縁だけでその他の回路から絶縁されているもの。

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8.2.4 始動電流試験
始動電流試験は,JIS B 8615-1の表3(冷房過負荷試験条件)の冷房過負荷試験条件でのT1温度条件で
運転した後,製造業者が指定した時間(3分間以内)停止させてから電動機の回転子を拘束した状態で定
格電圧・定格周波数を加えたときの電流を測定する。ただし,電動機の回転子を拘束することができない
構造では,電動機の回転子が停止した状態で定格周波数の電圧を加え,8.1.4の試験で測定した電動機の電
流値に近い電流を通じて電圧を測定し,次の式によって始動電流を算出する。
E
Ist=Is=I's×
sE
ここに, Ist : 始動電流(A)
Is : 定格電圧での拘束電流(A)
I's : 冷房消費電力試験で測定した電動機の電流値に
近い拘束電流(A)
E : 定格電圧(V)
E's : 電流I'sに対するインピーダンス電圧(V)
注記1 始動電流は,通常の操作によって2台以上の電動機が同時に始動するルームエアコンでは,
同時に通電したときの始動電流又は各々の電動機の始動電流の合計とし,順次始動するルー
ムエアコンでは,各々の電動機の始動電流のうち最大のものとする。
注記2 始動装置に正特性サーミスタを用いるものは,運転後10分間停止した後に始動電流を測定す
る。
注記3 始動電流が8.1.4又は8.1.6で測定した電流を超えないルームエアコンは,この試験を省略で
きる。
8.2.5 注水絶縁試験
注水絶縁試験は,通常の据付状態で室外側送風機を運転し,図4に示す注水試験装置(じょろ口)でル
ームエアコンの室外に出る部分の最も厳しい部分に対し,じょろ口を上に向けたときの噴流の高さが約
1 mとなる水量を一様に45°の角度で図1に示す位置から1時間注水した後,注水を続けながら絶縁抵抗
及び耐電圧の試験を行う。
図1−注水絶縁試験
8.2.6 異常試験
異常試験は,該当する場合ごとに,それぞれ次によって行う。
a) 冷房専用のルームエアコンの場合は,ルームエアコンの操作スイッチなどを冷房能力が最大になる状
態にして,周囲温度が23 ℃±5 ℃の条件で,定格電圧・定格周波数(50 Hz及び60 Hz共用のものは,

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50 Hz又は60 Hz)で送風用電動機を拘束し,72時間運転を行う。ただし,保護装置によって回路が
永久に開路する構造のルームエアコンは,その時までとし,手動復帰式保護装置によって回路が開路
する構造のものは,手動復帰式保護装置が10回動作するまで繰り返して運転を行う。
なお,水冷式ルームエアコンの場合は,通水を行わない。
b) 冷房・暖房兼用のルームエアコンの場合は,ルームエアコンの操作スイッチなどを暖房能力が最大に
なる状態にして,周囲温度が20 ℃±5 ℃の条件で,定格電圧・定格周波数(50 Hz及び60 Hz共用の
ものは,50 Hz又は60 Hz)で送風用電動機を拘束し,72時間運転を行う。ただし,保護装置によっ
て回路が永久に開路する構造のルームエアコンは,その時までとし,手動復帰式保護装置によって回
路が開路する構造のものは,手動復帰式保護装置が10回動作するまで繰り返して運転を行う。
なお,水冷式ルームエアコンの場合は,通水を行わない。
c) 補助暖房用電熱装置(暖房用電熱装置と切り換えて用いるルームエアコンを含む。)をもつ冷房・暖房
兼用のルームエアコンの場合は,b)の試験に引き続いて試験品を厚さ10 mm以上の表面が平らな木台
の上に置き,圧縮機及び送風用電動機を運転しないで,自動温度調節器又は自動復帰式温度過昇防止
装置を備えているルームエアコンはこれを短絡し,電熱装置に定格電圧を加え,8.1.7 c)の条件で各部
の温度が一定となるまで連続して通電した後,外郭の表面及び木台の温度を熱電温度計によって測定
する。ただし,非自動復帰式温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。)を備えているもので,これが
動作したときは,その時及びその後の最高温度を測定する。
d) 冷房・電熱装置暖房兼用のルームエアコンの場合は,a)の試験に引き続いて試験品を厚さ10 mm以上
の表面が平らな木台の上に置き,送風用電動機を運転しないで,自動温度調節器又は自動復帰式温度
過昇防止装置を備えているルームエアコンは,これを短絡し,電熱装置に定格電圧を加え,8.1.7 c)の
条件で各部の温度が一定となるまで連続して通電した後,外郭の表面及び木台の温度を熱電温度計に
よって測定する。ただし,非自動復帰式温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。)を備えているもの
で,これが動作したときは,その時及びその後の最高温度を測定する。
8.2.7 構造試験
構造試験は,7.7及び箇条11について調べ,規定に適合しているかどうかを調べる。
8.2.8 雑音の強さ試験
雑音の強さ試験は,7.8について調べ,規定に適合しているかどうかを調べる。
8.2.9 材料試験
材料試験は,7.9について調べ,規定に適合しているかどうかを調べる。

9 検査

9.1 形式検査

3) 形式検査は,次について箇条8の方法によって行い,箇条6及び箇条7の規定に適合しなければならな
い。
a) 冷媒漏れ
b) 冷房能力
c) 冷房消費電力
d) 暖房能力
e) 暖房消費電力
f) 電熱装置の消費電力

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g) 冷房過負荷性能
h) 冷房低温性能及び氷結通風妨害
i) 氷結滴下性能
j) 凝縮水処理及び露付き
k) 暖房過負荷性能
l) 自動除霜性能
m) 騒音
n) 安全性能
o) 表示4)
注3) 形式検査とは,製品の品質が設計で定めた全ての品質項目を満足するかどうかを判定するため
の検査をいう。
4) 表示についての検査は,8.2.7の構造試験で行う。

9.2 受渡検査

5) 受渡検査は,次のうちh)は全数,a) g)及びi)は抜取りによって行い,箇条6及び箇条7の規定に適合
しなければならない。ただし,h)については,分離形の場合,室内ユニット又は室外ユニットを個別に試
験してもよい。
なお,h)の試験を行うとき,8.2.1の試験を省略してもよい。また,耐電圧において工場生産の場合で疑
義を生じない場合は,試験電圧の120 %の電圧を1秒間加えることでもよい。
a) 冷媒漏れ
b) 冷房能力
c) 冷房消費電力
d) 暖房標準能力
e) 暖房標準消費電力
f) 電熱装置の消費電力
g) 温度
h) 絶縁抵抗及び耐電圧
i) 騒音
注5) 受渡検査とは,既に形式検査に合格したルームエアコンと同じ設計・製造による製品の受渡し
に際して,必要と認められる品質項目を満足するかどうかを判定するための検査をいう。

10 製品の呼び方

  製品の呼び方は,名称,種類,相数,定格電圧及び定格周波数による。ただし,次のものは,省略して
もよい。
− 定格周波数
− 空冷式の場合,凝縮器の冷却方式による種類
− 単相100 Vの場合,相数
なお,能力の種類は,定格冷房能力による種類で呼ぶ。
例1 ルームエアコンディショナ 2.2/2.5 kW 単相 100 V 50/60 Hz 冷房専用
空冷式 ウインド形
例2 ルームエアコン スプリット形 2.8/3.2 kW 三相 200 V 50/60 Hz 冷暖兼用

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例3 ルームエアコン セパレート形 2.8/3.2 kW 50/60 Hz 100 V
冷房・ヒートポンプ暖房
例4 ルームエアコン ヒートポンプ式スプリットタイプ 2.8/3.2 kW 単相 200 V 50/60 Hz

11 表示

11.1 製品表示

  ルームエアコンには,通常の据付状態で見やすい箇所6)に容易に消えない方法で,表10に規定する表示
事項を表示する。
なお,表10に規定する表示事項は,ルームエアコンの機能による種類に従って○印の項目について表示
する。
注6) 見やすい箇所とは,外郭の表面又は工具などを用いないで容易に操作できる蓋で覆われた外郭
の内部の表面をいう。

11.2 包装表示

  包装する場合には,包装ごとに表面の見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
a) 名称
b) 種類
c) 製造業者名又はその略号
表10−表示事項
表示事項 冷房専用 冷房・暖房兼用 冷房・電熱装置
暖房兼用
1) 名称a) ○ ○ ○
2) 機能及びユニットの構成による種類b) ○ ○ ○
3) 定格冷房能力(kW)c) ○ ○ ○
4) 定格暖房標準能力(kW)c) ) − ○ −
5) 定格暖房低温能力(kW)c) ) ) − ○ −
6) 凝縮器の冷却方式による種類d) ○ ○ ○
7) 定格電圧(V) ○ ○ ○
8) 相数e) ○ ○ ○
9) 定格周波数(Hz)c) ○ ○ ○
10) 定格冷房消費電力(kW)c) ) ) ○ ○ ○
11) 定格暖房標準消費電力(kW)c) ) ) − ○ −
12) 定格暖房低温消費電力(kW)c) ) ) − ○ −
13) 通年エネルギー消費効率j) ○ ○ −
14) 冷房運転電流(A)c) ) ) ○ ○ ○
15) 暖房運転電流(A)c) ) ) − ○ ○
16) 冷房運転力率(三相電源に限る。)c) ) ) ○ ○ ○
17) 暖房運転力率(三相電源に限る。)c) ) ) − ○ −
18) 始動電流(A)c) ) ○ ○ ○
19) 電熱装置の定格消費電力(kW)f) ) ○ ○ ○
(後取付けできるものは,その旨を示すか,又は括弧内に示す。)
20) 定格冷房騒音(室内側及び室外側)(dB)c) ) ) ○ ○ ○
21) 定格暖房騒音(室内側及び室外側)(dB)c) ) ) − ○ −
22) 冷媒名又はその記号及び冷媒封入量(kg)f) ) ○ ○ ○
23) 製造業者名又はその略号(商標など) ○ ○ ○

――――― [JIS C 9612 pdf 25] ―――――

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