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EE.3.4 自動作動の機能
EE.3.4.1 タイプ1又はタイプ2として分類される制御装置
タイプ1の制御装置は,固有の安全性を判定するために完全な試験をするが,新しい条件におけるか又
は規定の耐久性試験後のいずれかでは,動作温度の一貫性を判定するための試験は行わない。したがって,
タイプ1の制御装置は,制御対象機器の性能又は安全性という面で制御温度が重要な意味をもたないよう
な用途で使用するように意図されている。
タイプ2の制御装置は,固有の安全性及び動作温度の一貫性に関して,いずれも新しい状態で試験して,
動作温度が製造業者の宣言した製造偏差の範囲内にあることを確認すると同時に,規定の耐久性試験後の
動作温度の変化(ドリフト)についても確認する。
製造偏差及びドリフトの両方ともに,制御装置の製造業者が宣言することに注意が必要である。したが
って,制御装置の使用者は,宣言された製造偏差及びドリフトを考慮して,用途に適した,また,その要
求事項を満たす制御装置を確実に選択することが望ましい。
タイプ1作動及びタイプ2作動は,EE.3.4.2及びEE.3.4.3に概要を示す,次の構造上又は動作上の一つ
又は複数の機能に従ってさらに分類する。
これらの再分類は,関連性のある宣言がされていて,かつ,該当する試験が完了している場合に限って
適用することができる。
複数の機能を実施する作動は,例えば,タイプ1.C.L又は2.A.Eのように,該当する文字を組み合わせ
て分類してもよい。
手動作動については,この箇条に従った分類をしない。
EE.3.4.2 構造上の機能
次の構造上の機能を宣言することができる。これらの機能の制御装置の設計への採用は,制御装置の最
終使用目的,機器内部での用途,又はこれを内蔵する機器のタイプに依存する。
− 故障に対して瞬間的にでも再閉路できないトリップフリー機構(タイプ1.D又は2.D,6.4.3.4参照)。
このタイプの機構は,機器が故障条件にあるときに,接点の非常に短時間の再閉路だけで故障条件
を拡大する原因となり得る場合に,一部の機器規格で要求されることがある。一例に,このような再
閉路が安全弁を動作させて蒸気を放出させることがある。
− 故障の継続に対して,接点が開放するのを防止できないか又は閉路状態を維持できないトリップフリ
ー機構(タイプ1.E又は2.E,6.4.3.5参照)。
一例に,過電流故障がまだ存在しているのを検出するために,瞬間的に再閉路する必要があるか又
は再閉路できる電流検出制御装置がある。このタイプの機構は,例えば,電気ルームヒータのように,
非常に短時間の再閉路が制御対象機器の故障条件に重大な悪影響を及ぼさない用途で許容される。
− 工具を使用してしか復帰ができない作動(タイプ1.F又は2.F,6.4.3.6参照)。
このタイプの作動は,例えば,特定のタイプの故障の後で熟練者によるサービスが必要な場合に必
要となる。
− 電気的に負荷を受けている条件下では復帰するように意図されていない作動(タイプ1.G又は2.G,
6.4.3.7参照)。
このタイプの作動は,低いレベルの接点仕様とするため,又は機器をオフ状態から再起動する必要
がある場合に使用できる。
− 接点が開放することを防止することができず,また,復帰手段が復帰位置に保持されている場合は,
通常動作を回復した後で自動的に閉位置に復帰できるトリップフリー機構(タイプ1.H又は2.H,
――――― [JIS C 9730-2-9 pdf 36] ―――――
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6.4.3.8参照)。
− 接点が開放することを防止することができず,また,復帰手段が復帰位置又はオン位置に保持されて
いる場合は,自動復帰装置として機能することが認められないトリップフリー機構(タイプ1.J又は
2.J,6.4.3.9参照)。
EE.3.4.3 動作上の機能
次の動作上の機能を宣言することができる。これらの機能の制御装置の設計への採用は,制御装置の最
終使用目的,機器内部での用途,又はこれを内蔵する機器のタイプに依存する。
− 検出作動については,検出素子又は検出素子をスイッチヘッドに接続している部品の破壊の結果とし
て,動作値が増加しない(タイプ1.K又は2.K,6.4.3.10参照)。
このタイプの設計は,例えば,加圧形温水器において,温度検出素子の破壊後の温度又は圧力が過
大になるのを防止するために使用することができる。
− 停電したときに,外部補助電源又は外部電源とは関係なく,意図された機能を果たすように設計され
ている作動(タイプ1.L又は2.L,6.4.3.11参照)。
− 宣言されたエージング期間の終了後に実施する作動(タイプ1.M又は2.M,6.4.3.12参照)。
このタイプの作動は,例えば,自己清掃形オーブンのように,その寿命の大部分を正常な運転温度
において過ごし,また機器の故障条件を検出したときに確実に動作する必要のある保護制御装置で必
要になる。
EE.3.5 制御装置の汚損状況
制御装置は,その外郭によって提供される,水の有害な浸入及び固体物(じんあい)の侵入に対する保
護の度合いに従って分類する。これらの分類はJIS C 0920に従うものであり,IPコードとして知られてい
る。IP00として表される制御装置は外郭のないものであり,したがって,水の浸入及びじんあいの侵入に
対する保護は,この制御装置が組み込まれている機器による保護に依存している。
特定の環境で使用するように意図された制御装置は,適切な措置が機器に設けられているなら,異なる
環境で使用してもよい。
EE.3.6 接続方法
固定配線の接続用として意図された端子を,少なくとも一つもつ制御装置。
(対応国際規格には,カナダ及びアメリカ合衆国で適用する情報を記載した段落があるが,この規格で
は採用しない。)
可とうコードの接続用として意図された端子を,少なくとも一つもつ制御装置。
固定配線及び可とうコードは,外部導体として定義される。
制御装置は,上記の両方のタイプの端子について分類してもよい。
外部導体の接続用として意図された端子を,全くもたない制御装置。
このタイプの制御装置は,一体形導体又は内部導体だけの接続用として意図されている。
外部導体とは,その一部がインラインコード形制御装置若しくは独立取付形制御装置の外部にあるか,
又は制御装置をその内部若しくは上部に取り付けた機器の外部にある導体である。
内部導体とは,外部導体でも一体形導体でもない導体である。この内部導体には,制御装置の外部にあ
るが,ただし機器の内部にある導体が含まれる。
一体形導体は,制御装置の内部にある導体か,又は制御装置の端子若しくは端末を永久的に相互接続す
るために使用される。
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EE.3.7 スイッチヘッドの周囲温度限度
スイッチヘッドは,温度検出素子を除く,制御装置のすべての部品として定義する。構造上,スイッチ
ヘッドと温度検出素子との区別ができない場合は,制御装置全体を検出素子とみなす。
周囲温度の宣言がされていない場合,周囲温度は,最低値 (Tmin) の0 ℃と最高値 (Tmax) の55 ℃との
間にあるものと仮定する。このほかの値を宣言してもよいが,最高値 (Tmax) は30 ℃を下回ってはならず,
最低値 (Tmin) は0 ℃を上回ってはならない。
Tmaxの望ましい値は,30 ℃,55 ℃,70 ℃,85 ℃,105 ℃,125 ℃及び150 ℃である。Tminの望まし
い値は,0 ℃,−10 ℃,−20 ℃,−30 ℃及び−40 ℃である。
これらの望ましい値と異なる値も許容する。
EE.3.8 感電に対する保護
この分類は感電に対する保護を提供する方法を対象とするものであり,必要な保護を提供するために使
用する接地及び/又は絶縁,若しくは超低電圧の組合せである。
クラス0,クラス0I,クラスI,クラスII及びクラスIIIとして知られた,五つのタイプの保護がある。
これらクラスの定義は,JIS C 9730-1の2.7.22.7.6で詳述されている。
この分類は,次のような制御装置の各タイプで異なってくる。
一体形制御装置は分類されないが,一体化された機器の分類に入る。
組込形制御装置は,クラス0,クラス0I,クラスI,クラスII又はクラスIIIの機器で使用するように分
類される。
インラインコード形制御装置,自立構造形制御装置又は独立取付形制御装置は,クラス0,クラス0I,
クラスI,クラスII又はクラスIIIとして分類される。
EE.3.9 回路の断路又は開路
接点分離は,次のタイプの一つに従って分類する。
− 完全断路
− マイクロ断路
− マイクロ開路
− 全極断路
− 電子的断路,H.28を参照
一部の機器規格には完全断路を要求するものもあるし,他の規格では完全断路又はマイクロ断路のいず
れかでもよいとするものもある。規格によっては,マイクロ断路だけを要求しているものもある。
制御装置の次のような異なる作動は,回路の断路又は開路を異なるものにすることがある。
・ 完全断路 : 接地を除くすべての電源電極における接点分離であり,主電源と断路対象の部品との間の
基礎絶縁に相当する。
このタイプの断路は,電気的絶縁が必要な状況に対して意図されるものである。一部の機器規格では,
サービス中などに断路した部品に接触する可能性のある状況の場合,3 mmの物理的接点ギャップを要求
している。
・ マイクロ断路 : 少なくとも一つの極で十分な接点分離を提供することで,機能上の安全を確保する。
マイクロ断路は,非検出制御装置の場合は,断路によって制御される機能が確保されること,また,検
出制御装置の場合は,表7.2の項目36で宣言されている作動量の限度値の間で機能が確保されることを意
味する。
このタイプの断路は電気的絶縁を提供することを意図しているのでなく,また,過渡過電圧条件の間に
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フラッシオーバが発生することがある。
制御装置の極数がその制御装置と接続されている機器の電源極数と等しい場合は,完全断路によって全
極断路を提供する。
・ マイクロ開路 : 接点分離,サイクル作動又は非サイクル作動による回路の開路であって,完全断路又
はマイクロ断路は提供しない。
このタイプの開路は通常,例えば,オフ位置が表示されていない自動温度調節器に適用できる。
・ 全極断路 : 単相交流器具及び直流器具の場合は,単一の開閉動作による両方の電源導体の断路,又は
三つ以上の電源導体に接続する器具の場合は,単一の開閉動作による,接地導体を除いた,
すべての電源導体の断路。
保護接地導体は,電源導体とみなさない。
全極断路は,完全断路又はマイクロ断路のいずれかを提供することになる。
・ 電子的断路 : 機能的断路のための回路の電子装置による非サイクル断路で,少なくとも一つの極にお
いて一部の電気的要求事項を満たすことで,エアギャップの手段によるもの以外の断路
を提供する。
電子的断路は,用途においてマイクロ断路と類似のものであるが,オフ条件において電源波形の半サイ
クルを伝導すると危険な結果になり得るような,ある種のタイプの用途には適していないことがある。
EE.3.10 各手動作動の操作サイクル数 (M)
望ましい値は,次のとおりである。
− 100 000サイクル
− 30 000サイクル
− 10 000サイクル
− 6 000サイクル
− 3 000サイクル2)
− 300サイクル3)
− 30サイクル3)
EE.3.11 各自動作動における自動サイクル数 (A)
望ましい値は,次のとおりである。
− 300 000サイクル
− 200 000サイクル
− 100 000サイクル
− 30 000サイクル
− 20 000サイクル
− 10 000サイクル
− 6 000サイクル
− 3 000サイクル3)
− 1 000サイクル3)
− 300サイクル4)
− 30サイクル4), 6)
− 1サイクル5)
注2) 電圧タップ制御装置,温水器用の夏期又は冬期制御装置,該当する機器規格で認められる場
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合などのように,特定の機器及び用途に対する制御装置の作動だけに適用する。
複数の手動作動をもつ制御装置の場合は,それぞれの作動について異なる値を宣言しても
よい。一つの制御装置が複数の意図的なオフ位置をもつ場合,操作サイクルは一つのオフ位
置から次のオフ位置への移動とみなさなければならない。
3) 自動温度調節器又はその他の高速サイクル作動には適用しない。
4) 手動復帰だけに適用する。
5) 各動作後に部品の交換を必要とする作動だけに適用する。
6) 製造業者のサービス中だけに復帰できる。
複数の自動作動をもつ制御装置の場合は,それぞれの作動について異なる値を宣言してもよい。
EE.3.12 制御装置の取付面の温度限度値
制御装置は,次のように分類できる。
− 6.7で分類した周囲温度を,20 Kを超えて上回ることのない表面に取り付けるのに適した制御装置
− 6.7で分類した周囲温度を,20 Kを超えて上回る表面に取り付けるのに適した制御装置
このような制御装置の一例に,冷凍機のコンプレッサユニットに取り付ける装置があるが,この場合,
検出素子の温度が−10 ℃で周囲温度が30 ℃にすぎないのに,取付面が150 ℃になることがある。
EE.3.13 使用絶縁材料の耐トラッキング指数 (PTI)
PTIの値は,次のとおりである。
− PTIが100以上175未満の材料グループIIIbの材料
− PTIが175以上400未満の材料グループIIIaの材料
− PTIが400以上600未満の材料グループIIの材料
− PTIが600以上の材料グループIの材料
EE.3.14 充電部支持用絶縁部品及び充電部と接地した金属との間に加わる電気的ストレスの期間
絶縁部を横断する電気的ストレスは,次に従って分類する。
− 短時間
− 長時間
制御装置を連続使用する機器内で使用する場合は,長時間の電気的ストレスが存在するとみなす。また,
プラグの引抜きによって,又は完全断路を行う制御装置の動作によって電源から断路されそうにない,そ
の他の機器内の制御装置の電源側でも長時間の電気的ストレスが存在するとみなす。
現時点では,この分類は使用しておらず,また試験も規定されていない。
EE.3.15 構造
構造は,次のタイプに従って分類する。
− 一体形制御装置
− 組込形制御装置
− インラインコード形制御装置
− 自立構造形制御装置
− 次のような独立取付形制御装置
− 露出形
− 埋込形
− パネル取付形
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JIS C 9730-2-9:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60730-2-9:2008(MOD)
JIS C 9730-2-9:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 97 : 家庭用及び商業用設備.娯楽.スポーツ > 97.120 : 家庭用自動制御
- 29 : 電気工学 > 29.130 : 開閉装置及び制御装置 > 29.130.20 : 低電圧開閉用及び制御装置
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.200 : 熱力学及び温度測定 > 17.200.20 : 温度測定機器
JIS C 9730-2-9:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC6575:1975
- 電子機器用筒形ヒューズ
- JISC8305:2019
- 鋼製電線管