この規格ページの目次
- 3.4 安全(Safety)
- 3.5 安全度基準(Safety Level)
- 3.6 安全関連系(Safety-Related System)
- 3.7 安全機能(Safety Function)
- 3.8 危害(Harm)
- 3.9 潜在危険(Hazard)
- 3.10 危険状態(Hazardous Situation)
- 3.11 危険事象(Harmful Event)
- 3.12 リスク(Risk)
- 3.13 許容可能リスク(Tolerable Risk)
- 3.14 残留リスク(Residual Risk)
- 3.15 リスク算定(Risk Estimation)
- 3.16 リスク分析/解析(Risk Analysis)
- 3.17 リスクの評価/査定(Risk Evaluation)
- 3.18 リスクアセスメント(Risk Assessment)
- 3.19 リスクマネジメント(Risk Management)
- 3.20 防護策/防止措置(Protective Measure)
- 3.21 安全方策(Safety Measure)
- 3.22 意図する使用(Intended Use)
- 3.23 合理的に予見可能な誤使用(Reasonably Foreseeable Misuse)
- 3.24 フォールト(Fault)
- 3.25 エラー/過誤(Error)
- 3.26 故障(機能失敗)(Failure)
- 3.27 インシデント(Incident)
- 4.1 この規格への適合
- 4.2 文書化
- 4.2.1 目的
- 4.2.2 文書化に関する要求事項
- 4.3 安全機能の管理及び要求事項
- 4.3.1 製品又は付帯サービスの実施
- 4.3.2 システムにおけるライフサイクルの安全性維持
- 5. ライフサイクル要求事項
- JIS F 0076:2004の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS F 0076:2004の関連規格と引用規格一覧
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F 0076 : 2004
3.4 安全(Safety)
人命,財産,環境の一つ又はそれ以上の組合せに関し,許容不能なリスクがないこ
とをいう(ISO/IEC Guide 51参照)。
参考 残留リスクが許容可能リスクである。
3.5 安全度基準(Safety Level)
システム/機器類が特定の安全機能に関し必要なリスク軽減を満足す
る確からしさを示す尺度。
参考 JIS C 0508-1-7では安全度水準(SIL : Safety Integrity Level)として14段階,JIS B 9705-1
ではカテゴリーとしてB,14段階に安全度基準を定義・分類している。この規格では,JIS C
0508-1-7を用いる以外は,Levelを基準と訳す。
3.6 安全関連系(Safety-Related System)
要求される安全機能を行い,かつ,必要な安全度基準(JIS C
0508では水準)を達成するシステム(JIS C 0508-1-7参照)
3.7 安全機能(Safety Function)
その機能不良がリスクを直接増加させる機械の各種機能(JIS/TR B
0008参照)。この機能は特定の危険事象に対して,安全な状態を達成又は保持をする。
参考 機能安全(Functional Safety) : 安全関連系の正常な機能に依存する部分(JIS C 0508-1-7に特
化した用語)。
3.8 危害(Harm)
身体の障害,所有物の毀損又は環境破壊の結果生じる人の健康逸脱(ISO/IEC Guide
51参照)。
3.9 潜在危険(Hazard)
危害の潜在的な源。短時間での人への危害の他,長期にわたる健康への影響
を含む(ISO/IEC Guide 51参照)。危険源ともいう。
3.10 危険状態(Hazardous Situation)
人が潜在危険に暴露されている状況(ISO/IEC Guide 51参照)。
参考 安全な状態(Safe State) : 安全が達成されている被制御系(EUC,Equipment Under Control)の
状態(JIS C 0508-4参照)。
3.11 危険事象(Harmful Event)
危険状態によって危害が生じる事象(ISO/IEC Guide 51参照)。
3.12 リスク(Risk)
危害発生の蓋然性と危害の過酷さの組合せ(ISO/IEC Guide 51参照)。
3.13 許容可能リスク(Tolerable Risk)
現今の社会的価値観から受け入れられるリスク(ISO/IEC Guide
51参照)。
3.14 残留リスク(Residual Risk)
安全措置が取られた後に,なお残存するリスク(ISO/IEC Guide 51
参照)。
3.15 リスク算定(Risk Estimation)
リスクを把握し,危害を回避又は限定する技術的及び人間的可能
性を決定すること(JIS B 9702及びJIS Q 2001参照)。
3.16 リスク分析/解析(Risk Analysis)
利用可能な情報を用いて,危険源を同定すること及びリスクを
見積もること(ISO/IEC Guide 51参照)。
3.17 リスクの評価/査定(Risk Evaluation)
リスク分析に基づき,許容リスクが達成されたかどうか
の判断(ISO/IEC Guide 51参照)。
3.18 リスクアセスメント(Risk Assessment)
リスク分析及びリスク評価のすべてのプロセス(ISO/IEC
Guide 51参照)。
3.19 リスクマネジメント(Risk Management)
リスクに関して組織を指揮し管理する調整された活動。
備考 リスクマネジメントは一般にリスクアセスメント,リスク対応,リスクの受容及びコミュニケ
ーションを含む(ISO/IEC Guide 73参照)。
3.20 防護策/防止措置(Protective Measure)
リスクを低減する方策。安全設計,防護装置,使用上の
情報及び訓練を含む(ISO/IEC Guide 51参照)。
――――― [JIS F 0076 pdf 6] ―――――
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3.21 安全方策(Safety Measure)
設計段階で組み込まれる方策及び使用者が実施する必要のある方策の
組合せによりなる(JIS/TR B 0008及び0009参照)。
注 防護方策とほぼ同意味。
3.22 意図する使用(Intended Use)
供給者が提供する情報に準拠した製品,プロセス又はサービスの使
用(ISO/IEC Guide 51参照)。
3.23 合理的に予見可能な誤使用(Reasonably Foreseeable Misuse)
供給者が意図しない方法であり,容
易に予想しうる人間の挙動から生じる製品,プロセス又はサービスの使用(ISO/IEC Guide 51)。
参考 予見可能な誤操作や誤使用とは,通常の人間的要素に加えて,性能の限界,故障や緊急操作時
に起こりうる機器の使用を指す。
3.24 フォールト(Fault)
必要機能を実行できないようなすべての状態。障害又は不具合。
3.25 エラー/過誤(Error)
真の値もしくは状態と観察・測定された値又は状態の不一致(JIS C 0508-1
-7参照)。
3.26 故障(機能失敗)(Failure)
所要の機能を実行する能力がなくなること(JIS C 0508-1-7参照)。
参考 時系列的にはfault が原因となって,システム・機器のfailureとなる。
3.27 インシデント(Incident)
事故には至らなかったが,船舶の運用に関連して,人や船舶に危険を感
じた出来事,又は構造物や環境に損害が生じた可能性がある出来事。
4. 規格適合性要求事項
4.1 この規格への適合
性 システム構築に当たっては要求される安全度を目標として定め,システムが必要とする要求事項を満足するように,この規格の各項を適用する。4.2 文書化
4.2.1 目的
この規格の5.及び7.に示すライフサイクルのすべてのフェーズを効果的に遂行し,目標とす
る安全度基準が確保できるように文書化する。この規格への適合を確認するに必要な情報を十分に包括す
るように記録し,文書化する。
4.2.2 文書化に関する要求事項
文書化に当たっては次のa) h)を満足しなければならない。
a) 文書は意図された目的に合致している。
b) ライフサイクルに亘ってのリスクアセスメントとそのリスク軽減プロセスの記述。
c) 文書はシステム・機器の現場使用者が容易に理解できるようにする。
d) 文書は参照が容易で,保全しやすく全ライフサイクルにわたって使用できる。
e) 合理的にリスク軽減出来なかった残留リスクは文書化により明確に使用者及び評価者に伝達する。
f) 適正に評価された証として,評価関係者の氏名,所属,専門分野を明記する。また,安全評価を行い,
妥当性を確証する認証団体の評価を受けた場合はその結果を維持する。
g) 6.1に示す対象システムの位置付けと,6.2に示すような対象とする危険事象(Harmful Event)を記録
する。
h) 7.に示すステップごとに情報を記録する。
備考 検討対象によっては,過去の事例経験や対象の性質などによって7.のステップのうちの幾つか
を省略できる場合もあるが,その場合も事由を明記する。
4.3 安全機能の管理及び要求事項
――――― [JIS F 0076 pdf 7] ―――――
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4.3.1 製品又は付帯サービスの実施
製品としてのシステムの提供又はサービスを提供するものは,製品
の意図する使用の条件下での安全性を考慮するだけではなく,意図する使用以外に合理的に予見可能な
(Reasonably Foreseeable)誤操作(Miss Operation)及び誤使用(Misuse)も配慮しなければならない。
誤操作及び誤使用に対する方策は,原因系と結果系の対策が必要である。それらは固有安全設計と各種
支援装置によるエラーの回避策(原因系排除設計/エラートレランス),補償策(結果系拡大防止/エラー
レジスタンス),警報装置,適切な使用マニュアルなどによって,使用者が容易にエラーの対応ができ,操
作しやすい運用を促すことである(寿命,劣化については4.3.2参照)。この項はPL(製造物責任)に係わ
る。
4.3.2 システムにおけるライフサイクルの安全性維持
許容されるリスクは社会の価値観,技術の進歩な
どによって,変化するものであり,恒常的なものでない。したがって,システムは危険事象・ヒヤリハッ
ト・危険内容,使用環境等に応じて,管理者は定期的に見直し・改善することが必要である。定期的とは
システムの内容,使用者等の思想による。このため,システム,製品やサービスの安全性をライフサイク
ルにわたって継続的に成長・維持できるようなシステムにしておくことが必要である。そのため,当直者
が運用中に気付いた危険性や直面したニアミス等の危険状態,危険事象のためのレポーティングシステム
が必要になる。
設計・開発から廃棄に至るまでのライフサイクルにわたる安全性評価について次の事項に留意する。
a) 設計段階でリスクアセスメントを実施する。リスクを軽減できない残留リスク(Residual Risk)と,
システムの運用環境を考慮した,点検整備のタイミングとその保全対象項目,部品,劣化の判定法な
どを明確に文書化する。この際,設計の不備を単なる使用上の情報で補ってはならない。
b) 7.5に示す運用による評価により,設計段階に行った安全評価に修正すべき点があれば,システムを再
レビューする。
c) ライフサイクルにわたって安全を確保する活動の基本として次の1)7)に留意する。
1) 組織的に計画し構築する。
2) 時代の価値観に適合した安全の水準を全ライフサイクルにわたって維持する活動を行う。
3) 人間要素を配慮した活動とする
4) 検証・妥当性実証活動を継続する。
5) 関係者は品質マネジメントシステム等の既存規格を考慮する。
6) 活動を確認するため,それを文書化する。
7) 運用段階においてシステムに関して危険源になる人間要素等は,その都度抽出して,システムに合
理的にフィードバックさせる機能を保持する。
5. ライフサイクル要求事項
この規格では,対象とするシステムの安全関連系に要求される安全度基準
の達成に必要なすべての業務を系統的方法で取り扱うための技術フレームワークとして,図1に示すライ
フサイクルを用いる。
備考 図1のライフサイクルの安全概念は,この規格にシステムが適合していることを主張するため
の基盤として用いるが,この規格の各項の要求事項への適合を条件として図1と異なるライフ
サイクルを用いることができる。
図1のライフサイクルの安全要求事項を表1に示す。これらは現実を単純化して組み立てられている。
従って,特定のフェーズ又はフェーズ間に関する繰返し過程のすべてを明示はしていない。
――――― [JIS F 0076 pdf 8] ―――――
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使用者
[10] 適切な継続
設計者
的安全性成長のラ
イフサイクル活動
[1] 概念,基本安全仕
様,要求事項
部分改修,改造,
劣化診断等
・安全評価
・・の繰返し
[2] 安全関連系開発設計の計画
[9] 運用評価,検証
・システムの安全性定義と目標,
リスク解析
安
・許容安全性の目標
全 ・設計方針/人間中心設計 [8] 運用,保全
設 ・要求事項,妥当性計画 及び修理
・ライフサイクルの設計
計
・緊急時対応設計
評 ・事故事例/ 安全の指標
・関連諸規則 [7] 引渡し,設置
価
の
た
め [6] 安全妥当性
確認/評価
の
指
針 [3] 設計及びレビュー
・開発/設計の結果に対する評価
・要求事項の組込み
・機能,安全方策の設定
製造業者
[4] 設計の検証,適合性確認/評価
[5] 製造
・検査,試験
図 1 ライフサイクルの安全活動の概念
――――― [JIS F 0076 pdf 9] ―――――
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注(1) 図1において,[ j ]の中で示す数字jは使用者と設計者間で行われる設計,製造契約時に決定さ
れる安全基本仕様を起点として,ライフサイクルに渡って行われる事柄を順に示したものであ
る。
注(2) j]の概略の事柄で,実線での四角囲いは,使用者,設計者,製造業者のいずれか,もしくは二
者以上で行われることを示す。点線での四角囲いは,使用者,設計者,製造業者に中立的第三
者が加わり,安全に関する確認評価が行われることを示す。
注(3) 指針の枠からブロック矢印( )で示す[ j ]の枠は,この事柄の実施に際し,特に指針を参照す
べきことを示している。
注(4) 太い点線( )(設計者欄)で囲まれる範囲は,主として設計者,製造業者において
行われる範囲を示す。 短点線( )(使用者欄)で囲まれる範囲は,主として使用者に
おいて行われる範囲を示す。両点線の範囲で重なる範囲は,使用者と設計者及び/もしくは製造
業者が共に関係する範囲である。
表 1 ライフサイクルの安全要求事項
ライフサイクル
目的/基本実施事項 考慮すべき事項
フェーズ
[1] 基本安全仕様 対象システムはタイプ船もしくは同
設計,建造の契約時の仕様決定におい
・対象とするシステム 系の船で安全上問題になったシステ
て,特定対象に対し,この規格適用は,
・達成すべき安全の水準 ム,及び新規開発をもつ機器及びシス
使用者,設計者,製造業者間の合意に
・基本的な検討事項,評価方法 よる。 テムである。
及び手順
[2] 安全関連系設計,計画 安全関連系の各要素に割り当てる安潜在危険,危険源の同定において,シ
全機能を決定する。
・詳細な設計展開に先立ち,要求事項, ステムのハードな機能に対するもの
配慮すべき事項をリストアップす は勿論であるが,使い易さに関する人
根幹となる安全評価を実施する。潜在
る。 間中心設計,部品劣化,保守等を配慮
危険,危険源の同定,リスク解析を実
・対象システムを構成するサブシステ したライフサイクル,及び緊急時のシ
施し,サブシステム,機器の設計上の
安全要求事項を決定する。
ム,機器ごとに確保すべき安全度基 ステムの機能,作動は十分考慮すべき
安全性の検証方法を立案する。
準(SIL,カテゴリー等)を決定する。 である。
サブシステム及び機器のリスク解析
に基づく,安全要求事項は,必要なリ
スク軽減と残留リスクの選定である。
[3] 設計及びレビュー システム,機器の故障確率,予見され
関係するすべての安全関連系に対し,
サブシステム,機器ごとに割り当てら
安全機能とすべての安全要求事項にる誤使用を考慮する。
れた安全要求事項を満たす設計を行 船級規則,国際条約への適合を確認す
関る仕様を満足するように設計し,そ
い,チェック,レビューを行う。 る。
の達成度をチェックし,設計者,使用
割り当てられた安全度の要求の達成
者及び第三者の合議,合意によるレビ
ューをする。 が困難な場合,外的リスク軽減策等に
よる安全方策を実施することとし,[2]
の計画を修正し,再度レビューする。
[4] 設計検証 本段階で,製造後の安全妥当性の確
すべての安全関連系に対し,所定の解
析,評価が行われ,計画された安全度
設計がこの規格に沿い,計画された安 認・評価方法,運用による検証・評価
を確保していることを確認する。
全基準に適合していることを確認し, 方法及びライフサイクルの保全計画
評価する。 を確認する。
[3]において安全方策が追加された場
合,その妥当性・評価方法を決定する。
[5] 製造 JIS Q 9001のもとに製造する。
製造計画に沿って,工程内検査,試験
品質,性能を確保する。 を行う。
――――― [JIS F 0076 pdf 10] ―――――
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JIS F 0076:2004の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.100 : 職業安全.産業衛生
JIS F 0076:2004の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0508-1:2012
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第1部:一般要求事項
- JISC0508-2:2014
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第2部:電気・電子・プログラマブル電子安全関連系に対する要求事項
- JISC0508-3:2014
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第3部:ソフトウェア要求事項
- JISC0508-4:2012
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第4部:用語の定義及び略語
- JISC0508-5:2019
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第5部:安全度水準決定方法の事例
- JISC0508-6:2019
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第6部:第2部及び第3部の適用指針
- JISC0508-7:2017
- 電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全―第7部:技術及び手法の概観
- JISQ9001:2015
- 品質マネジメントシステム―要求事項