JIS G 0404:2014 鋼材の一般受渡し条件 | ページ 2

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注1) 真空アーク溶解(VAR),エレクトロスラグ再溶解(ESR)など溶鋼から分析用試料が採取でき
ない場合は,鋼塊,鋼片又は鋼材から採取した分析用試料によって分析を行い,溶鋼分析に適
用する。
3.11
製品分析(product analysis)
製品について実施する化学成分の分析。
3.12
組試験(sequential testing)
注文者及び/又は製品規格の要求を満足していることを示すために,平均及び/又は個々の試験結果を
求める一組の試験。
3.13
製造業者(manufacturer)
注文書の要求内容,及び関連する製品規定に従って製品を製造する組織。
3.14
中間業者(intermediary)
製造業者によって製品を供給され,その製品に加工を全く加えないか,又は注文書の要求内容及び製品
規定の特性に影響を与えない範囲での切断加工などを行う組織。
注記 中間業者としては,コイルセンタ,シヤリング業,問屋などがある。
3.15
加工業者
製造業者によって製品を供給され,製品に加工を加える組織。
注記 製造業者が発行する検査文書の取扱い及び加工業者の追加文書については,箇条6を参照。

4 注文者によって提示される情報

4.1   注文者は,意図する加工方法及び用途を考慮して,鋼の種類,製品の形状及び寸法を選定しなけれ
ばならない。その選定に当たって,製造業者の助言を参考にしてもよい。
注文書は,製品及び要求特性,並びに次に示すような受渡しに関する詳細を提示しなければならない。
a) 注文製品の質量,長さ,面積,数量
b) 製品形状(場合によっては,例えば,図面番号)
c) 表示寸法
d) ) 及びc) の許容差
e) 鋼の種類の記号
f) 受渡状態(熱処理の種類,表面処理など)
g) 表面品質及び/又は内質の特別要求
h) 製品規格で規定していない場合,検査文書の種類及び検査・試験の要求内容
i) JIS Q 9001の品質保証システムを適用する場合は,その規格番号
j) 表示,包装及び荷積みに関する要求内容
k) 製品規格のオプション(選択)要求事項
4.2 4.1の諸情報は,次のいずれかの方法で規定しなければならない。
a) 一つ又は複数の日本工業規格(日本産業規格)を引用する。

――――― [JIS G 0404 pdf 6] ―――――

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b) 日本工業規格(日本産業規格)がない場合,要求される特性及び条件を規定する。
c) 日本工業規格(日本産業規格)を発行年の指定なしで引用した場合,注文が成立した時点での有効な最新年度版を適用
する。日本工業規格(日本産業規格)の発行年を指定する特別な場合は,適用する年度版について受渡当事者間で協定
しなければならない。
1試験単位
2供試製品
3供試材
4粗試験片
5試験片
図1−箇条3に定義する用語の例

5 製造工程

  受渡当事者間の協定がある場合又は製品規格に規定している場合を除いて,製造工程は,製造業者の選
択による。
注記 製造工程には,製品受渡しまでの全ての作業を含む。

6 中間業者又は加工業者による供給

  注文者の要求がある場合,中間業者又は加工業者は,JIS G 0415に規定する製造業者の検査文書を注文
者へ提出しなければならない。
この製造業者からの文書には,製品と文書との関連性を明確にするための適切な識別手段を含んでいな
ければならない(箇条14参照)。
中間業者が製品の寸法2) に変更を加えた場合は,中間業者は,この新しい変更を示す付帯的な文書を注
文者に提出しなければならない。
加工業者は,注文書の要求内容及び製品規定内容に関して変化する特性について加工業者が自ら検査し,

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追加文書に加工の種類及び検査結果を記載しなければならない。ただし,リコイリングなどの軽度な加工,
又は切断時の局部的な加熱若しくは塑性変形は含まない。
注2) ここでの寸法とは,例えば,鋼板・鋼帯の幅及び長さ,又は棒鋼の長さのことであり,板厚及
び径を含んでいない。

7 一般要求

7.1 一般

  製品は,注文書の要求内容に適合しなければならない。製造業者は,要求される検査文書の種類に関係
なく,出荷品が注文書の要求内容に適合することを確かめるために,適切な工程管理,試験及び検査を行
わなければならない。試験を実施する際に,安全及び健康に対する危害の可能性がある場合には,規格の
利用者は,その責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

7.2 立会検査

  製造業者は,要求された場合には,出荷品の一部又は全量についての受渡試験及び検査が実施できる期
日を,検査代表者へ通知しなければならない。立会検査は,注文時に要求しなければならない。製造業者
及び検査代表者は,工場の通常の操業を妨げないように,試験・検査の日時を合意しなければならない。
製造業者は,立会検査の対象となる注文を記した検査通知書を,試験・検査作業の開始に遅れることな
く検査代表者へ届けなければならない。
製造業者は,検査代表者が,合意された試験・検査を行うために,合意された時間に試験・検査される
製品の在庫場所へ自由に行くことができるようにしなければならない。また,検査代表者は,規定に従っ
て,供試材を採取する供試製品を試験単位から選んでもよい。検査代表者は,供試材の採取,試験片の作
製(機械加工及び処理),試験などに立ち会う権利をもつ。ただし,検査代表者は,製造業者の工場内で適
用される全ての強制規則,特に安全規則を遵守しなければならない。工場は,工場の代表一人を検査代表
者に同行させる権利をもつ。試験・検査作業は,生産の通常の流れへの妨げが最小となるように,行わな
ければならない。

7.3 受渡検査及び試験

7.3.1  引合い及び注文時に提示される情報
製品規格に規定されていない場合,引合い及び注文は,次の項目を全て含んでいなければならない。
a) 要求される文書の種類,例えば,JIS G 0415の表1(検査文書の総括表)に規定する検査証明書3.1
又は検査証明書3.2など
注記1 検査証明書3.1は,JIS G 0415:1999の検査証明書3.1.Bである。
注記2 製品規格の報告の箇条で,“特に指定がない場合は,検査文書の種類は,JIS G 0415の表1
の3.1.B(検査証明書3.1.B)とする。”と記載されている場合があるが,これは,JIS G 0415
の検査証明書3.1のことを示している。
b) 試験頻度(9.2参照)
c) 供試材・試験片の採取及び作製のための要求内容(7.6参照)
d) 必要によって試験単位の識別表示
e) 試験方法(7.5参照)
f) 検査証明書又は検査報告書が外部検査員によって承認される場合には,検査団体の所在地
7.3.2 受渡検査及び試験の場所
製造業者の工場に必要な設備がない場合には,検査及び試験は,受渡当事者間で合意した場所,又は公

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認組織によって認定された施設で実施しなければならない。製造業者は,試験結果が判明するまで,製品
を出荷してはならない。

7.4 試験中のトレーサビリティ

  試験作業中,製造業者は,供試材及び試験片とそれらを採取した試験単位間とのトレーサビリティを確
保できるようにしなければならない。ただし,9.8.2.2によって再試験を行う場合は,製造業者は供試製品
と試験単位とのトレーサビリティを確保することなどによって,供試製品を試験単位から取り除いたり,
供試製品において再試験が行えるようにしなければならない。

7.5 試験方法及び機器

  試験方法は,該当する日本工業規格(日本産業規格)による。該当する日本工業規格(日本産業規格)がない場合は,注文時に受渡当事者
間で合意したほかの試験方法による[4.1 h) 参照]。
注文書又は製品規格に規定されている特性を試験するために,製造業者は,最終検査・試験に使用する
機器を,国家標準又はそれに準じる標準がある場合は,それと有効な相関関係をもつと認定された機器に
対して校正し,かつ,調整して,その状態に維持しなければならない。そのような標準が存在しない場合
は,校正の基準(basis)を文書化しなければならない。製造業者は,それらの機器の校正記録を維持しな
ければならない。測定・試験機器の精度は,規定値及びその許容差に対して十分なものでなければならな
い。
化学組成は,化学的,物理的又は分光化学的分析方法で定量してよい。係争を調停する場合は,採用す
る分析方法を協定しなければならない。
試験に適用する主な日本工業規格(日本産業規格)を参考文献に示す。

7.6 試験片採取条件及び試験片

  機械試験用供試材の調製は,JIS G 0416による。化学分析用試料の調製は,JIS G 0417による。
試験片の採取位置,方向及び調製は,JIS G 0416及びJIS G 0417,並びに製品規格の規定又は注文書の
要求による。製品規格の規定又は注文書の要求がない場合には,試験片の採取方向は,棒鋼・線材・線・
形鋼・平鋼は圧延方向(軸方向)に,鋼板・鋼帯・鋼管は,圧延方向(軸方向)又はその直角方向とする。
硬さ試験片は,特に規定のない限り,引張試験片などほかの試験片の一部を用いてもよい。
製品規格の規定で2種類以上の試験片の使用が認められている場合,特に指定がない限り,使用する試
験片は,製造業者の選択による。鋼材の全断面で試験する場合以外の試験片を採る位置は,特に規定のな
い限り,JIS G 0416による。
機械試験に供される供試材及び試験片の採り方は,鋼材の種類に応じて次のA類又はB類の方法による
ものとし,このいずれによるかは,各鋼材の規格の規定による。
a) 類は,製品からJIS G 0416によって採取した供試材から試験片を作製し,機械試験を行う場合に用
い,次のいずれかによる。
1) 製品本体又は余長部から供試材を採取し,JIS G 0416によって試験片を作製する。供試材に対して,
熱処理などの材質に影響するいかなる処理も行ってはならない。やむを得ず,供試材又は試験片を
矯正する必要があるときは,常温において矯正してもよい。
2) 製品本体又は余長部から供試材を採取する。採取した供試材に熱処理を施すよう規定している場合
は,供試材の厚さ,径などの寸法を変えずに規定の熱処理を施す。熱処理を施した供試材から,JIS
G 0416によって試験片を作製する。
b) 類は,標準供試材を作製し,これに規定の熱処理を施した後,試験片を作製し,機械試験を行う場
合に用い,次による。

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1) 標準供試材は,直径25 mmとし,鋼材又は鋼片から軸方向に鍛伸又は切削して作製する。ただし,
鋼材の寸法が25 mm以下の場合,又は連続鋳造ままの鋼片の場合は,次による。
− 鋼材の直径,対辺距離又は厚さが25 mm以下の場合は,そのまま標準供試材としてもよい。
− 連続鋳造ままの鋼片の場合は,軸方向に鍛伸して作製する。この場合,鍛錬成形比は,4以上
とする。
2) 試験片は,規定の熱処理を施した標準供試材から削り出す。

8 化学成分

  化学成分は,次による。
a) 化学成分に関する要求内容は,明確に製品分析と規定していない限り,溶鋼分析を実施するものとし,
分析方法は,JIS G 0320による。
b) 溶鋼分析の試料は,溶鋼を代表する位置から採取する。試料の採り方及び調製方法は,JIS G 0417に
よる。
c) 注文者の要求のあるときは,製品分析を行う。この場合,試料の採り方は,JIS G 0417による。分析
元素及び化学成分の規格値に対する許容変動値は,各規格の規定による。各規格に許容変動値の規定
がない場合は,受渡当事者間の協定によって,JIS G 0321の許容変動値の表番号を指定し明確にする。
d) 分析値は,質量分率で表し,百分率で表す場合には,単に%と表示してよい。この場合,表に用いる
単位として,%だけとしてよい。分析値は,規定された有効桁数にJIS Z 8401の規則Aによって丸め
る。炭素当量,溶接割れ感受性組成及び溶融亜鉛めっき割れ感受性当量を表す場合は,それぞれの計
算式に規定された全ての元素について分析し,各製品規格の中に規定される炭素当量,溶接割れ感受
性組成及び溶融亜鉛めっき割れ感受性当量の式に基づいて算出した値を,規定値の有効桁数にJIS Z
8401の規則Aによって丸める。

9 機械的性質

9.1 機械試験(引張試験,衝撃試験,硬さ試験,曲げ試験など)

  試験方法及び試験片の種類は,各製品規格の規定による。

9.2 試験頻度

9.2.1  試験単位の形成
試験単位は,試験の種類に応じ,注文書又は製品規格によって規定しなければならない。
通常,試験単位は,a) 及びb) による。
a) 次の要素の組合せ
1) 同一溶鋼
2) 同一鋳込み
3) 同一圧延単位
4) 同一熱処理条件又は同時熱処理
5) 同一製品形状
6) 同一厚さ又は径,辺若しくは対辺距離の範囲
b) 試験単位の質量又は個数
なお,試験単位は個々の製品の場合もある。
9.2.2 供試製品,供試材及び試験片の数

――――― [JIS G 0404 pdf 10] ―――――

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