JIS G 0583:2021 鋼管の自動渦電流探傷検査方法 | ページ 2

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5 探傷装置

5.1 構成

  探傷装置は,探傷器,探傷コイル,走査装置,磁気飽和装置,マーキング装置(又は選別装置),自動警
報装置,記録装置など必要な装置で構成する。

5.2 探傷器

  探傷器は,発振器,電気的信号を処理する電気装置,きずによる信号の表示装置などからなり,次によ
る。
a) 型式,探傷周波数,信号の表示方式などは,検査の目的に合っていなければならない。
b) 0 ℃40 ℃の環境温度及び±15 %の電源電圧の変動において長時間安定に作動し,かつ,外部からの
電気雑音に対して保護されていなければならない。

5.3 探傷コイル

  探傷コイルは,貫通コイル法については,主に自己比較方式とする。

5.4 走査装置,磁気飽和装置,マーキング装置(又は選別装置),自動警報装置及び記録装置

  走査装置,磁気飽和装置,マーキング装置(又は選別装置),自動警報装置及び記録装置は,探傷作業上
及び結果の判定作業上十分な性能をもたなければならない。探傷コイルと鋼管との相対速度は,±10 %を
超えて変動してはならない。

5.5 探傷装置の総合性能

  探傷装置の総合性能の測定は,定期点検時及び必要に応じて行い,貫通コイル法は,JIS Z 2315,また,
プローブコイル法は,適切な方法によって行う。その性能は,探傷作業上及び結果の判定作業上十分でな
ければならない。

6 探傷方法

6.1 一般事項

  鋼管の探傷方法は,6.2又は6.3による。
注記1 鋼管の両端については,試験できない短い部分が存在する。
注記2 渦電流探傷試験法の制約に関するガイドラインを,附属書Aに示す。

6.2 貫通コイル法

  貫通コイル法は,図1に示す形式のコイルを用いて鋼管の探傷を行う。
注記 試験の感度は,試験コイルに近い鋼管の表面で最大であり,鋼管の厚さが増えるに従い減少する
(附属書A参照)。

――――― [JIS G 0583 pdf 6] ―――――

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a) 自己誘導形 b) 相互誘導形
注記 この図は,例えば,分割主コイル(split primary coils),双差動コイル(twin differential coil),校正コイル
(calibrator coil)などを含む多コイル配置の形式を簡素化している。
図1−貫通コイル法の簡略図

6.3 プローブコイル法

  プローブコイル法は,鋼管の全表面を探傷するため,図2に示すように,鋼管とプローブコイルとを相
対的に動かすか,又はプローブコイルを鋼管の円周方向に等間隔に配置し,周期的·電子的に走査するこ
とによって,全表面を探傷するようにしなければならない。この試験方法には,鋼管の最大外径の制約は
ない。

――――― [JIS G 0583 pdf 7] ―――――

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a) プローブコイル回転法a) b) 鋼管回転法b)
記号説明
1 : プローブコイル
2 : 鋼管
3 : 固定プローブコイル
4 : 回転ロール
5 : プローブコイル回転体
a : プローブ回転方向
b : 鋼管回転方向
注記 a)及びb)のプローブコイルは,用いる装置及び他の要因によって,異なった形式の場
合がある。例えば,シングルコイル,種々の形状の多重コイル。
注a) 回転するプローブコイルの中に鋼管を直進させる。
注b) 回転する鋼管上をプローブコイルが直線的に移動するか,又はプローブコイルは固定
で,鋼管を回転させながら直進させる。
図2−プローブコイル法の簡略図

7 対比試験片及び人工きず

7.1 一般

  対比試験片及び人工きずの一般事項は,次による。
a) この規格で規定する人工きずは,非破壊試験装置の感度調整を行うためのものである。これらの人工
きずの寸法は,装置によって検知できるきずの最小サイズと考えない方がよい。
b) 対比試験片は,検査する鋼管と同等の材質,公称寸法,表面状態及び熱処理状態のものとする。ただ
し,5 mm以上の厚さの鋼管の場合には,探傷感度が同等以上に維持できれば,検査する鋼管の公称厚
さ以上の鋼管を用いてもよい。角溝を用いる場合には,その深さは,検査する鋼管の公称厚さから求
める。また,検査する鋼管と異なる公称厚さの鋼管を用いる場合には,製造業者は,注文者の要求が
あれば,適用した方法の有効性を証明しなければならない。
c) それぞれの試験方法に使用する人工きずは,次による。
1) 貫通コイル法を用いる場合には,ドリル穴は,7.3.1による。ただし,ドリル穴に代えて,管軸方向
の角溝又は円周方向のやすり溝を使用してもよい。この場合,対応する角溝及びやすり溝の規定が
ないときには,受渡当事者間の協定による。
2) プローブコイル法を用いる場合には,表2で規定する角溝とする。

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d) 人工きず(7.27.4参照)は,明瞭な信号を得るために,管軸方向に互いに十分に分離し,また,対比
試験片の鋼管端から十分に離さなければならない。

7.2 貫通コイル法における対比試験片及び人工きず

  貫通コイル法における対比試験片及び人工きずは,次による。
a) 対比試験片には,厚さ方向に貫通した三つ又は四つのドリル穴を加工しなければならない。ドリル穴
は,それぞれの場合で,円周方向に120°又は90°の位置とする。
b) 代替法の場合は,厚さ方向に貫通したただ一つのドリル穴を加工した対比試験片を用いて,ドリル穴
を0°,90°,180°及び270°の位置に変えて装置を通過させ,感度調整及び感度の確認をしなけれ
ばならない。

7.3 人工きずの種類及び寸法許容差

7.3.1 ドリル穴
ドリル穴は,図3に示す形状とし,許容レベル又は区分に対応するドリル穴の径は,7.4に規定する値以
下とする。ただし,表3の区分を適用する場合は,ドリル穴の公称径が1.0 mm以下には,±0.1 mm,ドリ
ル穴の公称径が1.0 mm超えには,±0.2 mmの許容差を用いてもよい。ドリル穴は,機械加工,放電加工
などの適切な方法で加工する。
図3−ドリル穴
7.3.2 角溝
7.3.2.1 一般
角溝の一般事項は,次による。
a) 角溝は,図4に示す形状とし,鋼管の軸方向に平行に加工しなければならない。角溝の側面は,ほぼ
平行で,底部は,側面に対してほぼ直角でなければならない。
b) 角溝は,機械加工,放電加工又は他の適切な方法で加工しなければならない。底部及び底部の角は,
丸みがあってもよい。

――――― [JIS G 0583 pdf 9] ―――――

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図4−角溝
7.3.2.2 角溝の寸法
a) 幅(図4参照) 角溝の幅は,1 mm以下とする。ただし,表3の区分を適用する場合の幅の上限は,
1.5 mm又は深さの3倍のいずれか小さい方とする。
b) 深さ(図4参照) それぞれの許容レベル又は区分の角溝の深さは,7.4による。ただし,次の条件を
満足しなければならない。
− 最小深さ : 0.3 mm(ただし,冷間仕上継目無鋼管及びステンレス溶接鋼管の場合は,0.2 mm)
深さの許容差は,角溝深さの±15 %(ただし,最小値は±0.05 mm)とする。
c) 長さ 製品規格の規定又は受渡当事者間の協定がない限り,角溝の長さは,次による。
− プローブコイル法 : 個々のプローブコイル幅の2倍以上。ただし,50 mm以下。
− 貫通コイル法 : 25 mm以下
7.3.3 やすり溝
7.3.3.1 一般
やすり溝は,図5に示す形状とし,三角やすりによって,鋼管外面円周方向に加工しなければならない。
溝底の角度は,ほぼ60°とする。
図5−やすり溝
7.3.3.2 やすり溝の寸法
a) 深さ(図5参照) それぞれの許容レベル又は区分のやすり溝の深さは,7.4.3による。ただし,やす
り溝の最大深さ部分において,次の条件を満足しなければならない。
− 最小深さ : 0.3 mm(ただし,冷間仕上継目無鋼管及びステンレス溶接鋼管の場合は,0.2 mm)
− 最大深さ : 1.5 mm
深さの許容差は,やすり溝深さの±10 %(ただし,最小値は±0.05 mm)とする。
b) 長さ やすり溝の長さは20 mm以下とする。

――――― [JIS G 0583 pdf 10] ―――――

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JIS G 0583:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10893-1:2011(MOD)
  • ISO 10893-2:2011(MOD)

JIS G 0583:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0583:2021の関連規格と引用規格一覧