JIS G 1221:1998 鉄及び鋼―バナジウム定量方法 | ページ 2

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G 1221 : 1998
クター
V1 : 試料溶液の滴定における1/30mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)
標準溶液 [2. o) ] の使用量 (ml)
V2 : 空試験液の滴定における1/30mol/l硫酸アンモニウム鉄(II)
標準溶液 [2. o) ] の使用量 (ml)
m : 試料はかり採り量 (g)
7. 許容差 許容差(5)は,附属書1表2による。
附属書1表2 許容差
単位 % (m/m)
バナジウム含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.10以上3.2未満 D [0.003 0× (V) +0.002 8] D [0.005 9× (V) +0.004 1]
注(5) 許容差計算式中のDは,D (n, 0.95) を意味し,その値は,JIS Z 8402の表4による。nの値は,
室内再現許容差の場合は同一室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析
室数である(n=2のとき,D=2.8である。)。
また,(V) は,許容差を求める試料中のバナジウム含有率 [% (m/m) ] である。
参考 この許容差は,バナジウム含有率0.16% (m/m) 以上3.21% (m/m) 以下の試料を用いて共同実験
した結果から求めたものである。

――――― [JIS G 1221 pdf 6] ―――――

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附属書2(規定) 過マンガン酸カリウム酸化硫酸アンモニウム鉄 (II)
電位差滴定法 (ISO 4947)
1. 適用範囲 この附属書2は鋼及び鋳鉄中のバナジウム含有率を電位差滴定法によって定量する方法に
ついて規定する。
この方法はバナジウム含有率0.04以上2% (m/m) 以下の試料に適用する。
2. 引用規格
ISO 377 : 1985 Wrought steel−Selection and preparation of samples and test pieces.
参考 ISO 377は,次の規格で置き換えられている。
ISO 14284 : 1996 Steel and iron−Sampling and preparation of samples for the determination of chemical
composition.
3. 原理 はかり採った試料を適切な酸で溶解する。タングステンを溶液化するため,ふっ化水素酸を加
える。
ベルオキソ二硫酸カリウムでクロムとバナジウムを酸化する。クロムの酸化は不完全である。
溶液の電位を確認しながら,
− 硫酸アンモニウム鉄(II)でクロム(VI)及びバナジウム(V)を還元する。
− 過マンガン酸カリウムの小過剰でバナジウムを酸化する。亜硝酸ナトリウムで過剰の過マンガン酸を
還元し,アミド硫酸で過剰の亜硝酸ナトリウムを還元する。
バナジウム(V)を硫酸アンモニウム鉄(II)で電位差滴定する。
4. 試薬 分析の際は,特に記述しない限り,還元力又は酸化力のない分析用保証試薬及び蒸留水又はそ
れと同等純度の水だけを使用する。
4.1 ペルオキソ二硫酸カリウム (K2S2O8)
4.2 塩酸, 牽 最一
4.3 硝酸, 牽 最一
4.4 ふっ化水素酸, 牽 最一
4.5 硫酸, 牽 最一 希釈1+4
4.6 硫酸, 牽 最一 希釈1+50
4.7 りん酸, 牽 最一
4.8 硫酸アンモニウム鉄(II) [Fe (NH4)2 (SO4)2,6H2O] 硫酸溶液 硫酸アンモニウム鉄(II)六水和
物40gを約500mlの水で溶解して, 牽 最一 え,冷却した後,1 000mlに薄め
混ぜる。
4.9 過マンガン酸カリウム, 5g/l溶液
4.10 亜硝酸ナトリウム, 3g/l溶液
4.11 アミド硫酸 (NH2SO3H), 100g/l溶液

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4.12 二クロム酸カリウム標準溶液 あらかじめ,150℃で恒量になるまで乾燥しデシケーター中で放冷し
た二クロム酸カリウム(最高純度級)約1gを0.001gのけたまではかる。はかり採ったものをビーカー
(250ml) に入れて水20mlで溶解し,硫酸 (4.5) 160mlを加える。溶液の全量を1 000mlの全量フラスコに
移し入れて冷却し,水で標線まで薄めてからかき混ぜる。
4.13 硫酸アンモニウム鉄(II) [Fe (NH4)2 (SO4)2,6H2O] 標準溶液 この溶液1mlはバナジウム約1.299mg
に相当する。
参考 原文は,1.275mgてあるか,原文に計算の間違いがある。
4.13.1 溶液の調製 硫酸アンモニウム鉄 (II) 六水和物10gを約500mlの水で溶解して, 牽 最一
硫酸25mlを加え,冷却した後1 000mlに薄めてかき混ぜる。
4.13.2 溶液の標定(使用の直前に実施すること) 二クロム酸カリウム標準溶液 (4.12) 25.0mlを採って,
硫酸アンモニウム鉄 (II) 溶液 (4.13.1) で電位差滴定する。硫酸アンモニウム鉄 (II) 標準溶液 (4.13) の
相当濃度 (c) を次の式によって算出する。
.0025 m0 m0
c= 50.94= .0026
49.03V V
ここに,
c : 硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液 (4.13) のバナジウム相当
濃度 (mg V/ml)
m0 : はかり採った二クロム酸カリウムの質量 (mg)
V : 滴定て消費した硫酸アンモニウム鉄(II)標準溶液 (4.13) の
容積 (ml)
0.025 : 二クロム酸カリウム標準溶液から採取した容積と全容積と
の比
49.03 : 二クロム酸カリウムの式量を6で割ったもの
50.94 : バナジウムの原子量
5. 装置 通常の実験室器具,及び
5.1 電位差滴定装置 白金/飽和カロメル電極付きで電位差が測定できるもの。
6. サンプリング サンプリングは,ISO 377又は鋳鉄用の適切な国内規格による。
7. 操作
7.1 試料はかり採り量 予想されるバナジウム含有率に従って,次に示す質量の分析試料を0.001gのけ
たまではかる。
a) バナジウム含有率が0.04以上0.25% (m/m) 未満の場合 : 約5g ;
b) バナジウム含有率が0.25以上1% (m/m) 未満の場合 : 約2g ;
c) バナジウム含有率が1以上2% (m/m) 以下の場合 : 約1g ;
はかり採った試料中のバナジウム量が2から20mgまで変動してもよい。
7.2 空試験 試料を加えないで定量と併行して同じ操作で,すべての試薬を同量使用して空試験を実施
する。
7.3 定量
7.3.1 試料溶液の調製

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7.3.1.1 硫酸に可溶な試料 はかり採った試料(7.1)を400mlのビーカー(1)(2)に入れ,はかり採った試料が
1g又は2gの場合は40mlの硫酸(4.5)を加える。はかり採った試料が5gの場合は70mlの硫酸(4.5)を加える。
けい素含有率が高い試料の場合はふっ化水素酸(4.4)510滴を加える。泡立ちが完全に停止するまて沸
騰させる。
はかり採った試料中にタングステンを含有していれば,それを溶液中に保持するのに十分な量のふっ化
水素酸(4.4)を加える。一般に,はかり採った試料1gの場合はふっ化水素酸(4.4)5ml,試料2gには7ml,試
料5gには13mlで十分である。
溶液を水で90100mlに薄め7.3.2の操作を行う。
注(1) もし,ふっ化水素酸(4.4)を使用するなら石英ビーカーと石英時計皿を使用しなければならない。
(2) 使用するガラス器具が0.05% (m/m) 以上のひ素を含有してはならない。もし,ガラスがバリウ
ムを含有しているなら硫酸バリウムの沈殿が生成することがある;しかし,この沈殿は定量に
不利な影響を及ぼさない。
7.3.1.2 硫酸で分解困難な試料 硫酸溶液で分解が困難な試料の場合は,硝酸(4.3)と塩酸(4.2)の混酸で最
初の分解を達成できることがある。
分解後,7.3.1.1に示した量の硫酸(4.5)を加え白煙が発生するまで加熱する。
放冷した後,水を加えて加熱しながら塩類を溶解し,硝酸を完全に除去できるまで硫酸の白煙の発生を
繰り返す。
もし,試料がタングステンを含有していれば,それを溶液中に保持するのに十分な量のふっ化水素酸(4.4)
を加える。一般に,はかり採った試料1gの場合はふっ化水素酸(4.4)5ml,試料2gには7ml,試料5gには
13mlで十分である。
溶液を水で90100mlに薄めて7.3.2の操作を行う。
7.3.2 クロムとバナジウムの酸化 溶液(7.3.1)を約50℃まで冷却する。はかり採った試料1g当たり3gの
ペルオキソ二硫酸カリウム(4.1)を加え,沸騰するまでゆっくりと加熱し10分以上沸騰させる。
7.3.3 測定用溶液の調製
7.3.3.1 クロムとバナジウム酸化の制御 溶液(7.3.2)を室温まで冷却する。もし,黒鉛を除去する必要が
あるなら,セルロース製の粗いろ紙で溶液をろ過し,ろ過が容易になるようふっ化水素酸(4.4)数滴を添加
した硫酸(4.6)で洗浄する。溶液の最終液量を約150mlにする。
電位差滴定装置(5.1)の電極をビーカーに挿入し,できれば磁気かき混ぜ機を用いて溶液をかき混ぜる。
そのときの電位差は,770mV以上でなければならない。
もし,電位差がそれより低いか又は一様に降下するなら,溶液から電極を取り出して7.3.2の操作を繰り
返す。
室温まで冷却し,容積を約150mlにする。
電位差が770mV以上であることを確認する。
7.3.3.2 クロムとバナジウムの還元 電極をビーカーに挿入し,常に一定の速度でかき混ぜながら硫酸ア
ンモニウム鉄 (II) 溶液(4.8)(3)をわずかに過剰となるまで(電位差が500mVと570mVの間まで降下する)
添加し,クロムとバナジウムを還元する。
注(3) クロムの量が多い(試料が5g又はクロム含有率が高い)ときは,別に硫酸アンモニウム鉄 (II)
溶液(例えば,400g/l)を調製して使用することが必要で,その後4.8の溶液で還元する。

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7.3.4 バナジウムの酸化 クロムの一部が酸化するのを避けるために溶液(7.3.3)を15℃以下の温度まで
冷却する。2分たってから過マンガン酸カリウム溶液(4.9)を指示電極の電位が1100と1600mVの間で安定
するまで1滴ずつ加える(4)。クロムが一部でも酸化するのを避けるため電位がこの範囲を超えてはならな
い。
23分間待ち,その間電位が30mV以上増加したり又は1 100mV以下に降下してはならない。亜硝酸ナ
トリウム溶液(4.10)を1滴ずつ加えて過剰の過マンガン酸カリウムを分解する。電位が降下して850mVに
なったとき,更にこの溶液を15滴加える。
電位が約770mVで安定したなら,約30秒待ってアミド硫酸溶液(4.11)5mlを加える。電位は,約740mV
まで降下してから再び800mVまで増加する。このとき,液量が200ml又はそれ以下ならりん酸(4.7)20ml
を加える。液量が200ml以上ならりん酸(4.7)2040mlを加える。電位が安定するまで待つ(約25分)。
注(4) 溶液が強く着色していないときは過マンガン酸による酸化が観察できる(薄桃色で2分間安定)。
7.4 滴定 電位が安定したら,当量点に達するまで硫酸アンモニウム鉄 (II) 標準溶液(4.13)でバナジウ
ムを滴定する。当量点の電位は,570mVと670mVの間である。
8. 結果の表示
8.1 計算方法 バナジウム (V) 含有率(質量%)を次の式によって算出する。
(V1 V0 ) 100 (V1 V0 )
=
1 000 m 10 m
ここに, V0 : 空試験液の滴定で消費した硫酸アンモニウム鉄 (II) 標準溶
液 (4.13) の容積 (ml)
V1 : 試料溶液の滴定で消費した硫酸アンモニウム鉄 (II) 標準溶
液 (4.13) の容積 (ml)
c : 硫酸アンモニウム鉄 (II) 標準溶液(4.13)のバナジウム相当
濃度 (mgV/ml)
m : 試料はかり採り量 (g)
8.2 許容差 この方法は,12分析室で共同実験を行った。7水準のバナジウム含有率試料を用いて,各
試料について各分析室は,バナジウムを3回ずつ定量した。分析に供した試料を参考Aに示した。
得られた結果はISO 5725,試験方法の精度−室間試験による標準試験方法の併行許容差と再現許容差の
求め方に従って統計処理した。
得られたデータは,バナジウム含有率と分析結果の併行許容差 (r) 及び室間再現許容差 (R) との間には,
対数的比例関係がありその結果を附属書2表1に要約した。許容差データを参考Bに図示した。
附属書2表1 許容差
バナジウム含有率 併行許容差 室間再現許容差
% (m/m) r R
0.04 0.003 6 0.005 2
0.10 0.006 1 0.009 0
0.20 0.009 2 0.013 7
0.50 0.015 6 0.023 7
1.00 0.023 4 0.036 0
2.00 0.035 1 0.054 6

――――― [JIS G 1221 pdf 10] ―――――

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JIS G 1221:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4942:1988(MOD)
  • ISO 4947:1986(MOD)

JIS G 1221:1998の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1221:1998の関連規格と引用規格一覧