JIS G 3126:2021 低温圧力容器用炭素鋼鋼板 | ページ 2

           4
G 3126 : 2021

6 化学成分

  鋼板は,11.1によって試験を行い,その溶鋼分析値は,表3による。
表3−化学成分
単位 %
種類の記号 C Si Mn P S
SLA235A
0.15以下 0.30以下 0.701.50 0.015以下 0.010以下
SLA235B
SLA325A
0.16以下 0.55以下 0.801.60 0.015以下 0.010以下
SLA325B
SLA365 0.18以下 0.55以下 0.801.60 0.015以下 0.010以下
SLA410 0.18以下 0.55以下 0.801.60 0.015以下 0.010以下
必要に応じて,この表に記載していない合金元素を添加してもよい。

7 熱加工制御を行った鋼板の炭素当量又は溶接割れ感受性組成

  SLA325A,SLA325B,SLA365及びSLA410の熱加工制御を行った鋼板の炭素当量,又は受渡当事者間
の協定によって炭素当量に代えて適用する溶接割れ感受性組成は,次による。
a) 炭素当量 炭素当量は,式(1)によって,11.1の溶鋼分析値を用いて算出し,その値は,表4による。
Mn Si Ni Cr Mo V
Ceq C (1)
6 24 40 5 4 14
ここで, Ceq : 炭素当量(%)
表4−炭素当量
単位 %
種類の記号 炭素当量
SLA325A
0.38以下
SLA325B
SLA365 0.38以下
SLA410 0.39以下
b) 溶接割れ感受性組成 溶接割れ感受性組成は,式(2)によって,11.1の溶鋼分析値を用いて算出し,そ
の値は,表5による。
Si Mn Cu Ni Cr Mo V
PCM C 5B (2)
30 20 20 60 20 15 10
ここで, PCM : 溶接割れ感受性組成(%)
表5−溶接割れ感受性組成
単位 %
種類の記号 溶接割れ感受性組成
SLA325A
0.23以下
SLA325B
SLA365 0.23以下
SLA410 0.24以下

――――― [JIS G 3126 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
G 3126 : 2021

8 機械的性質

8.1 降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性

  鋼板は,11.2によって試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性は,表6による。
なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。
注記 曲げ性の試験の実施については,11.2.1を参照。
表6−降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性
降伏点又は耐力 引張 伸び 曲げ性
種類の
強さ 試験 曲げ 内側 試験
記号 厚さ mm N/mm2 厚さ mm %
N/mm2 片 角度 半径 片
6以上16以下 1A号 18以上
6以上40以下 235以上
SLA235A 400 16超え40以下 1A号 22以上 厚さの
180° 1号
SLA235B 510 1A号 22以上 1.0倍
40超え50以下 215以上 40超え50以下
4号 24以上
6以上16以下 5号 22以上
SLA325A 440 16超え20以下 5号 30以上 厚さの
6以上38以下 325以上 180° 1号
SLA325B 560 5号 30以上 1.5倍
20超え38以下
4号 22以上
6以上16以下 5号 20以上
490 16超え20以下 5号 28以上 厚さの
SLA365 6以上38以下 365以上 180° 1号
610 5号 28以上 1.5倍
20超え38以下
4号 20以上
6以上16以下 5号 18以上
520 16超え20以下 5号 26以上 厚さの
SLA410 6以上38以下 410以上 180° 1号
640 5号 26以上 1.5倍
20超え38以下
4号 18以上
注記 1 N/mm2=1 MPa

8.2 シャルピー吸収エネルギー

  鋼板は,11.2によって試験を行い,そのシャルピー吸収エネルギーの下限値は,表7による。この場合,
シャルピー吸収エネルギーは,3個の試験片の平均値とする。
なお,個々の吸収エネルギーが試験機の能力の80 %を超えることが想定される場合は,製造業者の判断
によって,JIS Z 2242の箇条6(試験片)のVノッチサブサイズ試験片で試験を行ってもよい。この場合,
その試験温度は,表7の試験温度に対して,それぞれ次の温度とする。
− 標準試験片(10 mm×10 mm)から厚さ7.5 mmのサブサイズ試験片(10 mm×7.5 mm)に変更する場
合 : 10 ℃低い温度
− 標準試験片(10 mm×10 mm)から厚さ5 mmのサブサイズ試験片(10 mm×5 mm)に変更する場合 :
20 ℃低い温度
− 厚さ7.5 mmのサブサイズ試験片(10 mm×7.5 mm)から厚さ5 mmのサブサイズ試験片(10 mm×5
mm)に変更する場合 : 10 ℃低い温度
注記 JIS Z 2242の8.5(試験機の能力超過)に,吸収エネルギーが初期位置エネルギーの80 %を超え
る場合の扱いについて記載されている。

――――― [JIS G 3126 pdf 7] ―――――

           6
G 3126 : 2021
表7−衝撃試験温度及びシャルピー吸収エネルギーの下限値
衝撃試験温度a)
厚さ ℃
mm 6以上 8.5以上 12超え 20超え シャルピー吸収エ 試験片
8.5未満 12以下 20以下 ネルギーの下限値 及び
試験片 J 試験片採取方向
幅×厚さ 10×5 10×7.5 10×10 10×10
mm
SLA235A −5 −5 −5 −10
SLA235B −30 −20 −15 −30
最高吸収
種類の SLA325A −40 −30 −25 −35 Vノッチ
エネルギー値b)
記号 SLA325B −60 −50 −45 −55 圧延方向c)
の1/2
SLA365 −60 −50 −45 −55
SLA410 −60 −50 −45 −55
注a) 受渡当事者間の協定によって,これらの試験温度より低い温度で試験を行う場合は,その試験温度に置き
換えてもよい。
注b) 最高吸収エネルギー値は,3個の試験片のぜい性破面率がいずれも0 %となる温度における吸収エネルギー
の平均値とする。通常,常温で試験を行い求める。ただし,試験片のぜい性破面率が0 %にならないとき
は,温度を上げて試験をする。
注c) 受渡当事者間の協定によって,圧延方向に対して直角方向での試験を行う場合には,注文者の承認があれ
ば,圧延方向での試験を省略してもよい。

9 形状,寸法,質量及びその許容差

  鋼板の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3193による。ただし,鋼板の厚さの許容差は,表8
による。鋼板の幅及び長さの許容差は,次による。
a) カットエッジの幅の許容差は,JIS G 3193の表7(幅の許容差)の許容差Aによる。
b) 長さの許容差は,JIS G 3193の表8(鋼板の長さの許容差A)による。
表8−厚さの許容差
単位 mm
幅a)
厚さ 1 600以上 2 000以上 2 500以上 3 150以上 4 000以上
1 600未満 2 000未満 2 500未満 3 150未満 4 000未満 5 000未満
6.00以上 6.30未満 +0.75 +0.95 +0.95 +1.25 +1.25 −
6.30以上 10.0未満 +0.85 +1.05 +1.05 +1.35 +1.35 +1.55
10.0以上 16.0未満 +0.85 +1.05 +1.05 +1.35 +1.35 +1.75
16.0以上 25.0未満 +1.05 +1.25 +1.25 +1.65 +1.65 +1.95
25.0以上 40.0未満 +1.15 +1.35 +1.35 +1.75 +1.75 +2.15
40.0以上 50.0以下 +1.35 +1.65 +1.65 +1.95 +1.95 +2.35
マイナス側の許容差は,0.25 mmとする。受渡当事者間の協定によって,マイナス側の許容差を0 mmとした場合
のプラス側の許容差は,この表の数値に0.25 mmを加えた値とする。
注a) 幅5 000 mm以上の場合の許容差は,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS G 3126 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
G 3126 : 2021

10 外観

  鋼板の外観は,JIS G 3193の箇条7(外観)による。ただし,溶接補修は,事前に注文者の承認を得な
ければならない。

11 試験

11.1 分析試験

  分析試験は,次による。
a) 一般事項及び分析用試料の採り方 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404
の箇条8(化学成分)による。
b) 分析方法 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。

11.2 機械試験

11.2.1 試験一般
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,試
験片の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とする。
なお,曲げ試験は,省略してもよい1)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ
ばならない。
注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならないこ
とを意味する。
11.2.2 試験片の数
引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片の数は,次による。
a) 引張試験片及び曲げ試験片の数 同一スラブ又は同一鋼塊から圧延し,同一熱処理条件ごとの鋼板を
一括して試験単位とし,最終圧延方向に直角にそれぞれ1個採取する。
b) 衝撃試験片の数
1) 表7の温度による衝撃試験片 同一スラブ又は同一鋼塊から圧延し,同一熱処理条件ごとの鋼板を
一括して試験単位とし,供試材一つを採取し,これから試験片3個を,特に指定がない限り,最終
圧延方向に採取する。
2) 最高吸収エネルギーを決定する衝撃試験片 同一溶鋼,同一厚さ及び同一熱処理条件に属する鋼板
について供試材一つを採取し,これから試験片3個を,特に指定がない限り,最終圧延方向に採取
する。
11.2.3 試験片の採取位置
引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片の採取位置は,次による。
a) 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置 試験片の中心は,板幅の1/4又はそれに近い位置とする。引
張試験片に4号試験片を用いる場合は,試験片の軸は,鋼板の表面から厚さの1/4とする。ただし,
厚さの1/4の位置から採れない場合には,それに近い位置とする。
b) 衝撃試験片の採取位置 試験片の中心は,鋼板の表面から厚さの1/4の位置で,かつ,板幅の1/4の

――――― [JIS G 3126 pdf 9] ―――――

           8
G 3126 : 2021
位置とする。ただし,この位置から採れない場合には,それに近い位置とする。
11.2.4 試験片
引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片は,次による。
a) 引張試験片は,JIS Z 2241の1A号,5号又は4号試験片による。
b) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の1号試験片による。
c) 衝撃試験片は,JIS Z 2242のVノッチ標準試験片又はそのサブサイズ試験片による。ただし,試験片
切欠きの長さ方向は,圧延面に垂直とする。
11.2.5 試験方法
引張試験,曲げ試験及び衝撃試験の方法は,次による。
a) 引張試験方法は,JIS Z 2241による。
b) 曲げ試験方法は,JIS Z 2248による。曲げ角度及び内側半径は,表6による。
c) 衝撃試験方法は,JIS Z 2242による。ただし,振子の衝撃刃の形式は,半径2 mmの衝撃刃を適用す
る。
注記 この規格に規定する以外の試験として,受渡当事者間の協定によってJIS G 0801[1]などの非破壊
試験が行われることがある。この場合,事前に試験方法,合否判定基準などについて,受渡当事
者間で協定される。

12 検査

  検査は,次による。
a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。
b) 化学成分は,箇条6に適合しなければならない。
c) 炭素当量又は溶接割れ感受性組成は,箇条7に適合しなければならない。
d) 機械的性質は,箇条8に適合しなければならない。
e) 形状,寸法及び質量は,箇条9に適合しなければならない。
f) 外観は,箇条10に適合しなければならない。

13 再検査

  再検査は,次による。
a) 機械試験(衝撃試験を除く。)で合格にならなかった鋼板は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって,
合格にならなかった試験について再試験を行い,合否を決定してもよい。
b) 衝撃試験で合格にならなかった鋼板で,3個の平均値が規定値の85 %以上の場合は,同一供試材から
更に3個の試験片を採取して再試験を行い,合否を決定してもよい。この場合,6個の平均値が表7
に適合すれば合格とする。
c) 機械試験で合格とならなかった鋼板は,再熱処理を行った後,改めて試験を行い,合否を決定しても
よい。

――――― [JIS G 3126 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS G 3126:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9328-1:2018(MOD)
  • ISO 9328-3:2018(MOD)
  • ISO 9328-5:2018(MOD)
  • ISO 9328-6:2018(MOD)

JIS G 3126:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 3126:2021の関連規格と引用規格一覧