JIS G 3317:2019 溶融亜鉛―5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯 | ページ 6

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JC.6 検量線の作成及び校正
JC.6.1 検量線の作成方法
JC.6.1.1 一般
検量線の作成は,3枚採取法又は2枚採取法による。
JC.6.1.2 3枚採取法
3枚採取法による検量線の作成は,次による。
a) 試験片 蛍光X線測定用の試験片(以下,試験片Aという。)及びめっきの付着量を決定するための
試験片(以下,試験片Bという。)を採取する。それぞれの試験片は,測定対象と同一のめっきの種
類の板又はコイルから採取する。試験片Aの大きさは,試料室に収まる大きさとし,1個採取する。
試験片Bの大きさは,1 200 mm2以上とし,試験片Aを挟んで2個採取する。
b) 蛍光X線強度の測定 試験片Aのいずれの面にX線を照射するかをあらかじめ決め,この面を測定
面とする。JC.7 a)で設定された条件によって,試験片Aの測定面にX線を照射し,その蛍光X線強
度を測定する。
c) めっきの付着量の測定 試験片Bは,測定面以外からのめっき層の溶出を防止するよう前処理する。
溶出の防止には,測定面の反対側にラッカーを塗装して乾燥させる,幅広のテープを貼り付けるなど
の方法を用いる。前処理の後,2個の試験片Bのめっきの付着量を附属書JEによって測定する。2個
の試験片Bのめっきの付着量の平均値を,試験片Aの測定面のめっきの付着量とする。
d) 検量線の作成 3水準以上のめっきの付着量においてa) c)を行い,蛍光X線強度とめっきの付着量
との関係から,検量線を作成する。
JC.6.1.3 2枚採取法
2枚採取法による検量線の作成は,次による。
a) 試験片 検量線用供試材から,1 200 mm2以上の大きさの試験片を2個採取する。
b) 蛍光X線強度の測定 1個の試験片のいずれの面にX線を照射するかをあらかじめ決め,この面を測
定面とする。JC.7 a)で設定された条件によって,試験片の測定面にX線を照射し,その蛍光X線強度
を測定する。続けて,もう1個の試験片についても,同じ面を同様に測定し,2個の試験片の蛍光X
線強度の平均値を求めて,測定面の蛍光X線強度とする。
c) めっきの付着量の測定 試験片は,測定面以外からのめっき層の溶出を防止するよう前処理する。溶
出の防止には,測定面の反対側にラッカーを塗装して乾燥させる,幅広のテープを貼り付けるなどの
方法を用いる。前処理の後,2個の試験片のめっきの付着量を附属書JEによって測定する。2個の試
験片のめっきの付着量の平均値を,測定面のめっきの付着量とする。
d) 検量線の作成 3水準以上のめっきの付着量においてa) c)を行い,蛍光X線強度とめっきの付着量
との関係から,検量線を作成する。
JC.6.2 検量線の校正
校正用の試験片を装置にセットし,定期的1)に蛍光X線の強度又はめっきの付着量換算値を測定し,検
量線を校正する。
注1) 例えば,8時間ごと,日ごとなどに測定することが望ましい。
JC.7 操作
操作は,次による。
a) 測定するめっきの付着量のうち,最小となるめっきの付着量表示記号の試験片を装置にセットし,連

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続10回測定したときの相対標準偏差2)が1 %以下,かつ,めっきの付着量を0.1 g/m2の単位まで読み
取ることのできる条件を設定する。ただし,X線強度をカウントで測定し,カウント数が10 000以上
の場合は,繰返し測定は不要とする。
注2) 測定値の標準偏差(分散の平方根の絶対値)を平均値によって除した値をいう[JIS K 0211 の
3.10(測定の信頼性)参照]。
なお,条件を設定したときに使用しためっきの付着量表示記号より少ないめっきの付着量を測定す
る場合には,該当するめっきの付着量表示記号の試験片を用いて上記の条件を満たしていることを確
認する。上記の条件を満たしていないときには,改めて条件を設定し直す。
b) 試験片を装置の試料室に正しく取り付ける。
c) 設定された条件によって,試験片にX線を照射し,蛍光X線強度を測定する。
d) 検量線によって,蛍光X線強度を1 m2当たりのめっきの付着量(片面,g/m2)に換算する。
e) ) d)の操作を試験片の裏面についても繰り返してめっきの付着量を求め,表面及び裏面のめっきの
付着量を合計したものを試験片のめっきの付着量(両面,g/m2)とする。
JC.8 装置の点検
装置の点検は,適切に行わなければならない。点検を行う事項は,JIS K 0119の箇条15(装置の点検)
によるほか,付着量測定結果と附属書JEによって測定した結果とを比較し,異常がないことを確認しな
ければならない。

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附属書JD
(規定)
溶融亜鉛−5 %アルミニウム合金めっき鋼帯の蛍光X線法による
オンラインめっき付着量試験方法
JD.1 概要
コイルから試験片を採取することなく,製造ラインに設置されたオンライン蛍光X線装置によって,め
っきの付着量を測定する。
警告 この附属書に基づいて測定及び設備の保守を行う場合には,適切な安全対策を施す必要がある。
特に,放射線による被ばくを防止するため,安全管理を徹底しなければならない。
注記 この附属書で用いる装置の設置及び取扱いに関係する法令として,労働安全衛生法,電離放射
線障害防止規則などがある。
JD.2 測定原理
X線(ガンマ線を含む。)をコイルに照射したときに放出されるめっきからの蛍光X線の強度を測定し
て,めっきの付着量が既知の試料からの蛍光X線強度と比較して,めっきの付着量を求める。
JD.3 装置
装置は,X線発生部,分光部・検出部・計数部及び装置制御部・データ処理部によって構成され,次に
よる。装置は,測定結果に有意な影響を及ぼすような温度・湿度の変動のない場所に設置する。
JD.3.1 X線発生部 X線発生部は,コイルのJD.6.3に規定する位置にX線(ガンマ線を含む。)を直接照
射できなければならない。
JD.3.2 分光部・検出部・計数部 分光部・検出部・計数部は,JD.6.3に規定する測定位置で発生する蛍光
X線の強度を測定できる機能をもたなければならない。
JD.3.3 装置制御部・データ処理部 装置制御部・データ処理部は,JD.6.3に規定する位置に励起X線(ガ
ンマ線を含む。)を照射して発生する蛍光X線の強度を測定するようX線発生部及び分光部・検出部・計
数部を制御し,照射位置と測定結果とを対応させて記録できなければならない。
JD.4 測定蛍光X線
測定する蛍光X線は,ZnKα(波長0.143 5 nm)の一次線とする。ただし,測定面と装置との距離の補正
などに,他の波長のX線を同時に測定して用いてもよい。
JD.5 検量線の作成及び校正
JD.5.1 検量線の作成方法
検量線の作成方法は,JC.6.1による。
JD.5.2 検量線の校正
検量線の校正は,JC.6.2による。

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JD.6 測定方法
JD.6.1 測定面
コイルのめっきの付着量を測定する面は,測定結果に有意な影響を及ぼすような汚れ,金属粉の付着が
あってはならない。測定する面と装置との距離及び傾きは,X線測定用試験片測定時と同一の距離及び傾
きとする。測定結果に有意な影響を及ぼすようなコイルと装置との距離及び傾きの差が生じた場合には,
その影響を補正しなければならない。
JD.6.2 測定モード
めっきの付着量の測定モードは,コイルのめっきの付着量を測定するためにX線を照射する間,装置を
コイルの定められた幅方向位置に固定して測定する方法(以下,定点測定モードという。)又は装置をコイ
ルの幅方向に一定速度で移動しながら測定する方法(以下,スキャンモードという。)のいずれかとする。
いずれの方法とするかは,製造業者による。
JD.6.3 めっきの付着量の測定位置
コイルの幅方向の測定位置は,定点測定モードの場合は図JD.1 a)によって,スキャンモードの場合は,
図JD.1 b)による。定点測定モードの場合は,X線ビームの外側の縁がコイルの両縁(幅方向端部)から
030
50 +mmとなる位置及びX線ビームの中心が板幅中央±15 mmとなる位置の3か所に装置を移動し,そ
れぞれの位置でめっきの付着量を測定する。スキャンモードの場合は,装置をコイルの幅方向に一定速度
で移動し,図JD.1 b)に示す3か所それぞれの測定範囲(A)でめっきの付着量を測定する。この場合,縁
側の測定範囲は,X線ビームの外側の縁の位置を示し,板幅中心のときはX線ビームの中心の位置を示す。
付着量は,コイルの表裏を測定する。コイルの幅方向の測定位置は,コイルの表裏では同一とし,長さ
方向の表裏での測定位置は,できるだけ近接した位置とする。
単位 mm
A : 測定範囲(30120)
B : 測定開始位置までの距離(50110)
a) 定点測定モードの場合 b) スキャンモードの場合
図JD.1−めっきの付着量の測定位置

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JD.6.4 測定
測定は,次による。
a) 1か所の測定時間は,4秒以下とする。装置を設置した製造ラインで測定するめっきの付着量のうち,
最小となるめっきの付着量表示記号の試験片を装置にセットし,規定の測定時間で連続10回測定した
ときの相対標準偏差1)が1 %以下,かつ,めっきの付着量を0.1 g/m2の単位まで読み取ることのできる
条件を設定する。ただし,X線強度をカウントで測定し,カウント数が10 000以上の場合は,繰返し
測定は不要とする。
注1) 測定値の標準偏差(分散の平方根の絶対値)を平均値によって除した値をいう[JIS K 0211
の3.10(測定の信頼性)参照]。
なお,条件を設定したときに使用しためっきの付着量表示記号より少ないめっきの付着量を測定す
る場合には,該当するめっきの付着量表示記号の試験片を用いて上記の条件を満たしていることを確
認する。上記の条件を満たしていないときには,改めて条件を設定し直す。
b) 設定された条件によって,コイルにX線を照射し,蛍光X線強度を測定する。
c) 検量線によって,蛍光X線強度を1 m2当たりのめっきの付着量(片面,g/m2)に換算する。
なお,コイルの面積が,めっきの付着量測定後にスキンパスなどによって変化する場合には,面積
の変化率を用いてめっきの付着量を補正する。
d) 表面及び裏面のめっきの付着量を合計してコイル1か所のめっきの付着量(両面,g/m2)とする。
JD.6.5 付着量の測定値
任意の1パス2)の3か所における付着量を用いて,めっきの平均付着量及び最小付着量を求める。ただ
し,パス数は複数としてもよく,複数のパスを用いる場合のめっきの平均付着量は,全てのめっきの付着
量測定値の平均とし,最小付着量は,全てのめっきの付着量測定値のうち最小の値とする。
注2) 1パスとは,X線発生部をコイルの任意の位置におけるコイルの縁から反対側の縁まで一方向
に移動させる間での測定をいう。
JD.7 装置の点検
装置の点検は,適切に行わなければならない。点検を行う事項は,JIS K 0119の箇条15(装置の点検)
によるほか,次による。
a) 装置の設置場所の温度・湿度が測定に影響を及ぼさないこと。
b) 測定するときの装置とコイルとの距離及び角度が一定であること。
c) 校正を行うときの試験片と装置との距離及び角度がコイルを測定するときと同じであること。
d) スキャンモードのときに,装置が一定速度で移動すること。
e) 装置が設定された条件で,コイルのめっきの付着量を測定していること。
f) 装置の汚れが測定に影響を及ぼさないこと。
g) この方法による付着量測定結果と他の測定方法(附属書JC又は附属書JE)で測定した結果とを比較
し,装置による測定結果に異常がないこと。

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JIS G 3317:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14788:2017(MOD)

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JIS G 3317:2019の関連規格と引用規格一覧