JIS H 0401:2013 溶融亜鉛めっき試験方法 | ページ 2

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b) 試験片の採取位置及び大きさ
試験片の採取位置及び大きさは,次による。
1) 管類の場合 試験片は,a) の2) によって,両端からそれぞれ長さ約60 mmの管状試験片を1個採
取する。ただし,試験片が大きすぎるものは,測定できる適切な大きさに切断してもよい。
なお,製品から試料を採取できない場合,めっき加工の注文者は,めっき業者に素材と同一の試
料及び素材の情報を提供するものとする。
2) 圧延鋼材類及び加工品類の場合 試験片は,a) の1),2) 又は3) によって採取し,長さは,約100
mmとする。ただし,板の場合は約100 mm×約100 mmとする。
3) ボルト・ナット類及び鋳鍛造品類の場合 試験片は,a) の1),2) 又は3) によって採取する。ただ
し,ねじ部を除くことができる。
5.2.3 試験液
試験液は,JIS K 8847に規定するヘキサメチレンテトラミン3.5 gを,密度1.18 g/cm3[35 %(質量分率)
HCl]以上の塩酸500 mLに溶かす。その溶液を水で1 Lに希釈する。
5.2.4 試験片の清浄
必要に応じて,有機溶剤で試験片を脱脂し,乾燥する。使用する有機溶剤は,めっきに害のないものと
する。
5.2.5 操作
めっき皮膜を除去する前に試験片の質量を1 kg未満の場合は0.01 gまで,1 kg以上の場合は0.1 gまで
求める。
その精度は,推定する付着量(見込み付着量)の1 %以下とする。
試験液の量は,試験片のめっき部分の表面積100 mm2当たり最少10 mLになるように溶液量を決める。
試験片を室温の溶液に完全に浸して,めっき皮膜が完全に除去するまで放置する。試験液1) 中の水素の盛
んな発生が止まると,めっき皮膜の除去が終了したことを示す。次いで,試験片を流水でゆすぎ,綿布な
どでよく拭った後,十分に乾燥させ,この項に示す精度で再び質量をはかる。ひょう量後,試験片のめっ
き部分の表面積S(mm2)を求める。表面積の測定精度は,1 %以下とし,1 mm2まで算出する。
なお,表面積の計算に用いる各数値は試験片図面に記載された公称寸法を用いてもよい。
注1) 試験液は,めっき皮膜が容易に除去される範囲内で繰り返し用いてよい。
5.2.6 付着量の計算
付着量は,次の式によって算出する。付着量の計算結果は整数とし,数値の丸め方はJIS Z 8401の規則
Bによる。
W1 W2
A 106
S
ここに, A : 付着量(g/m2)
W1 : 試験片のめっき皮膜を除去する前の質量(g)
W2 : 試験片のめっき皮膜を除去した後の質量(g)
S : 試験片のめっき部分の表面積(mm2)
なお,ねじ部を含む試験片のめっき部分の表面積S(mm2)は,次の式によって算出するが,計算に用
いる各数値は,公称寸法を適用してもよい(図1及び図2参照)。その他の形状の製品,又は試験片につ
いては,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS H 0401 pdf 6] ―――――

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a) 六角ボルト(メートルねじ)
S=1.95sdk+3.46sk−0.187s2−0.122dk2+3.14ds[l−(b+x/2) ]+1.30dsz−1.30z2
+(b−z+x/2) (5.27d2+0.267p2/d2)
S : 試験片のめっき部の表面積(mm2)
s : 二面幅(mm) l : 首下長さ(呼び長さ)(mm)
k : 高さ(mm) b : ねじ部長さ(mm)
dk : 頭部円径(mm) x : 不完全ねじ部長さ(mm)
ds : 軸径(mm) z : ねじ先長さ(mm)
d2 : 有効径(mm) p : ピッチ
図1−六角ボルト(メートルねじ)の形状及び寸法
b) 六角ナット(メートルねじ)
S=1.95sdk+3.46sm−0.187s2−0.122dk2−1.57d22+m (5.19d2+0.263p2/d2)
S : 試験片のめっき部の表面積(mm2)
s : 二面幅(mm) dk : 頂面径(mm)
m : 高さ(mm) p : ピッチ
d2 : 有効径(mm)
図2−六角ナット(メートルねじ)の形状及び寸法

5.3 磁力式厚さ試験

5.3.1  要旨
磁力式測定装置を用いて製品のめっき皮膜厚さを測定し,その皮膜厚さから換算によって付着量を求め
る。一般事項は,JIS H 8501の12.(磁力式試験方法)による。
5.3.2 試験片
製品をそのまま試験片とする。
5.3.3 測定箇所

――――― [JIS H 0401 pdf 7] ―――――

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試験片のめっき皮膜厚さ測定箇所は,できるだけ代表的な結果が得られるように切断面又は端部及び角
から10 mm以内の部分を除き,次のa) e) のいずれかに従って行う。
a) 2 m2以上の場合は3か所以上
b) 100 cm2以上2 m2未満の場合は1か所以上
c) 100 cm2未満の場合は1か所
d) 2 mを超える長さの場合は両端及び中央の3か所
e) 2 m以下の場合は,中央の1か所
5.3.4 操作及び付着量への換算
1か所につき5点以上を測定し,その平均値を1か所当たりのめっき皮膜厚さとする。
なお,測定点数は受渡当事者間の協定によって5点以外としてもよい。
換算付着量は,めっき皮膜の密度を7.2 g /cm3として,次の式による。
なお,付着量は整数とし,数字の丸め方はJIS Z 8401の規則Bによる。
A=7.2×t
ここに, A : 付着量(g/m2)
t : めっき厚さ(μm)

6 均一性試験方法(硫酸銅試験)

6.1 要旨

  めっきされた試験片を硫酸銅溶液の中に約60秒浸せきし,これを規定回数繰り返し,試験片表面の銅の
析出の有無を目視で判定する。
注記 硫酸銅試験1回当たりの浸せきでは,8 μm程度の厚さが減少する。

6.2 試験片

  試験片は,次による。
a) 試験片の採取方法 試験片は,5.2.2 a) によって採取する。
b) 試験片の採取位置及び大きさ 試験片の採取位置及び大きさは,次による。
1) 管類の場合 試験片は,5.2.2 b) の1) によって採取する。
2) 圧延鋼材類及び加工品類の場合 試験片は,5.2.2 a) の1),2) 又は3) によって採取し,長さは,
約100 mm 2) とする。ただし,板の場合は約100 mm×約100 mm 2) とする。
3) ボルト・ナット類の場合 試験片は,5.2.2 a) の1),2) 又は3) によって採取する。長さ150 mmを
超える試験片は,試験できる適切な大きさに切断2) するか,又は部分的に浸せきしてもよい。
4) 鋳鍛造品類の場合 試験片は,5.2.2 a) の1),2) 又は3) によって採取する。大きすぎるもの(め
っき面積が400 cm2を超えるもの)は,試験できる適切な大きさに切断2) するか又は部分的に浸せ
きしてもよい。
注2) めっきを施していない部分の表面積が大きくて硫酸銅溶液の濃度を著しく減じるような場
合には,この部分を適切な塗料などで被覆する。

6.3 試験液

  硫酸銅五水和物[純度98.5 %(質量分率)以上,鉄0.1 %(質量分率)以下,及び水不溶解分0.5 %(質
量分率)以下]36 gに対し水100 mLの割合に調合し,これを加熱溶解した後,遊離硫酸を中和するため
過剰な量の粉末状の水酸化銅(II)[Cu(OH)2](化学用)3), 4) を加えてかき混ぜ,24時間放置した後,ろ過
し,18 ℃とした密度1.1861.188 g/cm3(浮きばかりなどで測定)の溶液を試験液とする。

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注3) 水酸化銅(II)の量は,溶液10 Lに対し,約10 gである。これが過剰に存在することは,容器
の底に沈殿するので分かる。
4) 水酸化銅(II)の代わりに,酸化銅(II)[CuO](化学用)を溶液10 Lに対し約8 g用いてもよ
い。この場合には,48時間放置する。
又は粉状塩基性炭酸銅[CuCO3・Cu(OH)2](化学用)を溶液10 Lに対し,約12 g用いてもよ
い。この場合には,24時間放置する。

6.4 試験液の量

  試験液の量は,試験片を完全に浸し,その表面積1 cm2に対し6 mL以上を用い,浸せき回数20回に及
ぶまでは同一液を用いてもよい。

6.5 試験片の清浄

  試験片の清浄は,5.2.4による。

6.6 操作

  清浄にした試験片を1620 ℃に保った試験液の中央に静かに約60秒浸す。このとき,液をかき混ぜた
り,容器の壁に触れてはならない。
取り出した試験片は,直ちに水中で洗浄し,めっき皮膜上に付着した銅をブラシなどで拭い取る。
この操作を繰り返し行う。

6.7 終止点の判断

  試験片表面の上に光輝のある密着性金属銅が析出した場合,終止点とする。ただし,次の場合は終止点
としない。
a) 光輝のある密着性金属銅の析出した全面積が0.05 cm2に満たない場合。
b) 光輝のある密着性金属銅をナイフの背のような鈍い器具でぎ取ることができ,その下にめっき皮膜
が現れた場合。
注記 密着性金属銅の下にめっき皮膜が存在しているか,いないかについて疑いがある場合には,密
着性金属銅をぎ取り,この箇所に希塩酸の1滴又は数滴を滴下すれば,めっき皮膜が存在す
る場合には活発な水素の発生があるので判定できる。
c) 試験片の角又は端から10 mm以内に光輝のある密着性金属銅が析出した場合。
d) めっき後,生じた切りきず,かすりきず部分,これに隣接する部分に光輝のある密着性金属銅が析出
した場合。

6.8 判定基準

  6.6の操作をJIS H 8641の表2に規定された回数を繰り返し,終止点に達しない場合は適合とする。

7 密着性試験方法

7.1 目視による方法

5) 仕上げ完了後,ハンドリングでのめっき皮膜のき裂又は離の有無を調べる。
注5) 目視による方法は,ハンマ試験の適用を受けない製品に適用する。

7.2 ハンマ試験

7.2.1  要旨
ハンマで打撃を加えたときのめっき皮膜の表面状態を調べる。ただし,7.2.2の試験片が採取できる場合
に適用する。
7.2.2 試験片

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試験片は,表面が平たんで約40 mm以上×40 mm以上×8(厚さ)mm以上とする。
なお,製品から試験片を採取できない場合,めっき加工の注文者は,めっき業者に製品と同じ組成の素
材及び素材の情報を提供するものとする。
7.2.3 ハンマ試験装置
ハンマ試験装置を,図3に示す。
7.2.4 試験片の設置
試験片は,ハンマ打撃によって容易に動かないように水平に固定し,試験面は,ハンマと直角でなけれ
ばならない。
7.2.5 操作
試験面を水平に置き,ハンマは,支持台を中心に柄を垂直の位置から自然に落下させる。打撃は,4 mm
間隔で平行に5点行い,その打痕間の離及び浮き上がりを調べる。ただし,角又は端から10 mm以内は
試験の対象としない。また,同一箇所を2回以上たたいてはならない。
なお,試験は常温状態で行う。

7.3 判定基準

  密着性試験の判定基準は,次による。
a) 目視による密着性試験を行った結果,めっき皮膜にき裂又は離がない場合は,適合とする。
b) ハンマ試験を行った結果,打痕間に連続した浮き上がり又は離がない場合は,適合とする。
単位 mm
図3−ハンマ試験装置

8 性状試験方法(アルカリ試験)

8.1 一般

  性状試験は,JIS G 3442に適用する6)。
注6) 管類は表1に記載の試験方法を選択できるが,性状試験は水配管用亜鉛めっき鋼管(JIS G 3442)
だけに適用する。

8.2 試験片

――――― [JIS H 0401 pdf 10] ―――――

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JIS H 0401:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1460:1992(MOD)

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