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表4 A法の定量上限域再現性基準における標準溶液添加量及び標準偏差上限値
定量元素 使用する 標準溶液 定量元素 定量元素換 標準偏差上限値
標準溶液 添加量 添加量 算含有率 % (m/m)
ml 最 % (m/m)
銅 4.2(9) 12.5 1 250 0.25 0.005
鉄 4.2(11) 10.0 5 000 1.00 0.020
マンガン 4.2(13) 5.0 500 0.10 0.002
マグネシウム 4.2(15)
亜鉛 4.2(17) 0.003
チタン 4.2(19)
クロム 4.2(21)
バナジウム 4.2(23)
4.4 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.500gとする。
4.5 操作
4.5.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れる。
(2) 時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 15mlを加えて穏やかに加熱して分解する(2)。これに過酸化水素1mlを加
えて加熱し,試料を完全に分解するとともに過剰の過酸化水素を分解する。
(3) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く(3)。
注(2) 分解しにくい場合は,ニッケル溶液 [4.2(7) ] 又はすず溶液 [4.2(8) ] 1mlを加えて分解する。
(3) けい素などの不溶解残さを認めた場合には,溶液をろ紙(5種C)を用いてろ過し,温塩酸 (1
+100) 及び温水を用いて,ろ紙及び残さを洗浄する。ろ液及び洗液は,ビーカー (200ml) に集
めて主液として保存する。残さは,ろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,乾燥した後,
強熱して灰化する。放冷した後,硫酸 (1+1) 数滴とふっ化水素酸5mlとを加え,加熱して乾
固する。塩酸 (1+1) 2mlを加え,塩類を溶解し,溶液を主液に合わせた後,穏やかに加熱し,
液量が約70mlになるまで濃縮する。
4.5.2 発光強度の測定 発光強度の測定は,次のいずれかによる。
(1) 強度法による場合
(a) 4.5.1(3)で得た溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
(b) 溶液の一部をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,4.3(3)で選定した測定条件によって
定量元素の発光強度を測定する(4)。
(2) 内標準法(強度比法)による場合
(a) 4.5.1(3)で得た溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,イットリウム溶液 [4.2(6) ] を正
確に5ml加え,水で標線まで薄める。
(b) 溶液の一部をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,4.3(3)で選定した測定条件によって
定量元素及びイットリウムの発光強度を同時に測定し(4),定量元素とイットリウムの発光強度の比
を求める。
注(4) 基本的な測定操作は,JIS K 0116の7.3(ICP発光分析)による。
4.6 空試験 アルミニウム [4.2(5) ] 0.500gをはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れる。以下,4.5.1
の(2),(3)及び4.5.2(1)の手順,又は4.5.1の(2),(3)及び4.5.2(2)の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行し
て行う(5)。
注(5) 試料に対して,注(3)を適用した場合には,空試験にも注(3)を適用して試料と同じ操作を行う。
――――― [JIS H 1307 pdf 6] ―――――
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4.7 検量線の作成 検量線の作成は,次のいずれかによる。
(1) 4.5.2(1)によって発光強度を測定する場合
(a) アルミニウム [4.2(5) ] を0.500gずつはかり取り,7個のビーカー (200ml) にそれぞれ移し入れ,4.5.1
の(2)及び(3)の手順に従って操作する。定量元素の標準溶液を原則として表5に従って加える(6)(7)。
(b) 溶液をそれぞれ7個の100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
(c) 4.5.2(1)(b)に従って試料と並行して操作し,得た発光強度と標準溶液として加えた定量元素量との関
係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
注(6) 発光強度測定時にスペクトル重なりを生じる定量元素を一つの検量用溶液中に共存させてはな
らない。スペクトル重なりが生じる場合には,スペクトル重なりを生じる元素を共存させない
ようにしてそれぞれ別系列の検量用溶液を調製する。
(7) 液量が70mlを超えた場合には,穏やかに加熱して,液量が70ml程度になるまで濃縮する。
(2) 4.5.2(2)によって発光強度を測定する場合
(a) (1)(a)に従って操作した後,イットリウム溶液 [4.2(6) ] を正確に5mlずつ加え,(1)(b)に従って操作
する。
(b) 4.5.2(2)(b)に従って試料と並行して操作し,得た発光強度比と標準溶液として加えた定量元素量との
関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
――――― [JIS H 1307 pdf 7] ―――――
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表5 A法における定量元素の標準溶液添加量
定量元素 検量用溶液 1 検量用溶液 2 検量用溶液 3 検量用溶液 4
使用する 標準溶液 定量元素 使用する 標準溶液 定量元素 使用する 標準溶液 定量元素 使用する 標準溶液 定量元素
標準溶液 添加量 添加量 標準溶液 添加量 添加量 標準溶液 添加量 添加量 標準溶液 添加量 添加量
ml 最 ml 最 ml 最 ml 最
銅 0.0 0 4.2(10) 2.5 25 4.2(10) 5.0 50
鉄 0.0 0 4.2(11) 10.0 5 000 4.2(11) 8.0 4 000 4.2(11) 5.0 2 500
マンガン 0.0 0 4.2(14) 1.0 10
マグネシウム 0.0 0 4.2(16) 1.0 10
亜鉛 0.0 0 4.2(18) 1.0 10
チタン 0.0 0 4.2(20) 1.0 10
クロム 0.0 0 4.2(22) 1.0 10
バナジウム 0.0 0 4.2(24) 1.0 10
定量元素 検量用溶液 5 検量用溶液 6 検量用溶液7
使用する 標準溶液 定量元素 使用する 標準溶液 定量元素 使用する 標準溶液 定量元素
標準溶液 添加量 添加量 標準溶液 添加量 添加量 標準溶液 添加量 添加量
ml 最 ml 最 ml 最
銅 4.2(9) 2.5 250 4.2(9) 5.0 500 4.2(9) 12.5 1 250
鉄 4.2(11) 3.0 1 500 4.2(12) 5.0 500 4.2(12) 1.0 100
マンガン 4.2(14) 5.0 50 4.2(13) 2.5 250 4.2(13) 5.0 500
マグネシウム 4.2(16) 5.0 50 4.2(15) 2.5 250 4.2(15) 5.0 500
亜鉛 4.2(18) 5.0 50 4.2(17) 2.5 250 4.2(17) 5.0 500
チタン 4.2(20) 5.0 50 4.2(19) 2.5 250 4.2(19) 5.0 500
クロム 4.2(22) 5.0 50 4.2(21) 2.5 250 4.2(21) 5.0 500
バナジウム 4.2(24) 5.0 50 4.2(23) 2.5 250 4.2(23) 5.0 500
――――― [JIS H 1307 pdf 8] ―――――
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4.8 計算 計算は,次のいずれかによる。
(1) 4.5.2(1)によって発光強度を測定した場合 4.5.2(1)(b)で得た発光強度及び4.6で得た発光強度と,4.7
(1)(c)で作成した検量線とから定量元素量を求め,試料中の定量元素含有率を次の式によって算出する。
A1i ( A2i A3i )
Xi 100 ljWj
m
ここに, Xi : 試料中の定量元素iの含有率 [% (m/m) ]
A1i : 試料溶液中の定量元素iの検出量 (g)
A2i : 空試験液中の定量元素iの検出量 (g)
A3i : 4.6で用いたアルミニウム [4.2(5) ] 0.500g中に含まれる定量
元素iの量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
lj : 4.3(2)で求めた定量元素iに対する共存元素jのスペクトル重
なり係数
Wj : 試料中の共存元素jの含有率 [% (m/m) ]
(2) 4.5.2(2)によって発光強度を測定した場合 4.5.2(2)(b)で得た発光強度比及び4.6で得た発光強度比と,
4.7(2)(b)で作成した検量線とから定量元素量を求め,試料中の定量元素含有率を次の式によって算出
する。
A1i ( A2i A3i )
Xi 100 ljWj
m
ここに, Xi : 試料中の定量元素iの含有率 [% (m/m)
A1i : 試料溶液中の定量元素iの検出量 (g)
Ai : 空試験液中の定量元素iの検出量 (g)
A3i : 4.6で用いたアルミニウム [4.2(5) ] 0.500g中に含まれる定量
元素iの量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
4.3(2)で求めた定量元素iに対する共存元素jのスペクトル重
lj :
なり係数
Wj : 試料中の共存元素jの含有率 [% (m/m) ]
4.9 許容差 許容差は,表6による。表6中のD2の値は,JIS Z 8402の表4[D (n, 0.95) の値]による。
表6 A法の許容差
定量元素 発光強度 許容差
測定法 % (m/m)
銅 強度法 室内許容差 D2{0.008 2×(Cu含有率)+0.000 3}
室間許容差 2}
D2{0.015 6×(Cu含有率)+0.000
内標準法 室内許容差 2}
D2{0.007 5×(Cu含有率)+0.000
室間許容差 1}
D2{0.013 8×(Cu含有率)+0.000
鉄 強度法 室内許容差 3}
D2{0.010 0×(Fe含有率)−0.000
室間許容差 3×(Fe含有率)+0.000 3}
D2{0.012
内標準法 室内許容差 2×(Fe含有率)+0.000 2}
D2{0.009
室間許容差 8×(Fe含有率)+0.000 4}
D2{0.010
マンガン 強度法 室内許容差 7×(Mn含有率)+0.000 1}
D2{0.015
室間許容差 2×(Mn含有率)+0.000
D2{0.024 3}
内標準法 室内許容差 0×(Mn含有率)+0.000
D2{0.013 2}
室間許容差 8×(Mn含有率)+0.000
D2{0.022 1}
マグネシウム 強度法 室内許容差 4×(Mg含有率)+0.000
D2{0.018 1}
室間許容差 D2{0.026 6×(Mg含有率)+0.000 2}
――――― [JIS H 1307 pdf 9] ―――――
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定量元素 発光強度 許容差
測定法 % (m/m)
内標準法 室内許容差 D2{0.015 6×(Mg含有率)+0.000 2}
室間許容差 D2{0.023 0×(Mg含有率)+0.000 2}
亜鉛 強度法 室内許容差 7×(Zn含有率)+0.000
D2{0.017 2}
室間許容差 2×(Zn含有率)+0.000
D2{0.030 3}
内標準法 室内許容差 7×(Zn含有率)+0.000
D2{0.014 2}
室間許容差 1×(Zn含有率)+0.000
D2{0.026 1}
チタン 強度法 室内許容差 0×(Ti含有率)+0.000
D2{0.016 2}
室間許容差 5×(Ti含有率)+0.000
D2{0.034 3}
内標準法 室内許容差 7×(Ti含有率)+0.000
D2{0.013 1}
室間許容差 4×(Ti含有率)+0.000
D2{0.032 2}
クロム 強度法 室内許容差 3×(Cr含有率)+0.000
D2{0.014 7}
室間許容差 6×(Cr含有率)+0.000
D2{0.025 4}
内標準法 室内許容差 1×(Cr含有率)+0.000
D2{0.014 5}
室間許容差 4×(Cr含有率)+0.000
D2{0.024 4}
バナジウム 強度法 室内許容差 1×(V
D2{0.014 含有率)+0.0002}
室間許容差 4×(V
D2{0.025 含有率)+0.0003}
内標準法 室内許容差 8×(V
D2{0.013 含有率)+0.0002}
室間許容差 0×(V
D2{0.026 含有率)+0.0003}
5. B法
5.1 要旨 試料を塩酸と硝酸とで分解した後,溶液をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し、
定量元素の発光強度を測定する。
5.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+1)
(2) 硝酸 (1+1)
(3) ふっ化水素酸
(4) 硫酸 (1+1)
(5) 過酸化水素
(6) アルミニウム [4.2(5) ] による。
(7) イットリウム溶液 (1mgY/ml) [4.2(6) ] による。
(8) 標準銅溶液A (1mgCu/ml) 銅[99.9% (m/m) 以上]1.000gをはかり取ってビーカー (200ml) に移し
入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 30mlを加えて穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,
時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。溶液を1 000mlの全量フラスコ
に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて標準銅溶液Aとする。
(9) 標準銅溶液B (100 最 一 準銅溶液A [(8) ] を使用の都度,必要量だけ水で正しく10倍に薄めて
標準銅溶液Bとする。
(10) 標準銅溶液C (10 最 一 準銅溶液A [(8) ] を使用の都度,必要量だけ水で正しく100倍に薄めて
標準銅溶液Cとする。
(11) 標準鉄溶液A (500 最 攀一 11) ] による。
(12) 標準鉄溶液B (100 最 攀一 12) ] による。
(13) 標準鉄溶液C (10 最 攀一 準鉄溶液A [(11) ] を使用の都度,必要量だけ水で正しく50倍に薄めて
標準鉄溶液Cとする。
――――― [JIS H 1307 pdf 10] ―――――
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JIS H 1307:1993の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
JIS H 1307:1993の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH1351:1972
- アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISZ2611:1977
- 金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則