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H 7501 : 2016
図2−R型試験片の形状
表3−R型試験片の寸法
単位 mm
つかみ部幅 R部の最小幅 R部長さ R部半径 原標点距離
Bg b LR R Lo
16 6 30 25 6
つかみ部長さLgは,20 mm以上が望ましい。
6 試験装置
6.1 試験機
使用する試験機は,JIS B 7721によって校正されたものでなければならない。使用する試験機は,クロ
スヘッド速度一定の条件を満足できるものとし,箇条7の試験を行うために適した試験機とする。
6.2 試験片のつかみジグ
つかみジグは,高温試験中に塑性変形してはならない。
6.3 加熱装置
加熱装置は,温度調整装置を備えた加熱炉を用いる。試験中,加熱炉は試験片温度を標点距離全体にわ
たり,表4の許容範囲内で一様かつ一定に保つことができなければならない。
表4−試験温度の許容範囲
単位 K
試験温度 許容範囲
473を超え 873以下 ±3
873を超え 1073以下 ±4
1073を超え 1273以下 ±5
6.4 雰囲気
試験片寸法,特に,試験後の標点又は目盛間の距離の測定が可能な雰囲気を用いる。また,雰囲気によ
る試験機の損傷を避けなければならない。
常圧以外の雰囲気で試験を実施する場合,試験力は,大気圧と雰囲気炉内との圧力差及び試験ジグと雰
囲気炉との摩擦力の影響を補正することが望ましい。
――――― [JIS H 7501 pdf 6] ―――――
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H 7501 : 2016
6.5 温度測定装置
6.5.1 一般
温度測定装置は,温度測定器と熱電対とで構成する。
6.5.2 温度測定器
温度測定器は,測定温度の全範囲にわたって,JIS G 0567に規定する精度又はこれと同等以上の精度の
ものを使用する。
6.5.3 熱電対
熱電対は,JIS C 1602に規定する熱電対又はこれと同等以上のものを使用する。熱電対に用いる材料は,
使用温度及び環境に耐えることができなければならない。
なお,熱電対以外の測温体を使用する場合は,熱電対による場合と同等以上の精度をもつものを使用す
る。
7 試験手順
7.1 一般
試験手順は,7.27.8による。7.27.8に記載のない追加事項は,JIS Z 2241及びJIS G 0567による。
7.2 つかみの方法
試験片は,つかみジグによって固定し,試験中は軸方向の引張力だけが試験片に加わるようにする。試
験前に試験温度まで加熱し,その温度を保持する間,真直度を保つために,固定した試験片にはいかなる
軸圧縮も加えてはならず,小さな(σ10の5 %未満の)軸方向の引張力だけが加わった状態にしなければな
らない。
7.3 試験温度の測定
試験温度の測定は,6.5による。測定する温度は,試験片の表面温度とする。試験片の表面温度と炉内の
所定の位置の温度との間の相関が得られている場合,表面温度を測定しなくてもよい。より精密な温度測
定については,個々の場所で少なくとも二つの熱電対を使用し,全ての測定温度が許容範囲にあることを
確認する。
受渡当事者は,試験を開始する前の,試験片の試験温度までの昇温時間及び試験温度を維持する時間に
ついて取り決め,試験片全体にわたる均一な温度分布を保証しなければならない。試験中,試験温度は,
表4に示す許容範囲内に維持しなければならない。
7.4 負荷方法
試験は,一定のクロスヘッド速度で実施しなければならない。
7.5 試験片寸法の測定方法
試験片の原標点距離は,JIS Z 2241によって,少なくとも0.1 mmの単位まで測定する。原標点距離の両
端は,早期の破断をもたらす切欠きではなく,微細なマーク又はけ(罫)書き線で表示しなければならな
い。
7.6 超塑性伸びの求め方
試験前の原標点距離は,S型試験片の場合は18 mm,R型試験片の場合は6 mmとする。
超塑性伸びは,式(1)によって求め,有効数字はJIS Z 8401の規則Bによって二桁に丸める。
Lu Lo
A 100 (1)
Lo
ここに, A : 超塑性伸び(%)
――――― [JIS H 7501 pdf 7] ―――――
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H 7501 : 2016
Lu : 破断後の最終標点距離(mm)
Lo : 原標点距離(mm)
S型試験片の10 %変形応力は,式(2)で与えられる。
1.1F10
10 (2)
So
ここに, σ10 : 10 %変形応力(MPa)
F10 : 10 %変形力(N)
So : 試験片の原断面積(mm2)
なお,R型試験片では,10 %変形応力を求めない。
7.7 S型試験片によるm値の求め方
所定の温度及び微細結晶構造において,超塑性変形中の変形応力σfと真ひずみ速度 係は,式(3)
で与えられる。真ひずみ速度とクロスヘッド速度との関係は,式(4)で与えられる。
m
f
K (3)
1 1 V
N (4)
1 N 1 N Lc
ここに, V : クロスヘッド速度(mm/s)
εN : 公称ひずみ
N
公称ひずみ速度(s−1)
Lc : 平行部長さ(mm)
K : K値
m : m値
注記 式(3)はひずみ硬化が無視できる材料を前提としている。
次に,m値は,式(5)のように表される。
d ln f
m (5)
d ln
式(5)のm値は,応力とひずみ速度との両対数グラフの中の線の傾きから得ることができる。通常,m値
は変形条件及び材料に従い,01の範囲をとる。高いm値は,より大きな超塑性伸びを導く。
S型試験片によるm値は,次に示すa) e) の手順によって一つの試験片で,ひずみ速度急変法によって
求める。
a) 公称ひずみ10 %まで変形後,クロスヘッド速度を急増させる。
b) 更に公称ひずみ20 %まで変形させた後,クロスヘッド速度を急増させる。
c) この手順を公称ひずみ50 %以上まで5回以上繰り返す。
d) 各クロスヘッド速度における10 %変形応力とそれに対応する真ひずみ速度を求め,それらの関係を両
対数グラフ上に図示する。
e) この関係を最小二乗法によって直線回帰して,直線の傾きとしてm値をJIS Z 8401の規則Bによって
小数点以下一桁に丸める。
この手順を複数の試験片で繰り返し,m値における不確かさを求めてもよい。
ひずみ速度急変法を実施しない場合,五つ以上のS型試験片で,それぞれ異なるクロスヘッド速度の試
験を行う。各試験片の10 %変形応力とそれに対応する真ひずみ速度との関係からm値を求める。
7.8 R型試験片によるm値の求め方
R型試験片によるm値は,次のように,試験中断直前の試験力及び試験片寸法から求める。二つ以上の
異なるクロスヘッド速度において,R部伸び量が規定の値に達した後,引張試験を中断する。試験を中断
――――― [JIS H 7501 pdf 8] ―――――
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するR部伸び量は,ΔLR=3 mm±0.5 mmと規定する。最大クロスヘッド速度は,最小クロスヘッド速度の
210倍となるように選択する。各試験について,次に示すa) g) の手順によって各目盛における真応力
寰
σ[i]及び真ひずみ速度
を求める。
a) 部中央に引張軸方向に3 mm間隔の五つの目盛を設ける。図3のように試験片を引張軸が水平とな
るように置き,中央の最小断面積位置の目盛を目盛[0],左側の目盛を目盛[−6],[−3],右側の目盛を
目盛[+3],[+6]と呼ぶ。
単位 mm
図3−R部における目盛の付け方
b) 各目盛における試験前のR部の初期幅bo[i](i=−6,−3,0,+3,+6) 及びR部の初期厚さto[i]を測
定する。これらの値から,各目盛における原断面積So[i]を算出する。
c) 引張試験を行い,R部伸び量 勿 3 mmで中断する。この時点と,軸力が弾性変形段階においてひず
みに正比例して増加し始めるときから試験を停止するまでに必要な時間τinterにおける試験力Fを記録
する。
d) 各目盛における試験後のR部の幅b[i]及びR部の厚さt[i]を測定する。測定については,各目盛で値を
正確に測定することができる適切な測定器を用いなければならない。これらの値から,各目盛におけ
る断面積S[i]を算出する。
e) 各目盛における真応力σ[i]及び真ひずみ[i]は,次の式(6)及び式(7)から算出する。
Finter
i寰 (6)
S寰
So 寰i寰
i寰ln (7)
S
ここに, Finter : 試験開始からτinter経過した時点の試験力
f) 各目盛における真ひずみ速度 寰は,式(8)を用いて,真ひずみ[i]及び中断試験に必要な時間τinterから
求める。
i寰
i寰 (8)
inter
g) 2種類以上の異なるクロスヘッド速度で得た試験結果については,各目盛における真応力σ[i]と真ひず
――――― [JIS H 7501 pdf 9] ―――――
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H 7501 : 2016
み速度 寰との両対数グラフ上で直線回帰分析を実施する(図4参照)。線の傾きからm値を小数点以
下二桁まで算出する。そのとき,各断面積のデータを等価に扱うため,目盛[0]のデータに2倍の重み
を付けて回帰直線を求める。
図4−真応力と真ひずみ速度との関係の例(超塑性7475アルミニウム合金)
8 試験報告書
試験報告書には,受渡当事者間の協定によって,次の項目から選択して記載する。
a) 試験材料
1) 製造業者名
2) 材料の名称
3) 種類又は記号
4) 製造番号
b) 試験片の寸法
c) 試験装置の概要
d) 試験条件
1) 試験温度
2) クロスヘッド速度
3) 試験雰囲気
4) 加熱速度
5) 試験前の保持時間
6) 試験片の採取位置及び方向
e) 試験結果
1) 型試験片
1.1) 超塑性伸び
――――― [JIS H 7501 pdf 10] ―――――
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JIS H 7501:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 20032:2013(MOD)
JIS H 7501:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS H 7501:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7721:2018
- 引張試験機・圧縮試験機―力計測系の校正方法及び検証方法
- JISC1602:2015
- 熱電対
- JISG0567:2012
- 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
- JISG0567:2020
- 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
- JISH7007:2002
- 金属系超塑性材料用語
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方