この規格ページの目次
4
H 8682-2 : 2013
7.4 試験条件
試験環境は,常温で相対湿度65 %以下とする。試験条件は,表2による。
なお,試験片,基準試験片及び照合試験片の試験条件は,同じでなければならない。
表2−試験条件
項目 試験条件
一般皮膜a) 硬質皮膜b)
試験片角度 55°±1°
研削材の自然落下量 25 g/min±1 g/min
供給空気圧力又は不活性ガス圧力基準圧力 7.5 kPa 基準圧力 15.0 kPa
噴射ノズル下端と試験片との距離 10 mm±1 mm
注a) 耐摩耗性以外の目的で施されている皮膜
b) 耐摩耗性の目的で施されている皮膜(JIS H 8603参照)
7.5 手順
7.5.1 一般
判定方法は,7.5.2又は7.5.3のいずれかによる。
7.5.2 目視判定方法
手順は,次による。
a) ホッパに研削材を十分に満たす。
b) 研削材の自然落下量が,規定値の範囲内になるように装置を調整する。研削材の落下量は,試験中に
変化するおそれがあるので,規定値の範囲内にあることを適切な頻度で確かめなければならない。
c) 供給空気基準圧力又は不活性ガス基準圧力を規定値の範囲になるように調整する。この場合,供給空
気圧力又は不活性ガス圧力の調節を試験中に行ってはならない。
d) 基準試験片又は照合試験片の少なくとも3か所の試験位置を選び,各試験位置での試験前の皮膜厚さ
(d)を6.4の膜厚測定器で測定する。皮膜厚さ(d)は,0.1 μmまで求め,JIS Z 8401の規則Aによ
って0.1の幅に丸める。
e) 基準試験片又は照合試験片を鉛直方向に対して55°±1°で,試験面の中心が噴射ノズルの中心線下端
から10 mm±1 mmに位置するように試験片取付台に固定する。ただし,曲面の試験片では,落下す
る研削材と試験面中央部との角度を35°±1°とする。
f) 供給空気又は不活性ガス開閉弁を開く。連続して試験する場合は,供給空気又は不活性ガスの開閉弁
は解放のままでよい。
g) 研削材落下開閉板を開き,研削材を落下させると同時にストップウォッチを作動させる。
h) 目視によって素地露出(色変り)を観察し,その直径が約2 mmになった時点で研削材の流れを止め,
同時にストップウォッチを停止する。
i) ストップウォッチの作動時間(s)を記録する。
j) 隣接する試験位置の外周片間の距離を10 mm以上離して試験片の位置を変え,a) i)の操作を更に2
回以上繰り返す。
k) 基準試験片又は照合試験片の噴射摩耗試験に要した3回以上の摩耗時間の平均(Sm)を求める。
l) 試験片について,a) k)の手順を行う。
7.5.3 導通判定方法
手順は,次による。
――――― [JIS H 8682-2 pdf 6] ―――――
5
H 8682-2 : 2013
a) 7.5.2のa) g)による。
b) 目視によって素地露出(色変り)が観察された時点で研削材の落下を止め,同時にストップウォッチ
を停止する。
c) ストップウォッチの作動時間(t)を記録する。
d) 回路計を用いて,素地と研削部間との導通の有無を調べる。
e) 導通があった場合は,c)で記録した時間を基準として,それよりも短縮された一定の時間差(t)の試
験時間を56水準設定して,試験を繰り返す。導通がなかった場合は,c)で記録した時間を基準とし
て,それよりも長い試験時間を56水準設定して,試験を繰り返す。
f) 隣接する試験位置の外周片間の距離を10 mm以上離して,試験片の位置を変えた箇所で,e)で設定し
た時間で研削材の落下操作を行う。
g) 6.2の回路計を用いて,素地と研削部間との導通の有無を各試験位置について調べる。この場合,測定
用接触子の先端を研削部の1か所について3回軽く当て,回路計の指針が1回でも5 000 Ω以下を示
したときは,その研削部は皮膜が除去されて素地が露出したものとする。
h) 基準試験片又は照合試験片の素地が露出するまでに要した最短摩耗時間(Ss)を記録する。
i) 試験片について,a) h)の手順を行う。
8 試験結果の表し方
8.1 一般
試験結果の計算は,8.28.7のいずれかによる。ただし,必要に応じて,複数の摩耗特性を用いてもよ
い。
なお,基準試験片,照合試験片及び試験片の判定は,同一の判定方法を用いなければならない。
注記 噴射ノズルは,個々の装置及び装置の使用状況によって異なり,また,研削材の特性はロット
によって変化するので,基準試験片の耐摩耗性と比較した耐摩耗性係数で表すのが望ましい。
8.2 摩耗時間
目視判定方法では,3回以上の試験を行ったうち,皮膜の素地が露出するまでに要した平均摩耗時間(Sm)
を求め,JIS Z 8401の規則Aによって0.1の幅に丸める。導通判定方法では,56水準設定したうちの最
短摩耗時間(Ss)で表す。
8.3 耐摩耗性
基準試験片又は試験片の試験前の皮膜厚さ及び素地露出に要した時間から,皮膜の耐摩耗性(WRJ)を
式(1)によって求める。
WRJ S
(pdf 一覧ページ番号 )
d
ここに, WRJ : 噴射摩耗試験における基準試験片又は試験片の耐摩耗性
(s/μm)
S : 基準試験片又は試験片の素地が露出するまでに要した平均
摩耗時間(Sm)又は最短摩耗時間(Ss)
d : 基準試験片又は試験片の試験前の皮膜厚さ(μm)
注記 WRJ,S及びdの表記は,基準試験片の場合はWRJs,SJs,dsとし,試験片の場合は,WRJt,SJt,
dtとして表す。
8.4 耐摩耗性係数
基準試験片及び試験片の耐摩耗性から,試験片の耐摩耗性係数(WRCJ)を式(2)によって求める。
――――― [JIS H 8682-2 pdf 7] ―――――
6
H 8682-2 : 2013
WRJt
WRCJ (2)
WRJs
ここに, WRCJ : 噴射摩耗試験における耐摩耗性係数
WRJt : 試験片の耐摩耗性(s/μm)
WRJs : 基準試験片の耐摩耗性(s/μm)
8.5 噴射摩耗係数
噴射摩耗係数(KJ)を,式(3)によって求める。
s
KJ 10 (3)
Js
ここに, KJ : 噴射摩耗試験における噴射摩耗係数(μm/s)
ds : 基準試験片の試験前の摩擦面における皮膜厚さ(μm)
SJs : 基準試験片の3回以上の噴射摩耗試験に要した平均摩耗時間
(Sm),又は最短摩耗時間(Ss)
8.6 平均比耐摩耗性
試験片の平均比耐摩耗性(RJ)は,基準試験片で得られた値との比較値で,式(4)によって求める。
KJSJt
RJ (4)
dt
ここに, RJ : 噴射摩耗試験における平均比耐摩耗性
KJ : 噴射摩耗試験における噴射摩耗係数(μm/s)
SJt : 試験片の3回以上の噴射摩耗試験に要した平均摩耗時間(Sm),
又は最短摩耗時間(Ss)
dt : 試験片の試験前の皮膜厚さ(μm)
注記1 平均比耐摩耗性には次元はない。基準試験片の平均比耐摩耗性の値は,10である。平均比耐
摩耗性が10よりも大きければ,試験片の摩耗は,基準試験片よりも小さい度合いを示し,逆
に,10よりも小さければ,試験片の摩耗は,基準試験片よりも大きいことを示す。
注記2 皮膜は深さ方向で耐摩耗性が異なっていることがあり得るので,測定値は全皮膜厚さの平均
的な数値である。
8.7 相対平均比耐摩耗性
受渡当事者間で合意された照合試験片を用いて噴射摩耗試験を行う場合は,式(5)によって相対平均比耐
摩耗性(Rrel)をパーセントとして求める。
SJt dr
Rrel 100 (5)
dt SJr
ここに, Rrel : 噴射摩耗試験における相対平均比耐摩耗性(%)
SJt : 試験片の3回以上の噴射摩耗試験に要した平均摩耗時間(Sm),
又は最短摩耗時間(Ss)
dt : 試験片の試験前の皮膜厚さ(μm)
dr : 照合試験片の試験前の皮膜厚さ(μm)
SJr : 照合試験片の3回以上の噴射摩耗試験に要した平均摩耗時間
(Sm),又は最短摩耗時間(Ss)
9 試験報告書
試験報告書には,次の事項を含めなければならない。
a) この規格の番号 : JIS H 8682-2
b) 試験年月日
――――― [JIS H 8682-2 pdf 8] ―――――
7
H 8682-2 : 2013
c) 使用した試験装置
d) 圧縮空気又は不活性ガスの圧力
e) 研削材及びその粒度
f) 試験片の試験前の皮膜厚さ
g) 試験片表面での試験位置及び試験箇所の数
h) 終点の判定方法(目視判定方法又は導通判定方法)
i) 平均摩耗時間(Sm)又は最短摩耗時間(Ss)
必要に応じて,耐摩耗性(WRJ),耐摩耗性係数(WRCJ),噴射摩耗係数(KJ),平均比耐摩耗性(RJ)
j) 受渡当事者間で合意された照合試験片を用いて噴射摩耗試験を行った場合は,相対平均比耐摩耗性
(Rrel)
k) 試験中に観察された事象
l) 照合試験片の作製条件
――――― [JIS H 8682-2 pdf 9] ―――――
8
H 8682-2 : 2013
附属書A
(規定)
基準試験片(一般皮膜用)の作製仕様
A.1 アルミニウムの仕様
耐摩耗性試験用の基準試験片は,次のように,研磨又は光輝圧延アルミニウム平板とする。
素地の材種 : Al 99.50 %以上(A1050 P)
質別 : H14又はH24
標準寸法 : 140 mm×70 mm
厚さ : 1.0 mm2.0 mm
A.2 前処理
前処理は,界面活性剤による脱脂,軽度のアルカリエッチング及びスマット除去とする。
なお,電解研磨又は化学研磨を行ってもよい。
A.3 陽極酸化
陽極酸化は,次による。
a) 浴組成
遊離硫酸濃度 : 180 g/L±2 g/L
溶存アルミニウム濃度 : 5 g/L10 g/L
溶媒 : 脱イオン水
b) 電解条件
浴温 : 20 ℃±0.5 ℃
電流密度 : 1.5 A/dm2±0.1 A/dm2
浴かくはん : 圧縮空気及び/又は液循環
電解時間 : 約45分
皮膜厚さ : 20 μm±2 μm
試験片は,浴かくはんの効果があるように,その表面が垂直になるようにして陽極酸化する。直流電解
時のリップル率は,5 %以下とする。電解槽中の液量は,試験片1枚当たり最低10 L以上を必要とし,20
枚を超える試験片を同時に電解してはならない。基準試験片の厚さのそれぞれの変動幅は,±10 %とする。
注記 全ての試験条件を注意深く制御すれば,基準試験片は最も正確に作製でき,かつ,再現性があ
る。
A.4 封孔
封孔は,1 g/Lの酢酸アンモニウム[NH4(C2H3O2)]を含む沸騰脱イオン水に60分間浸せきする方法によ
る。
――――― [JIS H 8682-2 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS H 8682-2:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8251:2011(MOD)
JIS H 8682-2:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工 > 25.220.20 : 表面処理
JIS H 8682-2:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1202:2000
- 回路計
- JISH0201:1998
- アルミニウム表面処理用語
- JISH8680-2:1998
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法―第2部:渦電流式測定法
- JISR6111:2005
- 人造研削材
- JISR6111:2020
- 人造研削研磨材
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい