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れが十分安定していることを確認してから測定を開始する。雰囲気ガスを用いて測定する場合,でき
るだけ完全にガス置換する。
d) 測定開始温度の選定 目的とする温度領域で試料部分の加熱・冷却速度の制御が可能となるような温
度から測定を開始する。
e) 試料温度及び物理量出力の安定性の確認 測定を開始する前に,試料温度及び物理量の出力値が十分
安定していることを確認する。
f) 再現性の確認 同一条件下で測定を数回行い,再現性を確認することが望ましい。
7. データの質の管理
測定データには偏り及びばらつきの不確かさが含まれ,これらの不確かさをあら
かじめ評価しておくことが望ましい。
a) 装置の性能確認 データの偏りの評価には6.2によって,あらかじめ標準物質を測定し,装置の性能
確認を行うとともに,定期的に装置を校正し,特にDSC及びDTA測定の際には試料のひょう量に用
いる天びんは定期的に校正を行う。データのばらつきはベースラインの安定性に影響される。ベース
ラインの振れ幅の1/2をノイズ(N)とする。試料の測定ピークに対して,検出器出力の平均値を線で結
び,ノイズを含まない曲線を得る。ベースラインからピーク頂点までの高さをシグナル(S)とし,得ら
れたSとNとの比(SN比)が,2又は3となるSが装置の検出下限となる。各測定における注意点は,
次による。
1) SC装置 融解温度及び融解熱が既知の標準物質又は純物質を試料測定と同一の測定条件で測定
し,文献値と比較する。
2) G装置 減量温度及び減量率が既知の標準物質を試料測定と同一の測定条件で測定し,文献値と
比較する。測定条件としては,試料量,加熱速度,雰囲気ガスの種類及びガス流量,試料容器の形
状及び材質を同一にする必要がある。
3) MA装置 膨張測定では,測定温度範囲で膨張率又は膨張係数既知の標準物質を試料測定と同一
の測定条件で測定し,文献値と比較する。このとき,標準物質及び試料の寸法・形状が同一である
ことが望ましい。
b) 試料の調製 試料の調製は必要にして十分な量の試料を用いて行い,ノイズレベルに対して十分大き
なシグナルが得られるようにする。DSC及びDTAでは調製した試料を試料容器に詰めるときには,
試料及び容器の密着性を高める必要がある。DSC及びTGでは試料の量を正確にはかり,TMA及び
DMAでは試料の寸法をそろえ,正確に測定する必要がある。DSC及びTGで試料量のひょう量値に
不確かさが含まれるとき,ひょう量値の不確かさは,転移熱量及び質量減量率の測定値に不確かさが
生じる。同様に,TMA及びDMAで試料寸法の測定値に不確かさが含まれるとき,膨張率及び弾性率
の測定値の不確かさが生じる。特に,DMAにおける曲げ測定,3点曲げ測定及び片持ちばり測定で,
試料の厚さ及び設定長さに一定割合の不確かさが含まれる場合には,弾性率の測定値には,その3倍
の割合の不確かさを生じさせるため,特に注意を要する。
c) 繰返し性の確認 測定値の再現性及び繰返し性は,データのばらつきに影響される。データのばらつ
きには,装置性能のほか,測定条件,試料の調製などの条件が影響するので,データの再現性及び繰
返し性を評価する場合には,試料測定と同一条件で測定した測定値の再現性及び繰返し性を調べてお
くことが重要となる。
――――― [JIS K 0129 pdf 16] ―――――
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8. 測定結果の読み方
熱分析曲線における物理量の変化部分の補外開始温度,中点温度(複数のことも
ある。),ピーク温度(複数のこともある。),補外終了温度,変位量,ピーク面積,,物理量の一次微分など
を読み取るが,具体的には,それぞれの個別規格に規定する項目及び方法によって行う。
なお,表示記録部が自動データ処理化されている場合は,その処理プログラムの中に,原則としてそれ
ぞれの個別規格に規定する読み方が含まれていることとする。
また,読み取った数値を基に,計算によって必要な最終物理量を求める場合にも,それぞれ個別規格に
規定する方法によって行う。
9. 分析結果に記載すべき事項
9.1 数値の表し方
各温度は小数点以下1けたとする。また,最終物理量は,それぞれの個別規格に規
定する表し方による。
9.2 報告
報告には,必要に応じて,次の項目を記載する。
a) 試料の種類
b) 装置の製造業者名及び形式
c) 試料容器の形状及び材質
d) 試料の形状,大きさ及び質量
e) 試料の状態調節
f) 雰囲気ガスの種類及び流入量
g) 加熱速度,冷却速度,測定開始温度及び終了温度
h) 温度及び縦軸の物理量の校正に用いた純物質名又は標準物質名
i) 読取温度及び/又は必要最終物理量
j) 測定年月日
k) その他個別規格に規定する事項及び受渡当事者間で合意した事項
l) その他必要とする事項
10. 個別規格で記載すべき事項
熱分析による分析方法を規定する場合には,少なくとも次の項目を記載
する。
a) 測定対象物理量,定量範囲,その校正方法及び校正物質
b) 定量温度範囲,その校正方法及び校正物質
c) 分析装置の構成及び測定条件
d) 解析方法の種類
e) 分析試料名及び分析試料の調製方法
f) 分析結果の整理及び表示方法
――――― [JIS K 0129 pdf 17] ―――――
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関連規格 JIS G 5511 鉄系低熱膨張鋳造品
JIS H 7101 形状記憶合金の変態点測定方法
JIS H 7151 アモルファス金属の結晶化温度測定方法
JIS K 6226-1 ゴム−熱重量測定による加硫ゴム及び未加硫ゴム組成の求め方(定量)−第1
部 : ブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴム及びターポリマー,ブチルゴム,イソプレ
ンゴム,スチレンブタジエンゴム
JIS K 6226-2 ゴム−熱重量測定による加硫ゴム及び未加硫ゴム組成の求め方(定量)−第2
部 : アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR,XNBR,HNBR)及びハロゲン化ブチルゴム
JIS K 7120 プラスチックの熱重量測定方法
JIS K 7122 プラスチックの転移熱測定方法
JIS K 7123 プラスチックの比熱容量測定方法
JIS K 7196 熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法
JIS K 7197 プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法
JIS R 1618 ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨脹の測定方法
JIS R 3102 ガラスの平均線膨張係数の試験方法
JIS Z 3198-1 鉛フリーはんだ試験方法−第1部 : 溶融温度範囲測定方法
JIS K 0129:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0129:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISK7115:1999
- プラスチック―クリープ特性の試験方法―第1部:引張クリープ
- JISK7121:1987
- プラスチックの転移温度測定方法
- JISK7161:1994
- プラスチック―引張特性の試験方法 第1部:通則
- JISK7244-1:1998
- プラスチック―動的機械特性の試験方法―第1部:通則