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荷重負荷用コイル
荷重制御部
差動トランス
変位測定部
支持管
データ処理部
検出プローブ
試料
制御システム部
温度制御部
加熱炉
Ts測定部
熱電対
図 7 TMA装置の構成(一例)
e) MA装置 試料に所定周波数の振動的な応力を加える応力制御部,試料に生じる応力及びひずみを
測る応力測定部並びにひずみ測定部,応力の複素振幅とひずみの複素振幅との比である複素弾性率を
求める複素弾性率測定回路から構成される。応力制御部から試料に応力を伝え,試料からひずみ測定
部にひずみを伝えるために,プローブ及びチャックが用いられる(2)。試料に与える変形の様式によっ
て,プローブ及びチャックには,次のものがある。
1) 曲げ(両持ちばり)
2) 引張り
3) ずり(せん断)
4) 3点曲げ
5) 片持ちばり
6) 圧縮
図8に,DMA装置の構成の一例を示す。
注(2) 試料に振動的な応力を加えながらひずみを測る代わりに,試料に振動的なひずみを与えながら
応力を測る構成によっても動的粘弾性測定を行うことができる。
――――― [JIS K 0129 pdf 11] ―――――
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複
振動応力設定部 素
応力発生器 弾
性
率 データ
測
定 処理部
ひずみ測定回路 回
路
ひずみ検出器
プ
ロ Ts測定回路 制御
ー システム部
温度制御部 ブ
加
熱
炉
試料
部
測温部 チャック
図 8 DMA装置の構成(一例)
5.9 附属装置
附属装置は,必要に応じて次のものを付け加えてもよい。
a) SC及びDTA用附属装置
1) 自動試料供給・測定装置 試料容器を容器ホルダに自動的に装着する機能をもち,測定の開始及び
終了に合わせて容器ホルダに装着されている試料容器を交換し,自動的に測定データを記憶,又は
記録する。
2) 冷却装置 室温以下の温度領域において,加熱,冷却,急速冷却などの温度制御を行う。
3) サンプルクリンパ・シーラ 試料を容器に密着固定するためのクリンプ機能又は試料を容器内に密
封するためのシール機能をもつ。
4) 紫外線照射装置 紫外線照射によって生じる化学反応熱を観測するための附属装置で,光源部及び
波長選択部からなる。
b) G及びTG-DTA用附属装置
1) 自動試料供給・測定装置 試料容器を容器ホルダに自動的に装着する機能をもち,測定の開始及び
終了に合わせて容器ホルダに装着されている試料容器を交換し,自動的に測定データを記憶,又は
記録する。
2) G-DTA/MS測定装置 TG-DTA 及びMS以外に,TG-DTAの試料部で発生した気体をMSに導入
するための接続部及び気体導入部で構成する。
c) MA用附属装置
1) 冷却装置 室温以下の温度領域において,加熱,冷却,急速冷却などの温度制御を行う。
d) MA用附属装置
1) 冷却装置 室温以下の温度領域において,加熱,冷却,急速冷却などの温度制御を行う。
5.10 付加機能
付加機能には,次のようなものがある。
a) 共通機能
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1) 物理量信号及び温度信号の記録スケールの変更
2) 物理量信号及び温度信号の校正
3) ベースラインの傾きの補正
4) データの保存及び検索
5) 複数曲線の同一グラフ上での表示
6) 二つの曲線間における差の計算
7) 補外開始温度及び補外終了温度の読取り
8) 物理量の一次微分の計算
b) TA装置
1) 転移温度の読取り
2) ガラス転移温度の読取り
c) SC装置
1) 転移温度の読取り及び転移熱量の計算
2) ガラス転移温度の読取り及びその前後の熱容量差の計算
3) 熱容量の計算
4) 反応速度論による解析
5) 純度の計算
d) G装置
1) 質量差の計算
2) 質量信号の%表示
3) 反応速度論による解析
e) MA装置
1) 平均線膨張係数及び線膨張係数の計算
2) ガラス転移温度の読取り
3) 荷重の制御
4) 応力ひずみ曲線の表示(3)
5) クリープ曲線の表示(3)
6) 応力緩和曲線の表示(3)
注(3) IS K 7161及びJIS K 7115を参照。
f) DMA装置
1) 試料に加える応力(又はひずみ)の周波数設定(4)
2) 貯蔵弾性率,損失弾性率,損失係数(tanδ)の読取り(4)
3) 時間・温度重ね合せの原理に従ったマスターカーブ作成
4) 緩和現象の活性化エネルギー計算
注(4) IS K 7244-1 を参照。
6. 操作方法
6.1 装置の設置条件
装置の設置条件は,次による。
a) 強力な磁場,電場,高周波などを発生する装置が近くにない。
b) 振動が少ない。
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c) ほこりが少なく,腐食性ガスがない。
d) 日光が直接当たらない。
e) 供給電源の変動は,最小限に抑える。
f) 地震対策として,装置の固定を考慮する。
g) 電気的災害を防ぐため,接地を十分に行う。
h) 部屋の温度1035 ℃,相対湿度80 %以下で,結露しない。
i) 冷暖房器からの風が直接当たらない。
6.2 装置の校正
試験を行う前に,次の項目について校正する。
a) 温度校正 温度の校正では,実際の試料測定の場合と同じ試料周囲雰囲気及び加熱冷却速度で,標準
物質(5)又は純度99.99 %以上の純物質を用いて,個別規格又は各装置の取扱説明書によって行う。
各装置における温度校正の注意点は,次による。
1) SC及びDTA装置の温度校正 測定する温度範囲に近い2種類以上の標準物質又は純物質の補外
転移開始温度を用いて,通常補間法によって温度を校正する。このとき,必ず加熱測定で結果を得
る。冷却測定では,液体の過冷却に対処できないので,凝固点では校正してはならない。
2) G装置の温度校正 標準物質のキュリー温度を用いて行う。
なお,DSC,DTA装置との同時測定が可能なTG-DTAでは,DSC,DTA用と同様の標準物質を採
用できる。
3) MA装置の温度校正 標準物質の融解に伴い変形を起こす温度を測定し校正する。
4) MA装置の温度校正 転移温度の知られた標準物質を所定の周波数条件で測定し,転移に伴い,
複素弾性率が変化する温度を測定し,校正する。
注(5) 標準物質については,JIS K 7121の7.(温度の校正)を参照。
b) 物理量校正 物理量校正は,個別規格又は各装置の取扱説明書によって行う。各装置における物理量
校正の注意点は,次による。
1) SC装置の熱量校正 測定する温度範囲に近い1種又は2種類以上の標準物質又は純物質の一次相
転移に伴う熱量又は熱容量を用いて行う。このとき,必ず加熱測定で結果を得る。
2) G装置の質量校正 質量の計量範囲について,化学はかり用分銅を用いて質量の校正を行う。
3) MA装置の変位校正 附属しているマイクロメータ又は既に長さを測定済みの標準物質を用いて
変位検出器の校正を行う。
4) MA装置の複素弾性率校正 複素弾性率について値付けされた標準物質を用いて複素弾性率校正
を行う。また,装置の構成によっては,複素弾性率の標準物質を用いることに代え,化学はかり用
分銅を用いて力を校正し,マイクロメータ又は既に長さを測定済みの標準物質を用いて変位を校正
し,さらに,損失係数について値付けされた標準物質を用いて力出力を変位出力との位相差を校正
することによって複素弾性率校正を行う。
6.3 試料の調製方法
試料の粉砕,切断成形,状態調節などの処理は,揮発・飛散及び変質のないよう
に考慮し,それぞれの個別規格に規定する方法によって行う。各装置における試料調製の注意点は,次に
よる。
a) SC装置 試料に熱的及び機械的履歴を与えないようにして,熱伝達がよい形状及び量に調製する。
試料容器は測定目的に合致したものを選択する。試料を均一にして,なるべく薄く平らになるように
試料容器に入れる。試料容器をシーラーなどで詰め込んだ後は,試料容器の底面が平らであることを
確認する。
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b) G装置 試料形状はできるだけ細かい,粒径のそろった粉末にするか,薄片にすることが望ましい。
試料容器は,試料へのパージガスの流通を良好にするため,通常ふたは使用しない。また,試料量は,
装置の感度が許す限り少なくして,底の浅い容器にできるだけ薄く,分布面積を広く,均一に軽く試
料容器に詰める。
c) MA装置 試料の切断及び加工を行う場合には,試料に熱履歴及び加工ひずみを加えないように注
意して作業を行う。具体的には,はさみ,ニッパー,カッター,糸のこなどを使用して,ゆっくりと
切断する。さらに,サンドペーパーで削る方法もある。膨張測定では,荷重が加えられる面が互いに
平行で平坦であり,長さ方向に対して直角になるような形状が望ましい。測定する面が平坦でない場
合,試料の初期長さに誤差を含み,測定結果(膨張率,膨張係数)に影響を与えたり,測定中に試料及
び検出プローブ並びに支持管の間で機械的な動き(ずれ,段差)が発生し,再現性のない結果となるこ
とがある。粉末状の試料の場合,試料成形器具を使用し特定の圧力で加圧成形することによって,測
定できることもある。引張測定では,一定の厚さのフィルム及びシートを再現性良く切り出すことが
重要である。一定の幅の金属ブロックの両端にカッターの刃を固定した切出カッター,金属板に一定
の幅のスリットが切られたものなどを利用すると,作業が容易となる。延伸されたフィルムなどの場
合,試料に配向があることが考えられ,切り出し方向によって膨張量が異なることもあり,切り出し
方向の選択が必要となる。針入測定の場合には,ピンと接触する試料面がフラットで,ピンと直角に
当るような試料形状にする必要があり,平坦なディスク又はシート状の形状が望ましい。
d) MA装置 試料の切断及び加工を行う場合の注意点は,TMA装置の場合と同様である。
なお,DMAの場合,試料の長さ,幅及び厚さのように3次元各方向の寸法がいずれも重要であり,試
料が均一な幅や厚みをもつようにすることが望ましい。板状試料をカッターで切り出すとばりが出やすい
ので,測定前にばりを落しておく。
6.4 装置操作条件の設定
装置操作条件は,次の項目について設定し,空試験のベースラインを確認(6)
する。
a) 測定温度(又は時間)範囲及び物理量範囲。
b) 加熱速度又は冷却速度並びに等温保持温度又は等温保持時間。
c) 試料周囲の雰囲気ガスの種類,及び流量又は圧力。
注(6) TA,DSC及びTGでは,通常,空の容器を実際の試験の場合と同じ試料雰囲気,スケール及
び加熱速度で測定した,熱分析曲線(空試験のべースライン)が安定していることを確認する。
TMAでは,プローブと同材質の試料を用い,実際の試験の場合と同じ試料周囲雰囲気,スケー
ル及び加熱速度で測定したTMA曲線(空試験のべースライン)が安定していることを確認す
る。
6.5 測定
a) 試料容器,プローブなどの材質の選択 試料容器,プローブなど試料に直接接触する物質及び炉内材
質の選択は,測定温度範囲,測定雰囲気,試料との反応性などを考慮して決定する。また,開放形試
料容器又は密閉形試料容器のいずれを用いるかについても,目的に応じて選択する。
b) 試料の量,試料の大きさの選択 試料の検出感度及び温度分布を考慮して,できるだけ目的に合致し
た正確さで測定できるように,試料の熱伝導,加熱冷却速度,加熱炉の大きさなどに注意して決定す
る。試料量,試料の大きさ,加熱冷却速度などの違いによって,測定すべき物理量がどのように変化
するか確認することが望ましい。
c) 試料周囲雰囲気の調整 測定に当たっては,試料周囲雰囲気があらかじめ定められた状態になり,そ
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JIS K 0129:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0129:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISK7115:1999
- プラスチック―クリープ特性の試験方法―第1部:引張クリープ
- JISK7121:1987
- プラスチックの転移温度測定方法
- JISK7161:1994
- プラスチック―引張特性の試験方法 第1部:通則
- JISK7244-1:1998
- プラスチック―動的機械特性の試験方法―第1部:通則