JIS K 0130:2008 電気伝導率測定方法通則 | ページ 3

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である。温度補償に伴う誤差がないので,指定温度における電気伝導率を最も正確に測定できる。
a) 電気伝導率計のセル定数補正目盛,又は計器に表示されるセル定数の数値を,使用する検出部の正し
いセル定数に合わせる。
b) 試料の流量を,計測器の取扱説明書を参考に,適切に調節した後,試料温度を指定温度(通常は25 ℃
±0.5 ℃)に調節する。
c) 温度補償を行わない状態に設定して,十分に恒温となった後,電気伝導率を測定する。
8.3.2 温度補償を行う場合の操作
任意の試料温度で測定し,温度補償を行って25 ℃における電気伝導率を求める方法である。
a) 電気伝導率計のセル定数補正目盛,又は計器に表示されるセル定数の数値を,使用する検出部の正し
いセル定数に合わせる。
b) 試料の流量を,計測器の取扱説明書を参考に,適切に調節した後,測定温度が0.5 ℃以内で安定する
まで待ち,温度を読み取る。
c) 温度補償方式に応じて電気伝導率計の温度補償の設定を行い,電気伝導率を測定する。
1) 温度補償機能がない場合は,8.2.2 d) 1)と同様に操作する。
2) 手動温度補償の場合は,温度補償の設定を測定温度に合わせる。
3) 自動温度補償の場合は,測定温度を設定する必要はない。ただし,温度補償用測温体が試料温度と
等しくなっていなければならない。
4) 0.1 mS/m (25 ℃) 以下の試料を測定するときは,二重温度補償を行う必要がある。また,高い電気
伝導率の試料を測定するときは,特に,温度補正係数が試料に適合していることが大切である。

9 測定上の注意

  電気伝導率の測定における妨害要因として,次のようなものがある。
a) 溶存気体 試料が大気と接触すると,気体の溶解によって溶存気体の量が変わるために,試料の電気
伝導率が変化する。特に,1 mS/m以下の水は,大気中の二酸化炭素の溶解によって電気伝導率が増加
する。
このような場合,流液形(流通形)若しくは配管挿入形検出部を用いることによって,又は試料の
表面をJIS K 1107に規定する窒素,ヘリウムなどの不活性気体で覆うことによって,大気との接触を
避けることができる。
b) セルの汚れ 試料中にグリース,油,微生物などの不溶性又は粘着性物質があると,セルが汚れ,正
しい測定ができないので,適切な溶剤又は洗剤でセルを洗浄する必要がある。
c) 試料中の異物 電解質水溶液の電気伝導率を測定する場合,試料中に懸濁物,気泡などがあるときは,
測定値に影響を及ぼすことがあるので注意する。

10 データの質の管理

10.1 測定装置の性能確認

10.1.1 電気伝導率計の性能確認
次に示す項目から必要なものについて確認するとともに,点検・保守の項目,内容,期間などに関する
基準を製造業者の提供する取扱説明書などを参考にして作成し,電気伝導率計の定期的な点検を行う。
なお,必要に応じてこれら以外の項目を追加してもよい。
a) 温度表示 JIS Z 8710に規定する精密級の温度計を使用し,電気伝導率計の温度表示との誤差を確認

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する。誤差が測定目的の精度を満足しない場合は,製造業者の提供する取扱説明書などに従って温度
校正を行う。
b) セル定数 塩化カリウム標準液を7.1によって調製し,7.2によってセル定数の確認を行う。セル定数
が大きく変化した場合は,電極の洗浄を行った後に,7.2又は製造業者の提供する取扱説明書などによ
ってセル定数の再測定を行う。
c) 繰返し性及び再現性 測定目的に応じた繰返し性及び再現性を得るには,定期的な精度管理が重要で
ある。必要に応じて使用者が精度の管理基準を設け,これに適合する装置を使用し,箇条8の方法に
よって測定を行うことが望ましい。繰返し性及び再現性が測定目的の精度を満足しない場合は,製造
業者の提供する取扱説明書などによって適切に保守・点検を行う。また,測定値の報告書には,測定
結果に加えて精度管理にかかわるデータを付記することが望ましい。
10.1.2 温度制御装置の性能確認
熱交換器,恒温槽などを用いて,試料温度を指定温度に調整して測定する場合は,試料温度の再現性及
び温度分布を確認する。

10.2 適切な試料の採取方法及び取扱方法

  試料の採取方法及び取扱方法は,個別規格に規定する方法によって行うが,試料と大気との接触,異物
の混入などによって測定値に影響を及ぼすことがあるので,必要に応じて適切な処置を行う。

11 個別規格に記載すべき事項

  電気伝導率計を用いて電気伝導率を測定する方法を規定するに当たっては,次の各項目を記載しなけれ
ばならない。ただし,必要がなければ,その一部を省略してもよい。
a) 規格番号
b) 試料の名称
c) 電気伝導率計の方式
d) 温度補償がある場合は,その方式
e) セル(特に電極)の材質及び形状並びにセル定数及びその測定方法
f) 試料採取方法
g) 測定試料の状態(静止状態又は流動状態)
h) 測定温度又は指定温度
i) 測定方法
j) 測定値の不確かさ

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附属書A
(参考)
白金黒めっき

序文

  この附属書は,本体の規定を補足するものであって,規定の一部ではない。
A.1 一般事項
電極の白金黒めっきが必要な場合は,次のとおり行う。
a) 白金黒の除去方法 白金黒は,JIS K 8180に規定する塩酸中で白金(黒)電極を陽極として電解する
と,容易に取り除くことができる。
b) 白金黒めっき方法 白金黒めっき方法は,次による。
1) IS K 8153に規定するヘキサクロロ白金 (IV) 酸六水和物を30 g及びJIS K 8374に規定する酢酸鉛
(II) 三水和物を0.25 gひょう量し,JIS K 0557に規定する水A2,A3又はA4を用いて全量1 Lと
なるように調製された電解液に,白金電極を入れ,直流約6 Vの電源を用いて,電解液をかき混ぜ
ながら,一定電流密度 (100400 A/m2) で数回極性を切り替え,約10分間通電する[35140 kC
(クーロン)/ m2]。
2) 次に,硫酸 (1+360) 中で約30分間,ときどき電流の方向を変えて通電し,付着又は吸蔵されたヘ
キサクロロ白金 (IV) 酸及び塩素を除く。

JIS K 0130:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0130:2008の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0213:2014
分析化学用語(電気化学部門)
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK1107:2005
窒素
JISK8121:2007
塩化カリウム(試薬)
JISZ8710:1993
温度測定方法通則