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K 0970 : 2013
表2−空気置換式(type A)及び直接置換式の再利用タイプ(type D1)の最大許容誤差
公称容量 最大許容系統誤差 最大許容偶然誤差
μL ±% ±μLa) ±%b) ±μLc)
1 5.0 0.05 5.0 0.05
2 4.0 0.08 2.0 0.04
5 2.5 0.12 1.5 0.07
10 1.2 0.12 0.8 0.08
20 1.0 0.2 0.5 0.1
50 1.0 0.5 0.4 0.2
100 0.8 0.8 0.3d) 0.3d)
200 0.8 1.6 0.3d) 0.6d)
500 0.8 4 0.3 1.5
1 000 0.8 8 0.3 3
2 000 0.8 16 0.3 6
5 000 0.8 40 0.3 15
10 000 0.6 60 0.3 30
20 000 0.6 120 0.3 60
注a) .5.4に示される10回の測定の平均値と公称容量又は設定容量との偏差。
b) .5.5に示される10回の測定の相対標準偏差。
c) .5.5に示される10回の測定の繰返しの標準偏差。
d) 直接置換式の再利用タイプ(type D1)については,最大許容偶然誤差は,0.4 %と
する。
b) 直接置換式の使い捨てタイプ(type D2)の最大許容誤差は,表3による。
表3−直接置換式の使い捨てタイプ(type D2)の最大許容誤差
公称容量 最大許容系統誤差 最大許容偶然誤差
μL ±% ±μLa) ±%b) ±μLc)
5 2.5 0.13 1.5 0.08
10 2.0 0.2 1.0 0.1
20 2.0 0.4 0.8 0.16
50 1.4 0.7 0.6 0.3
100 1.5 1.5 0.6 0.6
200 1.5 3 0.4 0.8
500 1.2 6 0.4 2
1 000 1.2 12 0.4 4
注a) .5.4に示される10回の測定の平均値と公称容量又は設定容量との偏差。
b) .5.5に示される10回の測定の相対標準偏差。
c) .5.5に示される10回の測定の繰返しの標準偏差。
c) 表2及び表3の数値の中間の公称容量をもつ固定容量形の最大許容誤差は,表2及び表3に示された
直近の数値のより大きい公称容量の最大許容誤差とする。
5.2 可変容量形の最大許容誤差
可変容量形の最大許容誤差は,有効容量範囲全体にわたり公称容量の最大許容誤差とする。空気置換式
(type A)及び直接置換式の再利用タイプ(type D1)の最大許容誤差は,表2による。直接置換式の使い
捨てタイプ(type D2)の最大許容誤差は,表3による。
5.3 マルチチャネルの最大許容誤差
マルチチャネルの最大許容誤差は,表2で規定した値の2倍とする。
――――― [JIS K 0970 pdf 6] ―――――
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6 性能試験
性能試験は,附属書Aに従って行う。A.5.3に示す質量から体積への変換を附属書Bによる補正を用い
て行った後,系統誤差をA.5.4に従って,偶然誤差をA.5.5に従って計算する。計算したこれらの値は,表
2及び表3に示す最大許容誤差を超えてはならない。
注記 附属書Aに示す試験方法は,実際の使用環境において用いる場合がある。
7 校正
校正を行う場合には,得られた値の不確かさを算出して評価する。その方法の例を附属書Cに示す。
8 表示
ピストン式ピペットには,次の事項を表示しなければならない。
a) この規格の番号
b) 公称容量又は有効容量範囲
c) 測定単位(μL又はmL)
d) 供給者の名称及び/又は商標
e) ピストン式ピペットの名称又は型式
f) 製造番号又は同等の識別子
――――― [JIS K 0970 pdf 7] ―――――
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附属書A
(規定)
試験方法
A.1 試験機器
A.1.1 質量の計測器
質量の計測に用いるはかりは,被試験器の設定容量に応じて表A.1の要求性能を満たさなければならな
い。
表A.1−設定容量に応じたはかりの要求性能
被試験器の設定容量a) はかりの要求性能
分解能 繰返し性及び直線性b) 測定の標準不確かさc)
V mg mg mg
1 μL ≦ V ≦ 10 μL 0.001 0.002 0.002
10 μL < V ≦ 100 μL 0.01 0.02 0.02
100 μL < V ≦ 1 000 μL 0.1 0.2 0.2
1 mL < V ≦ 10 mL 0.1 0.2 0.2
10 mL < V ≦ 20 mL 1 2 2
注a) 実用上,公称容量に基づきはかりを選択してもよい。
b) 製造業者が提供するカタログ,仕様書,校正証明書などから確認する。
c) 校正証明書などからはかりの測定の標準不確かさが分かっている場合には,繰返し性及び直線性
の代わりにこれを使用してもよい。ただし,測定の標準不確かさは,分解能の3倍を超えてはな
らない。
A.1.2 温度の計測器
温度の計測器は,次による。
a) 温度計(液中) 0.1 ℃以下の標準不確かさをもつもの。
b) 温度計(室温) 0.2 ℃以下の標準不確かさをもつもの。
A.1.3 湿度計
10 %以下の標準不確かさをもつもの。
A.1.4 大気圧計
5 hPa以下の標準不確かさをもつもの。
A.1.5 ひょう量容器
測定中の試験液の蒸発をなるべく少なくするため,蓋付のものが望まれる。
A.2 試験に用いる水(試験液)
蒸留水又はイオン交換水を用いる。
注記1 腐敗すると粘性,密度などの特性が変化して試験結果に影響するため,適切な管理が必要で
ある。
注記2 試験液の容器は,一連の測定において注ぎ足しなどが不要なように十分な量をためることが
できる容積が必要である。
――――― [JIS K 0970 pdf 8] ―――――
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A.3 試験条件
A.3.1 一般
被試験器は,製造業者が提供する取扱説明書などの規定に従って操作し,試験前には基本的機能が正常
であることを確認する。
A.3.2 試験室
試験は,空調機による風などでピペッティングに影響が出ない安定した環境の試験室で行う。
試験中の試験室の環境は,相対湿度50 %以上,温度15 ℃30 ℃の範囲内の一定温度(温度変化が±
0.5 ℃以内)とする。
注記 湿度が65 %を超える環境では試験機器などへの結露に注意する必要がある。
A.3.3 蒸発
試験中の試験液の蒸発による影響がないように注意する。
特に,50 μL未満の少量の試験の場合には,蒸発に考慮したひょう量容器の構造及び蒸発防止装置など
の付属品を備えたはかりの使用,並びに試験時間に配慮する。
注記 蒸発防止装置とは,液体の蒸発による影響を緩和させるために,ひょう量台の周辺に水を張る
ようにしたはかりの付属品。
A.3.4 試験のサイクル時間
試験時間(1回の分注に必要な時間)は,最小限に保つ。おおむね60秒を超えないことが望ましい。ま
た,試験時間及び試験の間隔は一定であることが望ましい。
A.3.5 試験容量
固定容量形の場合,試験容量は公称容量とする。可変容量形の場合は,少なくとも次の三つの容量を試
験する。
a) 公称容量
b) 公称容量の約50 %
c) 有効容量範囲の下限値又は公称容量の10 %のいずれか大きい方
注記 試験容量の設定は,取扱説明書などで指定する方法で行いバックラッシュの影響を避ける。
バックラッシュとは,可変容量形ピストン式ピペットの数値目盛(ダイアル)内の歯車機構
において,回転方向に意図して設けられた隙間である。
A.3.6 試験容量ごとの測定回数
各試験容量について10回の測定を行う。
なお,可変容量形においては,10回の測定中に試験容量の設定を変更してはならない。
A.4 試験手順
A.4.1 空気置換式(type A)
A.4.1.1 シングルチャネル
シングルチャネルは,次による。
a) 準備
1) 試験開始前に全ての試験機器及び被試験器並びに試験液を試験室に置き,温度差がないようにする。
2) 試験開始時の試験液の温度並びに試験室の大気圧,相対湿度及び室温を記録する。
3) ひょう量容器に試験液を3 mm程度の深さになるまで入れる。
4) チップをピペットに取り付ける。
――――― [JIS K 0970 pdf 9] ―――――
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5) 試験液の吸引・排出(リンス)を5回行い,ピペット内の空気層を試験液の蒸気で満たすことによ
って湿度を平衡状態にする。
注記 この吸引・排出の操作をリンシング操作又は単にリンスという。
b) 試験
1) 新しいチップに交換する。
2) 試験液の吸引・排出(リンス)を1回行う。
3) はかりにひょう量容器を載せ,風袋引きするか,又は風袋を記録する。
4) プッシュボタンを1段目の停止位置まで押し下げ,チップ先端を試験液の容器の液面から2 mm
3 mm程度沈める。
5) ゆっくりプッシュボタンを戻し,そのまま1秒2秒待ってチップに完全に試験液を満たす。
6) ピペットを垂直に引き上げて水面から取り出す。
7) 試験液の容器の内面壁にチップ先端を付けてチップの外側に付着している水滴を拭い取る。
8) チップの先端をひょう量容器の内面壁に約30°45°の角度で付けた状態でプッシュボタンを1段
目の停止位置まで押し下げてチップ内の試験液を排出する。
9) 排出が止まったらプッシュボタンを2段目の停止位置まで一気に押し込んでチップ内に残っている
試験液を全て排出する。
10) プッシュボタンを押し下げたままチップ先端をひょう量容器の内面壁に沿って引き上げて,チップ
先端又はその周りに付着している水滴を拭い取る。
11) 安定するのを待ってからはかりの指示値を読み取り,記録する。
12) 各試験容量について10回の測定が完了するまで上記1)11)の試験を繰り返す。ただし,1)のチッ
プの交換については2回目以降においては任意とする。
13) 10回目の測定が完了後,試験液の容器に残っている試験液の温度を測定し,a) 2)で記録した試験開
始時の試験液の温度との平均温度を計算して記録する。
14) 試験液の蒸発による質量損失を計算する必要がある場合は,10回の測定が完了するまでに要した時
間を記録し,それと同じ時間経過後にひょう量容器内の試験液の質量を測定,記録する。
15) 必要がある場合には,A.5.1で計算した蒸発による質量損失量を1回ごとの各排出量に加える。
注記 試験と試験との間,時間がかかる場合には,ピペットが操作者の手で温まらないように注意
する。
A.4.1.2 マルチチャネル
マルチチャネルのピストン式ピペットは,単一の作動機構によって全てのチャネルが同時に動作する一
組の単一容量測定ユニット及び排出ユニットで構成されているという点で,シングルチャネルのピストン
式ピペットに類似していることから,試験は,各チャネルをシングルチャネルとみなし,A.4.1.1のシング
ルチャネルと同様に試験を行う。
A.4.2 直接置換式(type D)
直接置換式(type D)については,A.4.1.1に準じて試験を行う。ただし,A.4.1.1 a) 5)及びb) 2)のリンス
操作は,取扱説明書などで指示がなければ行わなくてもよい。
A.5 試験の評価
A.5.1 蒸発量損失の計算
蒸発による質量損失を計算する必要がある場合には,式(A.1)によって各排出量の平均の質量損失(me)
――――― [JIS K 0970 pdf 10] ―――――
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JIS K 0970:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8655-2:2002(MOD)
- ISO 8655-6:2002(MOD)
JIS K 0970:2013の国際規格 ICS 分類一覧
- 71 : 化学技術 > 71.040 : 分析化学 > 71.040.20 : 実験用器具及び関連装置
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定
JIS K 0970:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISZ8103:2019
- 計測用語