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K 1557-8 : 2020
測定試料溶液の調製方法を7.2のA法及び7.3のB法に規定する。A法は,キャピラリーカラムクロマ
トグラフに使用され,B法は,充カラムクロマトグラフに使用される。検量線溶液の濃度範囲は,アク
リロニトリル及びスチレンが測定できるレベルを基準として選択する。検量線は,それぞれの濃度を4点
選択して作成する。
7.2 A法(キャピラリーカラム)
7.2.1 内標準液の調製
500 mL全量フラスコに,表2に規定する内標準物質の量を0.1 mgまでひょう(秤)量する。これに溶
媒を加えて500 mLにし,密栓をしてよく混合する。これを内標準液とする。
7.2.2 検量線溶液の調製
500 mL全量フラスコに,表2に規定するアクリロニトリル及び/又はスチレンの量を0.1 mgまでひょ
う量する。これに溶媒を加えて500 mLにし,密栓をしてよく混合する。これをアクリロニトリル溶液又
はスチレン溶液とする。
50 mL全量フラスコに,アクリロニトリル溶液又はスチレン溶液を0.5 mL及び内標準液5.0 mLを全量
ピペットで分取する。これに溶媒を加えて50 mLにし,密栓をしてよく混合する。
別の50 mL全量フラスコに,アクリロニトリル溶液又はスチレン溶液2.0 mL,5.0 mL及び10.0 mLを全
量ピペットで分取し,三つの追加溶液を準備する。それぞれのフラスコに,内標準液をそれぞれ5.0 mLず
つ加える。これに溶媒を加えて50 mLにし,密栓をしてよく混合する。これらを検量線溶液とする。
表2−キャピラリーカラムクロマトグラフに推奨される測定試料濃度に対する溶液の状態
測定試料内のアクリロニトリル 内標準液における内標準物質の量アクリロニトリル溶液又はスチレン溶液
及び/又はスチレンの濃度 におけるアクリロニトリル及び/又はス
チレンの量
μg/g mg mg
<50 20.0 20.0
50100 30.0 30.0
>100 60.0 60.0
7.2.3 測定試料溶液の調製
50 mL全量フラスコに,測定試料4.0 gを0.1 mgまでひょう量し,ここに全量ピペットを使って内標準
液を5.0 mL分取する。これに溶媒を加えて50 mLにし,密栓をしてよく混合する。これを測定試料溶液
とする。
7.3 B法(充カラム)
7.3.1 内標準液の調製
500 mL全量フラスコに,表3に規定する内標準物質の量を0.1 mgまでひょう量する。これに溶媒を加
えて500 mLにし,密栓をしてよく混合する。これを内標準液とする。
7.3.2 検量線溶液の調製
500 mL全量フラスコに,表3に規定するアクリロニトリル及び/又はスチレンの量を0.1 mgまでひょ
う量する。これに溶媒を加えて500 mLにし,密栓をしてよく混合する。これをアクリロニトリル溶液又
はスチレン溶液とする。
50 mL全量フラスコに,アクリロニトリル溶液又はスチレン溶液を0.5 mL及び内標準液5.0 mLを全量
ピペットで分取する。これに溶媒を加えて50 mLにし,密栓をしてよく混合する。
――――― [JIS K 1557-8 pdf 6] ―――――
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別の50 mL全量フラスコに,アクリロニトリル溶液又はスチレン溶液2.0 mL,5.0 mL及び10.0 mLを全
量ピペットで分取し,三つの追加溶液を準備する。それぞれのフラスコに,内標準液をそれぞれ5.0 mLず
つ加える。これに溶媒を加えて50 mLにし,密栓をしてよく混合する。これらを検量線溶液とする。
表3−充カラムクロマトグラフに推奨される測定試料濃度に対する溶液の状態
測定試料内のアクリロニトリル内標準液における内標準物質の量 アクリロニトリル溶液又はスチレン溶液に
及び/又はスチレンの濃度 おけるアクリロニトリル及び/又はスチレ
ンの量
μg/g mg mg
<50 50.0 50.0
50100 75.0 75.0
>100 150.0 150.0
7.3.3 測定試料溶液の調製
50 mL全量フラスコに,測定試料10.0 gを0.1 mgまでひょう量し,ここに全量ピペットを使って内標準
液を5.0 mL分取する。これに溶媒を加えて50 mLにし,密栓をしてよく混合する。これを測定試料溶液
とする。
注記1 箇条7の溶液調製において,濃度は,g/mLの代わりに,g/gで溶液調製する場合もある。
注記2 箇条7の溶液調製において,それぞれの成分の目減りに注意が必要である。特に,アクリロ
ニトリルは沸点(BP)がかなり低く,気化する傾向にある。それぞれの成分の沸点を次に示
す。
− アクリロニトリル 77 ℃
− エチルベンゼン 136 ℃
− スチレン 145 ℃
8 手順
8.1 ガスクロマトグラフの操作条件
アクリロニトリル,スチレン及び内標準物質の分離ができるように,クロマトグラフの条件,溶媒及び
内標準物質を選定する。クロマトグラフは,次の分離度(Re)の要件を満足するように調整しなければな
らない。
a) 分離度(Re)は,アクリロニトリルのピークと内標準物質のピークとの間,スチレンのピークと内標
準物質のピークとの間,及び溶媒又は内標準物質に起因するピークと目的のピーク(アクリロニトリ
ル,スチレン又は内標準物質)との間で評価する。
b) 分離度(Re)は,1.0以上(1.5以上が望ましい。)とする。
同様の面積をもつ二つのピークの間の分離度(Re)は,次の式(1)によって求める。
Re=2(t2−t1)/(W1 +W2) (1)
ここに, t1及びt2 : 二つのピークの保持時間
W1及びW2 : それぞれのピークの半値幅
代表的なガスクロマトグラフ分析条件を表4に示す。また,各方法の詳細な分析条件は,附属書Aを参
照する。
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表4−ガスクロマトグラフ分析条件
項目 キャピラリーカラム 充カラム
カラム温度 開始温度 60 ℃150 ℃ 60 ℃150 ℃
終了温度 200 ℃260 ℃ 150 ℃210 ℃
昇温速度 1段 0 ℃/min4 ℃/min 1段 0 ℃/min5 ℃/min
2段 10 ℃/min20 ℃/min 2段 10 ℃/min20 ℃/min
注入口温度 200 ℃280 ℃ 180 ℃240 ℃
検出器温度 210 ℃300 ℃ 190 ℃260 ℃
キャリヤーガス ヘリウム又は窒素
水素及び乾燥空気の流速は,次のように調整する。
− 高い感度の応答
− 測定する濃度範囲で直線的な応答
− 流速の変化が応答又は感度へ影響をほとんど与えない。
注記1 使用するカラムによって温度限界が異なるので,カラム温度及び検出器温度は,カラムの注意
事項をよく確認して決定する。
注記2 分析操作によって,カラム及びライナー,又はインサートが,ポリマー,オリゴマーなどで汚
染されるので,正確な結果を保つために定期的にカラム及びライナー,又はインサートは,清
掃又は交換が必要となる。
8.2 試料溶液及び検量線溶液の測定
各々の装置の感度によって適切な量(濃度及び注入量)の検量線溶液(7.2.2又は7.3.2参照)又は試料
溶液(7.2.3又は7.3.3参照)を注入する。試料溶液の注入量と検量線溶液の注入量とは同量にする。スチ
レン,アクリロニトリル,溶媒及び内標準物質の全てが完全に留出するまでガスクロマトグラムを記録す
る。
適切な量の例は,キャピラリーカラムで1 μL,充カラムで1 μL5 μLである。
8.3 ガスクロマトグラフピークの評価
アクリロニトリル,スチレン,内標準物質及び溶媒の各々の保持時間の相対関係をあらかじめ把握して
おかなければならない(表5参照)。
注記 附属書A及び附属書Bに,代表的な分析条件及び代表的なガスクロマトグラム例を示す。
表5−附属書Aの条件でのアクリロニトリル,スチレン,内標準物質及び溶媒の保持時間の例
分類 検出物質 キャピラリーカラム 充カラム
分 分
− アクリロニトリル 3.7 3.8
− スチレン 9.2 11.6
内標準物質 テトラヒドロフラン 2.8 2.3
エチルベンゼン 6.0 7.1
ブロモベンゼン 12.5 15.8
2-メチル-1-プロパノール 5.0 5.1
溶媒 メタノール 2.9 2.2
トルエン 4.4 4.9
N,N-ジメチルホルムアミド 12.0 14.2
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 18.1,18.5,20.5 21.4,23.6,24.9
注記 保持時間の正確な値は,用いる装置,カラム及び操作条件によって異なる。
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9 結果の求め方
9.1 検量線の作成
A法又はB法の検量線溶液をガスクロマトグラフへ一定量注入し検量線を作成する。
検量線溶液の測定成分(アクリロニトリル又はスチレン)と内標準物質とのピーク面積比から,検量線
を作成する。それぞれの検量線溶液のピーク面積比Yは,式(2)によって求める。
Y=Aa/As (2)
ここに, Y : 検量線溶液の測定成分(アクリロニトリル又はスチ
レン)と内標準物質とのピーク面積比
Aa : 検量線溶液中のアクリロニトリル又はスチレンの
ピーク面積
As : 検量線溶液中の内標準物質のピーク面積
各検量線溶液の濃度比Xは,次の式(3)によって求める。
X=Ca/Cs (3)
ここに, X : 検量線溶液中の測定成分(アクリロニトリル又はス
チレン)と内標準物質との濃度比
Ca : 検量線溶液中の測定成分(アクリロニトリル又はス
チレン)の濃度(mg/mL)
Cs : 検量線溶液中の内標準物質の濃度(mg/mL)
次に,検量線溶液中の各成分のCaから求めた濃度比Xに対し,ピーク面積比Yをプロットし検量線を
作成する。作成した検量線から,直線回帰式(4)を求める。
Y=a×X+b (4)
ここに, a : 直線回帰式の傾き
b : 直線回帰式の切片
決定係数が0.995以下の場合は,校正点を増加するか,又は検量線の再作成を行う。
9.2 検量線から試料中濃度の算出
測定成分ごとのピーク面積比Y'は,試料溶液の測定で得られたガスクロマトグラムのピーク面積から,
次の式(5)によって求める。
Y'=A'a/A's (5)
ここに, Y' : 試料溶液中の測定成分(アクリロニトリル又はスチ
レン)と内標準物質とのピーク面積比
A'a : 試料溶液中の測定成分(アクリロニトリル又はスチ
レン)のピーク面積
A's : 試料溶液中の内標準物質のピーク面積
各測定成分の濃度は,次の式(6)によって求める。
X'=(Y'−b)/a (6)
ここに, X' : 試料溶液中の測定成分(アクリロニトリル又はスチ
レン)と内標準物質との濃度比
算出されたX'の値に,試料溶液中の内標準物質濃度を乗じて,試料溶液中の測定成分の濃度を求める。
求めたX'から,ポリマーポリオール試料中のアクリロニトリル又はスチレンの質量分率Paは,次の式(7)
によって求める。
Pa=(X'×C's/Cp)×103 (7)
ここに, Pa : ポリマーポリオール中のアクリロニトリル又はス
チレンの質量分率(μg/g)
C's : 試料溶液中の内標準物質の濃度(mg/mL)
Cp : ポリマーポリオール試料の濃度(g/mL)
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成分質量及び全体質量による溶液調製を行った場合の質量分率は,次の式(8)によって求める。
Pa=(X'×M's/Mp)×103 (8)
ここに, M's : 試料溶液中の内標準物質の質量(mg)
Mp : ポリマーポリオール試料の質量(g)
Cs=C'sの場合は,式(4),式(6)及び式(7)は,式(9),式(10)及び式(11)に置き換えることができる。
Y=a×C'a+b (9)
C'a=(Y'−b)/a (10)
Pa=(Vp×C'a/Mp)×10 (11)
ここに, C'a : 試料溶液中の測定成分(アクリロニトリル又はスチ
レン)の濃度(mg/mL)
Vp : 試料溶液の容量(mL)
9.3 一点検量線による算出
アクリロニトリル又はスチレンの各ピーク面積比と内部標準物質と各成分の濃度比とに直線関係がある
場合,質量分率Paは,次の式(12)によって求める。
Pa=[M'a(Aa/As) ]/[Mp/(A'a/A's) ]×103 (12)
ここに, Aa,As,A'a,A's,Mp及びPa : 9.1及び9.2の定義による
M'a : 検量線溶液中のアクリロニト
リル又はスチレンの質量
(mg)(7.1及び7.2参照)
9.4 結果の許容範囲及び測定感度
試料中のアクリロニトリル及びスチレンの繰返し測定における結果は,平均値の±10 %をはずれてはな
らない。
この規格の方法による感度は,キャピラリーカラムによる測定では定量下限値でアクリロニトリル,ス
チレン共に1 μg/g,充カラムの場合にはアクリロニトリル,スチレン共に2 μg/gが期待できる。
10 精度
この試験方法の精度は,附属書Cを参照。
11 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の規格番号(JIS K 1557-8)
b) 試料の詳細(試験したポリマーポリオールの識別を可能とする詳細事項)
c) 測定条件(ガスクロマトグラフで用いた条件,用いた内標準物質及び溶媒)
(附属書Aの代表的な分析条件を用いた場合は,その項目番号を参照してもよい。)
d) 個々の測定値,平均値及び標準偏差
e) 試験年月日
――――― [JIS K 1557-8 pdf 10] ―――――
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JIS K 1557-8:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 21257:2018(MOD)
JIS K 1557-8:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.10 : 熱硬化性材料
JIS K 1557-8:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK0512:1995
- 水素
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK6727-1:2012
- スチレン―第1部:品質及び表示
- JISK6900:1994
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- JISK8500:2007
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- ガラス製体積計