JIS K 2265-4:2007 引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法 | ページ 2

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7.4 試験器の組立
温度計は,水銀球下端が試料カップの底面から6 mm上となる位置で垂直に支え,試験炎が描く弧の直
径(又は直線)に対して垂線上の試料カップの中心とその内壁側との中間点で,かつ,試験炎ノズルの反
対側に設置する。
注記 温度計に刻印された浸没線は,温度計を規定どおりに置いたとき,試料カップの上縁より2 mm
下となる。又は温度計をゆっくり下げて,試料カップの底部に接触させた後,6 mm引き上げ
ると適切な位置となる。
7.5 試験器の検証
試験器の検証は,次による。
a) 少なくとも年1回はCRMを用いて試験を行い,試験器が正常に機能することを検証する。得られた
結果とCRMの認証値との差の絶対値は,RをこのCRM認証時の室間再現許容差とした場合に,R/ 2
以下でなくてはならない。
試験器の検証は,SWSを用いて定期的に行うことが望ましい。
CRM又はSWSを用いて行う試験器の検証手順及びSWSの調製手順は,附属書Bによる。
b) 検証によって得られた数値は,偏りを表すために用いてはならない。また,この後引き続きこの試験
器を用いて測定した引火点を,補正するために用いてはならない。

8 試料の採取方法及び調製方法

8.1   採取方法
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法によるか,又はそれに準じ
た方法によって採取及び調製する。自動サンプリングの場合は,ISO 3171によってもよい。
8.2 調製方法
試料は,採取する試料に合った材料の容器に,試験を行うために必要な量をはかり,密閉する。
なお,安全確保のため,容器の容量の8595 %になるように試料を入れる。
2回以上の試験を行う場合は,小分け試料の量が9.1の条件を適用できるように選ぶとよい。
8.3 保存方法
試料は,蒸発損失及び圧力増加を極力少なくするような条件下で保存する。30 ℃を超える温度で試料を
保存することは避けなければならない。

9 試料の取扱い

9.1   試料の小分け
試料の小分けは,予期引火点より少なくとも56 ℃以上低い温度で行う。元の試料を小分けしたあと,
長く保存してから試験を行う場合,小分け試料容器は,その容量の少なくとも50 %以上を試料で満たす。
注記 試料量が,試料容器の容量の50 %未満になると,試験結果に影響を及ぼす可能性がある。
9.2 不溶解水分を含んだ試料
不溶解水分を含んだ試料は,かき混ぜる前に小分け試料から傾しゃ(瀉)法で不溶解水分を取り除く。
傾しゃ(瀉)法で不溶解水分を除去できない場合は,試料を定性ろ(濾)紙若しくは乾燥脱脂綿を詰め
た管を用いたろ(濾)過による脱水,試料に塩化カルシウムを加えて振とうした後,塩化カルシウムを適
切な方法で除去することによる脱水,又はこれらの組合せによって脱水する。
注記 引火点の試験結果は,水分の影響を受けることがある。

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9.3 常温で液体の試料
常温で液体の試料は,試料を試験器に移す前に,揮発成分を極力逃がさないように注意して,ゆっくり
手で振ってかき混ぜる。
9.4 常温で半固体又は固体の試料
常温で半固体又は固体の試料は,試料容器に入った試料を加熱浴又は乾燥器に入れて,予期引火点より
56 ℃以上低い温度で予熱する。ただし,揮発成分を損失する恐れがあるため,加熱のし過ぎは避ける。そ
の後,ゆっくりかき混ぜる。

10 試験の手順

10.1 引火点試験の手順
引火点試験の手順は,次による。
a) 試料を室温又はそれより高い温度(9.4参照)で試料カップの標線まで入れる。試料を採り過ぎた場合
は,ピペット又は他の適切な方法で標線より多く採った試料を取り除く。試料が試料カップの外側に
付着した場合は,試料カップを清浄にして試料を採り直す。試料の表面に生じた気泡は,試料が標線
まで満たされていることを確認しながら取り除く。気泡が測定引火点を記録する段階まで残っていた
場合は,その試験結果を無効とする。
b) 試験炎ノズルに点火し,炎の直径を3.24.8 mmの大きさに調整する。試験器に標準球が付いている
場合は,その標準球の大きさに合わせる。
c) 試料を毎分1417 ℃の速度で上がるように加熱を調節し,試料の予期引火点より56 ℃低い温度に
達したら加熱を弱め,予期引火点より23 ℃±5 ℃低い温度から毎分56 ℃の速度で上がるように加
熱を調節する。
試験中,試料カップ付近で不注意な動き又は吐息によって試料カップ周辺の蒸気が乱れないように
注意する。
d) 予期引火点より23 ℃±5 ℃低い温度になったら,温度計の読みが2 ℃上昇するごとに,試験炎を動
かす。この際,試料カップの中心を通り,温度計を通る直径と直角の方向に半径150 mm以上の弧を
描くように油面上を1秒間程度で通過させ,試験炎の中心が試料カップ上縁の上方2 mm以下で水平
に動かさなければならない。
試料の表面に被膜を形成した場合は,注意してこの被膜を取り除いて試験を続ける。
e) 試料の表面に明らかな引火が認められたとき,その温度を測定引火点として記録する。引火点近くの
温度になって試験炎の回りに青白い輪が現れることがあるが,これを引火と見誤ってはならない。
f) 引火点が測定された温度と,最初に試験炎をのぞかせたときの温度の差が,18 ℃以下の場合は,その
結果は無効とする。新しい試料を用い,試験炎のぞかせ開始温度を変更して,のぞかせ開始温度から
18 ℃を超える温度で引火点が認められるまで試験をやり直す。
g) 気圧計を用いて,試験時における試験器周辺の気圧を記録する。
10.2 燃焼点試験の手順
燃焼点試験の手順は,次による。
a) 燃焼点の測定は,10.1による引火点測定後,更に毎分56 ℃の割合で加熱を続け,2 ℃上昇するご
とに引火点測定と同様に試験炎を動かし,試料が5秒間以上燃焼し続けたとき,その温度を測定燃焼
点として記録する。
b) 燃焼が5秒を超えて続く場合,取っ手のついた金属製又は他の難燃性材料でできた消炎器を用いてこ

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の火を消す。この消炎器の一例を図A.4に示す。
c) 気圧計を用いて,試験時における試験器周辺の気圧を記録する。

11 計算方法

11.1 気圧読取値の変換
気圧の読取値がキロパスカル(kPa)以外の場合,次の式のいずれかを用いてキロパスカルに変換する。
a) ヘクトパスカル(hPa)単位の読取値×0.1=kPa
b) ミリバール(mbar)単位の読取値×0.1=kPa
c) 水銀柱ミリメートル(mmHg)単位の読取値×0.133 3=kPa
11.2 測定引火点の標準気圧への補正
引火点及び燃焼点は,次の数式を用いて,101.3 kPaの標準気圧に補正して求める。
TC TO .025 (1013.P)
ここに, TC : 引火点又は燃焼点(℃)
TO : 測定引火点又は測定燃焼点(℃)
P : 測定引火点又は測定燃焼点試験時の室内の気圧(kPa)
注記 この式が厳密に成立するのは,気圧が98.0104.7 kPaの範囲である。

12 結果の表し方

  標準気圧に補正した引火点(℃)及び燃焼点(℃)を,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅2に丸める。

13 精度

  この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。試験結果が許容差を外れ
た場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験し
たとき,試験結果の差の許容差は,表1による。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求
めた2個の試験結果の差の許容差は,表1による。
表1−精度
単位 ℃
試験の種類 室内併行許容差 室間再現許容差
引火点 8 17
燃焼点 8 14

14 試験結果の報告

  試験結果の報告には,次の事項を記述する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) 日本工業規格(日本産業規格)番号 : JIS K 2265-4

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c) 箇条12によって得られた結果
d) 特記事項

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附属書A
(規定)
クリーブランド開放法引火点試験器
A.1 一般事項
クリーブランド開放法引火点試験器は,次に規定するA.2A.7からなる。
電気加熱器を用いる代表的な装置を図A.1に示す。
A.2 試料カップ
図A.2に示す形状・寸法で,フランジ付きの黄銅又は同等の熱伝導率をもつ耐腐食金属製のもの。
フランジには,試料カップが空のときも転倒しないような取っ手を取り付ける。
A.3 加熱板
図A.3に示す形状・寸法で,黄銅,鋳鉄,鍛鉄又は鋼製の金属板と,その上面全体を被う耐熱性断熱板
(アスベストを含まない。)の2枚からなる円形のもの。
金属板の中心には,試料カップを水平に支えるためのくぼみをもつ孔があり,耐熱性断熱板には,金属
板のくぼみの外形と同じ寸法の孔がある。
試験炎の大きさの標準となる金属製の標準球を,金属板上の見やすい位置に取り付ける。耐熱性断熱板
には,この標準球が通るように孔をあける。
注記 加熱板は,正方形でもよい。この場合,一辺は円形の直径と同じ寸法とする。また,金属板を
延長して温度計保持具及び試験炎操作部を取り付けてもよい。
A.4 試験炎ノズル
金属製細管で,試験炎の大きさを調節できるガス調節弁を備えたもの。
試験炎ノズルの先端は,燃料としてLPガスを用いる場合は,外径約2.2 mm,内径1.41.6 mmとし,
その他の場合は,外径約1.6 mm,内径0.60.8 mmとする。試験炎ノズルの取付けは,旋回させる形式の
場合(図A.1参照),その回転半径150 mm以上で試験炎ノズルの先端が試料カップの中心を通り,ノズル
の先端の中心軸が試験カップの上縁から2 mm以内の高さで水平に旋回できるように取り付ける。電動式
の旋回機構のものは,試料上部を約1秒間で通過させる機能をもつものでなければならない。
引火源には,ガス試験炎の代わりに電熱コイルなどの電気的引火源を用いてもよい。ただし,結果に疑
義が生じた場合は,ガス試験炎を用いた試験器によって得られた結果を判定基準とする。
A.5 加熱器
温度調節機能付の電熱器,ガスバーナ又はアルコールランプ。
加熱板の孔に熱源の中心を置き,局所的な過熱を避ける。ただし,燃焼生成物又は直火を試料カップ側
面に近づけないようにする。電熱器を用いる場合は,熱源が直接試料カップに接触しないように注意する。
ガスバーナーを用いる場合は,ふく(輻)射熱による過熱又は燃焼ガスによって試料カップ上に空気の
流れが生じるので,試料カップ上面にこれらの影響を受けないような構造になっていなければならない。

――――― [JIS K 2265-4 pdf 10] ―――――

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