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JIS K 5600-4-1:1999 規格概要
この規格 K5600-4-1は、白又は三刺激値Yが25を超える淡彩色塗料を,規定の隠ぺい率試験紙又は無色透明のポリエステルフィルムに,塗り面積20m×2/lで塗布し,次いで,ポリエステルフィルムの場合は,規定の白黒ガラス板上で,その塗膜の三刺激値Yを測定する塗膜の隠ぺい力(陰ぺい率測定による)測定方法について規定。
JISK5600-4-1 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K5600-4-1
- 規格名称
- 塗料一般試験方法―第4部 : 塗膜の視覚特性―第1節 : 隠ぺい力(淡彩色塗料用)
- 規格名称英語訳
- Testing methods for paints -- Part 4:Visual characteristics of film -- Section 1:Hiding power (for light-coloured paints)
- 制定年月日
- 1999年4月20日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO/FDIS 6504-3:1998(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 87.040
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 塗料 2020
- 改訂:履歴
- 1999-04-20 制定日, 2004-04-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS K 5600-4-1:1999 PDF [8]
K 5600-4-1 : 1999 (ISO/FDIS 6504-3 : 1998)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
なお,この規格の制定後3か年を経た2002年4月をもって,この規格に対応するJIS K 5400(塗料一般
試験方法)は,廃止されこの規格に置き換わる予定であるので,なるべくこの規格によるとよい。
JIS K 5600は,次に示す部編成になっている。
JIS K 5600-1-11-8 通則
JIS K 5600-2-12-7 塗料の性状・安定性
JIS K 5600-3-13-6 塗膜の形成機能
JIS K 5600-4-14-7 塗膜の視覚特性
JIS K 5600-5-15-11 塗膜の機械的性質
JIS K 5600-6-16-3 塗膜の化学的性質
JIS K 5600-7-17-8 塗膜の長期耐久性
JIS K 5600-8-18-6 塗膜劣化の評価
JIS K 5600-4は塗料一般試験方法−塗膜の視覚特性に関する試験方法として,次の各節によって構成す
る。
JIS K 5600-4-1 第4部−第1節 : 隠ぺい力(淡彩色塗料用)
JIS K 5600-4-2 第4部−第2節 : 隠ぺい力(低明度塗料用)
JIS K 5600-4-3 第4部−第3節 : 色の目視比較
JIS K 5600-4-4 第4部−第4節 : 測色(原理)
JIS K 5600-4-5 第4部−第5節 : 測色(測定)
JIS K 5600-4-6 第4部−第6節 : 測色(色差の計算)
JIS K 5600-4-7 第4部−第7節 : 鏡面光沢度
JIS K 5600-4-2,4-3,4-7には,それぞれ次に示す附属書がある。
JIS K 5600-4-2 附属書A(規定) 必要な補足情報
JIS K 5600-4-3 附属書A(規定) 必要な補足情報
JIS K 5600-4-3 附属書B(規定) 色差等級表
JIS K 5600-4-3 附属書C(参考) 条件等色対 (METAMERIC MATCHES)
JIS K 5600-4-7 附属書A(規定) 必要な補足情報
JIS K 5600-4-7 附属書B(参考) 参考文献
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――――― [JIS K 5600-4-1 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 5600-4-1 : 1999
(ISO/FDIS 6504-3 : 1998)
塗料一般試験方法−第4部 : 塗膜の視覚特性−第1節 : 隠ぺい力(淡彩色塗料用)
Testing methods for paints−Part 4 : Visual claracteristics of film− Section 1 : Hiding power (for light-coloured paints)
序文 この規格,1998年に発行されたISO/FDIS 6504-3 Paints and Varnishes−Determination of hiding power
−Part 3 : Determination of contrast ratio (opacity) f light-coloured paints at a fixed spreading rateを翻訳し,技術
的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。
塗料の隠ぺい率を測定するためには,試験塗膜の調整及び測定に関する次に規定する二つの方法から一
つを選択する。
a) 無色透明のポリエステルフィルムへ塗装する方法,その塗装したフィルムは黒と白のガラス板上に順
次固定する。
b) 黒と白の試験紙,例えば隠ぺい率試験紙又はモレストチャート (Morest charts) へ直接塗装する方法。
同じフィルムアプリケータを用いても,操作者が異なる場合は,著しく異なった膜厚の塗膜が得られる
ので,隠ぺい力の測定は,絶対的な方法が要求される。幾つかの国の専門家グループ間の共同研究の結果,
2個又は2個以上の膜厚測定率の内挿によって精密に一定した補完によって正確な塗り面積に対応した隠
ぺい率の測定によって,再現性のある結果が得られることが判った。この規格で選ばれた塗り面積とは
20m2/ ぬれ膜厚50 であり,平滑な非多孔質面上に,流れのない塗料をはけ塗りした場合の平均的な
値である。しかし,他の膜厚範囲で通常に用いられる特殊の塗料,例えば工業用塗料及び印刷インキにつ
いては,受渡当事者間でその他の塗り面積を協議して定めてもよい。
さらに,行われた共同研究の結果,ポリエステルフィルム上に塗布した塗膜は,隠ぺい率試験紙上に塗
布した塗膜よりも高い再現精度が得られることが判明した。しかし,隠ぺい率試験紙上に塗布する方法の
方が操作は簡単であった。この規格は,これらの二つの方法のいずれにも対応できる。
1. 適用範囲 この規格は,白又は三刺激値Yが25を超える淡彩色塗料を,規定の隠ぺい率試験紙又は
無色透明のポリエステルフィルムに,塗り面積20m2/ 次いで,ポリエステルフィルムの場合は
規定の白黒ガラス板上で,その塗膜の三刺激値Yを測定する塗膜の隠ぺい力(隠ぺい率測定による)測定
方法について規定する。
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K 5600-4-1 : 1999 (ISO/FDIS 6504-3 : 1998)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部 : 通則−第2節 : 試料採取方法
備考 ISO 1512 : 1991, Paints and varnishes−Sampling of products in liquid or paste formが,この規格
と一致している。
JIS K 5600-1-3 塗料一般試験方法−第1部 : 通則−第3節 : 試験用試料の検分及び調整
備考 ISO 1513 : 1992, Paints and varnishes−Examination and preparation of samples for testingが,この
規格と一致している。
JIS K 5600-2-4 塗料一般試験方法−第2部 : 塗料の性状・安定性−第4節 : 密度
備考 ISO 2811 : 1974, Paints and varnishes−Determination of densityが,この規格と一致している。
現在ISO 2811 : 1974はISO 2811-14 : 1997に改正されている。
JIS K 5600-4-5 塗料一般試験方法−第4部 : 塗膜の視覚特性−第5節 : 測色(測定)
備考 ISO 7724-21) : 1984, Paints and varnishes−Colorimetry−Part 2 : Colour measurementが,この規格
と一致している。
JIS K 5601-1-2 塗料成分試験方法−第1部 : 通則−第2節 : 加熱残分
備考 ISO 3251 : 1993, Paints and varnishes−Determination of non-volatile matter of paints, varnishes and
binders for paints and varnishesが,この規格と一致している。
注1) 出版の予定あり。(ISO 7724-2 : 1984の改訂版)
3. 原理 この方法は,白又は淡彩色塗料が正常な方法で塗装される場合,ある限定した膜厚の範囲にお
いて,隠ぺい率は塗り面積の逆数に対する近似的な一次関数であるという研究に基づいている。したがっ
て,異なった膜厚で得た結果からもグラフ又は計算によって,十分に正確な内挿が可能である。
ぬれ膜厚は,十分に正確な測定をすることが,通常はできないので,この方法は,単位面積当たりの乾
燥塗膜質量を測定し,その測定値に対応するぬれ膜厚を計算で求めている。このぬれ膜厚の計算には,生
塗料 (wet paint) の密度及び加熱残分の質量百分率の値が必要である。これらの値の測定は,関連した規格
の方法に基づかなければならない。しかしながら,JIS K 5601-1-2による加熱残分の測定は,ある種類の
塗料に関して,現行試験方法の条件下では,その乾燥過程の塗膜の質量変化に正確に対応をしていないと
いうことが認められている。この差異によって導入されるすべての誤差は,すべての試験室に対して共通
であり,同種類の塗料の比較に影響を及ぼさない。
4. 装置 次のもの及び通常の実験室の器具を使用する。
4.1 素地
4.1.1 方法A(ポリエステルフィルム)
大きさが100mm×150mm以上,厚さが30 ヰ 理,無色透明のポリエステルフィルム。こ
れより厚いフィルムは,受渡当事者間の合意によって使用してもよい。
4.1.2 方法B(隠ぺい率試験紙)
隠ぺい率試験紙は,すべて,100mm×200mm以上の同じ大きさで,隣接して白部と黒部が印刷され,か
つワニスか塗布されていて,溶剤又は水で希釈された塗料で容易にぬれるが浸透されないもの。
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K 5600-4-1 : 1999 (ISO/FDIS 6504-3 : 1998)
白部と黒部は,それぞれ80mm×80mm以上の大きさでなければならない。別に協定がないならば,隠
ぺい率試験紙の黒部の三刺激値Yは,4.3に規定する反射率計又は分光光度計を用いて,試験紙の白部を
測定したとき80±2,黒部の三刺激値Yは5以下でなければならない。
隠ぺい率試験紙のロット間の誤差を除くために,試験に用いられる隠ぺい率試験紙は同一のロットを使
用しなければならない。
4.2
フィルムアプリケータ(複数) 通常,約50 ヰ 囲の厚さで均一なぬれ膜を作る一連の
フィルムアプリケータを使用する。使用する素地にかかわらず,塗布した膜は,少なくとも70mmの幅が
なければならないし,各面積が60mm×60mm以上の部分については,均一な厚さとする。自動アプリケ
ータの使用で,均一な膜が容易に塗布されるので,自動アプリケータを使用することが推奨される。
4.3 反射率計又は分光光度計 三刺激値Yを0.3%以内の正確さで測定する反射率計又は分光光度計を使
用する。標準光源はD65を使用することが望ましい。
入射光束と受光器間の相対的な幾何学的配置がYの測定に影響するということは認められている。しか
し,市販の反射率計のこの因子に起因する変動は7.に定める再現精度の数値よりかなり小さいはずである。
測定結果に疑義が生じた場合は,拡散/8°における表面反射を含む幾何学的条件を使用しなければならな
いはずである。表面反射を考慮して測定した三刺激値Yから数理的に4を減じなければならない(JIS K
5600-4-5参照)。
4.4 試験板 白と黒のガラス板,それぞれのガラス板は平らで磨いた面をもち,その大きさは少なくと
も80mm×80mmとする。4.3に規定する反射率計又は分光光度計で測定する場合の白板の三刺激値Yは80
±2,黒板の三刺激値Yは5以下としなければならない。
白と黒のガラス板は,その背面からの反射光を除くために,2枚ともにその背面及び端部を黒色塗料又
は粘着テープで被覆する。
5. 試料
JIS K-5600-1-2に規定するとおり,試験される製品の代表試料を採取する。
JIS K-5600-1-3に規定するとおり,試験用試料を検分し,調整する。
6. 手順
6.1 素地の調整
6.1.1 方法A(ポリエステルフィルム) 未塗装のポリエステルフィルムについて,その塗装する面の近
接部分を保持し,次の操作から一つを選んで,ポリエステルフィルムを塗装のために調整する。
a) 少なくとも厚さ6mm以上の平らなガラス板上にフィルムを平らに置く。この場合,このガラス板は,
表面張力でこのフィルムを保持するのに丁度足りる程度の23滴のホワイトスピリットで,最初に湿
らしておく。この液体が,フィルムの表面の表側をぬらさないように注意し,また空気の泡がフィル
ムの下に閉じこめられないように注意しなければならない。
b) フィルムの一端を固定して,平らなゴム台上に置く[この場合,バーコータ (spiral applicator) を使用
する]。
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K 5600-4-1 : 1999 (ISO/FDIS 6504-3 : 1998)
6.1.2 方法B(隠ぺい率試験紙) 隠ぺい率試験紙は,塗装前に少なくとも24時間,積み重ねせずに1
枚ずつ,試験条件[温度23±2℃,相対湿度 (50±5) %]下で保管し,塗装する部分に指紋が付着するのを
避けるために,常に端部をもって取り扱わなければならない。隠ぺい率試験紙は1mgのけたまで質量をは
かる。6枚の隠ぺい率試験紙は,塗布用とし,2枚の隠ぺい率試験紙は,空試験用として保管する。この6
枚の隠ぺい率試験紙は,次の三つの方法から一つを選んで,塗装用に調整する。
a) 留め具又は粘着テープで,一端を少なくとも厚さ6mmの平らなガラス板に固定する方法。
b) 平らな(±2 内)真空吸引盤を用いる方法。
c) 一端を固定して,平らなゴム台上に置く(この場合,バーコータを使用する。)。
6.2 塗装するポリエステルフィルム又は隠ぺい率試験紙の調整
塗装直前に,チキソトロピー構造を完全に破壊するために,強くかくはんして,空気の泡が混入しない
ように注意して,塗料を十分に混合する。
フィルム又は隠ぺい率試験紙の一端に,必要とする膜厚に応じて2mlから4mlの塗料を線状に置き,均
一膜が得られるように一様な速度で適切なアプリケータを引き下ろして,直ちに塗り広げる。通常約50
約100 囲のぬれ膜厚を作る3個の異なったアプリケータを選び,その3個のアプリケータを用い
て各一対の膜(合計6個)を調整する。
乾燥するまでは,塗装したフィルム又は隠ぺい率試験紙を,例えば平らな面に,その端部をテープで固
定して置くなどして,水平に保持する。乾燥時間(及び焼付け条件)は,試験する塗料の種類によって異
なる。この乾燥時間(又は焼付け条件)は受渡当事者間で協定しなければならない。
6.3 養生 別に協定がない場合,三刺激値Yを測定する前に,乾燥した塗布済みフィルム又は隠ぺい率
試験紙及び空試験用フィルム又は隠ぺい率試験紙を少なくとも24時間,23±2℃,相対湿度 (50±5) %に
保つ。
6.4 三刺激値Yの測定
6.4.1 方法A(ポリエステルフィルム) 各塗装したフィルムは一対の白と黒のガラス板上に固定するが,
このフィルムの下側とガラス板の間に2, 3滴のホワイトスピリットを入れて空気膜を除き,光学的な接触
を確実にする。白 (YW) と黒 (YB) のガラス板上の4か所以上で,各塗装済みのフィルムの三刺激値Yを
測定し,平均の三刺激値YW及びYBをそれぞれ計算する。それから,各塗布済みフィルムの隠ぺい率YB/YW
を百分率で計算する。
6.4.2 方法B(隠ぺい率試験紙) 各隠ぺい率試験紙の白及び黒部上の4か所以上で,各塗布済み隠ぺい
率試験紙の三刺激値を測定し,平均の三刺激値YWとYBを計算する。それから,各塗布済み隠ぺい率試験
紙の隠ぺい率YB/YWを百分率で計算する。
6.5 乾燥塗膜の面密度の測定
6.5.1 方法A(ポリエステルフイルム)
ガラス板から塗布済みフィルムをはがし,このフィルムを拭ってホワイトスピリットを少しのこん(痕)
跡も残らないように除き,そのまま放置して乾燥させる。
例えば,精度のよい打型によって,各塗装済みポリエステルフィルムの中央から少なくとも60mm×
60mm以上の大きさの等しい部分を切り取る。同様に,未塗装の空試験用ポリエステルフィルムからは2
個の試料を少なくとも60mm×60mm以上の大きさの等しい部分を切り取る。
その切り離した部分は1mgのけたまで質量をはかる。
塗装済みポリエステルフィルムの平均質量及び未塗装ポリエステルフィルムの2個の試料の平均質量を
計算する。
――――― [JIS K 5600-4-1 pdf 5] ―――――
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JIS K 5600-4-1:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/FDIS 6504-3:1998(IDT)
JIS K 5600-4-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 5600-4-1:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK5600-1-2:2002
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
- JISK5600-1-3:2015
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第3節:試験用試料の検分及び調製
- JISK5600-2-4:2014
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第4節:密度(ピクノメータ法)
- JISK5600-4-5:1999
- 塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第5節:測色(測定)
- JISK5601-1-2:2008
- 塗料成分試験方法―第1部:通則―第2節:加熱残分