JIS K 6263:2015 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―応力緩和の求め方 | ページ 3

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6.5.1 A法
A法は,次による。
a) 試験槽及び引張試験機を,試験温度に予熱する。
b) 試験片を引張試験機のつかみ具に変形を与えない状態で取り付け,試験槽に入れる。
c) 試験片の温度平衡を得るために,試験温度で最低10分間予熱する。
なお,試験片をつかみ具に取り付けたとき,及び試験片を加熱するときには,たわみが発生しやす
いので,たわみを除去するために,たわみ補正が必要である。たわみ補正は,0.05 N以下の力で行わ
なければならない。
d) その後,1分以内に試験片を試験ひずみまで引っ張り,その後,試験終了までこの伸びを保持する。
試験ひずみは,つかみ具間距離から求め(50±5)%とする。50 %試験ひずみを与えることができない
場合は,(20±2)%のひずみから5 %ずつ増やした試験ひずみを用いてもよい。
e) 引張り操作終了と同時に時間の測定を開始し,70 ℃未満の場合は3分後,70 ℃以上の場合は30秒後
に引張力の測定を行い,これを初期引張力F0とする。
f) その後規定の時間ごとに引張力Ftを測定する。
なお,引張力の測定は,全て試験温度で行う。
g) 試験終了後,試験片の表面を観察し,亀裂がある場合は,試験報告書に記録する。
6.5.2 B法
B法は,次による。
a) 試験室の標準状態で,試験片を引張装置のつかみ具に変形を与えない状態で取り付ける。
b) その後,試験片を1分以内に規定の引張ひずみまで引っ張り,その後,試験期間中この伸びを保持す
る。
c) 引張り操作終了と同時に時間の測定を開始し,3分後に引張力の測定を行い,これを初期引張力F0と
する。
d) あらかじめ規定の試験温度に保持した試験槽に試験ひずみを与えた試験片を入れ,加熱を行う。
e) 規定の時間経過後,試験片を試験槽から取り出し,2時間以内に試験片及び引張装置を試験室の標準
状態に戻す。
試験室の標準状態で引張力Ftを測定する。以後,この操作を繰り返し,規定の時間ごとの引張力を
測定する。
なお,引張力の測定は,全て試験室の標準状態で行う。

6.6 試験結果のまとめ方

  引張応力緩和は,式(2)によって計算する。
F0 Ft
RT t 100 (2)
F0
ここに, RT(t) : t時間後の引張応力緩和(%)
F0 : 初期引張力(N)
Ft : t時間後の引張力(N)
試験結果は,得られた値の中央値をJIS Z 8401によって,丸めの幅1(整数位)で表す。
なお,丸めた中央値に対して,個々の測定値が10 %以内で一致しない場合は,3個以上の試験片で更に
繰り返し試験を行い,全部の試験片の中央値を求める。また,時間tの対数と引張応力緩和RT(t) との応力
緩和曲線を作図することが望ましい。

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6.7 試験報告書

  試験成績には,次の事項を記録しなければならない。
a) 試験片の詳細
1) 試験片の形状,寸法,履歴などの詳細
2) 試験片の採取・作製方法
3) 配合の詳細及び加硫条件又は成形条件
b) この規格の番号及び試験方法(引張応力緩和試験のA法又はB法)
c) 試験の詳細
1) 試験片の種類
2) 試験片の数
3) 試験装置に関わる特記情報
4) 試験室の標準温度
5) 試験片の熱的状態調節(温度並びに時間)及び機械的状態調節(有無)
6) 試験時間及び試験温度
7) 試験ひずみ(50 %,その他)
8) 試験槽の種類
9) 他の試験環境条件で試験を行った場合,その詳細
10) 亀裂発生の有無
11) その他,規定された手順と異なる場合には,その詳細
d) 個々の引張応力緩和及び中央値並びに応力緩和曲線
e) 試験年月日

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附属書A
(参考)
圧縮応力緩和の求め方−試験精度
A.1 概要
ISO/TR 9272に従って,試験室間試験プログラム(以下,ITPという。)を実施し,繰返し精度及び再現
精度を求めた。
A.2 精度詳細
A.2.1 このITPは,1998年に実施した。作製された試験片は,IR/SBRブレンド1種類の配合物で,試験
温度は,Method A(A法)が23 ℃及び100 ℃の2水準で,Method B(B法)が100 ℃で行った。試験結
果は,168時間後の圧縮応力緩和をそれぞれ二つの試験片の平均によって計算した。
A法23 ℃には12試験室,A法100 ℃には11試験室,B法100 ℃には7試験室がこのITPに参加した。
A.2.2 このITPで求めた精度は,タイプ1の精度である。すなわち,試験片は,一括して作製し,全ての
試験室に提供された。また,この精度は,二つの反復測定の期間を23週間とした中期的な,又は中間的
な時間における精度でもある。これは,測定期間を数日とする通常の第1日目及び第2日目の反復測定と
は区別するものである。
A.2.3 異常値を除いた最終的な解析は,A法23 ℃及びA法100 ℃の場合9か所の試験室の結果,B法
100 ℃の場合6か所の試験室の結果に基づいて行った。
なお,採用したデータに基づく結果は,比較的一致しており,当該試験についての十分な試験室管理を
もった試験室で作成されたデータであることを表している。
A.3 精度の結果
最終的な解析結果から得られた試験精度を,表A.1に示す。その精度結果は,繰返し精度及び再現精度
ともにA法100 ℃に対して,B法100 ℃が悪い結果となった。
表中の記号は,次による。
sr : 試験室内標準偏差
r : 測定単位での試験室内繰返し精度
sR : 試験室間標準偏差
R : 測定単位での試験室間再現精度

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表A.1−精度結果
A法,23 ℃×168 h
圧縮応力緩和
sr r sR R
平均 : %
10.9 0.795 2.22 1.21 3.40
A法,100 ℃×168 h
圧縮応力緩和
sr r sR R
平均 : %
50.5 0.845 2.37 2.15 6.03
B法,100 ℃×168 h
圧縮応力緩和
sr r sR R
平均 : %
67.5 2.07 5.8 8.66 24.3

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附属書B
(規定)
試験装置の校正
B.1 点検
試験装置の校正を行う場合,事前に,校正する項目の現状を,校正報告書又は証明書で記録された点検
結果によって確認する。校正が,納入時の状態の校正なのか,異常又は欠陥を修理した後の校正なのかも
記録する。
試験装置が,規定した測定値を含め,要求試験精度を満たしていて,公式に校正する必要がない場合も,
そのことを確認する。要求測定値が変化しやすい傾向にある場合は,定期点検の必要性を詳細な校正手順
に記載する。
B.2 試験装置の校正計画
試験装置の校正及び校正証明書検定又は照合は,この規格の要求事項である。校正周期については,特
に規定されない場合,ISO 18899の指針を参考にして規格使用者の自由裁量で決めてよい。
表B.1に,校正計画を規定する要求試験項目及び要求事項を示す。要求試験項目及び測定値は,試験装
置本体,装置の一部又は補助的な装置にも関連している。
それぞれの測定値についての校正手順は,ISO 18899,その他の発行文書又は詳細に記載された試験方法
を使用してもよい(ISO 18899よりも詳細に規定した校正手順が記載されている場合には,それを用いる。)。
それぞれの項目の校正頻度は,略号で示す。校正計画に用いた記号を次に示す。
C : 測定しないが,確認する必要のある項目
N : 初期検証だけ行う項目
S : ISO 18899による標準的な校正周期
U : 試験時

――――― [JIS K 6263 pdf 15] ―――――

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JIS K 6263:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3384-1:2011(MOD)
  • ISO 3384-1:2011/AMENDMENT 1:2013(MOD)

JIS K 6263:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6263:2015の関連規格と引用規格一覧