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K 6919-1992
(1) 標準状態の試験 JIS K 7051の5.1(試験片の状態調節)及び5.2(試験温度及び湿度)による。
(2) 湿潤状態の試験 試験片を沸騰水中に2時間浸せきした後,そのまま室温まで放冷し,水中から取り
出し,乾燥した清浄なガーゼなどでふき直ちに(1)の状態で試験する。
5.3.2 試験片の作り方
(1) 試験片の厚さは3.0±0.3mmとする。これらの試験片は,次の(2)以降に示す方法で作製した積層板か
ら機械加工によって作製する。
(2) IS R 3416のESF22B(朱子織)相当品を約300×300mmの大きさに12枚切断する。これらのガラス
クロスを100105℃の空気浴中で60±5分間乾燥してから,乾燥剤を入れたデシケータの中に保存す
る。
(3) 平滑度のよい,大きさ約400×400mmの適切な材質の金属板(8)の上に,約350×350mmの離型フィル
ムを1枚置く。5.2.2及び5.2.3(2)と同じように調製した樹脂液(9)を約300×300mmの面積で離型フィ
ルムの上に薄く伸ばす。この上に繊維方向が乱れないように注意してガラスクロスを1枚置く。パレ
ットナイフ又はローラーなどを用いて,ガラスクロスの織目を乱したり,ガラスクロスに傷を付けな
いように注意して,目に見える気泡を除き,完全にガラスクロスに樹脂液を含浸させる。この操作を
繰り返して12枚のガラスクロスを積層する。この場合,ガラスクロスのたて糸方向はそろえて積層し,
相互に平行するようにする。このようにして積層が終わったら,離型フィルム1枚で覆ってから,適
切なローラーでロール掛けして脱泡しながら余分の樹脂液を除く。長さ300mm,幅10mm及び厚さ
3.00±0.03mmの鋼製スペーサーを,積層物からできるだけ離して四周に置き,金属板を静かに載せる。
ここまでの操作は,そのときの温度(10)における樹脂液のゲル化時間の50%以内に完了しなければなら
ない。
(4) 2枚の金属板で挟まれた積層物を,圧縮成形機の定盤の中に入れ圧縮成形する。加える圧力,定盤へ
挿入するときの温度,最高温度,定盤から取り出すときの温度,それぞれの温度に保持する時間又は
昇降温速度などの成形スケジュール,及び後硬化は,樹脂製造業者の指定どおりにしなければならな
い。成形を完了したら金属板,離型フィルムなどを除いて積層板を取り出し,四周を除去(トリミン
グ)して約250×250mmの試験板にする。
(5) 5.3.7によってガラス繊維含有率を測り,ガラス繊維含有率(質量)が60.066.0%でなければならな
い(11)。このようにして作った板状積層板から必要な試験片を作製する。
注(8) 鋼製で厚さは約2mmのものが望ましい。
(9) 樹脂量は,ガラス繊維含有率(質量)が60.066.0%になるように計算し,その量の約50%増し
の量を調製する。
(10) 23±5℃が望ましい。
(11) ガラス繊維含有率の試験を行う前に,あらかじめ試験板の四周の適切な約10か所の厚さを外側
マイクロメータで測り,その厚さが3.0±0.3mmであることを確かめておくとよい。
5.3.3 バーコル硬さ 5.2.4に準じる。
5.3.4 曲げ強さ及び曲げ弾性率
(1) 試験装置及び器具 JIS K 7055の4.(試験装置及び器具)による。
(2) 試験片 JIS K 7055の5.(試験片)による。試験片は,積層板のたて糸方向と試験片の長手方向とが,
平行となるように作製する。この場合,試験片の数は5個以上とする。
(3) 試験速度 JIS K 7055の6.(試験速度)による。
(4) 操作 JIS K 7055の7.(操作)による。
――――― [JIS K 6919 pdf 6] ―――――
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K 6919-1992
(5) 計算 JIS K 7055の8.(計算)による。ここでいう曲げ強さとは最大荷重を用いて計算したものをい
う。
(6) 結果の表し方 JIS K 7051の6.(試験結果の表し方)による。
平均値をもって曲げ強さ及び曲げ弾性率とする。
5.3.5 引張強さ
(1) 試験装置及び器具 JIS K 7054の4.(試験装置及び器具)による。
(2) 試験片 JIS K 7054の5.(試験片)による。試験片は,積層板のたて糸方向と試験片の長手方向とが,
平行となるように作製する。この場合,試験片の寸法はA形とする。試験片の数は5個以上とする。
(3) 試験速度 JIS K 7054の6.(試験速度)に規定する速度C(1分間当たり5±1.0mm)による。
(4) 操作 JIS K 7054の7.(操作)による。
(5) 計算 JIS K 7054の8.(計算)による。ここでいう引張強さとは最大荷重を用いて計算したものをい
う。
(6) 結果の表し方 JIS K 7051の6.(試験結果の表し方)による。平均値をもって引張強さとする。
5.3.6 圧縮強さ
(1) 試験装置及び器具 JIS K 7056の4.(試験装置及び器具)による。
(2) 試験片 JIS K 7056の5.(試験片)による。試験片は,積層板のたて糸方向と試験片の長手方向とが,
平行となるよう作製する。この場合,試験片の数は5個以上とする。
(3) 試験速度 JIS K 7056の6.(試験速度)による。
(4) 操作 JIS K 7056の7.(操作)による。
(5) 計算 JIS K 7056の8.(計算)による。ここでいう圧縮強さとは,最大荷重を用いて計算したものを
いう。
(6) 結果の表し方 JIS K 7051の6.(試験結果の表し方)による。平均値をもって圧縮強さとする。
5.3.7 ガラス繊維含有率
(1) 試験装置及び器具 JIS K 7052の4.(試験装置及び器具)による。
(2) 試験片 JIS K 7052の5.(試験片)による。この場合,試験片の数は3個以上とする。
(3) 操作 JIS K 7052の6.1(充てん材を含まない場合の操作)による。
(4) 計算 JIS K 7052の7.1.1(充てん材を含まない場合)による。
(5) 結果の表し方 JIS K 7051の6.(試験結果の表し方)による。平均値をもってガラス繊維含有率とす
る。
6. 包装及び表示 樹脂液は,異物混入のおそれのないように包装し,見やすいところに次の事項を表示
する。この場合,(5)は,送り状などに記載してもよい。
(1) 名称,種類及び記号
(2) 質量
(3) 製造業者名又はその略号
(4) 製造ロット番号又はその略号
(5) 比重,酸価,粘度及びゲル化時間
――――― [JIS K 6919 pdf 7] ―――――
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K 6919-1992
JIS K 6919強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂改正原案作成委員会 構成表
(順不同・敬称略 平成2年7月現在)
氏名 所属
(委員長) 宮 入 裕 夫 東京医科歯科大学医用器材研究所
宗 宮 詮 慶応大学理工学部機械工学科
津 田 健 東京工業大学工学部化学工学科
剣 持 潔 製品科学研究所応用性能部複合技術一課
中 島 邦 雄 通商産業省基礎産業局化学製品課
細 川 幹 夫 工業技術院標準部繊維化学規格課
黒 木 勝 也 財団法人日本規格協会技術検査部標準課
大 熊 敬 尚 財団法人日本規格協会技術検査部標準課
西 本 敬 大日本硝子工業株式会社開発部
小 柳 卓 治 株式会社INAX商品開発本部
永 島 眷 日本硝子繊維株式会社商品開発部
倉 藤 博 文 ヤマハ発動機株式会社マリン本部技術管理部
森 本 尚 夫 積水化学工業株式会社生産技術部
原 田 和 夫 武田薬品工業株式会社化成品研究所東京技術
センター
辻 野 一 行 日立化成工業株式会社山崎工場開発部
山 崎 孝 二 大日本インキ化学工業株式会社成形樹脂技術
本部ポリエステル応用技術G
根 本 光 也 昭和高分子株式会社管理部
栗 原 貞 夫 社団法人強化プラスチック協会
JIS K 6919:1992の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.120 : 強化プラスチック
JIS K 6919:1992の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6900:1994
- プラスチック―用語
- JISK6901:2008
- 液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法
- JISK6911:1995
- 熱硬化性プラスチック一般試験方法
- JISK7051:1987
- ガラス繊維強化プラスチックの試験方法通則
- JISK7052:1999
- ガラス長繊維強化プラスチック―プリプレグ,成形材料及び成形品―ガラス長繊維及び無機充てん材含有率の求め方―焼成法
- JISK7054:1995
- ガラス繊維強化プラスチックの引張試験方法
- JISK7055:1995
- ガラス繊維強化プラスチックの曲げ試験方法
- JISK7056:1995
- ガラス繊維強化プラスチックの圧縮試験方法
- JISK7060:1995
- ガラス繊維強化プラスチックのバーコル硬さ試験方法
- JISK7100:1999
- プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気
- JISK7113:1995
- プラスチックの引張試験方法
- JISK7207:1995
- 硬質プラスチックの荷重たわみ温度試験方法
- JISK7209:2000
- プラスチック―吸水率の求め方
- JISR3416:2010
- 処理ガラスクロス
- JISR6252:2006
- 研磨紙