JIS K 7086:1993 炭素繊維強化プラスチックの層間破壊じん(靱)性試験方法

JIS K 7086:1993 規格概要

この規格 K7086は、炭素繊維強化プラスチックの層間破壊じん(靱)性試験方法について規定。

JISK7086 規格全文情報

規格番号
JIS K7086 
規格名称
炭素繊維強化プラスチックの層間破壊じん(靱)性試験方法
規格名称英語訳
Testing methods for interlaminar fracture toughness of carbon fibre reinforced plastics
制定年月日
1993年3月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

83.120
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
1993-03-01 制定日, 1999-08-20 確認日, 2003-11-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS K 7086:1993 PDF [28]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 7086-1993

炭素繊維強化プラスチックの層間破壊じん(靱)性試験方法

Testing methods for interlaminar fracture toughness of carbon fibre reinforced plastics

1. 適用範囲 この規格は,炭素繊維強化プラスチック(以下,CFRPという。)の層間破壊じん(靱)性
試験方法について規定する。
備考1. この試験方法は,層状に積層されたCFRPの方向強化材料及び織物強化材料における層間は
く離き裂の進展抵抗を測定する方法である。
2. 変形モードは,開口形のモードI及び縦せん断変形のモードIIを対象とする。
3. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0601 表面粗さの定義と表示
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
JIS B 7502 外側マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS K 6900 プラスチック用語
JIS K 7072 炭素繊維強化プラスチックの試料の作製方法
JIS K 7074 炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法
JIS K 7100 プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900によるほか,次のとおりとする。
(1) 層間破壊じん性 単位面積の層間はく離き裂を生じる際に必要なエネルギーの限界値。
(2) き裂開口変位 ( ‰ 上下面の相対的変位。以下,COD (Crack Opening Displacement) という。
(3) 変形モード き裂上下面の相対的変形の様式であって,CODの方向が各々き裂面に対して垂直な(開
口形)モードI,き裂面に平行で,き裂前縁に垂直な(縦せん断形)モードII,き裂面とき裂前縁共に
平行な(横せん断形)モードIIIの三つの基本モードがある。
(4) IC, GIIC き裂進展初期のモードI及びモードII層間破壊じん性値。
(5) IR, GIIR き裂進展過程のモードI及びモードII層間破壊じん性値。
(6) 荷重線変位 (u) 荷重線上に設定した標点間の相対的変位。一般にはクロスヘッドの移動量が取られ
る。
(7) 荷重点コンプライアンス (C)荷重線変位と荷重との比 (u/P)。
(8) ODコンプライアンス ( ‰ 開口変位と荷重との比 ( 一

――――― [JIS K 7086 pdf 1] ―――――

2
K 7086-1993
(9) 初期の直線 荷重−COD線図又は荷重−荷重線変位線図において初期の(き裂進展前における)直線
部分を上下に延長した直線。この場合,荷重立ち上がり直後の非線形領域は含まない。
(10) き裂長さ (a)双片持ちはり試験片のき裂長さは,荷重線(ピン負荷の場合にはピン中心を結ぶ直線)
とき裂先端の間の距離。端面切欠き曲げ試験片のき裂長さは,き裂がある側の支点からき裂先端まで
の距離。
(11) はりの高さ (H)はく離き裂面から試験片表面までの距離。試験片厚さの半分とする。
(12) 修正コンプライアンス較正法 CODコンプライアンスとき裂長さとの関係から,計算によってき裂長
さを求める方法。
(13) カーブ き裂進展過程の層間破壊じん性の変化を示す図。横軸にき裂長さ又はき裂進展量を取り,
縦軸に層間破壊じん性値をプロットした関係。
3. 試験方法の種類 試験方法の種類は,変形モードの違いによって次の二とおりとする。
(1) 双片持ちはり [DCB(1) ] 試験 き裂進展初期及び伝ぱ(播)過程のモード1層間破壊じん性値GIC,
GIRを求める方法。
(2) 端面切欠き曲げ [ENF(2) ] 試験 き裂進展初期及び伝ぱ過程のモードII層間破壊じん性値GIIC,GIIR
を求める方法。
注(1) ouble Cantilever Beamの略称である。
(2) nd Notched Flexureの略称である。
4. 試験片の状態調節並びに試験温度及び湿度
4.1 試験片の状態調節 試験片は,原則として,試験前にJIS K 7100の標準温度状態2級及び標準湿度
状態2級[温度23±2℃及び相対湿度 (50±2) %]において48時間以上状態調節を行う。
4.2 試験温度及び湿度 試験は,原則として,4.1に規定する温度及び湿度[温度23±2℃及び相対湿度
(50±5) %]の室内で行う。
5. 試験装置及び器具
5.1 試験機 試験機は,試験中にクロスヘッドの移動速度又はCOD速度を一定に保つことができるもの
で,次のもので構成されたもの。
5.1.1 荷重指示計 荷重指示計は,試験中に試験片に加えられた荷重のすべてを連続的に記録することが
できるものとし,設定した試験速度において誤差が荷重値の±1%又はそれ以下である機構のもの。
5.1.2 変位計 変位計は,試験中に試験片に加えられた荷重線変位のすべてを連続的に記録することがで
きるものとし,設定した試験速度において誤差が変位値の±1%又はそれ以下である機構のもの。
5.2 寸法測定器具
5.2.1 マイクロメータ マイクロメータは,試験片の厚さを測定するためのもので,JIS B 7502に規定す
る測定範囲025mmのもの又はこれと同等以上の精度のものとする。
5.2.2 ノギス ノギスは,試験片の長さ,幅及び支点間距離を測定するためのもので,JIS B 7507に規定
する最大測定長300mm,最小読取り値0.05mmのもの又はこれと同等以上の精度のものとする。
5.2.3 読取り顕微鏡 読取り顕微鏡は,試験中のき裂長さを測定するためのもので,測定範囲は0
200mm,読取り精度は0.05mmのもの又はこれと同等以上のものとする。拡大鏡の倍率は20倍70倍程
度が望ましい。

――――― [JIS K 7086 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
K 7086-1993
6. 試験片
6.1 試験片の形状及び寸法
6.1.1 DCB試験片 この試験片はDCB試験に適用し,モードI層間破壊じん性値を測定するために用い
る。試験片の形状及び寸法を図1に示す。
6.1.2 ENF試験片 この試験片はENF試験に適用し,モードII層間破壊じん性値を測定するために用い
る。試験片の形状及び寸法を図2に示す。

――――― [JIS K 7086 pdf 3] ―――――

4
K 7086-1993
図1 DCB試験片の形状及び寸法
単位 mm
区分 記号 部位 寸法
DCB試験片 l 長さ c+ap+100以上
2H 厚さ 3±0.4
B 幅 2025
c 試験片端から荷重線までの距離 6
ap フィルムき裂長さ 3454
a0 初期き裂長さ ap+ (25)
ピン負荷用 W 幅 12
ブロック b 長さ B±0.2
h1 高さの半分 6
h2 高さ 12
1.005
d2 孔径 5 .0

――――― [JIS K 7086 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
K 7086-1993
図2 ENF試験片の形状及び寸法
注(3) 附属書3図1のCOD計を用いる場合
単位 mm
記号 試験片の部位 寸法
l 長さ 140±0.5
2H 厚さ 3±0.4
B 幅 2025
c 試験片端から荷重線までの距離 2025
ap フィルムき裂長さ 2025
a0 初期き裂長さ 2228
参考 じん性がき裂進展とともに著しく増大するCFRPでは,予き裂導入によってき裂進展初期のじ
ん性を高めに評価する可能性がある。その場合には,厚さ10 下のポリイミドフィルムか
同等品1枚を(1)の手順によって挿入したフィルムを初期き裂として用い,予き裂は導入しない
で試験を実施してもよい。このとき,フィルム面のはく離を完全なものとするため,き裂が進
展しない範囲で注意深くき裂を開いてもよい。
6.2 試験片の作製 試験片の作製は,次による。
(1) 成形板の積層時に,初期き裂導入のため,ポリイミドフィルムか同等品を二つ折したもの又は表面及
び端面に離型処理を施したポリイミドフィルムか同等品1枚を,積層中央面に縁が繊維配列方向と直
角 (90°±1°) に挿入する。挿入するフィルムの厚さの総計は,30 下とする。ここで繊維配列
方向とは一方向強化材料では繊維方向,織物強化材料ではたて糸(又はよこ糸)方向である。積層枚
数は必ず偶数であること。各層ごとの繊維配列方向のずれは±1°であること。JIS K 7072によって成
形板を成形する。図3に成形板の積層構成及び寸法並びに挿入するフィルムの位置の例を示す。
(2) 成形板の外周をトリミングして試験板とする。
(3) 試験板から試験片をダイヤモンドカッタ,フライス加工などの機械加工又はこれと同等以上の精度で
加工できる方法で製作する。試験片の長手方向が繊維配列方向に一致するように切り出す。
(4) 試験片を機械加工するときは,切削中に水冷するなどして過度の切削熱が生じないように注意する。
(5) 繊維配列方向と試験片の切り出し角度のずれが試験結果に影響を及ぼすので,切り出し時には適切な
ジグを用いるなどして,ずれが生じないように注意する。切り出し面は繊維配列方向に対し,0.5mm

――――― [JIS K 7086 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS K 7086:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7086:1993の関連規格と引用規格一覧