JIS K 7211-1:2006 プラスチック―硬質プラスチックのパンクチャー衝撃試験方法―第1部:非計装化衝撃試験 | ページ 3

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5.1.9 再衝突防止装置 この装置は,試験片への2度打ち及びストライカの損傷を防ぐために設計されて
いる。

5.2 厚さ計

 試験片の厚さを±0.01 mmの精度で測定することが可能なもの。

6. 試験片

6.1 形状及び寸法

 試験片の形状及び寸法は,次のいずれかによる。ただし,a) を優先的に用いる。
a) 試験片は,厚さ2.0±0.1 mmで,一辺60±2 mmの正方形又は直径60±2 mmの円形が望ましく,直径
40 mmの試験片支持台を用いる。
ぜい性の繊維強化複合材料及び低い破壊ひずみのプラスチックに対しては,厚さ4.0±0.2 mmで,
一辺140±2 mmの正方形又は直径140±2 mmの円形が望ましく,直径100 mmの試験片支持台を用い
る。
b) 試験片は,円形又は角形とし,その寸法は,受渡当事者間の協定によって定め,板厚は原厚とする。
備考 b) は,旧規格の規定事項であり,この規格の発効年月日から5年経過した後は,無効とする。

6.2 試験片の作製

 試験片は,関連する材料規格に従って作製する。材料規格がない場合又はほかに規
定がない場合,JIS K 7151,JIS K 7152-3,ISO 295若しくはISO 1268のいずれかに従って作製するか,又
は,JIS K 7144に従って板から切削加工を行う(備考参照)。また,切断端に特別な要求がないとき,切断
機又は打抜き機で加工してもよい。
備考 射出成形による一辺140 mmの正方形又は直径140 mmの試験片の作製は,どの規格でも規定
していない。
より大きな試験片は,主として繊維強化複合材料に用いるので,それらは板材から切削加工をするのが
よい。より大きな板から又は板の部分から切り出す試験片は,可能な限り厚さが均一な場所から切り出す。
均質でない端の部分は用いない。これらの試験片は,厚さ4 mm以下とする。もし,板が4 mmより厚い
ときは,試験片を4 mmに切削する。

6.3 不均質な試験片

 試験は,通常,無作為に選んだ試験片のいずれかの面で行う。しかし,試験結果
が,ストライカが打撃する試験片面に依存する理由がある場合は,試験を別々の面で行う。これは,織物
が表面にある試験片,片面にラッカーが塗られた試験片及び紫外線によって劣化した試験片に対して特に
有効である。片面処理の影響を評価するとき,試験片は,反対側に衝撃を与えるようにする。

6.4 試験片の観察

 試験片は,ねじれ及び反りがあってはならない。両面の表面は,滑らかで,切欠き
効果を避けるために,引っかききず,あばた及びひけマークがあってはならない。
試験片は,目視又は厚さ計で測定することによって,要求に適合しているどうかを観察する。
観察によって,上記に該当する欠点が発見された試験片は取り除く。

6.5 試験片の数

 一定の条件の下で試験を実施するために,試験片の数は,次による
− 方法A : ステアケース(優先的に使用)
次のいずれかによる。ただし,a) を優先的に用いる。
a) 試験片30個以上を用いる(試験開始時のエネルギーを決定するための予備試験に10個使用)。
b) 原則として20個とするが,受渡当事者間の協定によって,最低10個としてもよい。
備考 b) は,旧規格の規定事項であり,この規格の発効年月日から5年経過した後は,無効とす
る。
− 方法B : グループ法(必要に応じて使用)
40個以上の試験片を用いる(予備試験に対して10個及び主試験に対して30個)。

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例えば,温度依存性のパラメータを決定するために,多くの試験片が必要な場合,試験片の数は,統
計原理に従って選定する。

6.6 試験片の状態調節

 試験片の状態調節は,関連する材料規格の要求に従うか,受渡当事者間の協定
によるか,又は,JIS K 7100に規定する雰囲気の中で最も適した状態を選定する。

7. 操作

7.1 試験雰囲気

7.1.1  全般 試験は,JIS K 7100に規定する標準雰囲気の一つで行う。
7.1.2 室温試験 JIS K 7100の標準雰囲気内で状態調節を行った場合,試験は,同じ雰囲気内で行う。異
なる雰囲気となる場合は,試験片の移動中に起こる試験片の温度変化によって生じる力学的挙動(材料の
状態)の変化を防ぐために,移動時間trを短く(5秒以内)しなければならない。
例えば,乾燥したポリアミドの場合,移動時間30分までは,23 ℃,50 %R.H. の雰囲気で試験した場合,
衝撃挙動に影響を及ぼさないことが分かっている。
備考 移動時間trは,試験片を状態調節装置から取り出して衝撃試験を実施するまでの全時間とする。
7.1.3 低温試験 低温で試験片の状態調節を行い,試験を室温で行う場合,試験片の移動中に起こる温度
変化を防ぐために,移動時間を短く(5秒以内)しなければならない(7.1.2の備考参照)。

7.2 厚さの測定

 個々の試験片に対し,試験片の中心から半径10 mmの円周上で互いに等距離の位置で
3か所,厚さを約0.02 mmまで測定する。測定した厚さの平均値を記録する(備考参照)。試験片の厚さが,
試験標本から採取した試験片の平均厚さから5 %以上異なっていれば,その試験片を破棄し,他の試験片
と交換する。
備考 射出成形した試験片を用いる場合,個々の試験片の寸法を測定する必要はない。各組から一つ
の試験片を測定するだけで十分である。
多数個取り金型を用いる場合,各々のキャビティから採取した試験片の厚さを測定する。各
キャビティ間での試験片の厚さの差が5 %より大きい場合は,異なったロットとして処理する。

7.3 試験片の固定(必要に応じて使用)

 通常の試験では,試験片を固定しないで行う。試験片を固定
する場合,固定する力が試験片に曲げ又はねじりの力を与えないように注意する。

7.4 潤滑剤

 潤滑剤の粘度         囲は,0.01 Pa・s<     10 Pa・sとする(JIS K 7211-2 附属書B参照)。

7.5 パンクチャー衝撃試験操作

7.5.1  一般 試験片を試験片支持台 (5.1.5) の上に置き,必要ならば,押さえ板で固定する。表面を切削
加工した場合,切削加工した面に衝撃を与える。
必要な重錘 (5.1.3) をストライカ (5.1.4) にしっかりと固定する。
落錘装置 (5.1.2) を用いて,ストライカを規定の高さに保持し,後にストライカを離脱させる。
もし,ストライカが試験片の表面から跳ね返る場合は,次のことを防ぐため,ストライカが跳ね返った
後にストライカを捕そく(捉)する。
− 試験片表面での2度打ち
− ストライカが装置の金属部分に衝突するようであれば,ストライカの半球状表面の損傷
衝撃後,試験片が,破壊しなかったか又は3.2で定義したどのような破壊が生じたかを調べる。
3.2で定義した破壊の様式は,落下質量で生じた試験片表面の変化を説明し,肉眼で見える試験片表面の
破壊の状態を定義している。どの破壊の様式を採用するかは,対応する材料の規定に従うか又は受渡当事
者間の協定による。もし,定義にない他の破壊の様式(クレージング,圧こん,応力白化など)が重要と

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考えられるならば,破壊の様式を受渡当事者間の協定で定義し,試験報告に記載する。
各試験片は,一回だけの衝撃とする。
7.5.2 定落下高さ(優先的に使用) 可変落下質量を用いる場合,1 mの落下高さを選ぶ。この方法で試
験片が破壊しない場合,代わりに定落下質量による方法を推奨する。
7.5.3 定落下質量(必要に応じて使用) 可変落下高さを用いる場合,落下高さは,0.3 m2.0 mの範囲
で選ぶものとするが,約1.0 mが望ましい。

7.6 方法A : ステアケース法(優先的に使用)

7.6.1  一般 この方法では,試験の間,一定のエネルギーの変化量を用い,各試験片を打撃した後にエネ
ルギーを調節する。衝撃のエネルギーは,一定の高さで質量を変更するか,又は一定の質量で高さを変更
することによって調節する(いずれの方法でも4. の備考を参照)。
7.6.2 予備試験 50 %衝撃破壊エネルギーE50を推定するために10個の試験片を用いて予備試験を行う。
備考 破壊(又は非破壊)を起こすエネルギーを確実に見つけるため,予備試験の間,用いるエネル
ギーを変更する。最初は確実に破壊する大きな値で開始し,徐々に減じて破壊が発生しないエ
ネルギーで予備試験を終了する。
7.6.3 試験手順 試験開始時は,予備試験の結果に基づいて,50 %が破壊すると予測されるエネルギーで
試験を行う。試験全体が36ステップになるようにエネルギー変化量 常,エネルギー変
化量は,予備試験の結果に基づいて50 %破壊エネルギーの約5 %程度を用いる。
最初の試験片を打撃した後,それが破壊したか破壊しなかったかを決定し,非破壊の場合は○印,破壊
の場合は×印の記号を用いて,図7又は図8に示す形式で,結果を記録する。
最初の試験片が破壊した場合, ネルギーを減少する。最初の試験片が破壊しなかった場合,
ネルギーを増加する。直近に行った試験で試験片が,破壊又は非破壊かによって,落下の間の
エネルギー 少又は増加することによって,連続して試験を続ける。
図 7 定落下高さ (0.66 m) での方法A(ステアケース)試験結果の例

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図 8 定落下質量 (1 kg) での方法A(ステアケース)試験結果の例
7.6.4 結果の表示
7.6.4.1 計算 50 %衝撃破壊エネルギーE50 (J) は,次の式によって算出する。
定落下高さの場合 E50=H×g×M50 (1)
定落下質量の場合 E50=M×g×H50 (2)
ここに, H : 定落下高さ (m)
M : 定落下質量 (kg)
g : 試験場所の重力の加速度 (m/s2)
A
M50 Ma+ΔM 5 .0 (3)
N
A
H50 Ha+ΔH 5 .0 (4)
N
[プラス記号は非破壊 (N=N○) の場合に用い,マイナス記号は破壊 (N=N×)
の場合に用いる。]

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ここに, Ma : 主試験からk番目の質量Mi (i=1k) の間の最小質量 (kg)
質量変化量 (kg)
Ha : 主試験からk番目の高さHi (i=1k) の間の最小高さ (m)
高さ変化量 (m)
k
in
N (5)
i 1
[破壊 (N×) 又は非破壊 (N○) の全数は,どの数がより少ないかに依存する。]
ここに, ni : 各々の高さHi又は質量Miにおいて,それぞれ,破壊又は非破
壊の数
k
A nizi (6)
i 1
ここに, zi : 次の式によって得られる,Maからの質量変化量の数又はHaか
らの高さ変化量の数
Mi−Ma
zi (7)
ΔM
又は,
Hi−Ha
zi (8)
ΔH
7.6.4.2 標準偏差 標準偏差は,次の式によって算出する。
a) 50 %衝撃破壊エネルギーの標準偏差 (s)
NB−A2
s .162ΔE (9)
N2
ここに,
k
B 2
nizi (10)
i 1
この式は,(NB−A2)/N2>0.3ならば有効である。
計算例を附属書Aに示す。
備考 もし,0.5≦ 湧慎 が満たされない場合,他の を繰り返すことが望まし
い。
b) 50 %衝撃破壊高さの標準偏差 (sH)
次の式からM値を求め,表3から み取った後,式 (12) に代入して算出する。
2
B− NA
M= (11)
N
sH= 愀 (12)
計算例を附属書A(参考)に示す。
表3
m 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09

――――― [JIS K 7211-1 pdf 15] ―――――

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