JIS K 7219-1:2011 プラスチック―屋外暴露試験方法―第1部:通則 | ページ 2

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放射露光量の測定に使用する放射計は,ISO 9370の要求条件を満たすとともに,少なくとも1年ごとに
校正しなければならない。放射露光量の測定に使用する機器は,次の中から選択する。
5.2.1.2 全天日射計
全天日射計は,水平に取り付けた場合,全天日射量の測定に使用する放射計であり,角度をもって取り
付けた場合は,半球の放射計である。全天日射計は,ISO 9370で規定する2級又はそれと同等以上でなけ
ればならない。さらに,全天日射計は,少なくとも1年ごとに,指定があればそれ以上の頻度でISO 9370
の校正要件で校正しなければならない。
5.2.1.3 直達日射計
直達日射計は,太陽光線に垂直な面に入射する直達成分を測定する放射計である。直達日射計は,ISO
9370で規定する1級又はそれと同等以上でなければならない。さらに,直達日射計は,少なくとも1年ご
とに,ISO 9370の校正要件で校正しなければならない。
5.2.1.4 全紫外線放射計
暴露ステージを決めるために用いるとき,全紫外線放射計は,290 nm400 nmの波長範囲で最大の照射
を受けるような分光感度をもたなければならない。さらに,天空の紫外線を含むようにコサイン補正され
ていなければならない。全紫外線放射計は,少なくとも1年ごとに校正しなければならない。もし指定が
あれば,より頻繁に校正しなければならない。
注記 異なった波長範囲(例えば400 nmまで応答するもの又は385 nmまで応答するもの)を測定す
る放射計で測定した結果を比較する場合は,最大385 nmまでしか応答しない放射計より400 nm
まで応答する紫外線放射計は,露光量が25 %30 %高い値が記録される。長波長の紫外線応答
度が異なる紫外線放射計の値と太陽光の全紫外線放射計との違いに関して詳しいことは,ISO
9370の附属書Aを参照。
5.2.1.5 狭帯域紫外線放射計(NBUVRs)
暴露ステージを決めるために用いるとき,NBUVRsは,コサイン補正されていなければならない。少な
くとも,6か月ごと又は装置の定数の安定性を確実にする要求があれば,より多い回数の校正を行わなけ
ればならない。
5.2.2 その他の気象因子測定装置
その他の装置には,気温,試験片温度,相対湿度,降水量,ぬれ時間,日照時間,ブラック/ホワイト
スタンダード温度及びブラック/ホワイトパネル温度の測定に用いる装置がある。これらは暴露試験に対
して適切であり,用いる装置及びその仕様は,受渡当事者間の協定による。ブラック/ホワイトパネル温
度計を用いる場合,組立て,校正などは,ASTM G 179による。ブラック/ホワイトスタンダード温度計
を用いる場合,組立て,校正などは,JIS K 7350-1による。
注記1 ぬれ時間の測定は,通常電極間の電気抵抗の変化を検出する電気的手段を用いて行われる。
ASTM G 84(参考文献[3]参照)には,小さいガルバニ電池を用いた装置によるぬれ時間の測
定手順について記述がある。
注記2 屋外で使用されるブラック/ホワイトスタンダード温度計の満足できる標準化された校正技
術は,この規格の制定時点で存在しない。
注記3 ブラックスタンダード温度計及びブラックパネル温度計のどちらも使用することができる。
通常の暴露条件でブラックスタンダード温度計を使用した場合,温度は,ブラックパネル温
度計より高い値を示す。

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6 試験片

6.1 作製方法

  試験片の作製方法は,試験の結果に影響を与える場合があるので,受渡当事者間の協定による。また,
作製方法は,製品の実際の加工方法に近い方法を用いることが望ましい。試験片の作製方法は,試験報告
書に詳細に記録する。
試験片の寸法は,暴露後に測定する各特性の試験法の規格による。形状が複雑な製品の挙動を求める場
合は,その製品自体を暴露することが望ましい。
押出成形又は射出成形用の細粒,チップ,ペレット及びその他の原料樹脂を試験する場合は,適切な規
格による手順によって試験片を作製する。又はシートを作製し,そのシートからJIS K 7144によって試験
片を切り出す。
暴露済みの大きな試験片から特性測定に用いる個々の試験片を切り出すことが必要な場合がある。例え
ば,縁が離しやすい材料は,大きなシート状態で暴露し,個々の試験片は,暴露後に切り出す。暴露後
に大きな試験片から試験片を切り出す場合,切断,機械加工が個々の試験片の特性に与える影響は,暴露
によってぜい化した材料については,通常非常に大きい。暴露済みの大きな試験片から試験片を切り出す
手順は,受渡当事者間の合意による。試験片の機械加工での作製については,JIS K 7144に規定する手順
によって行う。
暴露済みのシート又は大きな製品から試験片を切り出すときは,暴露試験片の支持部又は端部から少な
くとも20 mm離れた部分からそれらを取り出すのが望ましい。いずれの場合でも,試験片準備中に暴露面
からいかなる付着物も取り除いてはならない。
暴露試験で材料を比較するときには,寸法と暴露面積とが同等の試験片を用いる。
試験片及び照合材料として用いる試験片には,暴露期間中必要な特性測定に影響を与えない耐久性のあ
るマークを付ける。
堆積した油が紫外線の吸収剤として機能したり,又は試験片の劣化に影響する汚染物質を含むおそれが
あるので,試験片の暴露表面及び暴露装置のガラス部分には素手で触れてはならない。
注記1 試験片の準備及び暴露試験前後の取扱いなどについてASTM G 147(参考文献[4]参照)にガ
イドラインがある。
注記2 試験片の作製については,ISO 293,JIS K 7152-1,JIS K 7152-2,JIS K 7152-3,ISO 295,ISO
2557-1:1989及びISO 3167(参考文献[5][11]参照)に記述してある手順が適切である。

6.2 試験片の数量

  試験条件又は暴露ステージごとの試験片の数量は,少なくとも暴露後に測定される特性値の試験方法に
規定する数量とする。機械的特性の測定には,関連規格で要求している数量の2倍にすることが望ましい
(暴露された材料の測定結果の標準偏差が大きいことによる。)。
特性測定の試験方法に,暴露試験片の数量の指定がない場合には,それぞれの暴露ステージに最低三つ
の繰返し試験片を用意することが望ましい。
特性を測定するために破壊試験を行う場合,必要な試験片の総数は,暴露ステージによって,また,暴
露しない保存試験片を暴露された試験片と同時に試験するかによって決定する。
耐久性の分かっている照合材料を,個々の暴露試験に含めることが望ましい。耐久性が比較的劣るもの
と比較的よいものとの両方を使用することが望ましい。照合材料として用いる試験片の総数は,試験され
る材料と同数にすることが望ましい。

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暴露場間の比較をするときは,比較に使用する材料について受渡当事者間で合意されていることが必要
である。

6.3 状態調節及び保存

  試験片及び/又は参照材料として使用する試験片を,大きい部位から切り出すか,又は機械加工する場
合には,作製の後にJIS K 7100に従って状態調節(2級以上)を行わなければならない。試験片を切り出
すか又は機械加工する前に試料作製を容易にするためにシートの事前の状態調節が必要になる場合もある。
暴露した材料の機械特性を評価する試験を行う場合には,試験片は,全ての特性の測定の前に適切に状
態調節を行わなければならない。JIS K 7100に規定する適切な状態調節(2級以上)を使用する。幾つか
のプラスチックの特性は,含水量に非常に敏感であるので,特に試験片が極端な気候に暴露された場合は,
JIS K 7100に規定するよりも,長い状態調節時間が必要になる場合もある。
保存試験片は,通常の実験室の条件下で暗所に保存する。JIS K 7100の標準状態の一つ(2級以上),か
つ,暗所で保存することが望ましい。
ある種の材料では,特に暴露後は暗所に保存している間にも色が変化することがある。色測定,目視で
の観察は暴露後,暴露した表面が乾いたら可能な限り速やかに行う。
受渡当事者間で合意が得られるならば,暗反応を避けるためにより低温で試験片を保存する。暴露後に
間隔を置いて数回行う試験片の評価からは,一旦,試験片を暴露台から取り外した後に起こる色,又はそ
の他の性能の変化に関する情報が得られる。

7 試験片の暴露条件

7.1 気候区分

  プラスチックが使用される場所には,数多くの異なった気候がある。世界的には,気候は,六つの区分
に分類され,それぞれの区分はさらに小区分に分類する。附属書Aには,通常使用されている気候分類体
系について記述している。 プラスチックを異なった気候区分で暴露した場合,劣化の速度及び/又は劣化
の種類に著しい差異が生じることがある。
注記 プラスチックを太陽放射レベルが高い高温多湿又は高温乾燥の気候で暴露することは,しばし
ば耐久性の徴候を速くつかむことができるのでよく行われる。

7.2 暴露の種類

  特に指定がない限り,試験片は引っ張らない状態で暴露する。 試験片を引っ張った状態で暴露する場合
には,引っ張った正確な手順を試験報告書に記載しなければならない。
プラスチックの暴露には,一般に次の2種類の暴露法を使用する。
a) 開放形暴露法 試験片は,試験片の表面と裏面を空気が自由に流れるような方法で暴露架台又はフレ
ームに取り付ける。これらの暴露では,試験片の全ての面が天候の影響を受ける。 暴露期間中にひず
み又は変形を防ぐための付加的な支持が必要な場合には,金網の上に置いてもよい。
b) 裏当て形暴露法 試験片は,暴露のための硬い裏当て材に取り付ける。 これらの暴露法を用いる場合
は,裏当て材は,合板が適切である。合板の厚さ及び用いるコーティングの種類については,受渡当
事者間で合意し,その内容は報告しなければならない。裏当て形暴露の場合,試験片の最高温度は,
より高くなる。
暴露の種類が指定されない場合は,開放形暴露法を用いる。試験の条件は,JIS K 7219-2の適切な箇条
を参照する。

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注記 裏当て又は支えは暴露されない面の断熱度合いに影響するので,暴露された試験片の温度に大
きく影響する。 試験片の小さな部分に裏当て材を取り付けた場合,最高温度は,大きな裏当て
材を取り付けた場合より低い。
材料の使用方法に合わせて特定の裏当て材と試験片とを直接接触させて暴露する必要がある場合は,そ
れを考慮して試験方法を変えてもよい。

8 暴露ステージ

8.1 一般的条件

  材料特性の変化量は,同じ場所で同じ暴露ステージを繰り返し実施した結果の間でもばらつくことがあ
る。特定の場所での材料特性の典型的な変化量の指標を求めるには,異なった時期に同じ場所で行われた
数回の暴露結果が必要である。似たような気候区分で同じ暴露ステージの暴露をしても材料特性の変化量
は,異なる場合がある。 材料特性の変化量は,異なった気候区分によって通常大きな違いを示す。プラス
チック材料又はプラスチック製品の耐久性を明確にするには,数回の異なった気候で行われた暴露試験結
果が必要である。
試験片の特性の変化を決定する暴露ステージは,8.2又は8.3による。

8.2 暴露期間

  暴露ステージを,日,週,月又は年で表される経過時間で示す。

8.3 太陽放射露光量

8.3.1  重要性
太陽放射露光量は,プラスチックが暴露されたときの最も重要な劣化因子の一つであることから,暴露
ステージは,試験片が受ける太陽放射露光量によって規定してもよい。全太陽放射露光量を暴露ステージ
を規定するのに用いなくても,全太陽放射露光量又は全紫外線放射露光量を各暴露ステージで測定し,報
告することが望ましい。
8.3.2 太陽放射露光量の機器による測定
8.3.2.1 一般
全太陽放射露光量,広帯域紫外線放射露光量又は狭帯域紫外線露光量を求めるために行う太陽放射の測
定は,ISO 9370及びASTM G 183による。
8.3.2.2 全天日射量
全天日射量は,MJ/m2の単位で表し,紫外線,可視光線及び赤外線の波長の放射光を含む。
8.3.2.3 特定波長域の放射露光量
全太陽放射露光量は,紫外及び可視光の波長域に加えて太陽放射光の赤外線部分の全てを含んでいる。
赤外線は,暴露された試験片の温度に影響するが,プラスチックの耐候性における直接の光化学的効果は
ないので,太陽光の測定は,光化学的に活性な部分の紫外波長範囲に限定することが望ましい。
太陽の紫外線放射は,通常290 nm400 nmの紫外線領域で測定する広帯域放射計を用いて測定する。
代わりに暴露ステージは,狭帯域紫外線放射で決定してもよい[例えば,340 nm,単位J/(m2・nm)]。
紫外線放射露光量は,MJ/m2の単位で表し,紫外線放射を測定する帯域を含んでいなければならない。
注記 測定する波長範囲が異なる紫外線放射計は,異なった結果を示す。ISO 9370に,これらの違い
について詳細な情報がある。

――――― [JIS K 7219-1 pdf 9] ―――――

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9 手順

9.1 試験片の取付け

  7.2に規定した暴露の種類に応じ,不活性な取付け具,留め具材料などを用いて,試験片を暴露架台又は
適切なホルダに取り付ける。暴露領域が光学的及び機械的試験を行うことができる十分な寸法とするため
に,取付け具に取り付けた状態で十分な領域を確保する。機械的試験を要求されている試験片は,ノッチ,
フィレットなどを,適切に取り付けるようにする。取付方法は,試験片に著しい外力が掛からないように
する。
後日参照するために,暴露計画,取り付けられている箇所の図又は写真を用意して保管することが望ま
しい。
必要であれば,試験片の一部を遮光のない部分と比較するために,不透明な耐候性のある遮光材で,暴
露期間中カバーしてもよい。この方法は,暴露試験の進行のチェックに便利であるが,暴露試験による色
の変化を明確にするために報告するデータは,常に暴露していない保存試験片との比較に基づかなければ
ならない。
試験片の取付方法の詳細は,JIS K 7219-2の関連する箇条に規定する。
注記 耐久性が知られている材料に対して試験する材料の特性をランク付けできるように,試験する
材料と同時に特性が知られている照合材料及び/又は参照材料とを暴露することは有益である。

9.2 参照材料の取付け

  参照材料を使用する場合,特に指定がなければ試験片と同じ方法で取り付ける。参照材料は,できる限
り試験片の近くに取り付ける。
注記1 繊維品の耐光堅ろう度のために開発されたブルースケールは,従来からプラスチックの試験
に用いられている。しかし,この方法は,プラスチックの暴露ステージを定義するために用
いるには,限界がある。
注記2 参照材料は,暴露試験条件の同一性を判定するためにも用いる。ISO/TR 19032(参考文献[12]
参照)は,ポリエチレンリファレンス試験片のカルボニルインデックスを使用して屋外暴露
及び促進暴露試験の条件を判定する手順を示している。

9.3 気象観測

  必要ならば,暴露結果に影響するかもしれない全ての気候条件又は気候変化を記録する(10.3参照)。

9.4 試験片の暴露

  特に指定がなければ,暴露期間中に試験片は,洗わない。洗うことを要求された場合は,蒸留水又は同
等の水を使用し,暴露面をこすったりなどして,きずを付けないようにする。
緩んだ試験片の再固定,試験片の状態の記録,装置の損傷の補修などのために,特に,暴風雨などの後
には,定期的な点検及び保守管理を行う。
試験片の暴露試験方法の詳細は,JIS K 7219-2の関連する箇条で規定する。

9.5 特性変化の測定(要求があれば)

  試験片を要求された期間まで暴露し,取り外した後JIS K 7362及び関連の規格によって外観の変化,色,
光沢及びその他の物理的特性を測定する。
暴露終了後,状態調節に必要な間隔をおいて,できるだけ早く試験を行う。暴露の終了と測定の開始と
の間隔を記録する。
同じ又は類似の材料の以前の暴露の結果で,その後の暴露期間を調整したほうが,暴露試験計画として
優れていると考えられる場合は,暴露期間の調整を行う。

――――― [JIS K 7219-1 pdf 10] ―――――

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JIS K 7219-1:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 877-1:2009(MOD)

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JIS K 7219-1:2011の関連規格と引用規格一覧