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K 7252-5 : 2016 (ISO 16014-5 : 2012)
ムのベースラインは,ピーク開始直前から終了直後まで直線であると仮定する。
注記 通常,LSクロマトグラムは,ベースラインを引く前に,スパイクノイズを除外して改良される。
10.3.2 計算範囲の決定
濃度クロマトグラムについては,JIS K 7252-1の8.3.2(計算範囲の決定)による。LSクロマトグラムの
計算範囲は,10.3.1で規定するものと同じにする。
10.3.3 シグナル強度の計算
ベースライン及び計算範囲(10.3.1及び10.3.2参照)の決定に続き,ポリマー試料の溶出時間iにおけ
るシグナル強度ILS,iをLSクロマトグラムから計算し,かつ,シグナル強度Hiを濃度クロマトグラムから
計算する。
10.3.4 分子量の計算
Hi,ILS,i,試料濃度,注入体積,流量,装置定数,屈折率増分dn/dc,溶離液の屈折率などを用いて溶出
時間における分子量Miを計算する。
校正法A又は校正法Bを用いる場合は(9.1.2及び9.1.3参照),Miは次の式(7)から計算してもよい。
Mi R / Kc (7)
ここに, ΔRθ : ILS,i及び光散乱検出器の装置定数から計算される過剰レイリ
ー比(附属書B参照)
Kは,次の式(8)で定義される光学定数である。
2 2 2
4 n dn dc
K 4 (8)
0 NA
ここに, n : 溶離液の屈折率
λ0 : 真空中の入射光の波長
NA : アボガドロ定数
高温測定の場合,全ての値(例えば,試料濃度,注入体積,流量,装置定数,屈折率増分dn/dc及び溶
離液の屈折率)は,溶離液の密度又は体積の変化のため,実測温度で補正又は決定しなければならない。
10.3.5 第二ビリアル係数A2
各溶出時間における試料ポリマーの分子量の決定に,第二ビリアル係数A2を考慮することが望ましい
(B.1参照)。しかし,多くの場合,A2の項は無視できるほど小さいため,A2を用いた計算は必要ではない。
A2を分子量の計算に用いた場合は,A2値を報告しなければならない。
11 結果の表示
11.1 校正曲線
11.1.1 一般
方法A又は方法Bのいずれかを選択し,平均分子量又は分子量分布を算出するための校正曲線,又は分
子量と溶出時間との関係を作る。方法Aは簡便な校正方法で,方法Bはより詳細で精度の高い方法である。
附属書Cに校正曲線の例を示す。
11.1.2 方法A
溶出時間iでの分子量Miを,濃度クロマトグラム及びLSクロマトグラムから算出する。必要ならば,
JIS K 7252-1の9.1(校正曲線)に規定する近似法によって溶出時間の関数として分子量を表す校正曲線を
作る。JIS K 7252-1の9.2(平均分子量の計算)に規定されているように,校正曲線及び濃度クロマトグラ
ムとを用いて数平均分子量Mn及び質量平均分子量Mwを算出する。多分散度Mw/Mnが1.2以下の場合は,
Mwだけを質量平均分子量として記録する。Mw/Mnが1.2より大きい場合には,平均分子量及び分子量分布
――――― [JIS K 7252-5 pdf 11] ―――――
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を計算し,記録する。試験報告書には使用した校正曲線,濃度クロマトグラム及びLSクロマトグラムを
記載する。
11.1.3 方法B
溶出時間iでの分子量Miを濃度クロマトグラム及び光散乱クロマトグラムから算出する。最小二乗法を
用いて溶出時間の関数として分子量を表した校正曲線を作成する。多分散度Mw/Mnが1.2以下の場合には,
質量平均分子量としてMwだけを記録する。
Mw/Mnが1.2より大きい場合,Lポイントが校正曲線の適用範囲かどうかを確認する。Lポイントが校正
曲線範囲内であれば,平均分子量,分子量分布,及び校正曲線からのLポイントのかい(乖)離幅を算出
し,記録する。試験報告書には使用した校正曲線,濃度クロマトグラム及びLSクロマトグラムを記載す
る。
注記1 Lポイントは,対象ポリマーのオリゴマー又はオリゴマーと同様の化学構造をもつ有機化合
物によって求められる。
Lポイントが校正曲線の適用範囲にない場合,JIS K 7252-2に規定されている分子量標準物質を用いて
ユニバーサルキャリブレーション法に基づく校正曲線を作成する。Lポイントがユニバーサルキャリブレ
ーション法に基づく校正曲線の範囲内であれば,平均分子量,分子量分布,及び校正曲線とLポイントと
のかい(乖)離幅を計算し,記録する。試験報告書には,校正曲線,濃度クロマトグラム及びLSクロマ
トグラムを記載する。
Lポイントがユニバーサルキャリブレーション法に基づく校正曲線の範囲にない場合,Lポイントを含
む別の校正曲線を作成する。この校正曲線を用いて平均分子量,分子量分布,及び校正曲線とLポイント
とのかい(乖)離幅を算出し,記録する。試験報告書には使用した校正曲線,濃度クロマトグラム及びLS
クロマトグラムを含める。
注記2 同じ溶出位置の試料ポリマーと分子量標準物質の分子量とが分かっているため,この場合,
ユニバーサルキャリブレーション法に基づく校正曲線は,マーク・ホーウィンク・桜田
(Mark-Houwink-Sakurada)式を用いずに作成できる。
これら2種類の方法については,図2及び図3に,それぞれ操作フローを図示する。
――――― [JIS K 7252-5 pdf 12] ―――――
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SEC-LS結果
分子量対溶出時間又は校正曲線
の計算
多分散度(Mw/Mn)の計算
多分散度が1.2を いいえ
超えるか? Mwだけ算出し報告
はい
算出
1. 平均分子量
2. 分子量分布
3. 校正曲線
報告
図2−方法Aの操作フロー図
――――― [JIS K 7252-5 pdf 13] ―――――
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K 7252-5 : 2016 (ISO 16014-5 : 2012)
SEC-LS結果
分子量対溶出時間又は校正曲線の
計算
多分散度が1.2を いいえ
超えるか? Mwだけ算出し,報告
はい
1. 校正曲線の作成
2. Lポイントの決定
分子量標準
いいえ ユニバーサルキャリブレーション
Lポイントが校正曲線
の範囲内であるか? 法に基づく校正曲線
はい
Lポイントが校正曲線 いいえ Lポイントを含む
校正曲線
の範囲内であるか?
はい
算出 :
1. 平均分子量
2. 分子量分布
3. 校正曲線
4. Lポイントのかい(乖)離幅
報告
図3−方法Bの操作フロー図
11.2 平均分子量の計算
JIS K 7252-1の9.2(平均分子量の計算)による。
11.3 微分分子量分布曲線
JIS K 7252-1の9.3(微分分子量分布曲線)による。
11.4 積分分子量分布曲線
JIS K 7252-1の9.4(積分分子量分布曲線)による。
12 精度
この規格の精度は,ポリスチレン試料を用いた共同実験によって決定した。共同実験の詳細は,附属書
Aに示す。
――――― [JIS K 7252-5 pdf 14] ―――――
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13 試験報告書
13.1 一般
JIS K 7252-1の11.1(一般)による。
13.2 装置及び測定条件
次の事項を記載する。
a) EC-LS装置の種類,形式及び製造業者名
b) 充カラムの形式,粒子径及び製造業者名
c) カラム温度
d) 使用したカラムの組合せの理論段数,分離度及びシンメトリー係数,並びにこれらを測定したときの
低分子量標準物質及び分子量分布が狭い分子量標準物質
e) 使用した溶離液,溶離液に加えた添加剤の詳細及び流量
f) 濃度検出器の種類,形式及び製造業者名,示差屈折率検出器を用いた場合は光源の波長
g) 濃度検出器のセルの温度
h) 光散乱検出器の種類,形式及び製造業者名
i) 入射光の波長
j) 計算するときに用いた散乱角度
k) 光散乱検出器のセルの温度
l) 注入した高分子試料溶液の濃度及び体積
m) データ処理システムの種類,形式及び製造業者名
n) 使用したソフトウェアの版数
13.3 装置の校正
次の事項を記載する。
a) 用いた校正方法,例えば校正法A,校正法B及び校正法C
b) 遅延体積
c) 校正用溶液の濃度及び注入体積
d) 用いた校正用標準物質の特性,例えば平均分子量
e) 光散乱検出器の校正に用いた溶媒のレイリー比
f) 用いた場合は,第二ビリアル係数A2の値
g) n/dcの値及びその出典
h) 光散乱検出器の規格化に用いた回転半径Rg
13.4 校正曲線
次の事項を記載する。
a) 測定点を曲線に近似するために用いた近似式を含めた方法の詳細
b) 校正曲線のグラフ
13.5 結果
次の事項を記載する。
a) クロマトグラムの特性点(ta,tb,tc,td及びt1 000が適用できる。)
b) 平均分子量Mn,Mw,Mz,多分散度Mw/Mn及び計算範囲(10.3.2参照)
c) 濃度クロマトグラム及びLSクロマトグラム,並びに微分分子量分布及び積分分子量分布の表又はグ
ラフ
――――― [JIS K 7252-5 pdf 15] ―――――
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JIS K 7252-5:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16014-5:2012(IDT)
JIS K 7252-5:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.01 : プラスチック一般
JIS K 7252-5:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK7252-1:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第1部:通則
- JISK7252-2:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第2部:ユニバーサルキャリブレーション法
- JISK7252-3:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第3部:常温付近での方法
- JISK7252-4:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第4部:高温での方法