JIS L 1931-1:2014 繊維製品の商業クリーニング―第1部:生地及び製品の評価方法 | ページ 2

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適切な仕上げなどの処理ができなければならない。ドライクリーニング処理及び仕上げ処理をした第2の
試料を,第1の試験前の基準試料と比較し,色,その他の変化などの評価を行う。寸法変化は,ドライク
リーニング処理前に印をした部分を測定する。これらの評価によって,この繊維製品に適用した処理方法
にドライクリーニング性があるかないかの評価を行う。
なお,再試験又は追加の試験が必要の場合は,第3の試料が必要である。

4.2 ウエットクリーニングの通則

  二つ以上の同一の試料を用意する。第1の試料は,ウエットクリーニング処理及び仕上げ処理は行わず,
試験前の基準試料として保管する。第2の試料は,ウエットクリーニング装置及び仕上げ用設備を用い,
ウエットクリーニング処理及び仕上げ処理を行う。これらの装置及び設備は,水洗い,遠心脱水,適切な
乾燥,適切な仕上げなどの処理ができなければならない。ウエットクリーニング処理及び仕上げ処理をし
た第2の試料を,第1の試験前の基準試料と比較し,色,その他の変化などの評価を行う。寸法変化は,
ウエットクリーニング処理前に印をした部分を測定する。これらの評価によって,この繊維製品に適用し
た処理方法にウエットクリーニング性があるかないかの評価を行う。
なお,再試験又は追加の試験が必要の場合は,第3の試料が必要である。

5 装置・設備及び試薬

5.1 クリーニング装置及び仕上げ用設備

 JIS L 1931-2及びJIS L 1931-3に規定するドライクリーニング
装置及び仕上げ用設備並びにJIS L 1931-4に規定しているウエットクリーニング用装置及び仕上げ用設備
とする。

5.2 グレースケール

 JIS L 0804及びJIS L 0805に規定しているグレースケールとする。

5.3 しわレプリカ

 JIS L 1060に規定している判定用標準立体レプリカとする。

5.4 湿潤状態の比較見本

 JIS L 1092に規定している表面の濡れ状態を判定する比較見本とする。

5.5 しわ回復性レプリカ

 JIS L 1059-2に規定しているしわの判定基準立体レプリカとする。

6 試料

6.1   試料の採取及び大きさ
生地の試料については,反末から1 m以上離れた部分から採取する。採取できない場合は,生地を代表
する部分から採取してもよい。生地は,JIS L 1931-2,JIS L 1931-3及びJIS L 1931-4に規定した大きさに
裁断する。
6.2 試料の数
試料については同一の仕上げが行われた少なくとも2点以上の生地,製品又は複合試験試料のいずれか
を準備する。
検討目標の変更に伴い,他の試験又は繰返し試験を行う場合があるため,追加試験に対応できるように,
十分な試料を用意することが推奨される。
注記 試験において,基準となる保管試料を確保できる場合に限り,1枚でもよい。

7 試験手順

  試験手順は,次による。
7.1 第1の試料は,試験前の全般的な外観を示す基準試料として保管しておく。
7.2 第2の試料及び負荷布は,JIS L 0105に規定の標準状態で恒量にするか又は標準状態の環境で少な

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くとも16時間以上は調湿する。簡易的に行う場合には,標準状態の室内に4時間以上放置し調湿し,試験
報告書に記載する。調湿設備がない場合には,できる限り標準状態に近い環境に置き,温度及び湿度を試
験報告書に記載する。
7.3 受渡当事者間で同意した,JIS L 1931-2,JIS L 1931-3又はJIS L 1931-4のいずれかの試験方法によ
って試験を行う。
7.4 寸法変化を測定することが必要な場合には,JIS L 1096又はJIS L 1909によってマーキングし,マ
ーキング間の測定を行う。試料が製品で裏地がある場合は,表地と裏地とを別々にマーキングし,マーキ
ング間を測定しておく。
7.5 試験後,7.2によって再度調湿する。もし,寸法変化率のデータが必要な場合は,JIS L 1096又はJIS
L 1909に基づき試料のマーキング間を測定し,寸法変化率を計算する。
7.6 試験後の試料を,7.2によって調湿した基準試料と比較,又は評価項目によっては,表1に記載した
試験方法に指定しているレプリカを用いるなど適切な評価方法を用いて評価する。調湿設備がない場合に
は,できる限り標準状態に近い環境に置き,温度及び湿度を試験報告書に記載する。
7.7 表1の評価項目にない幾つかの特性については,繊維製品の商業クリーニング性を評価する上で重
要なものがある。このため,附属書Aにその評価方法を示す。
注記 試験方法(JIS L 1931-2,JIS L 1931-3又はJIS L 1931-4)及び処理条件(仕上げ処理前又は仕
上げ処理後,又はその両方)は,受渡当事者間の協議によるのが望ましい。

8 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を含めなければならない(附属書Bを参照)。
a) 規格番号
b) 試験機関名及び報告書番号
c) 試験の実施年月日
d) 使用したクリーニング装置及び仕上げ装置の形式
e) IS L 1931-2,JIS L 1931-3又はJIS L 1931-4に規定の使用した試験方法及び仕上げ方法の内容
f) 箇条7の手順及び条件から選択した内容
g) 表1による適切な評価項目の詳細(詳述及び参照)及びその結果
h) 表A.1に記載された特性に対するコメント
i) ドライクリーニング処理又はウエットクリーニング処理の回数及び仕上げ処理の回数
j) 規定された試験方法を変更した場合の詳細

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表1−商業クリーニング性の評価方法
評価項目 評価/比較方法の規格
寸法安定性(寸法変化率) JIS L 1909
染色 試験方法通則及び染色堅ろう度添付白布(多繊交織布他) JIS L 0801,JIS L 0803
堅ろう度 判定のためのグレースケール JIS L 0804,JIS L 0805
ドライクリーニングに対する染色堅ろう度 JIS L 0860
ウエットクリーニングに対する染色堅ろう度 JIS L 0844他
水滴下に対する染色堅ろう度 JIS L 0853 a)
シームパッカリング(縫い目外観) JIS L 1905(試験方法)b)
仕上げ加工の変化 仕上げの種類によるc)
プリーツ保持性 JIS L 1060(試験方法)
しわの特性 JIS L 1096(試験方法)b), d)
a) しわの付きやすさ JIS L 1059-2(試験方法)d)
b) しわ回復性(外観法)
表面の摩耗強さ JIS L 1096
ピリング JIS L 1076
布目曲がり(湾曲,斜行) JIS L 1096
注a) この試験は,この表の他の項目と異なり,ドライクリーニング処理をしていない試料に適用する。
b) IS L 1096又はJIS L 1905の規定による判定には,JIS L 1931-4に従って処理をした試料が必要である。ドラ
イクリーニング処理後の評価をする場合は,JIS L 1931-2又はJIS L 1931-3の規定に従ってドライクリーニン
グ処理及び仕上げ処理をした試料とし,水洗い処理はしないものとする。
c) 繊維製品に適用した仕上げ加工には,多数の方法がある。仕上げ加工の効果が,まだ低下していないことを
証明するために破壊試験を行わなければならない場合には,製品を作る前の生地で試験をするのがよい。例
えば,
− 耐薬剤試験(ISO 6530)
− 耐水試験(JIS L 1092)
− 耐燃焼性試験(JIS L 1091)
仕上げの評価についてこの規格が利用できないものについては,表A.1を参照する。
d) これはクリーニング業者に要求される仕上げのレベル,仕上げ加工された製品,二重線しわ(double creases),
光沢などの効果に影響される(附属書A参照)。

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附属書A
(規定)
その他の商業クリーニング性の評価方法
A.1 概要
ドライクリーニング処理(又はウエットクリーニング処理)及び仕上げ処理を行った試料を元の基準試
料と比較する。観察できた変化についての描写は,表A.1による評価を行い記録する。コメントは試験報
告書に記載する(箇条8を参照)。
表A.1−その他の商業クリーニング性の評価方法
評価項目 評価方法及び表現法
構成材料(component parts),装飾(trim),附属品
ドライクリーニング処理(又はウエットクリーニング
(accessories),装飾品(adornments)などの特性処理)及び仕上げ処理を行った試料を元の基準試料と比
較し評価する。さらに,観察された内容,すなわち,観
察できる変化がない場合は,“観察できる変化なし”と記
録する。
観察できる変化があった場合は,この変化の状態を記
録する。
表現法として,程度が分かるように,
製品形態のゆがみ(湾曲,斜行,パッカリング,不均
一収縮による波打ちなど) 非常に僅か,
フェルト化 僅か,
芯地及び生地の接着性能(芯地の離,膨れ,コーテ 目立たない,
ィングの劣化,接着性,ラミネート加工状態,生地溶解 目立つ,
の程度など) 非常に目立つ
縫い目のほつれ などの表現を使用する。
風合い変化
仕上げ加工の効果の低下

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附属書B
(参考)
試験報告書の様式例
B.1 試験報告書の様式
試験報告書の様式例は,表B.1による。
表B.1−試験報告書の様式例
試験機関名 :
評価年月日 :
試料 :
試験報告書番号 :
特性 評価
表1による判定 規格番号 等級 試料1 試料2 試料3
寸法安定性 −
寸法変化率(%)[測定部位及び
タテ(ウェール)/ヨコ(コース)]
ドライクリーニング及びウエットクリ 5級1級
ーニングに対する染色堅ろう度・水滴下
に対する染色堅ろう度
a) 試料の変退色
b) 多繊交織布汚染
シームパッカリング(縫い目外観) 5級1級
仕上げ加工の変化 −
プリーツ保持性 5級1級
しわの特性 5級1級
a) しわの付きやすさ
b) しわ回復性(外観法)
表面の摩耗強さ −
ピリング 5級1級
布目曲がり(湾曲,斜行) −
表A.1による判定 備考 試料1 試料2 試料3
構成材料などの性能(ほつれ,ひきつれなど)
製品形態(伸び,ねじれ,ひずみ,波打ちなど)
フェルト化
接着芯地及び生地の接着性(離,しみ出しなど)
縫製不良(縫い目ほつれなど)
風合い変化(硬化,軟化,毛羽立ち,毛羽脱落)
仕上げ加工の効果の低下(プリーツの消失など)
試験方法及び処理条件
クリーニングの処理回数
再試験

――――― [JIS L 1931-1 pdf 10] ―――――

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JIS L 1931-1:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3175-1:2010(MOD)

JIS L 1931-1:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS L 1931-1:2014の関連規格と引用規格一覧