JIS M 8132:1992 鉱石中のひ素定量方法

JIS M 8132:1992 規格概要

この規格 M8132は、鉱石中のひ素定量方法について規定。ひ素定量方法が規定されている鉱石には適用しない。

JISM8132 規格全文情報

規格番号
JIS M8132 
規格名称
鉱石中のひ素定量方法
規格名称英語訳
Ores -- Methods for determination of arsenic
制定年月日
1953年12月15日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

73.060.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 II 2019
改訂:履歴
1953-12-15 制定日, 1956-10-20 確認日, 1959-10-20 確認日, 1962-03-01 改正日, 1965-03-01 確認日, 1968-04-01 確認日, 1971-03-01 確認日, 1974-06-01 確認日, 1977-03-01 改正日, 1980-02-01 確認日, 1986-02-01 改正日, 1992-09-01 改正日, 1998-10-20 確認日, 2004-01-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS M 8132:1992 PDF [11]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
M 8132-1992

鉱石中のひ素定量方法

Ores−Methods for determination of arsenic

1. 適用範囲 この規格は,鉱石中のひ素定量方法について規定する。ただし,他の日本工業規格(日本産業規格)でひ素
定量方法が規定されている鉱石には適用しない。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析のための通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8012 亜鉛(試薬)
JIS M 8083 ばら積み非鉄金属浮選精鉱のサンプリング方法
JIS M 8101 非鉄金属鉱石のサンプリング,試料調製及び水分決定方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115及びJIS K 0121による。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 試料の採取と調製 試料の採取と調製は,JIS M 8101及びJIS M 8083による。
3.2 試料のはかり方 試料のはかり方は,次による。
(1) 試料のはかり採りに際しては,試料をよくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混
入していないことを確かめなければならない。
(2) 試料は,105±5℃に調節されている空気浴に入れて乾燥し,2時間後に空気浴から取り出し,デシケ
ーター中で常温まで放冷する。乾燥減量が2時間につき0.1%以下になるまで操作を繰り返す。ただし,
硫化物などの含有のため変質しやすい試料の乾燥条件(温度,時間など)は,受渡当事者間の協議に
よる。
(3) 試料のはかり採りには化学はかりを用いて,原則として規定された量を0.1mgのけたまではかり採る。
4. 分析値の表し方及び操作上の注意
4.1 分析値の表し方 分析値の表し方は,次による。
(1) 分析値は質量百分率で表し,JIS Z 8401によって,0.1%未満の場合は小数点以下第4位に,0.1%以上
の場合は小数点以下第3位に丸める。
(2) 分析は同一分析室内において2回繰り返して行い,これらの差が室内許容差(以下,許容差という。)
未満のとき,その平均値を求め,JIS Z 8401によって,0.1%未満の場合は小数点以下第3位に,0.1%

――――― [JIS M 8132 pdf 1] ―――――

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M 8132-1992
以上の場合は小数点以下第2位に丸める。
(3) 2回繰り返して行った分析値の差が許容差以上のときは,改めて2回の分析をやり直す。
(4) 許容差は,表1による。
表1 許容差(1)
単位 %
定量方法 区分 許容差(繰返し)
蒸留分離よう素滴定法 0.5 以上 5 未満 0.100
5 以上 0.200
水酸化鉄共沈分離 0.1 以上 0.5 未満 0.025
原子吸光法 0.5 以上 1 未満 0.030
1 以上 5 未満 0.200
水酸化鉄共沈分離 0.002 以上 0.02 未満 0.002 0
Ag・DDTC吸光光度法 0.02 以上 0.2 未満 0.020 0
注(1) 2個の分析値が二つの区分にまたがるときは,2個の分析値の平
均値の該当する区分の許容差を適用する。
4.2 分析操作上の注意 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,測定値を補正する。
5. 定量方法
5.1 定量方法の区分 鉱石中のひ素定量方法は,次のいずれかによる。
(1) 蒸留分離よう素滴定法 この方法は,ひ素含有率0.5%以上の試料に適用する。
(2) 水酸化鉄共沈分離原子吸光法 この方法は,ひ素含有率0.1%以上5%未満の試料に適用する。
(3) 水酸化鉄共沈分離Ag・DDTC吸光光度法 この方法は,ひ素含有率0.002%以上0.2%未満の試料に適
用する。
5.2 蒸留分離よう素滴定法
5.2.1 要旨 試料を硝酸,臭化水素酸及び塩酸で分解し,硫酸を加え加熱して濃縮し,硫酸の白煙を発生
させる。塩酸を加えて溶解し,塩化ヒドラジニウム (2+) 及び臭化カリウムを加え,ひ素蒸留装置を用い
て蒸留する。留出液は,炭酸水素ナトリウムを加えて微アルカリ性とし,よう化カリウムを加え,でんぷ
んを指示薬としてよう素標準溶液で滴定する。
5.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (1+1)
(3) 硝酸
(4) ふっ化水素酸
(5) 臭化水素酸
(6) 硫酸 (1+1, 1+10)
(7) 水酸化ナトリウム溶液 (500g/l)
(8) 臭素
(9) 炭酸水素ナトリウム
(10) 臭化カリウム
この溶液は,使用の都度調製する。
(11) よう化カリウム溶液 (100g/l)
(12) 過マンガン酸カリウム溶液 (5g/l)
(13) 塩化ヒドラジニウム (2+) (塩酸ヒドラジン)

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(14) 硫酸ヒドラジニウム (2+) (硫酸ヒドラジン)
(15) よう素標準溶液 よう素12.7gをよう化カリウム40gとともに水約25mlに溶解し,塩酸3滴を加え,
水で1 000mlとし,褐色瓶に移し入れ,保存する。この溶液1mlはひ素約0.003 7gに相当するが,標
定は次のように行う。
JIS K 8005に規定する三酸化二ひ素0.15gを0.1mgのけたまではかり採り,ビーカー (300ml) に移
し入れ,水酸化ナトリウム溶液 (100g/l) 10mlを加え,加熱して溶解する。冷却後,フェノールフタレ
イン溶液2,3滴を指示薬として加え,溶液が無色になるまで硫酸 (1+10) を滴加し,水を加えて液
量を約150mlとし,炭酸水素ナトリウム約5gを加えて微アルカリ性とする。以下,5.2.5(7)の手順に
従って操作して滴定を行い,よう素標準溶液1mlに相当するひ素量を,次の式によって算出する。
G .07574
f1
V1
ここに, f1 : よう素標準溶液1mlに相当するひ素量 (g)
G : 三酸化二ひ素はかり採り量 (g)
V1 : よう素標準溶液の使用量 (ml)
0.757 4 : 三酸化二ひ素1gに相当するひ素量 (g)
(16) 臭素酸カリウム標準溶液 臭素酸カリウム2.78gを水に溶解して1 000mlとする。この溶液1mlは,
ひ素約0.003 7gに相当するが,標定は次のように行う。
三酸化二ひ素0.15gを0.1mgのけたまではかり採り,ビーカー (300ml) に移し入れ,水酸化ナトリ
ウム溶液 (100g/l) 10mlを加え,加熱して溶解する。冷却後,塩酸 (1+1) 100mlを加え,以下,注(6)
の手順に従って操作して滴定を行い,臭素酸カリウム標準溶液1mlに相当するひ素量を,次の式によ
って算出する。
G .07574
f2
V2
ここに, f2 : 臭素酸カリウム標準溶液1mlに相当するひ素量 (g)
G : 三酸化二ひ素はかり採り量 (g)
V2 : 臭素酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
0.757 4 : 三酸化二ひ素1gに相当するひ素量 (g)
(17) でんぷん溶液 でんぷん(溶性)1gに少量の水を加えて十分に振り混ぜ,約500mlの熱水中にかき混
ぜながら少量ずつ注入し,約1分間煮沸した後,放冷する。この溶液は,使用の都度調製する。
(18) メチルオレンジ溶液 (1g/l)
(19) フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン0.1gをエタノール (95) 90mlに溶解した後,水で
100mlとする。
5.2.3 装置 装置は,次による。
ひ素蒸留装置 図1に装置の一例を示す。

――――― [JIS M 8132 pdf 3] ―――――

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図1 ひ素蒸留装置(一例)
5.2.4 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,原則として表2による。
表2 試料はかり採り量
ひ素含有率 試料はかり採り量
% g
0.5 以上5未満 1
5 以上 0.30.5(2)
注(2) 試料は,ひ素量が150mgを超え
ないようにはかり採る。
5.2.5 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり採り,ビーカー (200300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸13ml,臭化水素酸10ml
及び塩酸20mlを加え(3),穏やかに加熱して分解する。
(2) 硫酸 (1+1) 1020mlを加え,加熱して濃縮し,硫酸の白煙を十分に発生させ,硝酸を除去する。室
温まで放冷後,塩酸 (1+1) 40mlを加え,穏やかに加熱して可溶性塩を溶解する(4)。
(3) この溶液を冷却した後,ひ素蒸留装置の蒸留フラスコに移し入れ,塩酸60mlを2,3回に分けてビー
カーを洗浄し,蒸留フラスコの主液に合わせる。

――――― [JIS M 8132 pdf 4] ―――――

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(4) 塩化ヒドラジニウム (2+) 1g(5)及び臭化カリウム2gを加えた後,留出液の受器に水約100mlを加え,
冷却管の先端がこの中に浸るように蒸留装置を組み立てる。
(5) 穏やかに蒸留フラスコを加熱し,約40分で留出液7080mlを採取する。
(6) 留出液にフェノールフタレイン溶液2,3滴を指示薬として加え,冷却しながら溶液が紅色になるまで
水酸化ナトリウム溶液を加える。次に,溶液が無色になるまで硫酸 (1+10) を滴加した後,炭酸水素
ナトリウム10gを加え,十分かき混ぜる。
(7) よう化カリウム溶液35mlを加えた後,でんぷん溶液5mlを指示薬として加え,よう素標準溶液で
滴定し(6),溶液が無色から青紫色に変わった点を終点とする。
注(3) 臭化水素酸の代わりに臭素を用いることができる。この場合,硝酸7ml,臭素3ml及び塩酸20ml
を加え,穏やかに加熱して分解する。
(4) 残さ中にひ素が含まれる場合は,ろ紙(5種B)を用いてビーカー (500ml) にろ過し,温水で
十分に洗浄した後,少量の水を用いて残さをポリ四ふっ化エチレンビーカー (200ml) に洗い移
す。硝酸5ml,過マンガン酸カリウム溶液1ml,ふっ化水素酸35ml及び硫酸 (1+1) 1mlを加
え,加熱して二酸化けい素を揮散させ,硫酸の白煙を発生させる。放冷後,水約10ml及び塩酸
(1+1) 5mlを加えて,可溶性塩を溶解し,主液に合わせ,加熱して濃縮し,硫酸の白煙を発生
させる。放冷後,塩酸 (1+1) 40mlを加え,穏やかに加熱して可溶性塩を溶解した後,(3)以降
の手順に従う。
(5) 塩化ヒドラジニウム (2+) 1gの代わりに硫酸ヒドラジニウム (2+) 1gを用いることができる。
(6) ひ素の滴定には,臭素酸カリウム標準溶液を用いることができる。この場合の滴定操作は,次
による。(5)で得られた留出液を約80℃に加温し,メチルオレンジ溶液1滴を指示薬として加え,
臭素酸カリウム標準溶液を用いて滴定する。赤色が薄くなったところで,さらにメチルオレン
ジ溶液1滴を加えて滴定を続け,溶液が黄色又は無色に変わった点を終点とする。試料中のひ
素含有率を,次の式によって算出する。
V4 f2
As 100
m
ここに, V4 : 臭素酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
f2 : 臭素酸カリウム標準溶液1mlに相当するひ素量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
As : ひ素(質量%)
5.2.6 計算 試料中のひ素含有率を,次の式によって算出する。
V3 f1
As 100
m
ここに, V3 : よう素標準溶液の使用量 (ml)
f1 : よう素標準溶液1mlに相当するひ素量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
As : ひ素(質量%)
5.3 水酸化鉄共沈分離原子吸光法
5.3.1 要旨 試料を硝酸,臭化水素酸及び塩酸で分解し,硫酸を加え加熱して濃縮し,硫酸の白煙を発生
させる。塩酸を加えて溶解した後,塩化鉄 (III) 及びアンモニア水を加え,ひ素を水酸化鉄 (III) と共沈さ
せ,こし分ける。沈殿は塩酸に溶解した後,水で一定量に薄め,原子吸光光度計を用いて吸光度を測定す
る。

――――― [JIS M 8132 pdf 5] ―――――

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