JIS R 1701-1:2016 ファインセラミックス―光触媒材料の空気浄化性能試験方法―第1部:窒素酸化物の除去性能 | ページ 2

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ガスの流れを乱すとともに試験片上での流速分布を均一にする。そのためには,図2のように,ガス出
入口は容器内でのガス流に対して垂直にするのがよい。これによれない場合には,出入口部に邪魔板を設
置するなどの工夫をする。ガス流路部分の長さは試験片の長さより十分長くとり,入口部分における気流
の乱れの直接の影響を避けるために,試験片の前にガス流路部分を100 mm以上確保する。試験片の厚さ
に応じて,高さ調整板を用いてガス流路部分の空気層厚みを調整する。また,試験片の前後のガス流路部
分には,試験片との段差が1 mm以下となるよう,必要に応じて補助板を置く。補助板,高さ調整板等,
光照射容器内で用いる材料については光照射容器の材質規定に準じる。
a) 平板状試験片の場合
b) フィルタ状試験片の場合
図2−光照射容器

――――― [JIS R 1701-1 pdf 6] ―――――

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試験片長さl1 試験片幅l2 空気層厚みl3
99.0±1.0 mm 49.0±1.0 mm 5.0±0.5 mm
1 試験用ガス入口 6 補助板
2 邪魔板 7 試験片(平板状)
3 窓板 8 試験用ガス出口
4 ガス流路 9 専用アダプタ
5 高さ調整板 10 試験片(フィルタ状)
図2−光照射容器(続き)
4.4 光源 JIS R 1709に規定する光源のうち,極大波長が351 nmのBL形又はBLB形蛍光ランプ,又は
光学フィルタで300 nm以下の光を遮断したキセノンランプを用い,光照射容器の窓板を通して,試験片
を均一に照射する。また,試験片上表面での紫外放射照度が10.0±0.5 W/m2となるように,光照射容器ま
での距離を調節する。紫外放射照度の測定には,JIS R 1709に規定する校正済みの紫外放射照度計を用い
る。
なお,光照射容器には,外部の光が入射しないようにする。
4.5 汚染物質濃度測定装置 汚染物質濃度(窒素酸化物濃度)の測定にはJIS B 7953に規定する化学発
光式の窒素酸化物自動測定装置を用いる。装置の校正はJIS K 0055の規定に従い,測定濃度範囲に対応し
た濃度のゼロガス及び標準ガスを用いて行う。硝酸イオン及び亜硝酸イオンの測定にはJIS K 0127に規定
するイオンクロマトグラフを用いる。

5 試験片

  試験片は,平板状又はフィルタ状の光触媒材料で,幅49.0±1.0 mm,長さ99.0±1.0 mmとする。光照射
容器内で補助板などとの間に隙間ができる場合は,試験片を上流側に寄せるとともに,必要に応じてスペ
ーサーなどを用いて調整する。平板状材料の場合は,光触媒面以外によるガス吸着を抑制するとともに,
洗浄液の回収を容易にするために,試験片の厚さは5 mm以下とする。しかし,これを超える厚さの材料
でも,以上の試験条件が保たれるなら試験できる。光照射容器の深さが十分にあれば,厚さが5 mm以上
の試験片を用いることも可能であるが,厚い試験片の場合には,側面による吸着が予想されるので,あら
かじめ側面をシールしておく。フィルタ状の場合には,厚さを20 mm以内にする。

6 試験方法

6.1 一般事項

  窒素酸化物除去試験は6.26.4に示す手順で実施し,光照射時の除去量を調べる。この過程における窒
素酸化物濃度の測定例を図3に示す。また,窒素酸化物除去量が非常に小さく,正確な測定が困難な場合
は箇条8によって,試験条件を変更することができる。

――――― [JIS R 1701-1 pdf 7] ―――――

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1 NO供給レベル 4 光照射停止,ゼロガス供給
2 接触開始 X 時間(h)
3 光照射開始 Y NO,NO2(体積分率ppm)
図3−試験操作における窒素酸化物濃度の測定例

6.2 試験片の前処理

  試験片に付着又は吸着している有機物を完全に除去するため,次の手順で前処理を実施する。この操作
の直後に試験を開始しない場合には,密閉容器に入れて暗所に保管する。
a) 水洗 精製水に試験片を2時間以上浸せきした後,取り出して室温で風乾する。
なお,120 ℃を上限として,物理的・化学的な変化を生じさせない範囲で試験片を加熱乾燥しても
よい。試験片が恒量になることを確認する。洗液に沈殿物などがあればその状況,乾燥の方法などを
記録し,6.4と同様に,pHを測定するとともに,硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度を測定する。
b) 有機物の除去 紫外線ランプを用いて12時間以上24時間未満の光照射を行う。光触媒面での紫外線
照度は1020 W/m2の範囲とする。光照射はゼロガス中又は清浄な密閉容器内で行う。親油性の汚れ
が予想される場合には,b),a) の順で実施してもよい。

6.3 窒素酸化物除去試験

  窒素酸化物除去試験は,次の手順で実施し,光を照射しない暗条件での吸着量,光照射下の除去量及び
試験後の脱着量を調べる。
a) 一酸化窒素(NO)濃度体積分率(1.00±0.05)ppm,水蒸気濃度体積分率(1.56±0.16)%,温度25.0±2.5 ℃
の試験用ガスが安定して発生できるように試験用ガス供給装置をあらかじめ調整しておく。光照射容
器入口で流量が3.00±0.15 L/min(0 ℃,101.3 kPaの標準状態において)となるように流量制御器を
設定する。このときの水蒸気濃度は25 ℃における相対湿度(50±5)%に相当する。湿度の測定は,
JIS Z 8806によって行う。また,試験片上表面における光源からの紫外放射照度を測定し,記録する。
b) 光照射容器内のガス流路部分の中央に試験片を設置し,窓板までの空間の厚さを5.0±0.5 mmに調整
するとともに,試験片と前後のガス流路との段差が1 mm以内となるよう,必要に応じて補助板を置
く。その後,窓板を取り付け,密閉されていることを確認する。

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c) 光照射容器に試験用ガスを導入する。光照射を行わない吸着過程を30分間継続し,暗条件での一酸化
窒素(NO)及び二酸化窒素(NO2)の濃度変化を記録する。ただし,出口における一酸化窒素濃度が
供給濃度に一致したことを確認できる場合には,その時点で光照射を開始してもよい。30分後も窒素
酸化物濃度が供給濃度の90 %を下回る場合には,これを超えるまで吸着過程を継続する。
d) 光源を点灯して光照射を開始する。安定な点灯に時間を要する光源については,紫外光が試験片に当
たらないようにするための遮蔽物を設置した上であらかじめ点灯しておき,安定した後,遮蔽物を取
り除いて光照射を開始する。光照射下での試験容器出口における一酸化窒素及び二酸化窒素濃度を連
続5時間記録する。
e) 光照射を停止し,同一の温度,水蒸気濃度及び流速条件でゼロガスに切り換え,容器出口の窒素酸化
物濃度を30分間記録する。ただし,窒素酸化物濃度がゼロになることが確認できれば,それ以前に終
了してもよい。
f) 容器への試験用ガスの供給を停止し,試験片を容器から取り出す。

6.4 溶出試験

  溶出試験は,次の手順で行う。光触媒材料による窒素酸化物除去作用においては,窒素酸化物の大部分
は硝酸イオン及び亜硝酸イオンに化学変化し,光触媒材料に吸着している。光触媒効果を持続させるため
には,この硝酸イオン及び亜硝酸イオンを,定期的な水洗によって除去しなければならない。溶出試験は,
この再生効率を調べるための試験である。
a) 窒素酸化物除去試験後の試験片を容量既知の精製水(50 mL程度)に1時間浸せきし,試験片を取り
出す。これを洗液1とし,その容量を記録する。再び同量の精製水に試験片を1時間浸せきし,試験
片を取り出す。これを洗液2とし,その容量を記録する。試験片が水を吸収する場合には,適宜増量
する。
なお,洗液の変色,沈殿物などがあればその状況を記録する。内部への吸収などによって溶出試験
が困難な試験片については,6.2 a) を除いて再試験を行い,水洗によって除去能力が十分に回復する
ことを示してもよい。この場合,報告書にはその結果を記載する。
b) 洗液1及び洗液2について,JIS K 0101に従ってpHを測定するとともに,硝酸イオン及び亜硝酸イ
オンの濃度を測定する。
c) ) 及びb) の結果に基づき,試験片からの窒素酸化物溶出量及び水洗による再生効率を算出する。

7 試験結果の計算

  試験結果は,次のとおり計算する。計算値の処理は,JIS Z 8401によって,小数点以下2桁に丸める。
なお,式(5)の除去量が2.00 mol未満の平板状の試験片については,箇条8によって試験条件を緩和し
た測定を行うことができる。
a) 試験片による窒素酸化物吸着量 試験片による窒素酸化物吸着量とは,6.3 c) において測定される,
光触媒作用によらない,試験片の吸着作用に基づく窒素酸化物除去量であり,式(1)によって算出する。
Qads NO 0 NO dt NO 2 dt (1)
f / 224.
ここに, Qads : 試験片による窒素酸化物吸着量(μmol)
[NO]0 : 一酸化窒素の供給濃度(体積分率ppm)
[NO] : 試験容器出口における一酸化窒素濃度(体積分率ppm)
[NO2] : 試験容器出口における二酸化窒素濃度(体積分率ppm)
t : 吸着操作の時間(min)

――――― [JIS R 1701-1 pdf 9] ―――――

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f : 標準状態(0 ℃,101.3 kPa)に換算した試験用ガス流量
(L/min)
b) 試験片による一酸化窒素除去量 試験片による一酸化窒素除去量とは,6.3 d) において測定される,
光触媒作用に基づく一酸化窒素の除去量であり,式(2)によって算出する。
QNO f / 224. NO 0 NO d (2)
ここに, QNO : 試験片による一酸化窒素除去量(μmol)
[NO]0 : 一酸化窒素の供給濃度(体積分率ppm)
[NO] : 試験容器出口における一酸化窒素濃度(体積分率ppm)
t : 除去操作の時間(min)
f : 標準状態(0 ℃,101.3 kPa)に換算した試験用ガス流量
(L/min)
c) 試験片による二酸化窒素生成量 試験片による二酸化窒素生成量とは,6.3 d) において測定される,
光触媒作用によって副次的に生成する二酸化窒素であり,式(3)によって算出する。
QNO2 f / 224. NO 2 d (3)
ここに, QNO 2 : 試験片による二酸化窒素生成量(μmol)
[NO2] : 試験容器出口における二酸化窒素濃度(体積分率ppm)
t : 生成操作の時間(min)
f : 標準状態(0 ℃,101.3 kPa)に換算した試験用ガス流量
(L/min)
d) 試験片による窒素酸化物脱着量 試験片からの窒素酸化物脱着量とは,6.3 e) において測定される,
試験片に付着していた窒素酸化物が脱着する量であり,式(4)によって算出する。
Qdes f / 224. NO dt NO 2 dt (4)
ここに, Qdes : 試験片による窒素酸化物脱着量(μmol)
[NO] : 試験容器出口における一酸化窒素濃度(体積分率ppm)
[NO2] : 試験容器出口における二酸化窒素濃度(体積分率ppm)
t : 脱着操作の時間(min)
f : 標準状態(0 ℃,101.3 kPa)に換算した試験用ガス流量
(L/min)
e) 試験片による窒素酸化物除去量 光触媒作用による正味の窒素酸化物除去量は,式(5)によって算出す
る。QNOxが1.00 mol未満の場合は,1.00 mol未満と表示する。
QNO x Qads QNO QNO 2Qdes (5)
ここに, QNOx : 試験片による窒素酸化物除去量(μmol)
Qads : 試験片による窒素酸化物吸着量(μmol)
QNO : 試験片による一酸化窒素除去量(μmol)
QNO2 : 試験片による二酸化窒素生成量(μmol)
Qdes : 試験片による窒素酸化物脱着量(μmol)
f) 試験片からの窒素化合物溶出量 6.4において測定される窒素化合物溶出量は,式(6)によって算出す
る。
Qw Qw1 Qw2

(pdf 一覧ページ番号 )

                        Vw1 NO 3  w1/ 62 NO 2   / 46
w1 Vw2 NO 3 w2/ 62 NO 2 w2/ 46
ここに, Qw : 試験片からの窒素化合物溶出量(μmol)

――――― [JIS R 1701-1 pdf 10] ―――――

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JIS R 1701-1:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 22197-1:2007(MOD)

JIS R 1701-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧

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