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R 1701-3 : 2016
1.0 光照射開始
トルエン濃度(体積分率ppm)
0.5 光照射終了
0 30 90 150 210 270
時間 (min)
図2−試験操作におけるトルエン濃度の測定例
6.2 試験片の前処理
試験片に付着又は吸着している有機物を完全に除去するため,次の手順で実施する。この操作の直後に
試験を開始しない場合には,密閉容器に入れて暗所に保管する。
a) 水洗 精製水に試験片を2時間以上浸せきした後,取り出して室温で風乾する。
なお,120 ℃を上限として,物理的・化学的な変化を生じさせない範囲で試験片を加熱乾燥しても
よい。いずれの場合も,試験片が恒量になることを確認する。洗液に沈殿物などがあればその状況,
乾燥の方法などを記録する。
b) 有機物の除去 紫外線ランプを用いて12時間以上24時間未満の光照射を行う。光触媒面での紫外線
照度は1020 W/m2の範囲とする。光照射はゼロガス中又は清浄な密閉容器内で行う。親油性の汚れ
が予想される場合には,b),a) の順で実施してもよい。また,水洗によって試験片の諸性状に悪影響
が出る場合は,a) を省略してもよい。
6.3 トルエン除去試験
トルエン除去試験は,次による。
a) トルエン濃度体積分率(1.00±0.05)ppm,水蒸気濃度体積分率(1.56±0.16)%,温度25.0±2.5 ℃の
試験用ガスを安定して発生できるように試験用ガス供給装置をあらかじめ調整しておく。光照射容器
入口で流量が0.500±0.025 L/min(0 ℃,101.3 kPaの標準状態において)となるように流量制御器を
設定する。このときの水蒸気濃度は,25 ℃における相対湿度(50±5)%に相当する。湿度の測定は,
JIS Z 8806によって行う。また,試験片上表面における光源からの紫外放射照度を測定し,記録する。
b) 光照射容器内のガス流路部分の中央に試験片を設置し,窓板までの空間の厚さを5.0±0.5 mmに調整
するとともに,試験片と前後のガス流路との段差が1 mm以内となるよう,必要に応じて補助板を置
く。その後,窓板を取り付け,密閉されていることを確認する。
c) 光照射容器内に試験用ガスを導入する。光照射を行わない吸着過程を30分間継続し,暗条件でのトル
エン濃度の変化を記録する。ただし,出口におけるトルエン濃度が30分間以内に供給濃度に一致した
――――― [JIS R 1701-3 pdf 6] ―――――
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R 1701-3 : 2016
ことを確認できる場合には,その時点で光照射を開始してもよい。30分間後もトルエン濃度が供給濃
度の90 %を下回る場合には,トルエン濃度の測定値が3点連続して90 %を超えて安定となるまで継
続する。90分経過してもトルエン濃度が供給濃度の90 %を超えない場合には,この試験法を適用す
ることができないため,ガスの供給を停止して試験を中止する。
d) 光源を点灯して光照射を開始する。安定な点灯に時間を要する光源については,紫外光が試験片に当
たらないようにするための遮蔽物を設置した上であらかじめ点灯しておき,安定した後,遮蔽物を取
り除いて光照射を開始する。光照射下での試験容器出口におけるトルエン濃度を3時間記録する。ト
ルエンの光触媒分解が起こると,図2のように濃度が低下して,やがて一定になる。計算に用いるト
ルエン濃度(CT)は,最後の1時間中に測定した濃度(3点以上)の平均値とする。
e) 光照射を停止し,濃度が供給濃度に戻ることを確認する。
f) 容器への試験用ガスの供給を停止し,試験片を容器から取り出す。
7 試験結果の計算
試験容器出口におけるトルエン濃度CTが式(1)を満たさない場合は試験不成立とし,次の計算は行わな
い。光触媒によるトルエン除去率RTは式(2)によって計算する。除去率RTの計算値の処理は,JIS Z 8401
によって小数点以下1桁に丸める。RTが5.0 %未満又は95.0 %以上となる場合は,“5.0 %未満”又は“95.0 %
以上”とし,これを除去率とする。次に,1時間当たりのトルエン除去量QTを式(3)を用いて計算する。除
去量QTの計算値の処理は,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
なお,計算に用いるトルエン濃度は,水分補正を行わない実測値とする。また,試験ガス流量fとして
は0 ℃,101.3 kPa換算の実測値を用いる。除去率RTが5.0 %未満,又は95.0 %以上の場合は,RTに5.0
又は95.0を代入し,得られた値に“未満”又は“以上”を付け,これを除去量とする。
なお,除去率RTが5.0 %未満の試験片については,箇条8によって試験条件を緩和した測定を行うこと
ができる。
C≦
T CT,d C
T,0 .005 (1)
CT, dCT
RT 100 (2)
CT,0
CT,0 f 60
QT RT (3)
100 224.
ここに, RT : 試験片によるトルエンの除去率(%)
QT : 試験片による1時間当たりのトルエンの除去量(mol/h)
CT,0 : トルエンの供給濃度(体積分率ppm)
CT : 試験容器出口におけるトルエン濃度(体積分率ppm)
CT,d : 暗条件のトルエン濃度(体積分率ppm)
f : 標準状態(0 ℃,101.3 kPa)に換算した試験用ガス流量
(L/min)
8 除去量が小さい試験片の場合の試験方法
平板状の試験片の測定において,トルエン除去率RTが5.0 %未満で,除去量を正確に測定できないこと
が予想される場合は,試験片の枚数を同時に表1のとおり変更して測定することができる。この場合,試
験片の前にガス流路部分を100 mm以上確保する。
――――― [JIS R 1701-3 pdf 7] ―――――
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なお,試験条件を変更した場合,報告書に記載するトルエン除去量は,式(3)から求められる値の1/2と
する。
表1−試験条件の変更
変更できる試験条件 変更後の値
試験片の枚数 2枚
9 報告書
試験報告書には,通常次の項目を記載する。
a) 一般事項
1) この規格の番号
2) 試験年月日
b) 試験機関
1) 試験機関の名称及び所在地
2) 試験責任者名
c) 試験片に関する情報
1) 試験片の種類,製造番号など
2) 材質,形状及び寸法
3) 試験片の選択プロセス(抜取り方法など)
4) 試験機関到着日,包装から取り出した日時及び試験片を準備した日時
d) 結果
1) 試験片による1時間当たりのトルエン除去量
2) 参考値として,トルエン除去率
e) 試験条件
1) トルエン供給濃度,試験ガス流量,水蒸気濃度,温度
2) 箇条8適用の有無(試験片枚数の変更)
3) 光照射条件(光源の種類,紫外放射照度)
4) 前処理条件(水洗及び乾燥の条件,紫外放射照度及び照射時間)
f) 試験装置
1) 試験装置の形式及び仕様
2) トルエン濃度分析装置,ガスサンプリング方法,照度計,紫外放射照度計などの種類
g) その他必要な事項
試験状況及び試験後の試験片に関しての特記事項
――――― [JIS R 1701-3 pdf 8] ―――――
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
ISO 22197-3:2011,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−
JIS R 1701-3:2016 ファインセラミックス−光触媒材料の空気浄化性能試験方法
−第3部 : トルエンの除去性能 Test method for air-purification performance of semiconducting photocatalytic materials
−Part 3: Removal of toluene
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 1 一致
2 引用規格
3 用語及び 3 一致
定義
− − 4 計算で使用する記号の一 削除 JISは記載なし。 流量fの定義をISO規格の改正時に
覧。ガス流量fは乾きガ JISは流量fの乾きガス基準を 変更するよう提案する。理由は6.3
ス基準。 廃止した(6.3参照)。 参照。
− − 5 試験の目的及び原理が記 削除 JISは記載なし。 規格本文に記載する必要性がない
載されている。 ため削除した。
4.2 試験用 JIS R 1701-1による。 6.2 流量は標準状態(0 ℃, 変更 JISは乾きガス基準を廃止した ISO規格改正時に変更を提案する
ガス供給装 101.3 kPa,乾きガス基準) (6.3参照)。 (6.3参照)。
置 に換算する。
4.3 光照射 JIS R 1701-1による。 6.3 JIS R 1701-1とほぼ同じ 追加 ISO規格でも図示されているた 規格利用者の理解促進のため。ISO
容器 だが,ガスの流れを乱す め技術的な差異はない。 規格の改正時に,修正したISO
構造及び試験片の前にガ 22197-1を参照するよう提案する。
ス流路部分を100 mm以
上確保することは明記さ
R1
れていない。
70
5 試験片 試験片の寸法許容差は± 7 寸法許容差は±0.5 mm。 変更 JISでは試験片の寸法許容差が ほかの試験条件の許容差と比べて
1-
3
1.0 mm。 大きい。 寸法に関する許容差が厳しかった
: 2
ため。ISO規格の改正時に変更を提
01
案する。
6
2
――――― [JIS R 1701-3 pdf 9] ―――――
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R1
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(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
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規格
-
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箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
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番号
及び題名 番号 の評価
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6.2 試験片 水洗して乾燥した後,10 8.2 15 W/m2以上の強度の紫 選択 水洗に関する記述が追加され JIS R 1751-1-5に整合させるとと
6
の前処理 20 W/m2除去の強度の 外線照射で1624時間 た。また,JISの方が紫外線照 もに,手順を柔軟にするため。
紫外線照射で12時間以 の有機物除去を行う。 射の強度と時間の範囲が広く ISO規格改正時に変更を提案する。
上24時間未満の有機物 設定されている。
除去を行う。逆の順序で
もよいし,水洗は省略し
てもよい。
6.3 トルエ 流量が0.500±0.025 8.3 流量が0.5 L/min(0 ℃,変更 JISは流量に許容差を追加し, 許容差が必要であり,5 %の許容差
ン除去試験 L/min(0 ℃,101.3 kPa 101.3 kPa,乾きガス基準 0.500±0.025 L/minとした。JIS
を追加した。乾きガス基準廃止によ
の標準状態において)。 の標準状態において)。 は流量計算における乾きガス り水蒸気濃度に相当する1.6 %の差
基準を廃止した。JISもISO規 が生じるが,その他の影響に比べて
格も標準状態に換算した流量 小さく,簡略化のために廃止した。
を用いるが,JISは水蒸気を含 ISO規格改正時に変更を提案する。
めた流量(湿りガス基準)を用
い,ISO規格は水蒸気を除いた
流量(乾きガス基準)を用いる。
7 試験結果 トルエン濃度が式(1)を 9 変更
fは標準状態(0 ℃,101.3 試験の成立を判定する式(1)が 吸着作用を光触媒作用として評価
の計算 満たさない場合は試験不 kPa,乾きガス基準)に換 追加された。JISは流量計算に しないために式(1)を追加した。ISO
成立とする。fとしては 算した流量で,水蒸気補 おける乾きガス基準を廃止し 規格改正時に変更を提案する。
0 ℃,101.3 kPa換算の実 正ファクター1.016を乗 た(6.3参照)。
測値を用いる。 じる。
8 除去量が 10 一致
小さい試験
片の場合の
試験方法
9 報告書 ISO規格の報告項目に加 11 JISの報告項目に加え,署変更 JISでは前処理条件を記載す JIS R 1701-1-5において前処理の
え,試験責任者名及び試 名,各ページ番号を記載 る。 重要性が高まり,記載事項として前
験片の前処理条件を記載 する。 処理条件が追加され,整合を図るた
する。 めに追加した。ISO規格改正時に変
更を提案する。
――――― [JIS R 1701-3 pdf 10] ―――――
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JIS R 1701-3:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 22197-3:2011(MOD)
JIS R 1701-3:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1701-3:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0055:2002
- ガス分析装置校正方法通則
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISR1701-1:2016
- ファインセラミックス―光触媒材料の空気浄化性能試験方法―第1部:窒素酸化物の除去性能
- JISR1709:2014
- ファインセラミックス―紫外線励起形光触媒試験用光源
- JISR1751-3:2013
- ファインセラミックス―可視光応答形光触媒材料の空気浄化性能試験方法―第3部:トルエンの除去性能
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8806:2001
- 湿度―測定方法