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R 2014 : 1998
10.2.3 試料はかり取り量 試料のはかり取り量は,0.50gとする。
10.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料を白金皿(例えば,75番)にはかり取り,炭酸ナトリウム(無水)3.0g及びほう酸2.0gを加えて,
初めは低温で加熱し(6),次第に温度を上げ,最後は電気炉中で1 100±25℃で加熱し,未分解物が認め
られなくなるまで強熱して融解する(7)。時計皿でふたをして放冷後,水15ml,塩酸(1+2)30ml及び硫
酸(1+15)10mlを加え,ときどきかき混ぜながら水浴上で加熱溶解する。放冷後,少量の水で時計皿を
水洗して取り除き,得られた溶液を250mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。この溶
液を試料溶液(A)とし,酸化けい素(IV),酸化アルミニウム,酸化鉄(III),酸化チタン(IV),酸化カルシ
ウム,酸化マグネシウム及び酸化りん(V)の定量に用いる。
注(6) 急激に加熱すると,ほう酸の脱水のために試料が飛散するおそれがある。
(7) 融解時間が長すぎると融成物が塩酸に溶けにくくなる。
b) この試料溶液(A)から正しく定量(8)を2個のプラスチックビーカー (100ml) に分取し,10.2.5の空試験
液(A)の一定量(8)を加える。ふっ化水素酸(1+9)2mlを加え,プラスチック棒でかき混ぜて約10分間放
置した後,ほう酸溶液50mlを加え,水で約90mlに薄めて液温を25℃付近にする。七モリブデン酸六
アンモニウム溶液5mlを加えてかき混ぜ,10分間放置する。L (+) −酒石酸溶液20mlを加えかき混
ぜ,1分間後にL (+) −アスコルビン酸溶液10mlを加え,200mlの全量フラスコに移し入れ,水で標
線まで薄めて60分間放置する。この溶液の一部を吸光光度計の吸収セル (10mm) に取り,波長650nm
付近で水を対照液にして吸光度を測定し,2個の測定値(9)を平均する。
注(8) 試料溶液(A)の分取量及び空試験液(A)の添加量は,試料中の酸化けい素(IV)含有率に応じて表3
による。
表3 試料溶液(A)の分取量及び空試験液(A)の添加量
酸化けい素(IV)含有率 試料溶液(A)の分取量 空試験液(A)の添加量
mass% ml ml
2未満 20 0
2以上 5未満 10 10
(9) 吸光度の差が,0.005を超えるときは,10.2.4 b)以降の操作を再び行う。
吸光光度計は,吸光度1.00付近の溶液を繰り返し測定したとき,吸光度の差が0.002以内で
あるものが望ましい。
10.2.5 空試験 試料を用いないで10.2.4の操作を行う。ただし,融解操作は,省略する。ここで得た試料
溶液(A)に対応する溶液を空試験液(A)とする。
10.2.6 検量線の作成 標準酸化けい素(IV)溶液020.0ml[酸化けい素(IV)として01mg]を数個のプラ
スチックビーカー (100ml) に段階的に取り,それぞれに10.2.5の空試験液(A)20.0mlを加え,10.2.4 b)のふ
っ化水素酸(1+9)添加以降の操作を行い,吸光度と酸化けい素(IV)量との関係線を作成し,原点を通るよう
に平行移動して検量線とする。
10.2.7 計算 試料中の酸化けい素(IV)含有率は,10.2.4 b)及び10.2.5で得た吸光度と10.2.6で作成した検
量線とから酸化けい素(IV)量を求め,次の式によって算出する。
A1−A2 250
SiO2= V100
m
ここに, SiO2 : 酸化けい素(IV)の含有率 (mass%)
A1 : 分取した試料溶液(A)中の酸化けい素(IV)量 (g)
A2 : 分取した空試験液(A)中の酸化けい素(IV)量 (g)
――――― [JIS R 2014 pdf 6] ―――――
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V : 試料溶液(A)の分取量 (ml)
m : 試料はかり取り量 (g)
10.3 ICP発光分光法
10.3.1 要旨 試料を炭酸ナトリウムとほう酸で融解し,塩酸で溶解した後,定容とする。この溶液の一部
を取り,ICP発光分光装置を用いてけい素の分析線の発光強度を測定する。
10.3.2 試薬は,次による。
a) 塩酸(1+2)
b) 硫酸(1+15)
c) ほう酸
d) 炭酸ナトリウム(無水)(5)
e) 酸化アルミニウム溶液 (5mgAl2O3/ml) アルミニウム(99.5mass%以上,Si0.01mass%以下)2.6gを白
金皿(例えば,100番)にはかり取り,白金皿を時計皿で覆い,塩酸(1+1)100mlを加えて水浴上で加
熱融解し,冷却後1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
f) 酸化マグネシウム溶液 (5mgMgO/ml) マグネシウム(99.5mass%以上,Si0.01mass%以下)3.0gをは
かり取り,ビーカー (200ml) に移し入れ,ビーカーを時計皿で覆い,塩酸(1+1)50mlを徐々に加えて
溶解し,冷却後1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
g) 混合添加液 250mlの全量フラスコに酸化アルミニウム溶液及び酸化マグネシウム溶液の一定量(10)を
取り,水で標線まで薄める。この溶液は,使用の都度調製する。
注(10) 酸化アルミニウム溶液及び酸化マグネシウム溶液の分取量は,試料中の酸化アルミニウム及び
酸化マグネシウム含有率によって決定する。例えば,酸化アルミニウム含有率52mass%及び酸
化マグネシウム含有率38mass%の場合,それぞれ50ml及び40mlとする。
なお,分取量は,含有率に対し±5ml程度の精度でよい。
h) 標準酸化けい素(IV)溶液 10.2.2 j)と同じ。
10.3.3 試料はかり取り量 試料のはかり取り量は,0.50gとする。
10.3.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
a) 10.2.4 a)に準じて操作する。得られた溶液を試料溶液(A')とし,酸化けい素(IV),酸化アルミニウム,
酸化鉄(III),酸化チタン(IV),酸化カルシウム,酸化マグネシウム及び酸化りん(V)の定量に用いる。
b) この試料溶液(A')から正しく10mlを100mlの全量フラスコに分取し,水で標線まで薄める。
c) この溶液の一部をICP発光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,例えば,波長251.61nmにおけ
る発光強度を測定する。
10.3.5 空試験 試料を用いないで10.3.4の操作を行う。ただし,融解操作は,省略する。ここで得た試料
溶液(A')に対応する溶液を空試験液(A')とする。
10.3.6 検量線の作成 標準酸化けい素(IV)溶液020.0ml[酸化けい素(IV)として01mg]を数個の100ml
の全量フラスコに段階的に取り,それぞれに混合添加液10.0ml及び空試験液(A')10.0mlを加え,標線まで
水で薄める。以下,これら溶液を用いて10.3.4 c)の操作を行い(11),発光強度と酸化けい素(IV)量との関係
線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。
注(11) 検量線用溶液系列の測定は,試料溶液及び空試験液の測定との一連の操作として行い,検量線
は,測定ごとに新しいものを作成する。
10.3.7 計算 試料中の酸化けい素(IV)含有率は,10.3.4 c)及び10.3.5で得た発光強度と10.3.6で作成した
検量線とから酸化けい素(IV)量を求め,次の式によって算出する。
――――― [JIS R 2014 pdf 7] ―――――
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A1 A2 250
SiO=
2 100
m 10
ここに, SiO2 : 酸化けい素(IV)の含有率 (mass%)
A1 : 10.3.4の希釈試料溶液中の酸化けい素(IV)量 (g)
A2 : 10.3.5の希釈空試験液中の酸化けい素(IV)量 (g)
m : 10.3.4 a)の試料はかり取り量 (g)
11. 酸化アルミニウムの定量方法
11.1 定量方法の区分 酸化アルミニウムの定量方法は,CyDTA−亜鉛逆滴定法による。
11.2 CyDTA−亜鉛逆滴定法
11.2.1 要旨 10.2.4又は10.3.4の試料溶液(A又はA')を分取し,過剰のCyDTAを加え,アンモニア水
でpHを調節してアルミニウム−CyDTAキレートを生成させ,ヘキサメチレンテトラミンを加えてpHを
再調整した後,キシレノールオレンジを指示薬として過剰のCyDTAを亜鉛溶液で逆滴定する。
11.2.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1)
b) アンモニア水(1+1,1+9)
c) ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)
d) 0.02mol/l CyDTA溶液 シクロヘキサンジアミン四酢酸−水和物7.30gに水酸化ナトリウム溶液
(100g/l) 16ml及び水約150mlを加え,加熱して溶解する。冷却後,水で1 000mlに薄める。
e) 0.02mol/l亜鉛溶液 調製方法及びファクターの計算方法は,JIS K 8001の4.5(滴定用溶液) (1.3) に
準じる。ただし,亜鉛0.66g及び硝酸(1+1)10mlを用い,ファクターの計算の分母は,0.653 9とする。
f) キシレノールオレンジ溶液 調製方法及び保存方法は,JIS K 8001の4.4(表8)による。
11.2.3 操作 操作は,次の手順によって行う。
a) 10.2.4 a)又は10.3.4 a)で得た試料溶液(A又はA')から正しく一定量(12)をビーカー (300ml) に分取し,
塩酸(1+1)2mlを加えた後,0.02mol/l CyDTA溶液の正しく一定量(12)を加え,水で約100mlに薄める。
注(12) 試料溶液(A又はA')の分取量及びCyDTAの添加量は,試料中の酸化アルミニウム,酸化鉄(III)
及び酸化チタン(IV)の含有率に応じて表4による。
表4 試料溶液(A又はA')の分取量及び0.02mol/l CyDTA溶液の添加量
0.02mol/l CyDTA溶液の添加量
酸化アルミニウム,酸化鉄(III)及び 試料溶液(A又はA')の分取量
酸化チタン(IV)含有率の合量 ml ml
mass%
20未満 50 30
20以上 30未満 50 40
30以上 50未満 40 50
50以上 75未満 30 50
75以上 25 50
b) H計を用いてpHが2.83.3になるまでアンモニア水(1+1),次いでアンモニア水(1+9)を加える。
もし,アンモニア水を加え過ぎたときは,塩酸(1+1)を加えてpH3以下に戻してから同様の調節を行
う。pH計を用いてpHが5.55.8になるまでヘキサミンを加え,キシレノールオレンジ溶液4, 5滴を
指示薬として加えて0.02mol/l亜鉛溶液で滴定する。終点付近になったら,よくかき混ぜながらゆっく
りと滴定し,黄色がわずかに赤みを帯びた点を終点とする。
――――― [JIS R 2014 pdf 8] ―――――
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11.2.4 空試験 10.2.5又は10.3.5で得た空試験液(A又はA')を用いて11.2.3の操作を行う。
11.2.5 計算 試料中の酸化アルミニウム含有率は,次の式によって算出する。
V2−V1 F .0 0010196 250
Al2O3= 100−.0638 Fe2O3+TiO2
m V3
ここに, Al2O3 : 酸化アルミニウムの含有率 (mass%)
V1 : 11.2.3 b)の0.02mol/l亜鉛溶液使用量 (ml)
V2 : 11.2.4の0.02mol/l亜鉛溶液使用量 (ml)
V3 : 11.2.3 a)の試料溶液(A又はA')の分取量 (ml)
F : 0.02mol/l亜鉛溶液のファクター
m : 10.2.4 a)又は10.3.4 a)の試料はかり取り量 (g)
Fe2O3 : 12.で求めた酸化鉄(III)の含有率 (mass%)
TiO2 : 13.で求めた酸化チタン(IV)の含有率 (mass%)
12. 酸化鉄(III)の定量方法
12.1 定量方法の区分 酸化鉄(III)の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 1, 10−フェナントロリニウム吸光光度法
b) CP発光分光法
12.2 1, 10−フェナントロリニウム吸光光度法
12.2.1 要旨 10.2.4又は10.3.4の試料溶液(A又はA')を分取し,L (+) −アスコルビン酸で鉄を還元し,
塩化1, 10−フェナントロリニウムを加え,酢酸アンモニウムでpHを調節して鉄を呈色させ,吸光度を測
定する。
12.2.2 試薬 試薬は,次による。
a) (+) −酒石酸溶液 (100g/l) 10.2.2 h)と同じ。
b) 酢酸アンモニウム溶液 (200g/l)
c) (+) −アスコルビン酸溶液 (100g/l) 10.2.2 i)と同じ。
d) 塩化1, 10−フェナントロリニウム溶液 塩化1, 10−フェナントロリニウム−水和物1gを水に溶かし
て1 000mlに薄め,冷暗所に保存する。ただし,保存中に着色したときは,新しく調製する。
e) 標準酸化鉄(III)溶液 (1.0mgFe2O3/ml) 鉄(99.9mass%以上)(13)0.699 4gをはかり取り,ビーカー
(200ml) に移し,ビーカーを時計皿で覆い,塩酸(1+1)30mlを加えて水浴上で加熱溶解し,冷却後1
000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
注(13) 表面が酸化している場合には,表面酸化層を塩酸(1+3)で溶解し,水,エタノール,ジエチルエ
ーテルで順次洗浄した後,デシケーターに入れ乾燥させて用いる。
f) 希釈標準酸化鉄(III)溶液 (0.05mgFe2O3/ml) e)の標準酸化鉄(III)溶液を水で正しく20倍に薄める。使
用の都度調製する。
12.2.3 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
a) 10.2.4 a)又は10.3.4 a)で得た試料溶液(A又はA')から正しく一定量(14)を100mlの全量フラスコに分
取する。
注(14) 試料溶液(A又はA')の分取量は,試料中の酸化鉄 (III) 含有率に応じて表5による。
――――― [JIS R 2014 pdf 9] ―――――
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R 2014 : 1998
表5 試料溶液(A又はA')の分取量
酸化鉄 (III) 含有率 分取量
mass% ml
1未満 25
1以上 3未満 10
3以上 5
b) 水で約60mlに薄め,L (+) −酒石酸溶液5ml及びL (+) −アスコルビン酸溶液2mlを加えて振り混
ぜ,塩化1, 10−フェナントロリニウム溶液10ml及び酢酸アンモニウム溶液10mlを加え,水で標線ま
で薄め,30分間放置する。この溶液の一部を吸光光度計の吸収セル (10mm) に取り,波長510nm付
近で水を対照液にして吸光度を測定する。
12.2.4 空試験 10.2.5又は10.3.5で得た空試験液(A又はA')を用いて12.2.3の操作を行う。ただし,空
試験液の分取量は,試料溶液の場合と同量とする。
12.2.5 検量線の作成 希釈標準酸化鉄(III)溶液015.0ml[酸化鉄(III)として00.75mg]を数個の100ml
の全量フラスコに段階的に取り,12.2.3 b)の操作を行い,吸光度と酸化鉄(III)量との関係線を作成し,原点
を通るように平行移動して検量線とする。
12.2.6 計算 試料中の酸化鉄(III)含有率は,12.2.3 b)及び12.2.4で得た吸光度と12.2.5で作成した検量線
とから酸化鉄(III)量を求め,次の式によって算出する。
A1−A2 250
Fe2O3= V 100
m
ここに, Fe2O3 : 酸化鉄(III)の含有率 (mass%)
A1 : 分取した試料溶液(A又はA')中の酸化鉄(III)量 (g)
A2 : 分取した空試験液(A又はA')中の酸化鉄(III)量 (g)
m : 10.2.4 a)又は10.3.4 a)の試料はかり取り量 (g)
V : 12.2.3 a)の試料溶液(A又はA')の分取量 (ml)
12.3 ICP発光分光法
12.3.1 要旨 10.2.4又は10.3.4の試料溶液(A又はA')を分取し,ICP発光分光装置を用いて鉄の発光強
度を測定する。
12.3.2 試薬 試薬は,次による。
a) 標準酸化鉄(III)溶液 (1.0mgFe2O3/ml) 12.2.2 e)と同じ。
b) 標準酸化チタン(IV)溶液 (1.0mgTiO2/ml) チタン(99.9mass%以上)0.599 4gを白金皿(例えば,100
番)に取り,白金皿を四ふっ化エチレン樹脂製時計皿で覆い,ふっ化水素酸20ml,硫酸(1+1)15ml,
及び硝酸0.5mlを加え,水浴上で加熱溶解する。時計皿を水で洗って取り除き,砂浴上で硫酸の濃い
白煙が出るまで加熱する。冷却後,白金皿の内壁を少量の水で洗い,再び加熱して白煙を発生させる。
冷却後,水を加え,1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
c) 標準酸化カルシウム溶液 (1.0mgCaO/ml) 炭酸カルシウム(99.9mass%以上)22.5gを白金るつぼ(例
えば,20番)又は磁器るつぼ(例えば,B形15ml)に取り,600±25℃で約60分間加熱した後,デシ
ケーターに入れ放冷する。この中から1.784 8gをはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れ(15),ビ
ーカーを時計皿で覆い,塩酸(1+1)10mlを徐々に加えて溶解し,冷却後1 000mlの全量フラスコに移
し入れ,水で標線まで薄める。
注(15) 例えば,金属製(例えば,白金製)はかり取り皿に正しくはかり取り,飛散しないように注意
してビーカーに移し,少量の水で金属製はかり取り皿の付着残留物を洗い移す。
d) 標準酸化マグネシウム溶液 (1.0mgMgO/ml) マグネシウム(99.9mass%以上)(13)0.603 0gをはかり取
――――― [JIS R 2014 pdf 10] ―――――
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JIS R 2014:1998の国際規格 ICS 分類一覧
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