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の部分陰性結果を比較する場合は1回の部分サイクルの実施によって行われる。外部PCDの致死率チャレ
ンジが内部PCDの抵抗性より小さい場合でも,それが20 %以下ならば,これはPCD内で用いるBIの信
頼度からこれらのPCDは同等と考えられる(米国薬局方EO滅菌用BI)。
注記 滅菌がより困難な形態での内部PCDより,滅菌がより容易な形態での外部PCDが高い致死率
チャレンジを示すことが見いだされることはまれではない。EOが内部PCDより外部PCDの方
がより迅速に除去されるため,その結果,微生物チャレンジに対して短いガスばく露時間とな
ることで理論付けられる。
D.8.7 指針はない。
D.8.8 指針はない。
D.8.9 指針はない。
D.9 バリデーション
D.9.1 一般
D.9.1.1 バリデーションの目的は,あらかじめ定めたプロセスが,要求される無菌性保証水準(SAL)に
適合した製品を恒常的に製造することについて,高い保証の度合いで示すことが要求される証拠を文書化
することである。バリデートしたプロセスで滅菌した製品は,あらかじめ定めた製品の機能及び安全性に
関連する仕様及び品質特性への適合を示すとよい(すなわち,製品適合性の検討を通して)。
滅菌プロセスのバリデーションは,試験開始前に定めた許容基準を含んだ承認された文書(例えば,計
画書)に従って実施するとよい。この文書は滅菌専門家がレビューするとよい。
この箇条で定義するバリデーションの要素は次の事項である。
a) Q
b) Q
c) Q
ヘルスケア施設では,IQ及びOQは認定された職員によって実施される場合もあるが,通常,滅菌器製
造業者によって実施される。微生物学的PQデータは,一般的な負荷について滅菌器製造業者によって入
手できる場合がある。
ヘルスケア施設において,これは次の事項を記載し文書化することを意味する。
a) 実施の必要のあるバリデーションの段階
b) 責任のある個人,部署及び/又は外部の受託者のリスト,及びバリデーションの各段階を実施する方
法
c) バリデーションが成功したとする判定基準
ヘルスケア施設は,このバリデーションの実施について,外部サービスを利用するという選択肢がある。
しかしそれでも,この規格の要求事項に適合するバリデーションを確実にする責任はヘルスケア施設にあ
る。
D.9.1.2 指針はない。
D.9.1.3 指針はない。
D.9.1.4 指針はない。
D.9.2 据付適格性の確認(IQ)
D.9.2.1 装置
D.9.2.1.1 IQをサポートする文書は,装置(附属装置を含め)の物理的及び運転の特性の記載を含めると
――――― [JIS T 0801 pdf 46] ―――――
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よい。関係文書の例は設計仕様,購買発注書,ユーザ要求仕様書,及び機能設計仕様書を含む。
次の事項は,装置が装置仕様及び要求事項に従って据え付けられたことを確実にするため,適格性を確
認するとよい装置の部品の例である。
a) チャンバ及び扉の構造
b) チャンバ及び配管構造のシール及び接続(すなわち,規定された圧力及び真空を維持する能力)
c) ガスと液体の供給システム(例 空気,窒素,蒸気,EO及び水),用いる場合フィルタを含む
d) 装置及び計器の適切な運転のために必要な,十分で一定な電力を供給する電気供給
e) ガス循環システム(実施の場合)
f) ガス導入システム
g) ポンプ,ポンプ冷却システム及び配管を含めた真空システム
h) 排気,排出制御,及び排気処理システム
i) プロセス自動化,安全システム等の,プロセス状況に影響することもあるその他の重要なシステム
j) 温度,湿度,圧力,EO濃度のようなパラメータを監視,制御,表示又は記録する計器の校正(例え
ば,センサ,記録計,ゲージ,及び試験装置)
k) Qのための文書化された手順は,この適格性の確認の各要素をどのように計画し,実施し,レビュー
するかをあらかじめ定めるとよい。
D.9.2.1.2 IEC 61010-2-040に指針がある。
D.9.2.1.3 指針はない。
D.9.2.2 据付適格性の確認(IQ)
D.9.2.2.1 据え付ける装置の立地については,関連する国及び地方の法規を遵守するとよい。
D.9.2.2.2 職員がEOにばく露される可能性について,労働安全衛生のための国及び地方の要求事項をど
のように適用するかについて確認するとよい。
職員の労働安全衛生の保護のため,滅菌器近傍及びばく露の可能性のあるその他の場所のEO又はその
ガス混合物の雰囲気レベルを検知する装置を設置するとよい。
EOの安全性は,次の事項を含む要因の組合せで達成され維持される。
a) システム及び装置の適切な設計,据付及び保守
b) 労働安全衛生及び環境保護についての適用される法規への適合
c) 安全作業の実施をサポートする方針,手順の開発及び実施
d) Oのばく露が起こる可能性のある区域での大気モニタリング
e) 適用できる場合,個人用モニターの使用
f) 職員の訓練
g) 設計仕様,施設の方針及び手順への継続的な適合を確実にするために,装置,職員及びプロセスの定
期的な査察
ヘルスケア施設では,IQは一般的に滅菌器製造業者の責任であり,一方,産業施設では,工場の代表者
と一緒に現場職員によってしばしば実施される。IQが製造業者によって実施されるか,又は第三者によっ
て実施される場合,文書及び購買,装置の据付けの記録の保管及び管理の責任はその施設にある。
D.9.2.2.3 EOの貯蔵条件は,EO製造業者の推奨事項及び全ての適用法規に従うとよい。
D.9.2.2.4 指針はない。
D.9.2.2.5 図面,プロセス・機器ダイアグラム(P&ID)及び概要図解は,実際に据え付けられたものに対
しチェックし,必要ならば更新するとよい。
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装置の図面及び部品リストは,次の事項を含むとよい。
a) 配管及び装置の図解(すなわち,プロセス及び機器のダイアグラム)
b) その他の関係する機械的,電気的図面及びその位置のリスト
c) 重要な装置及び機器のリスト,特に物理的な特性及び製造業者の性能表示がプロセス管理に影響を及
ぼすもの(例えば,正確さ,再現性,寸法及び型式)はファイルに保管するとよい。
d) 制御システムレイアウト,制御ロジックダイアグラム,プログラムリスト及びフローチャート,適用
される場合はラダーロジックダイアグラム及び戦略ダイアグラム(連関フローチャート)のような適
用ソフトウェア(コンピュータ化された測定と管理システム)を含んだバリデーションをサポートす
るプロセス制御ロジック又はソフトウェア文書
D.9.2.2.6 指針はない。
D.9.3 運転適格性の確認(OQ)
D.9.3.1 次の情報は監視,管理,表示,又は記録のために用いる全ての計器について文書化するとよい。
a) 装置の識別
b) 校正計画
c) 各校正の実際に終了した日付,実施者
d) 次の計画校正日
D.9.3.2 EO装置のOQは,プロセス仕様に含まれる運転パラメータ及び運転限度の範囲で装置を運転で
きる能力を立証するために,無負荷又は適切な試験材料を用いて実施する。このパラメータの範囲及び運
転限度は,プロセスの決定(箇条8参照)で定義した滅菌プロセスを含めるとよい。
OQは附属システムに関係する性能も明らかにするとよい。例えば,最低EO導入温度を達成するため
のEO気化器の能力。
システムソフトウェア(例えば,コンピュータ化された測定及び制御システム)は,OQの間に全ての
許容外の状況下で試験するとよい。ユーザはソフトウェアがバリデートされていることを確実にすること
に責任がある。
OQには事前に定義したサイクルを用いるとき次の事項を含めることができる。
a) プレコンディショニングフェーズ
1) 滅菌負荷に占有されるエリア全体にわたった循環空気のパターンを測定するとよい。これは空気換
気回数及び風速測定の計算と組み合わせたスモークテストによって実施できる。
2) 温度及び湿度は,望まれる範囲内の値に保たれていることを立証するのに十分な期間にわたってプ
レコンディショニングエリア全体を監視するとよい。プレコンディショニングエリア全体にわたっ
た多くの位置に分散した温度及び湿度を測定するとよい。
注記 温度及び湿度センサ数の推奨として,表C.1及び表C.2を参照。
b) 滅菌フェーズ
1) Oの代わりに不活性ガスを用いる場合,結果を評価するとき比熱容量の違いを考慮するとよい。
2) 温度/湿度分布 : 温度/湿度センサは最も大きな温度差を示すような,例えば,加熱されないチャ
ンバ又は扉の部分,及び蒸気又はガス入口の近くのような位置に置くとよい。残りの温度センサは
有効チャンバ容積全体に均一に分散して置くとよい。
注記 推奨されるセンサ数については表C.1参照。
3) 空のチャンバでのOQ試験で記録した温度範囲は,EO又は不活性ガスばく露中の有効チャンバ容積
内で,平衡期間後に,各測定時刻で記録したチャンバ温度の平均の±3 ℃であるとよい。チャンバ
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に負荷を入れてOQ試験を実施したとき,許容誤差±3 ℃は達成できない可能性がある。
4) チャンバリーク速度[真空サイクルについては,減圧下(大気圧以下)で実施するか,加圧サイク
ルについては加圧下(大気圧以上)及び減圧下(大気圧以下)で実施する。]
5) コンディショニングフェーズ中の蒸気の導入による圧力上昇
6) 導入するEOガスの温度は気化器仕様の範囲内又はEOの沸点(大気圧下で10.7 ℃)以上にあると
よい。
7) O濃度を監視することを意図した,EOの導入による圧力の上昇及び到達速度並びに関連する因子
8) O除去に使用する減圧の到達真空度及び真空到達速度
9) 空気(又はその他のガス)の導入による圧力上昇及び圧力到達速度
10) これらの最後の2段階の繰返し数及び繰返しでの全ての変動
11) ろ過された空気,不活性ガス,水及び蒸気の供給信頼性
12) 制御の再現性を立証するために複数のサイクルを実施するとよい。
13) ジャケット加熱システムによる適切な温度均一性を検証するために,チャンバ壁の温度検討を実施
するとよい。その検討では,そのシステムを継続して効果的に操作するための定期的な検証比較を
するために,温度プロファイルの測定をするとよい。
c) エアレーションフェーズ
1) エアレーションを実施するとき,プレコンディショニングエリアで推奨したのと同じ方法でエアレ
ーションエリアの温度プロファイルを測定するのがよい。エリアの空気の流速及び流れのパターン
も測定するのがよい。
D.9.4 稼働性能適格性の確認(PQ)
D.9.4.1 一般
滅菌プロセスの有効性及び再現性を立証するために,PQは日常管理以上に厳密な微生物学的試験,及
び物理的試験を含む。通常PQは,IQ,OQ試験が完了し承認されるまでは開始しない。許容基準は滅菌
プロセスパラメータ及び微生物チャレンジへの適合を含めるとよい。PQ活動は文書(例 計画書)に明
確に定義するとよい。PQの要素が,別の組織で実施される場合,それらの組織を関連文書で承認すると
よい。4.1及び4.2参照。
D.9.4.1.1 指針はない。
D.9.4.1.2 AAMI TIR28:2009参照[26]。
D.9.4.1.3 指針はない。
D.9.4.1.4 滅菌時の製品の積載方法をあらかじめ定める際,載荷形態(負荷の構成)及び負荷内の品物の
置き方を考慮するとよい。
通常,定めるべき載荷パラメータは,積み重ね形態,全体の密度,寸法,素材構成及びパレット包装の
使用の有無及びそのタイプを含む場合がある。載荷形態は各々の滅菌器について文書化するのがよい。日
常滅菌がチャンバ満載より少ない製品負荷を含む場合,MPQ及びPPQは最小負荷を組み入れるとよい。
製品の置き場所は,あらかじめ定めるとよい。大きな製造用滅菌器ではパレット又はトート内のケース
の位置を指定することになる。小型滅菌器では,ヘルスケア施設で用いられるので,この製品の置き場所
は,滅菌キャリッジ又はキャリアの上のバスケット,パック及び滅菌コンテナを指定する。
PQ中に用いる製品及び負荷は,少なくとも予想される普通の生産の間の最もチャレンジとなる負荷と
して滅菌が困難なものがよい。その負荷は,日常的に滅菌される製品,又はそれらの負荷に似た特性のあ
る材料を含めることができる。載荷形態の変化は滅菌プロセスの致死率に影響する。許容できる載荷形態
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をあらかじめ定めることは重要である。複数の載荷形態を許容する場合,PQ検討で用いる載荷形態は,
最も滅菌しにくい代表又は最も滅菌が困難なパターンとの関係が分かっているとよい。幾つかの負荷寸法
の変更は重大な影響がないと判断する場合もある。
PQ中,次の二つのタイプの負荷が選択できる。
a) 販売できる製品
b) 販売できない製品又は適切な試験材料
D.9.4.1.5 負荷が外科キット,種々のサイズ及び長さの中空器材,種々の包装,及び多くの異なった材料
(例えば,プラスチック,金属,綿など)を含む種々の質量で構成されるとき,それらの材料は,プレコン
ディショニング及びコンディショニング中に熱するときと同じ挙動をとらないこともあるので,載荷形態
を検証することが重要である。
D.9.4.1.6 最大/最小負荷サイズ(D.9.4.1.4参照)及び製品への影響(D.9.4.1.5参照)の考慮に加え,バ
リデーション用に代表又は最もチャレンジとなる負荷を開発する場合,バリデーション用負荷の構成は,
日常的に滅菌するときの負荷の材料/包材が大幅に変化をする全ての特性を考慮するとよい。
バリデーション用負荷に用いる製品又は代替製品材料は,致死率(すなわち,熱,湿気の浸透,及びEO
ガス拡散 : 密度)の最もチャレンジとなる一般的な条件の代表となるものがよい。大幅に特性が変化する
吸収性材料,浸透を妨げる硬い材料,密封液体,容器などのような負荷材料が含まれることを考慮すると
よい。
D.9.4.1.7 指針はない。
D.9.4.1.8 PQ中に負荷を再使用する場合,その負荷は次の運転の開始の前にエアレーションにかけ,周囲
環境条件と再じゅん(馴)化するとよい。繰返しの再使用の後,負荷の適切性を考慮するとよい。負荷内
のEO残留物によるBIへの影響がないことを確実にするために,ばく露とばく露との間のエアレーション
を行う。じゅん(馴)化時間が不十分な場合,その負荷は,通常の負荷の条件より暖かい環境にある可能
性がある,又は負荷湿度は通常の環境条件より低いかもしれない。それらの状況のいずれかによって,通
常の製品の代表とならないデータが生成される。高すぎる開始温度は非現実的な高い死滅速度となる。低
すぎる湿度は試験芽胞が乾燥した状態となり,非現実的な低い死滅速度を生じる。また,高すぎる湿度に
よって,環境の露点が製品及び/又は負荷温度より高い場合の結果として生じる環境条件は,その負荷及
び製品の中での結露ができ,それは低い異常な死滅速度を結果としてもたらす。
D.9.4.1.9 指針はない。
D.9.4.1.10 指針はない。
D.9.4.2 稼働性能適格性の確認−微生物学的(MPQ)
D.9.4.2.1 プロセスの決定及び該当する場合IQ及びOQ中に観察した結果は,MPQのためのパラメータ
の設定に用いるとよい。ばく露時間は微生物学的適格性の確認のときに変化させる重要なパラメータであ
る。他のパラメータは,通常の製造プロセスより低い致死率を与えるMPQの保証を示すために調節され
る。例えば,温度,湿度,及び/又はEO濃度を,通常のプロセス範囲より低い設定値に設定して運転で
きる。これによって許容できる致死率を生成することになるあらかじめ定めた範囲内で,観察される全て
の値について保証を与える。
プレコンディショニングエリアに入れる製品をあらかじめ定めた許容される最低値又はそれ以下の温度
の製品を用いて,MPQを実施するとよい。例えば,離れた施設での滅菌のための移送のように,製品の初
期温度が変化する可能性が予想される場合,適格性の確認試験の計画にはこの可能性を反映するとよい。
部分サイクル(部分致死又はハーフサイクル)では,そのサイクルのばく露後のフェーズを短くする,
――――― [JIS T 0801 pdf 50] ―――――
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- ISO 11135:2014(IDT)
JIS T 0801:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 0801:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ10012:2011
- 計測マネジメントシステム―測定プロセス及び測定機器に関する要求事項
- JIST0993-7:2012
- 医療機器の生物学的評価―第7部:エチレンオキサイド滅菌残留物
- JIST11737-1:2013
- 医療機器の滅菌―微生物学的方法―第1部:製品上の微生物群の測定方法
- JIST11737-2:2013
- 医療機器の滅菌―微生物学的方法―第2部:滅菌プロセスの定義,バリデーション及び維持において実施する無菌性の試験