この規格ページの目次
18
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
9.4.2.5 ハーフサイクル法によるオーバーキル法[B.1.2 a) 参照]を用いる場合,ハーフサイクル運転の
内部PCDは陽性があってはならない。
外部PCDが日常滅菌プロセスのための“ワーストケースチャレンジ”である内部PCDよりも大きな抵
抗性が立証されている場合,ハーフサイクルを実施しているときの外部PCDでのBIの陽性は容認できる。
しかし,全ての内部PCDは陰性であるのがよい。
9.4.2.6 サイクル計算法によるオーバーキル法[B.1.2 b) 参照]又はBI/バイオバーデン法(附属書A参
照)を用いる場合,幾つかの内部PCDが生残するかもしれないが,計算したSALはあらかじめ定めた値
に適合しなければならない(ISO 14161参照)。
9.4.3 稼働性能適格性の確認−物理的(PPQ)
9.4.3.1 物理的PQ(PPQ)では,次の両者を立証しなければならない。
a) 予定している日常のプロセス仕様で実行中に,負荷全体があらかじめ定めた合格基準に適合する。
b) プロセスの再現性。
PPQは計画した同一の検討において,全てのあらかじめ定めた合格基準に適合する連続で最低3回の適
格性の確認のサイクルを含まなければならない。PPQは,MPQの間に実施してもよい。PPQをMPQの少
なくとも3回のMPQと並行して実施する場合,最低1回の追加のPPQを全ての日常プロセス仕様で実施
しなければならない。
ある失敗の要因がバリデートしたプロセスの有効性に関連しない場合は,更に要求される3回連続した
PPQを行わないで,そのプロセスの実施と無関係であると文書化してもよい。これらの例として,停電,
その他のサービスの停止,外部監視装置の故障などがあるがこれに限定しない。
9.4.3.2 PPQでは,プロセスを次のように確認しなければならない。
a) 滅菌プロセスに入れる製品の最低温度及び/又はその温度を達成するのに必要な定義した条件を確立
しなければならない。
b) 定義したプレコンディショニング(行う場合)の終了時点で,滅菌負荷の温度及び湿度を確立してい
る。
c) プレコンディショニング(行う場合)の終了と滅菌サイクルの開始との間の定義した最大経過時間が
適切である。
d) 定義したコンディショニング(行う場合)の終了時点で,滅菌負荷の温度及び湿度を確立している。
e) パラメトリックリリースを適用する場合,チャンバの湿度が記録されている[9.5.5 a) 参照]。
f) ガス状のEOが滅菌チャンバに導入されている。
g) 圧力の上昇及び使用したEOの量,又は滅菌チャンバ内のEO濃度を確立している[9.5.4 f) 参照]。
パラメトリックリリースを適用する場合は,9.5.5 b) も参照。
h) 滅菌サイクルの間,チャンバの温度,湿度(記録する場合)及び該当する場合は,その他のパラメー
タを確立している。
i) ばく露中,製品負荷の温度を確立している。
j) エアレーション(行う場合)の間,滅菌負荷の温度を確立している。
9.5 バリデーションのレビュー及び承認
9.5.1 この細分箇条の目的は,滅菌プロセス及び承認された手順/計画書によって合否を確認するために
バリデーションデータのレビューを行い,文書に記録し,プロセス仕様を承認することである。
9.5.2 BI培養試験結果を含めて,製品の決定,プロセスの決定,IQ,OQ及びPQにおいて収集し,作成
した情報は記録し,合否判定のためレビューしなければならない(4.1.2参照)。このレビューの結果は,
――――― [JIS T 0801 pdf 21] ―――――
19
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
記録しなければならない。
9.5.3 バリデーション報告書を作成しなければならない。この報告書は,指定された責任者がレビュー及
び承認しなければならない。
9.5.4 バリデーション報告書は,適格とした製品,定義した載荷形態及びEO滅菌プロセスに関わる文書
化した仕様を記載又は参照し,次の事項を示さなければならない。
注記 実用的には,速度は,あらかじめ定めた圧力に到達するのに要した時間(許容幅を含む。)で求
めることができる。
a) 滅菌プロセスに入れる製品の最低温度及び/又は最低温度を達成するために必要な定義した条件。
b) プレコンディショニング(行う場合)
1) チャンバ内/エリアでの時間,温度及び湿度
2) 滅菌負荷の温度及び湿度
3) プレコンディショニングからの負荷の取出しから滅菌サイクルの開始までの最大経過時間
c) 真空度及び排気速度(行う場合)
1) 減圧保持時間(行う場合)
注記 排気速度は,一般的に,各運転の規定時間よりむしろ最小許容排気時間,最大許容排気時間又
は許容排気時間の範囲で規定される。
d) 不活性ガスによるフラッシング(行う場合)
1) 不活性ガス/水蒸気と合算される圧力(ΔP又は最終圧力)及び圧力到達速度(ΔP/時間)
2) 真空度(ΔP又は最終圧力)及び真空到達速度(ΔP/時間)
3) 繰返しの回数及び連続する繰返しでの全ての変動
e) コンディショニング及び/又は加湿保持フェーズ(行う場合)
1) 圧力水準及び/又は真空到達速度又は相対湿度水準(制御又は監視のいずれでも)
2) 水蒸気パルス/減圧(行う場合)の回数
3) 時間
4) チャンバ温度
5) コンディショニング終了時の滅菌負荷の温度及び湿度
f) EO導入及びばく露
1) O導入フェーズでのEO導入時の圧力上昇(ΔP),EO導入時間及び最終圧力
2) 圧力上昇及び次のいずれかによるガス状のEOが滅菌器チャンバ内へ導入されたことの証拠
i) 使用したEOの質量[D.10.2 i) 参照]
ii) O濃度の直接測定
iii) 使用したEOの体積
3) 滅菌チャンバ温度
4) ばく露時間
5) 滅菌負荷の温度
6) ばく露中におけるチャンバ内ガス循環システム(行う場合)の正常な運転をしていることの表示
g) ばく露後のフラッシング(行う場合)
1) 真空度(ΔP又は最終圧力)及び真空到達速度(ΔP/時間)
2) 不活性ガス/水蒸気と合算される圧力(ΔP又は最終圧力)及び圧力到達速度(ΔP/時間)
3) 繰返しの回数及び連続する繰返しでの全ての変動
――――― [JIS T 0801 pdf 22] ―――――
20
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
h) エアレーション(行う場合)
1) チャンバ及び/又は室内の温度及び湿度
2) チャンバ及び/又は室内の圧力変化(ある場合)
3) 空気,その他のガスの換気速度
4) 滅菌負荷の温度
9.5.5 パラメトリックリリースを実施する場合,バリデーション報告書には,次の事項を記載しなければ
ならない。
a) コンディショニング中のチャンバ内の湿度の直接測定による値及び許容範囲
b) 日常プロセスのプロセス仕様を確立するための分析方法を使用してチャンバ内雰囲気の直接分析から
得られたエチレンオキサイド濃度の値及び許容範囲。サンプリングはEOばく露の全体にわたって要
求される条件を検証するのに十分であるよう定められた間隔でなければならない。
c) チャンバの温度 : 2か所の別々の監視場所での記録
9.5.6 バリデーション中に得られた記録に基づいて,日常プロセスのためのプロセスパラメータ及びそれ
らの許容範囲を含んだプロセス仕様を確立しなければならない。このプロセス仕様には,指定したEOプ
ロセスを通った製品が適合した製品であり,リリースのための承認を得ることを示す判定基準も含めなけ
ればならない。
10 日常監視及び管理
10.1 日常監視及び管理の目的は,バリデートし,定められた滅菌プロセスがその製品に適用されている
ことを立証することである。
10.2 それぞれの滅菌サイクルについて,滅菌プロセスの仕様に適合していたことを証明するために,デ
ータを記録し,保管しなければならない。これらのデータは,少なくとも次の事項を含まなければならな
い。
注記 実用的には,速度は,あらかじめ定めた圧力を達成するために要した時間(許容幅を含む。)で
決定できる。
a) 滅菌プロセスに入れる製品の最低温度及び/又は負荷をじゅん(馴)化するために用いる定められた
条件
b) あらかじめ定めた場所で監視及び記録したプレコンディショニングエリア(行う場合)の温度及び湿
度
c) 各滅菌負荷のプレコンディショニング(行う場合)の開始及び負荷の取出し時刻
d) プレコンディショニング(行う場合)において滅菌負荷の取出しから滅菌サイクルの開始までの経過
時間
e) コンディショニング実施中及び/又は圧力,圧力上昇(ΔP)及び/又は直接測定による湿度保持フェ
ーズのチャンバ湿度
f) コンディショニング時間
g) O導入及びばく露中のチャンバ内ガス循環システム(行う場合)が正常な運転をしていることの表
示
h) 滅菌サイクル中のチャンバ内の温度及び圧力
i) 圧力を制御手段として用いる場合,少なくとも次の一つによって二次的な測定を行いEOのチャンバ
への導入を確認する。
――――― [JIS T 0801 pdf 23] ―――――
21
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
1) 使用したEOの質量[D.10.2 i) 参照]
2) 滅菌チャンバ内のEO濃度の直接測定
3) 使用したEOの体積
j) EO導入時間
k) 不活性ガス導入(行う場合)
l) ばく露時間
m) チャンバの排気にかかる時間
n) ばく露後のフラッシング中の時間及び圧力変化
o) エアレーション中の時間,温度及び圧力変化(ある場合は全て)
10.3 日常監視でBIを用いる場合は,8.6及び8.7に適合しなければならない。
日常的なリリースのために用いるPCDが,MPQに用いるものと異なる場合,MPQに用いるPCDとそ
のプロセスに対して同等以上の抵抗性であるとよい。
10.4 日常監視でCIを用いる場合は,8.8に適合しなければならない。
CIは,製品のリリースのためのBIを代替としてはならない。また,負荷をパラメトリックにリリース
する補助的な根拠に使用してはならない。
10.5 パラメトリックリリースを実施する場合は,次の追加データを記録し,保管しなければならない。
a) 滅菌サイクルを通して最低2か所のチャンバ内の温度。
b) コンディショニング中の直接測定したチャンバ内の湿度。
c) ばく露中を通して,要求される状態を検証するのに十分なあらかじめ定めた間隔で,分析的手法によ
るチャンバ雰囲気の直接分析から決定されるEO濃度
11 滅菌からの製品のリリース
11.1 それぞれの滅菌負荷に使用した滅菌プロセスの適合性を判断する基準は,文書化しなければならな
い。この基準は,次の事項を含まなければならない。
a) 日常プロセスで記録されたデータが,滅菌プロセス仕様に合致していることの確認。
b) 全てのBI(用いる場合)の試験微生物の生育を認めないことの確認。
注記 滅菌から正式に負荷をリリースするには,製品が流通網に入る前に,他の試験が必要になるこ
とがある(例えば,EO残留物,エンドトキシン,物理的試験など)。
11.2 プロセスが上記の全ての適合基準を満さない場合,その原因を調査しなければならない。装置の修
理又は変更が必要となる場合,このプロセスの使用を再開する前に必要な適格性の確認を実施しなければ
ならない。
11.3 11.1の適合基準に一つでも適合しない場合,製品は不適合であるとみなし,JIS Q 13485の該当す
る箇条に従って取り扱わなければならない。BIが陽性となった場合,製品の無菌試験が許容できる結果に
なっても製品のリリースはできない。
不適合は文書化した手順に従い処理しなければならない。
11.4 バリデーション検討を販売できる製品で行った場合は,流通させる製品のリリースのための要求事
項をバリデーション活動の開始の前に作成しなければならない。製品のリリースの前に,バリデーション
/滅菌プロセスへの繰返しのばく露の製品及び包装機能への影響及びEO残留物及び/又は反応生成物を
評価することが重要である。
MPQを販売できる製品で行った場合,市場にリリースする前に,製品がフルのばく露の滅菌プロセスに
――――― [JIS T 0801 pdf 24] ―――――
22
T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
かけ,その受入れについて正式なレビューにかけたことを確実にする手順を確立しなければならない。
注記 単一ロットのリリースについての情報は,附属書Eを参照。
12 プロセス有効性の維持
12.1 一般
12.1.1 滅菌プロセスに提供する製品の状態を確実にするために,システムの継続的な有効性を立証しな
ければならない(7.3.1参照)。
12.1.2 滅菌プロセスの制御及び監視に使用する計器の正確度及び信頼性は,4.3.3に従って定期的に検証
しなければならない。
12.2 装置のメンテナンス
12.2.1 予防メンテナンスは,文書化した手順で計画し実施しなければならない。全ての手順は,関連す
る国又は地方の要求事項とともに滅菌器の製造業者の推奨事項によらなければならない。
12.2.2 あらかじめ定めた全てのメンテナンス業務を完遂し記録するまで,装置は製品の滅菌処理に使用
してはならない。
12.2.3 メンテナンスの記録は,保管しなければならない(4.1.2参照)。
12.2.4 メンテナンスの計画,メンテナンスの手順及びメンテナンスの記録はあらかじめ指名した職員が
定めた実施頻度でレビューし,その結果は文書化しなければならない。
12.3 適格性の再確認
12.3.1 必要とする適格性の再確認の範囲を決定するために,IQ,OQ,PQとその後に実施した適格性の
再確認を年1回レビューしなければならない。これには微生物学的検討でのSALの再確認の必要性の評価
を含めなければならない。このレビューの結果は,得られた理由とともに文書化しなければならない。
12.3.2 あらかじめ定めた装置で実施する滅菌プロセスの適格性の再確認は,適合基準及び文書化した手
順によって,定めた間隔で実行しなければならない。この間隔は,正当な理由付けをしなければならない。
12.3.3 適格性の再確認によってその滅菌プロセスが要求される製品のSALをもはや達成できない場合,
その不具合の原因を究明し是正及び/又は予防処置をとらなければならない。この検討の一部として,既
に処理した製品の負荷について規定したSAL達成への影響を考慮し,製品の使用の適切さについてのリス
ク評価を実施しなければならない。この検討の結果,要求されるSALをもはや達成できないことが判明し
た場合,要求されるSALの再確立のために,新たなMPQ及びPPQを実施しなければならない。この検討
及びその後の処置は記録しなければならない。
12.3.4 適格性の再確認データ,報告書,及びその結果で実施した是正処置(必要な場合)のレビューの
記録は,保管しなければならない(4.1.2参照)。
12.4 変更の評価
12.4.1 製造方法,製品,滅菌器及び/又は滅菌プロセスの変更は,滅菌プロセスの有効性への影響につ
いて評価しなければならない。
12.4.2 製品のバイオバーデンに関連した内部及び/又は外部PCDの妥当性は,変更後でも適切であるか
を再確認しなければならない(8.6及び10.3参照)。
12.4.3 負荷及び載荷形態は,変更後,その適切性を再評価しなければならない。そしてこの再評価の結
果は,4.1.2に従い文書化(記録)しなければならない。
12.4.4 適格性の確認を実施した滅菌プロセスの有効性に変化を与える可能性のある変更を滅菌プロセ
ス,滅菌器又は製品に加えたときにはいつでも滅菌プロセスをレビューしなければならない(8.2参照)。
――――― [JIS T 0801 pdf 25] ―――――
次のページ PDF 26
JIS T 0801:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11135:2014(IDT)
JIS T 0801:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 0801:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ10012:2011
- 計測マネジメントシステム―測定プロセス及び測定機器に関する要求事項
- JIST0993-7:2012
- 医療機器の生物学的評価―第7部:エチレンオキサイド滅菌残留物
- JIST11737-1:2013
- 医療機器の滅菌―微生物学的方法―第1部:製品上の微生物群の測定方法
- JIST11737-2:2013
- 医療機器の滅菌―微生物学的方法―第2部:滅菌プロセスの定義,バリデーション及び維持において実施する無菌性の試験