JIS T 0801:2016 ヘルスケア製品の滅菌―エチレンオキサイド―医療機器の滅菌プロセスの開発,バリデーション及び日常管理の要求事項 | ページ 8

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T 0801 : 2016 (ISO 11135 : 2014)
1) 到達真空度(ΔP又は最終圧力)及び真空到達速度(ΔP/時間)
b) 該当する場合,チャンバリーク試験[真空サイクルについては,減圧下(大気圧以下)で実施するか,
又は加圧サイクルについては加圧下(大気圧以上)及び減圧下(大気圧以下)で実施する。]
1) 安定時間及び/又は保持時間
2) 圧力変化
c) 不活性ガスの追加(行う場合)
1) 不活性ガスの導入による,圧力(ΔP又は最終圧力)及び圧力到達速度(ΔP/時間)
d) コンディショニング(行う場合)
1) コンディショニング中の水蒸気の導入による圧力上昇(ΔP又は最終圧力)又は相対湿度(%),及
び圧力到達速度(ΔP/時間)
2) 該当する場合,水蒸気パルス/真空引きの回数
e) O導入
1) Oの導入によるあらかじめ定めた圧力に到達するときの圧力,圧力上昇(ΔP)及び速度(ΔP/時
間),並びにEO濃度監視に用いた方法との相関
2) 全ての不活性ガスの導入(行う場合)による,あらかじめ定めた圧力に到達するときの圧力,圧力
上昇(ΔP)及び速度(ΔP/時間)
f) ばく露時間のあらかじめ定めた条件の維持
1) 滅菌剤又は不活性ガスを用いた圧力調整(行う場合)
2) チャンバ温度
g) O除去
1) Oを除去するための到達真空度(ΔP又は最終圧力)及び真空到達速度(ΔP/時間)
h) フラッシング(行う場合)
1) 圧力上昇及び圧力到達速度
2) Oを除去するための到達真空度(ΔP又は最終圧力)及び真空到達速度(ΔP/時間)
3) 繰返しの回数及び連続した繰返しにおけるバリエーション
i) 空気/不活性ガスの導入
1) 不活性ガス又は空気導入による到達圧力(ΔP又は最終圧力)及び圧力到達速度(ΔP/時間)
2) 繰返しの回数及び連続した繰返しにおけるバリエーション
3) 空気導入による大気圧への復圧
D.6.2.5 製品の残留レベルを評価する際,循環速度をあらかじめ定めておくとよい。
D.6.3 装置の特性
D.6.3.1 次のファクターは装置を特性付けるときに考慮するとよい。
a) プレコンディショニングエリアの特性
プレコンディショニングは別に設けたプレコンディショニングエリア(チャンバ,セル又は部屋)
で実施できる。エアロゾル噴霧器(例えば,回転円盤加湿器及びネブライザー)のような加温されな
い水の散布によって動作する加湿器は微生物の潜在的な汚染源となるので,水蒸気による加湿が必要
である。
プレコンディショニングエリア(用いる場合)は,次の性能及び監視機能があるとよい。
− 有効空間の温度及び湿度の均一性を確実にするため,及び負荷を入れた部屋又はチャンバ内の温
度と湿度との均一性が維持されることを確実にするための,十分な空気循環。

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− 前もって決定した許容範囲内であることを確実にする,気流感知装置,警報システム又は循環シ
ステムの監視表示
− プレコンディショニングエリアへの負荷の搬入及び搬出の時刻を記録する方法
− セル/部屋の温度及び湿度の監視手段
− セル/部屋の温度及び湿度の制御手段
b) 滅菌器の特性
滅菌器チャンバは次の性能及び監視機能があるとよい。
− 時間,チャンバ圧力,温度及び湿度(湿気の添加がセンサの読みで制御されている場合)を監視
する方法
− 時間,チャンバ圧力,温度を制御する方法及び湿気の添加がセンサの読みで制御されている場合
は湿度を制御する方法(装置に設置されているセンサの場合,IQ又はOQの間に圧力上昇との関
係を確実にする。)
− 湿度がセンサの測定値で制御されていない場合は,水蒸気添加を監視及び制御する方法
− パラメトリックリリースを用いる場合,コンディショニング中の湿度,及びEOばく露時間中の
EO濃度の直接分析のための分析装置(9.5.5及びD.9.5.5参照)
− チャンバへガス状のEOの導入を制御するシステム
− チャンバへガス状のEOが導入されたことを立証する方法。これは気化器から滅菌チャンバへ流
れるEOガスの温度の測定によってできる。このシステムによって,EOばく露時間中のEO濃度
を管理可能である。
− 適宜適切な処置を行うことができるようにサイクルパラメータの逸脱を検出及び警告する方法
c) エアレーションエリアの特性
エアレーションエリア(チャンバ,セル又は部屋)は製品/包装からEO残留物を除去するために
用いることができる。そのエリアの全体での温度均一性,新鮮空気の追加及び再循環空気は一定及び
再現性のある結果を確実に得るために重要である。エアレーションエリアには次の性能及び監視機能
があるとよい。
− 負荷を入れた部屋又はチャンバ内の十分な気流が前もって決定した許容範囲内で運転及び維持さ
れていることを確実にする気流感知装置,警報システム又は空気処理システムの監視表示器
− 空気を再循環する装置
− 室温を監視する方法
− 室温を制御する方法
D.6.3.2 法規及び安全性の要求事項に適合し,技術仕様が適切で,また,装置を運転するのに必要なサー
ビス及びインフラストラクチャーを利用できることを確実にするため,装置の仕様をレビューするとよい。
装置仕様を作成するとき,次の事項を考慮するとよい。
a) 定期的に補充される貯蔵タンクからEOを滅菌器に供給する場合,タンクは,分析のためのサンプル
採取手段,EOのタンクを空にする手段,及び汚染又は重合物の過剰な蓄積時にクリーニングする方
法を備えるのがよい。
b) 液状のエチレンオキサイドが滅菌器に導入されないように,滅菌器にEOガスを導入するシステムに
は気化器を備えているのがよい。
c) ガス状のEOが生成されていることを立証するために,気化器から滅菌チャンバへ入るEOガスの温
度を測定するとよい。

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d) 水蒸気は負荷に湿気を与えるために用いられるものであり,滅菌剤を意図したものではない。供給す
る水蒸気の一貫性は,ボイラへの供給水又は水蒸気の凝縮水を定期的に分析して測定するとよい。
e) チャンバの温度を測定するには,最低2個の温度プローブを使用するのがよい。大容量のチャンバは,
チャンバ全体の温度を反映するデータを保存できる監視/制御システムを確実に動作させるため,よ
り多くの温度プローブを取り付けることがある。
注記 二つの温度センサプローブを用いる目的は,一つのセンサによるプロセスの誤った値を受け
入れてしまうことを防ぐためである。二つの温度センサの温度を比較することで,一つのセ
ンサの故障を検出できる。二重素子の温度プローブの使用は,この要求に適合している。
f) プロセスの間,常に滅菌器チャンバ内を均一の状態に保つことは重要である。これは,強制ガス循環
によって達成できる。ガス循環システムを用いる場合は,循環が無効である場合には,そのことを示
す監視装置を備えるとよい。それには,ファン又はポンプの電源が入っていることを監視する装置だ
けでは,不十分である。
g) O又はEO混合ガスのボンベ,タンク又はカートリッジの保管に使用するエリアは,施錠し,換気設
備を備えるとよい。
h) 周囲の環境条件が,EOの供給者によって推奨される温度範囲から外れるところでは,EO容器の保管
エリアに温度制御する設備を設けるのがよい。
例えば,湿度センサのような制御及び監視する装置を実際のプロセス条件下で校正することができない
場合がある。これらの装置の校正結果は,適格性の確認検討に関連付けるとよい。プロセス条件は,例え
ば,湿度センサのような幾つかのタイプのセンサに弊害を与える。センサは,一般に感知素子として用い
られる材料の不可逆な劣化のため,プロセス条件に繰り返しばく露した後に交換が必要な場合がある。こ
れらのセンサは,センサ製造業者/供給者の推奨する保守の回数よりも多い頻度で,保守計画を実施する
ことが必要となる場合がある。
D.6.3.3 指針はない。
D.6.3.4 指針はない。
D.6.3.5 制御又は監視機能の検知しない障害がある場合,滅菌負荷はその要求されるプロセスパラメータ
に適合しないのにリリースされる可能性がある。この誤ったリリースを防ぐため,多くの重要なプロセス
パラメータに対して重複してセンサを設置するのが一般的である。これらの重複するセンサを用いての一
般的な選択肢は次の事項がある。
a) 一つのセンサを制御,もう一つのセンサを監視及び報告用に用いる。
b) 監視及び制御の両方について二つのセンサ又はそれらの平均値を用いる。このシステムは二つのセン
サ間の差が定義した値を超過した場合には,自動的に許容外の条件となる必要がある。
c) 監視及び制御の両方についての二重素子のセンサを用いる。このシステムは二つの素子間の差が定義
した値を超過した場合には,自動的に許容外の条件となる必要がある。
D.7 製品の決定(Product definition)
D.7.1 一般
D.7.1.1 製品の決定は滅菌する医療機器(すなわち,新規又は変更した製品)についての基本情報の文書
化を含む。
医療機器の製品の決定は,医療機器(それ自体),その医療機器を入れる無菌バリアシステム,及び包装
システムに入れる全ての附属品,使用説明書,又はその他の物品を含む。また,医療機器の意図した性能,

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適用可能な製造及び滅菌プロセスの記載も含む。製品の決定のプロセスは,その製品が新しい設計か,又
は製品ファミリの一部かどうかも考慮するとよい。
製品の決定の一部として,次の事項を考慮するとよい。
a) 医療機器の物理的属性(構成及び形状)
b) その医療機器の意図した用途
c) その医療機器は単回使用又は複数回使用のいずれを意図しているか
d) 滅菌プロセスの選択に影響を与える可能性のある設計特性(例えば,バッテリー,光ファイバー,コ
ンピュータチップ)
e) 微生物学的品質に影響する可能性がある原材料/製造条件(例えば,天然物由来の材料)
f) 要求する無菌性保証水準(SAL)
g) 包装
h) 載荷形態 : 特定の負荷又は混合載荷形態,又は許容できる載荷形態の範囲
i) EO又はガス混合及びプロセス条件(プレコンディショニング,滅菌及びエアレーションプロセス)
との適合性。
D.7.1.2 技術的レビューでは,既存のEOプロセスのバリデーションに用いたバリデートした製品及び/
又はPCDと新規又は変更した製品とを比較するとよい。新規又は変更した製品の構造及び形状について,
EO,熱又は湿気の浸透の妨げとなる可能性のある全ての特性を注意深く調べるとよい。医療機器製造業者
にとってこの比較には,製造施設の立地,用いた原材料のタイプ,それらの材料の素材及び製造法を含め
て,製品上の初期バイオバーデンに影響する可能性のある要因の調査も含めるとよい。変更した再使用可
能な製品に対しては,この比較には,製品の洗浄効果の評価を含めるとよい。
滅菌特性が既に知られている既存の医療機器又はPCDと新規又は変更された製品とが同等であると立
証される場合,新規又は変更した製品は製品ファミリ又は処理カテゴリの一部分であると考えられる場合
がある。
注記 以前にバリデートした製品/PCDより滅菌サイクルに対して滅菌しにくい新規又は変更した
製品を導入するリスクを最小とするために,AAMI TIR28 [26]は有用な指針である。
滅菌対象製品の形状,密度,又は載荷形態及びその包装が,以前にバリデートした製品より滅菌しにく
い可能性のある場合は,EO,熱及び湿気の浸透の検討及び/又はサイクルの致死率の検討を行うのがよい。
技術的レビューの一部として次の質問を考慮するとよい。次の質問事項のいずれかが“Yes”の場合,以
前にバリデートした製品より滅菌しにくいかどうか判断するために,新規又は変更された製品の詳細な評
価が必要な場合がある。
a) 以前にバリデートした製品と照らし合わせて,新規又は変更した製品は
1) 通路又は内くう(腔)はより狭く閉ざされているか
2) 開放部分は少ないか
3) 内部表面はより大きいか
4) 重なった表面エリア及び/又は閉塞空間はより大きいか
5) より多くの栓/封止があるか
6) 内くう(腔)はより長い,又は狭いか
7) 熱,湿気,又はEOの移動を少なくする可能性のある変更又は違いがあるか
8) バイオバーデン数又はバイオバーデン抵抗性が参照製品の抵抗性より著しく高いか(製造条件,取
扱い,洗浄プロセス又は用いた材料による。)

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9) 提案されたプロセス又は滅菌方法によって悪影響を受ける可能性のある材料又は構造を含むか
b) 以前にバリデートした製品と照らし合わせて,新規又は変更した製品の包装は
1) 取扱説明書,又は保護バリアを含めて,包装要素においていずれかの変更があるか
2) 追加の不浸透性の保護バリアはあるか(例えば,EO又は湿気の浸透又は除去を制限又は妨害する
可能性のあるコンテナ,ケース,テンプレート)
3) 包装材料の空隙率の変更はあるか(例えば,紙の坪量,接着剤又はコーティングの処理)
4) 通気材料又は開口部の表面積の潜在的な減少はあるか(例えば,テープ又は第2ラベルの適用,ラ
ベルのサイズ変更)
5) 製品のバイオバーデンレベルの増加があるか
6) バリア層の数の変更があるか
c) 以前にバリデートした製品と照らし合わせて,新規又は変更した製品の載荷形態は
1) 参照負荷のバリデートした載荷形態と著しく異なるか
2) 吸収性材料の量が著しく異なるか
3) 参照負荷の密度と著しく異なるか
4) 負荷容積が著しく異なるか
D.7.1.3 閉塞した空間又は重なった表面のいずれかがあるものについては,後に実施する致死率測定の適
格性の確認検討に用いる内部PCDを指定する際の評価において考慮するとよい。
D.7.1.4 滅菌医療機器の無菌バリアシステムの主な機能は,使用するまで製品の無菌性が保たれているこ
とを保証することである。滅菌処理の間,無菌バリアシステムはプロセス条件に耐え,製品の品質を保証
するために損傷を受けないものである必要がある。
滅菌する製品用の包装システムを選定する場合,重要な設計及び製造ファクターをその滅菌プロセスに
関して考慮する。EOの浸透を確実にするために,滅菌環境に対する包装の浸透性は最も重要である。空
気の除去はEO滅菌プロセスの一部分であるので,その包装システムはまた,シールの完全性へのダメー
ジ又は破袋なしに,ガス注入及び排気時の圧力変化の際,気体が包装内外に出入りできるのがよい。
通常の取扱い及び流通の間,製品を守る無菌バリアシステム(SBS : sterile barrier system)の能力を立証
するとよい。そのSBSが製品を守る能力を失うことなしに滅菌プロセスに耐えることができる証拠を示す
とよい。SBSのバリデーションは,SBSがEO滅菌プロセスにばく露され,潜在的なストレスにさらされ
る可能性があることを考慮するとよい。考慮には真空/圧力水準,圧力変化の速度,温度などを含めると
よい。複数回の滅菌プロセス(D.7.2.1及びD.7.2.2参照)にSBSをばく露することによってSBSの適合性
を立証することが一般的である。
包装の考慮事項はJIS T 0841-1及びJIS T 0841-2に詳細が示されている。
D.7.1.5 チャンバ内の載荷形態は,製品の温度,湿気,EOの浸透及びEOの除去に影響を与える。プロ
セス中の適切な製品温度,湿度及びEOの浸透及びEOの除去を確実にするためバリデーション中に,載
荷形態を定義する。
D.7.1.6 PCDは微生物学的チャレンジを入れた機器である。同等性の立証に用いるためのPCDを開発す
る方法の例は次のものがあるが,これらに限定しない。
a) シリンジストッパーのリング,ランド,グロメット又はリブの間に微生物学的チャレンジを配置した
もの
b) 製品の完全性を復元するために接着剤又はコネクタを用いて再接続されるチューブの内くう(腔)の
中央に微生物学的チャレンジを配置したもの

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JIS T 0801:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11135:2014(IDT)

JIS T 0801:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0801:2016の関連規格と引用規格一覧