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T 1140 : 2014
10) 機械的耐衝撃
11) 耐電圧(測温部一体形については,除外する。)
12) 電磁両立性
13) 消費電力量
8.4 安全性試験
8.4.1 洗浄・消毒
体温計の装着部を,JIS T 0601-1の7.9.2.12(清掃,消毒及び滅菌)【44.7(清掃,消毒及び滅菌)】によ
って20回,清掃,洗浄,又は消毒した後,37 ℃±1 ℃で8.5.1の温度指示特性試験を行う。
8.4.2 溶出物
a) によって試験液を作成し,b) による試験を行う。
a) 試験液 測温部の外被を構成する材料15 gを採り,細片とし,蒸留水又は純水(以下,水という。)
約150 mLで30分間煮沸した後,水を加えて正確に150 mLとし,これを試験液とする。別に30分間
煮沸した水を空試験液とする。
注記 試験液の作製などについては,JIS K 0050及びJIS K 8001を参照することが望ましい。
b) 試験方法 次の1)5) による。
1) 外観 目視によって試験液の状態を調べる。
2) H 試験液及び空試験液の各20 mLにそれぞれ塩化カリウム溶液(1 g/L)1 mLを加え,JIS Z 8802
の測定方法によって試験を行い,両液のpHの差を測定する。
3) 重金属(Pb) 試験液10 mL,水30 mL及び酢酸(6.25 vol %)2 mLを比色管に採り,水を加え50
mLとする。これに硫化ナトリウム溶液1滴を加え,比色法で測定する。空試験液10 mL,鉛標準
液(0.01 gPb/l)2 mL及び酢酸(6.25 vol %)2 mLを採り,水を加えて全量を50 mLとする。これに
硫化ナトリウム溶液1滴を加えて色を比較し,現れる色が暗色以下であるかどうか調べる。
4) 過マンガン酸カリウム還元性物質 試験液10 mLを共栓三角フラスコに採る。これに過マンガン酸
カリウム溶液(2 mmol/L)20 mLと硫酸(100 g/L)1.0 mLとを加え3分間煮沸した後冷却する。よ
う化カリウム0.1 g及びでんぷん溶液(10 g/L)5滴を加え,チオ硫酸ナトリウム溶液(0.01 mol/L)
で滴定する。空試験液10 mLを採り,同様に操作し,チオ硫酸ナトリウム溶液(0.01 mol/L)で滴
定する。過マンガン酸カリウム溶液の消費量の差から還元物質の量を算出する。
5) 蒸発残留物 試験液20 mLを水浴上で蒸発乾固し,残留物を105 ℃で1時間乾燥し,その質量を測
定する。
8.5 性能試験
8.5.1 温度指示特性
a) 試験方法 測温部を体温表示部(本体)に接続した状態で試験する。測温部を8.2 a) による温度計の
温度を検出する部分と接近させて,8.2 b) による恒温槽に,必要な長さまで挿入し,温度が十分に安
定に達した後,温度表示値を視定し,8.2 a) による温度計の表示値と比較し,誤差が表2の範囲内で
あるかどうかを調べる。
ここで,必要な長さとは,測温部の保護管又は先端の相当部分の外径の20倍の長さ,又は5 cmの
いずれか短い方とする(以下,同じ)。
b) 試験環境 この試験は,周囲温度23 ℃±5 ℃(以下,“室温”という。),相対湿度50 %±20 %で行
う。
c) 温度測定点
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1) 一般用及び婦人用の温度測定点 一般用及び婦人用の温度測定点は,次による。
1.1) 測温範囲の最高温度
1.2) 測温範囲の最低温度
1.3) 37 ℃付近又は1.1)1.2) の温度範囲の任意の1点以上
なお,1.1) 及び/又は1.2) の温度測定点についての温度指示特性試験が困難な場合は,できる
だけそれに近い温度測定点について行う。
2) 広範囲用の温度測定点 広範囲用の温度測定点は,次による。ただし,20 ℃30 ℃の測温範囲又
は43 ℃45 ℃の測温範囲がない体温計は,次の2.2) 又は2.4) を除く。
2.1) 測温範囲の最高温度
2.2) 43 ℃付近
2.3) 37 ℃付近又は30 ℃43 ℃の任意の一点以上
2.4) 30 ℃付近
2.5) 測温範囲の最低温度
なお,2.1) 及び/又は2.5) の温度測定点についての温度指示特性試験が困難な場合は,できる
だけそれに近い温度測定点について行う。
d) 試験手順 温度表示値を視定する場合,体温計を8.2 b) による恒温槽から取り出す必要があるときは,
取り出した後速やかに温度表示値を視定する。
測温部分離形の場合には,次の方法で試験することができる。
e) 測温部の試験 測温部分離形の測温部を8.2 a) による温度計の温度を検出する部分に接近させて,8.2
b) による恒温槽に必要な長さまで挿入し,温度を十分に安定させる。測温部の電気的出力信号は,校
正された体温表示部(本体)で温度に換算するか,測温部の消費電力が0.1 mW以下になる条件で,
特定の装置によって測定し,温度に換算した後,8.2 a) による温度計と比較した誤差を測温部の誤差
とする。この場合,温度測定点は,8.5.1の温度指示特性試験による。
f) 体温表示部(本体)の試験 測温部分離形体温表示部(本体)に製造業者が指定する模擬測温部を接
続し,製造業者が指定する定められた値と体温表示部(本体)の温度表示値との差を体温表示部(本
体)の誤差とする。この場合,温度測定点は,8.5.1の温度指示特性試験による。
8.5.2 電源電圧
内部電源を電圧調整可能な直流電源と交換し,電圧低下の表示,注意信号が出る,又は非作動となる直
前の電圧まで下げて,8.5.1の温度指示特性試験を行う。
8.5.3 周囲温度
周囲温度を10 ℃±2 ℃及び40 ℃±2 ℃に変化させた後に,8.5.1の温度指示特性試験を37 ℃±1 ℃で
行う。
注記 温度指示特性試験は,周囲温度を水温槽に試験体温計を水没させない状態で30分以上保持した
後,それぞれ実施するのが望ましい。
8.5.4 応答特性
室温と10 ℃以上の温度差があるかくはん恒温槽を用い,測温部が室温に保たれている測温部をかくは
ん恒温槽中に必要な長さまで挿入した後,温度表示値が室温とかくはん恒温槽との温度差の90 %に相当す
る温度を示すまでの時間を測定する。
8.5.5 高温放置
測温部を80 ℃に100時間又は55 ℃に300時間置いた後,室温に戻し,8.5.1の温度指示特性試験を37 ℃
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±1 ℃で行う。
8.5.6 保存温度
−20 ℃±2 ℃及び60 ℃±2 ℃にそれぞれ24時間放置した後,室温に戻し,8.5.1の温度指示特性試験
を37 ℃±1 ℃で行う。
8.5.7 保存湿度
保存湿度試験は,相対湿度93 %±3 %の空気の加湿槽内で行う。槽内の空気の温度は,体温計を置く全
ての場所において,20 ℃32 ℃(T)の範囲内の,適切な温度T±2 ℃以内に維持する。その槽内で48
時間以上浸した後,室温に戻し,8.5.1の温度指示特性試験を37 ℃±1 ℃で行う。
なお,加湿槽に入れる前に,体温計の温度をTとT+4 ℃との間になるようにし,保存湿度試験に先立
って少なくとも4時間この温度に保つ。
8.5.8 熱的耐衝撃
−5 ℃±2 ℃の冷室で安定に達するまで放置した後,取り出し,速やかに50 ℃±2 ℃の熱室で安定に
達するまで放置する。その後,速やかに熱室から冷室に戻す。これを5回行った後,室温に戻し,8.5.1の
温度指示特性試験を37 ℃±1 ℃で行う。僅かでも凝縮された水滴があれば蒸発させる。
8.5.9 防浸
a) 防浸形 電池交換できるものであれば,次の試験をする前に電池ケースの開閉を何度か行う。
1) 測温部一体形の場合 体温計の最上部が,生理食塩液又は塩化ナトリウム溶液(9.5 g/L)中に15 cm
の深さで次に示す温度及び時間で順に浸せきする。
1.1) 50 ℃±2 ℃で 1時間
1.2) 20 ℃±2 ℃で 1時間
1.3) 50 ℃±2 ℃で 24時間
1.4) 20 ℃±2 ℃で 24時間
浸せき前[1. 1) の前]に,1回目の温度表示値を読み,浸せきを順次行い,全ての浸せき直後[1.
4) の直後]に,2回目の温度表示値を読み,その後空気中に14日間放置した後に,3回目の温度表
示値を読む。それぞれの温度表示値は,8.5.1の温度指示特性試験を測温範囲の下限及び上限の近傍
で2回以上測定した値である。
2) 測温部分離形の場合 測温部を水面から15 cmの深さになるように1) の溶液で浸せきし,1) の方
法で試験する。ただし,体温表示部(本体)を除く。
b) 一部防浸形 測温部一体形及び測温部分離形の場合,測温部を先端から5 cmの深さで1) の溶液で浸
せきし,1) の方法で試験する。
8.5.10 機械的耐衝撃
硬い土台(例えば,コンクリートブロックなど)の上に,厚さ50 mmの堅い板(密度600 kg/m3以上の
例えば,ケヤキ)を載せ,その上に高さ100 cmから自由落下させた後,8.5.1の温度指示特性試験を37 ℃
±1 ℃で行う。開始形状位置を3回変えて各方向1回ずつ試験する。ただし,質量が50 gを超えるものは,
その高さ75 cmで実施する。さらに,測温部が分離できる体温計は,測温部を本体に接続した状態で行う。
8.5.11 耐電圧
生理食塩液又は9.5 g/Lの塩化ナトリウムの水溶液中に,人体に接触する長さ又は50 mmのいずれか長
い方の長さに相当する深さまで測温部を沈め,その測温部と溶液中の接点との間に10 V±1 Vの任意の1
点の直流電圧を加えた後,8.5.1の温度指示特性試験を37 ℃±1 ℃で行う。
8.5.12 電磁両立性
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JIS T 0601-1-2の箇条36(電磁両立性)【36.(電磁両立性)】による。
8.5.13 消費電力量
体温計の感温素子に供給される電流値と温度37 ℃における感温素子の抵抗値から算出される電力の値
によって体温計の感温素子が10分間で消費する電力量を算出し,この値を測温部の比熱及び質量から算出
した測温部の熱容量で除した値を温度上昇量とする。
9 製品の呼び方
製品の呼び方は,名称,方式による種類,用途による種類,構造による種類及び防浸による種類とする。
例 電子体温計 予測式,一般用,測温部一体形,防浸形
例 電子体温計 実測式,婦人用,測温部一体形,一部防浸形
例 電子体温計 予測式,広範囲用,測温部一体形,防浸形
10 表示
10.1 体温表示部(本体)
測温部一体形体温計又は測温部分離形体温計の体温表示部(本体)には,JIS T 0601-1の7.2(ME機器
又はME機器の部分の外側の表示)【6.1(機器又は機器の部分の外側の表示)】によるほか,本体の外部の
見やすいところに次の事項を表示しなければならない。ただし,表示の場所が狭く,a) j) の表示が不可
能な場合はa) d),f),g) 及びi) を表示し,それ以外の項目は,容器に表示してもよい。
a) 名称
b) 種類
c) 測温部との組合せの識別(測温部分離形の場合)
d) 電撃に対する保護の形式及び程度
e) 定格電源電圧(V)
f) 電池の形式(電池交換が可能なもの。ただし,電池収納部に表示してもよい。)
g) 製造業者名
h) 製造業者の住所
i) 製造番号又は製造ロット番号
j) 法令で定められた必要な表示事項
10.2 測温部
交換可能な測温部には,JIS T 0601-1の7.2(ME機器又はME機器の部分の外側の表示)【6.1(機器又
は機器の部分の外側の表示)】によるほか,次の事項を測温部又は容器の見やすいところに表示しなければ
ならない。
a) 形式
b) 体温表示部(本体)との組合せの識別
c) 製造業者名及び住所
d) 製造番号又は製造ロット番号
e) 法令で定められた必要な表示事項
11 附属文書
11.1 一般事項
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体温計には,次に示す文書を添付しなければならない。
a) 保証書
b) 法令で規定された文書
c) 取扱説明書1)
注1) 法令で規定された文書で,取扱いが説明されている場合には,省略することが可能である。
11.2 取扱説明書
取扱説明書は,少なくとも次に示す事項について,分かりやすく記載しなければならない。
a) 測温範囲
b) 最大許容誤差
c) 体温の測定に当たって,検温に必要な時間及び正しい測定方法。
d) 予測式(体温計)では,予測体温測定モードから実測体温測定モードへの変化に関する旨の記述及び
予測値である旨を体温表示部(本体)に示す方法。
e) 予測式(体温計)では,正しい測定方法で体温測定を行わなかった場合,及び血行動態・体く(躯)
などによっては,必ずしも予測精度が保証されない可能性がある旨の注意。
f) 婦人用(体温計)は,実測温で測定することが望ましい旨の注意。
g) 電池の交換が可能なものについては,電池の種類及びその交換方法。
h) 清掃,洗浄,消毒又は滅菌方法に関する説明及び注意。
i) 互換形(体温計)では,組合せの識別方法の説明。
j) 非互換形(体温計)では,製造業者が指定する組合せ以外は使用できないことの説明。
k) 取扱説明書に記載した以外の使用方法及び製造業者以外によって行われた修理,改造,再調整などに
ついては,製造業者は,その責任を負わない旨の注意書。
l) 使用する方向(姿勢),位置についての指示などの適切な使用及び保管の環境条件。
m) 故障の原因となる使用(落下,水浸など)及び保管(高温,多湿など)についての説明及び注意書。
n) 広範囲用(体温計)では,低体温領域を測温範囲に含む場合,低体温患者での測定結果はあくまで測
定した局所の温度である旨。
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JIS T 1140:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- OIML R115:1995(MOD)
JIS T 1140:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 1140:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1604:2013
- 測温抵抗体
- JIST0601-1:2017
- 医用電気機器―第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項
- JIST0601-1-2:2018
- 医用電気機器―第1-2部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:電磁妨害―要求事項及び試験
- JIST1011:1988
- 医用電気機器用語(共通編)
- JISZ8802:2011
- pH測定方法