JIS T 3226-1:2015 注射針を使用する医療用注入システム―第1部:注射針を使用する注入システム―要求事項及びその試験方法 | ページ 3

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準不確かさ)は,0.02 mL/5(=0.004 mL)となる。また,測定の不確かさは±2 SD(GUM)であ
り,この例では0.002 mLとなる。
投与量(Vset)は質量法によってグラム(g)で記録(Gmeas)し,試験条件下での試験溶液の密度(ρ)(g/mL
で表示)を用いて容積(Vmeas)に変換する。式(1)によって質量法による測定値から容積法による値に変換
する。
Gmeas
Vmeas (1)
ρ

6.2 試験液

  試験液は,NISで投与する製剤又は類似の物理的特性をもつ液体とする。

6.3 はかり(秤)

  最低投与量の1 %の精度をもつもの。

6.4 自由落下試験の試験面

  厚さ3 mmの表面がなめらかな鉄板を,10 mmを超える厚さのある木で裏打ちしたもの。

7 投与量精度の決定

7.1 一般

  NISは設計仕様で定義されるように,投与量精度の要求事項に適合しなければならない。規制要件がよ
り厳格である場合又はリスクアセスメントの結果によっては,投与量精度の適合基準を調整する。規制要
求がより緩やかな場合には,適合基準を広くする場合の根拠として,製造販売業者がリスク分析を行う際
にその点を考慮する。
投与量精度は,適切な数のNISを選び,試験することで決定する。NISの数は,その試験の対象となる
医薬品容器と精度の要求事項によって決まる。使用者が充し,投与可能量が全量排出されるシングルド
ーズのNISでは精度は排出率で評価され,製造業者が充し,投与可能量が全量排出されるシングルドー
ズのNISでは精度は最少投与量(表示量)として評価する。
精度測定値が正規分布すること(又は正規分布に変換できること),及び各測定値は独立していることを
前提とすると,7.27.4の方法によって,各Vsetについての統計的許容区間[すなわち,その区間の中に少
なくともある割合(p,内在確率)で,そのサンプルを得た真の母集団を含む信頼水準(固定確率)が存在
する区間]を,決定するときの基礎となる精度測定が可能となる。この統計的許容区間は,両側性又は片
側性(例えば,排出率及び最少投与量評価の場合)であり,区間の限界は“統計的許容限界”又は“工程
の自然限界”と呼ばれる。
各NISの区分の投与量精度の評価において必要とされる箇条の番号を表2に示す。

――――― [JIS T 3226-1 pdf 11] ―――――

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表2−投与量精度評価に必要な箇条
投与量精度マトリックス NISの区分
A B1 B2 C D1 D2
必要な投与量の決定 7.3.1 7.3.2 7.3.2 7.3.1 7.3.2 7.3.2
精度限界の決定 7.4.2.1 7.4.2.2 7.4.2.1 7.4.2.1 7.4.2.2 7.4.2.1
最後の投与における精度限界の決定(投 7.4.3 該当せず 該当せず 7.4.3 該当せず 該当せず
与量可変の場合だけ)
最後の投与における誤差の計算(投与量 10.3 該当せず 該当せず 10.3 該当せず 該当せず
可変の場合だけ)
排出率の計算(使用者による充の場合 該当せず 7.4.4 該当せず 該当せず 7.4.4 該当せず
だけ)
許容区間の計算 7.4.5 7.4.5 7.4.5 7.4.5 7.4.5 7.4.5

7.2 投与領域

  マルチドーズの医薬品容器の投与領域は,図1による。
領域
1 前部3分の1
2 中間部3分の1
3 後部3分の1
図1−三つの領域の概略図
注記1 最大投与量の設定が表示量の3分の1を超えている場合,医薬品容器は3領域ではなく2領
域に分けることができる。
注記2 図で示された医薬品容器のデザインは一例である。別の医薬品容器のデザインでは,三つの
領域(全量,半量使用時,ほとんど空)の全てが予想どおり実施できることを検証する必要
がある。

7.3 投与量設定

7.3.1  マルチドーズの医薬品容器(NISの区分A及びC)
7.3.1.1 可変量投与型NIS
a) 3種類の投与量を使用する。Vsetは,最小(Vmin),中間(Vmid),最大(Vmax)のいずれかに等しい。
b) 各Vsetの1投与量は,各医薬品容器から採取する。
c) 全ての組合せの順序は,[(Vmin,Vmid,Vmax),(Vmax,Vmin,Vmid)など]が試験される。詳細を,附属
書Aに示す。
d) 投与は,図1に示すように,Vsetが医薬品容器の前部3分の1,中間部3分の1,後部3分の1の部分
から排出されるように設計するか,又はリスクアセスメントでの決定によって,医薬品容器の排出容
積を代表する領域から均一にサンプリングする。

――――― [JIS T 3226-1 pdf 12] ―――――

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7.3.1.2 投与量固定型NIS
a) 1種類の投与量が使用され,Vsetは固定投与量に等しい。
b) 1回の投与を各医薬品容器から採取する。
c) 投与は,図1に示すように,Vsetが医薬品容器の前部3分の1,中間部3分の1,後部3分の1の部分
から排出されるように設計する,又はリスクアセスメントでの決定によって,医薬品容器の排出容積
を代表する領域から均一にサンプリングする。
7.3.2 シングルドーズの医薬品容器(NISの区分B及びD)
7.3.2.1 全量排出
NISの区分がB1及びD1については,一回の投与量が使用され,Vsetは排出される投与量に等しい。
7.3.2.2 部分排出
7.3.2.2.1 投与量可変型NIS
3種類の投与量が使用される。各Vsetは,最小(Vmin),中間(Vmid),最大(Vmax)のいずれかに等しい。
7.3.2.2.2 投与量固定型NIS
1種類の投与量が使用され,Vsetは事前設定された投与量に等しい。

7.4 評価

7.4.1  一般
投与量精度の要求事項に合格するには,95 %の信頼水準で,少なくとも排出された全ての投与量の内在
確率pは,3種類の投与量設定(投与量固定型NISの場合は1種類の投与量設定)のために定めた限界値
の上限及び下限の間に収まらなければならない。
最少投与量の要求事項(製造販売業者が充する医薬品容器付きNISの区分がB1及びD1)に合格する
には,95 %の信頼水準で,少なくとも排出された全ての投与量の内在確率pは,薬剤の表示に規定する最
小の投与量によって定義される限界値の下限以上でなければならない。
排出率の要求事項(使用者が充する医薬品容器付きNISの区分がB1及びD1については)に合格する
には,95 %の信頼水準で,少なくとも排出された全ての排出率の内在確率pは,リスクアセスメントによ
って決定した排出率に対する限界値の下限以上でなければならない。7.4.4に従って排出率を計算する。
NISが残量よりも大きい投与量を設定することができる場合,最終投与量精度の要求事項(NISの区分
がA及びC)に合格するには,95 %の信頼水準で,少なくとも全ての投与量誤差計算の内在確率pは,許
容投与量誤差のために定めた限界値の上限及び下限の間に収まらなければならない。
所定の試験用に各Vsetは,NISごとに1種類の投与量を使用することができる。
内在確率pは,試験の種類ごとに定義されており,表3に示されている。
7.4.2 投与量精度限界の決定
7.4.2.1 両側投与量精度限界(NISの区分A,C,B2,D2)
規則1 : 絶対誤差α(mLで表示)は,デバイスの最小ダイアル分解能DRに等しく,VsetがTPに等しい
か,又はTP以下である場合に使用する。
規則2 : 相対誤差β(%で表示)はVsetの5 %に等しく,VsetがTPを超える場合に使用する。
TPはαとβとが等しい場合,Vsetに等しい。
TP
規則3 : 固定量投与のNISについては,絶対誤差αは,固定投与量が0.2 mL以下の場合,0.01 mLであ
り,固定投与量が0.2 mLを超える場合,5 %である。

――――― [JIS T 3226-1 pdf 13] ―――――

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例1 DRが0.01 mLに等しいということは,αが0.01 mLであり,βが5 %である。
100 .001
TP .020
5
例2 DRが0.005 mLに等しいということは,αが0.005 mLであり,βが5 %である。
100 .0005
TP .010
5
例3 限界値の上限値及び下限値は,次のように計算する。
Vset≦TP の場合 :
U=Vset+α
L=Vset−α
Vset>TP の場合 :
U=Vset+(β×Vset)/100
L=Vset−(β×Vset)/100
NISの区分A,C,B2及びD2については,製造販売業者のリスクアセスメントによって,意図した投
与量及び精度の要求事項を絶対的又は相対的な範囲よりもより適切に個別に指定する(すなわち,規則1,
2及び3を適用しない)場合,試験する投与量及びその限界値を,表示で指定しなければならない。この
ような場合,NISのDRより限界値を大きくすることはできない。NISの区分D2については,ダイアル分
解能の要求事項は適用しない。
NISの区分A及びCについては,製造販売業者のリスクアセスメントによって,特定の投与量(例えば,
NISの意図した使用ではプライミングを必要としない場合の初回投与)がその他の全ての投与量とは異な
るように取り扱うべきである場合,それらの特定のデータポイントを分析する際に,(上記のように投与量
精度を実行した後には)次のような特別な配慮をすることが望ましい。
a) 医薬品容器の特定の投与量からの各データポイントは,リスクアセスメントによって決定した限界値
に基づいて,投与量精度の要求事項を満たすものとする。
b) 特定の投与量ポイントの全ては,その他の全ての投与量の統計的分析から除外することができる。
7.4.2.2 片側投与量精度限界(NISの区分B1及びD1)
a) 使用者が充する医薬品容器については,排出率の評価のための限界値の片側下限は,リスクアセス
メントによって決定する。
b) 製造販売業者が充する医薬品容器については,最少投与量のための限界値の片側下限は,医薬品の
表示から決定する。
7.4.3 最終投与量誤差及び最終投与量精度限界(NISの区分A及びC)
残量よりも大きい投与量の設定を許可していない可変量投与型NISについては,VsetがVminに等しいか,
又はTP投与量に等しいとすることで7.4.2で示した投与量精度限界を確立する(製造販売業者がリスクア
セスメントに基づいて決定しなければならない)。
残量よりも大きい投与量の設定を許可している可変量投与型NISについては,最終投与量はNIS内の通
常の寸法変動が1個のNIS又は医薬品容器から次へと厳密に同じ最終投与量に設定するのは不可能である
ことから,投与量誤差を評価する。正確な最終投与量の不確かさに対処するために,異なる最終投与量の
回数はTPの10 %以内に入る限りは平均誤差[理想的には“0(ゼロ)”が中心]が投与量ごとに算出され
るように評価する。個々の最終投与量誤差(%として表示)は,0.20 mLのTPを使用して次の例に示すよ
うに算出する。

――――― [JIS T 3226-1 pdf 14] ―――――

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a) 最終投与量精度を決定するために使用できる投与量の範囲は,TPが0.20 mLである場合,この例では
0.18 mLから0.22 mLである。この範囲はTPの±10 %である。NISがこの範囲の数値を超える又は下
回る数値を表示する全ての投与量は,最終投与量精度を決定するのに使用することは許容されない。
b) それぞれの最終投与量測定Vmeasについては,最終投与量誤差を%として算出する。
Vmeas 表示投与量
100
表示投与量
c) 上限規格限界Uは,TPを超える平均最終投与量誤差である(すなわち,相対誤差)。
U=5%
d) 下限規格限界Lは,TPを下回る平均最終投与量誤差である(すなわち,DRに基づいた絶対誤差で,
負の%として表示)。
DR
1)
最終投与量範囲の下限値
例として,DRが0.01 mLで,最終投与量範囲の下限値が0.18 mLの場合には,
.001
2) L 100 6.5
.018
注記 製造販売業者のリスクアセスメントによって,異なる最終投与量測定範囲を使用する場合は(例
えば,TP周囲の20 %),最終投与量誤差の仕様限界は取扱説明書に記載しなければならない。
7.4.4 排出率(NISの区分B1及びD1,かつ,使用者による充)
a) 使用者によって受け取られる医薬品容器(空の)の質量をm1として測定する。
b) 充された医薬品容器の質量をm2として測定する。
c) 排出後の医薬品容器及び全ての残留物の質量をm3として測定する。
d) 次の式によって,排出率を計算する。
m2 m3
100
m2 m1
注記 NISの区分D1については,医薬品容器は,使用者が充する前のNIS全体と定義する(すな
わち,空の非交換式の医薬品容器を装着したNIS)。
7.4.5 統計的許容区間の計算
所定の試験の投与量精度には,次によって計算する。
a) 平均値x及び標準偏差sを決定する。
b) 実際のk値,又は許容限界係数を決定する。
c) 両側統計的許容区間は,式(2)によって平均値に許容限界係数kと標準偏差sとの積を加減して計算す
る。
x k (2)
NISの区分B1及びD1については,片側統計的許容区間は,式(3)によって平均値xから許容限界係数k
と標準偏差sとの積を減じる,又は許容限界係数kと標準偏差sとの積に平均値xを加えて計算する。
x k s 又は x k (3)

――――― [JIS T 3226-1 pdf 15] ―――――

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  • ISO 11608-1:2012(MOD)

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