この規格ページの目次
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製品に直接接触するように設計された包装。
3.11
可逆性印象材(reversible impression material)
寒天印象材のように,ゲル状から,加熱することで,印象採得できる流動性をもつゾル状にすることが
できる印象材。
注記 従来,“ゲルからゾル”そして“ゾルからゲル”への可逆性は再使用が可能であるが,感染防止
の観点から,可逆性印象材の再使用は禁止されている。
3.12
二次包装(secondary packaging)
1個又は複数個の一次包装品と,保護材,併用する附属品とを同こん(梱)する包装。
3.13
貯蔵(storing)
溶解した寒天印象材を,印象採得のために注入又はテンパリングするまで一定の温度で保持する工程。
3.14
弾性ひずみ試験(strain-in-compression test)
弾性印象材が,印象採得時に,次の性質をもつかどうかを確認するための試験。
− 口くう(腔)内組織に顕著な損傷を与えることなく印象材を口くう(腔)内から撤去できる柔軟さ。
− 印象に模型用石こうを流し込む際に生じる変形力に抵抗する硬さ,又は,インプラント部品を保持し
たまま移し,その部品を印象における適切な位置で確実に保持するための硬さ。
3.15
テンパリング(tempering)
ヘビーボディタイプ又はミディアムボディタイプの寒天印象材を印象用トレーに盛り上げた後,口くう
(腔)内温度よりやや高い温度の水浴で保持し,安全,かつ,効果的に口くう(腔)内に挿入できるゾル
状態の温度へ下げる工程。
3.16
個包装(unit packet)
一回の歯科臨床又は技工作業に必要な量を含む包装。
4 種類
寒天印象材は,口くう(腔)内又は頭蓋顔面組織表面に対して印象採得する際の粘ちょう度及び使用方
法によって次のとおり分類する。
a) タイプ1(ヘビーボディ) 全顎又は歯列の一部の印象を採得する場合に用い,より流動性の高いタイ
プ2又はタイプ3の寒天印象材と併用するもの又は併用しないもの。
b) タイプ2(ミディアムボディ) 全顎又は歯列の一部の印象を採得する場合に用い,シリンジで注入す
るタイプ3の寒天印象材を併用するもの又は併用しないもの。
c) タイプ3(ライトボディ) タイプ1又はタイプ2の寒天印象材と併用し,シリンジで注入するもの。
d) タイプ3A(ライトボディ) 寒天・アルギン酸塩連合印象法に用いるシリンジ注入用の寒天印象材で,
寒天・アルギン酸塩連合印象法の大部分を占めるアルギン酸塩印象材と接着するもの。
――――― [JIS T 6512 pdf 6] ―――――
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5 要求事項
5.1 生体適合性
生体適合性は,JIS T 0993-1及びJIS T 6001によって生物学的安全性を評価する。
5.2 粘ちょう度
寒天印象材は,製造販売業者の提供する添付文書に記載の貯蔵温度に保持した後,チューブ又はシリン
ジに充した内容物全体を30秒以内に押し出すことができる粘ちょう度をもっていなければならない。
この試験のために試験体を作製する必要はないが,寒天印象材が全て30秒以内に押し出すことができる
かどうかを試験しなければならない。
5.3 細線再現性
細線再現性は,7.1によって試験したとき,表1による。
5.4 石こうとの適合性
石こうとの適合性は,7.2によって試験したとき,表1による。
5.5 弾性回復
弾性回復は,7.3によって試験したとき,表1による。
5.6 弾性ひずみ
弾性ひずみは,7.4によって試験したとき,表1による。
5.7 引裂き強さ
引裂き強さは,7.5によって試験したとき,表1による。
5.8 寸法変化(タイプ3A)
寸法変化は,7.6によって試験したとき,表1による。
5.9 引張り接着強さ(タイプ3A)
引張り接着強さは,7.7によって試験したとき,表1による。
表1−特性
種類 細線再現性 石こうとの 弾性回復 弾性ひずみ 引裂き強さ 寸法変化 引張り
適合性 接着強さ
μm μm % % N/mm % kPa
タイプ1及び 20 50 96.5以上 4.015.0 0.75以上 − −
タイプ2
タイプ3 20 50 96.5以上 4.015.0 0.5以上 − −
タイプ3A 20 50 96.5以上 4.015.0 0.5以上 1.0以下 50以上
6 試験前の準備
6.0 一般
箇条7の試験を開始するとき考慮する事項を次に示す。
6.1 サンプリング
試料の準備は,次による。
a) 使用期限内の表示がある小売り包装品を準備する。
b) 同一の製造番号又は製造記号の製品を用いる。
c) 寒天印象材の試験を行うために必要な試料の量を次に示す。
− タイプ1及びタイプ2の寒天印象材は,少なくとも30本のチューブ又はその相当量。
――――― [JIS T 6512 pdf 7] ―――――
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− タイプ3及びタイプ3Aの寒天印象材は,少なくとも150本のスティック,カートリッジ又はカプ
セル。
− アルギン酸塩印象材(粉末)は,少なくとも900 g。
− アルギン酸塩印象材(ペーストとペーストとの組合せ)は,2 L。
− 石こうとの適合性試験用石こうは,少なくとも1 000 g。
注記 この細分箇条に示す試料の量は,全ての試験で必要とされる量,及び予備試験又は追加試験に
必要となる量を考慮している。
6.2 試験前の製品確認
試験のために準備した試料が,6.1の事項に適合することを確認する。
6.2.1 表示事項の確認
開封前の顧客向け包装品(一次包装及び一次容器を含む。)に,8.1の表示がされていることを確認する。
試験する寒天印象材の製品名,種類,製造番号又は製造記号,及び使用期限を記録する。
6.2.2 包装状態の確認
試料を開封する前に,次の事項について異常がないことを確認する。
− チューブキャップ,容器蓋の緩み,又は内容物の漏えい
− 容器の破損又はせん(穿)孔
− 目視,異音,触感で検知可能な容器内の寒天成分の収縮
アルギン酸塩印象材の容器を開封した直後に,包装不良及び劣化による粉の塊・か(顆)粒がないかを
確認する。
何らかの異常が確認された印象材は,試験に使用しない。
6.2.3 使用方法に関する情報の確認
試料を開封する前に,次の事項を確認する。
− 8.2に規定する使用方法に関する情報が,表示又は添付文書に記載されていることを確認する。
− 添付文書が添付されていることを確認する。
アルギン酸塩印象材の粉材の一次包装又は一次容器を開封後,直ちに,その中に指示書などが封入され
ている場合には,その内容を確認する。
6.3 試験前の留意事項
6.3.1 試験条件
特に指定のない限り,温度23±2 ℃及び相対湿度(50±10)%の環境下で,試料の準備及び試験を実施
する。さらに,特に指定のない限り,試験に使用する器具及び材料は,事前にこの環境下に保持しておく。
6.3.2 試験器具の確認
試験器具の確認は,次による。
a) 試験前に,附属品,器具及び機器を確認する。
b) この規格,JIS T 6600又はISO 6873に規定する仕様に適合していることを確認する。
c) あらかじめ計測機器又は試験器具の試料に触れる表面部分から,汚れを除去する。
6.3.3 試験用材料の取扱い及び使用方法
6.3.3.1 個別包装試料の識別
試験のために準備した製品が,2個以上の別個の包装からなる場合,試験体の作製に用いる材料を特定
するために,一次容器又は一次包装に数字又はアルファベットと数字との組合せの記号を割り当てて識別
する。
――――― [JIS T 6512 pdf 8] ―――――
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6.3.3.2 保管及び操作方法
特に規定のない限り,製造販売業者の添付文書に記載の機器,使用方法及び保管方法に従う。アルギン
酸塩印象材を練和する場合,練和方法・練和時間を記録する。
6.3.3.3 アルギン酸塩印象材及び石こう製品の練和用水
試験体の作製に使用する水は,次による。
− 水質 : ISO 3696のグレード3の水,蒸留水,脱イオン水又は逆浸透膜水を用いる。
− 水温 : 製造販売業者の指定による。
6.3.3.4 試験体作製のための量
試験体作製のための量は,次による。
a) 寒天印象材
− タイプ1及びタイプ2の寒天印象材は,各試験体につきチューブ1本を用いる。
− タイプ3及びタイプ3Aの寒天印象材で,細線再現性,石こうとの適合性,寸法変化,引張り接着
強さの試験体を作製する場合は,スティック1本,カートリッジ1本を用いる。
− タイプ3及びタイプ3Aの寒天印象材で,弾性回復,弾性ひずみ又は引裂き強さ用試験体の全体を
作製する場合は,通常,シリンジ1本に充された容量以上が必要となる。
b) アルギン酸塩印象材 バルク容器で供給される場合,約40 mLの練和物(中型の印象採得に相当する
量)を得られる粉末又はペースト。
個包装で供給される粉末は,個包装の粉末を推奨する量の水と練和して得られる量。
6.3.4 試験体作製時の温度及び時間
試験体作製用の材料を試験体作製用型内に満たし,型全体を指定の時間及び温度,すなわち,印象材が
口くう(腔)内で印象採得する状態を模倣する温度に保つ。
例えば,次による。
− 寒天印象材とアルギン酸塩印象材とを満たした型は,口くう(腔)内で印象採得する温度である35±
2 ℃に設定した水槽に浸せきし,口くう(腔)内に保持する場合と同じ使用法で,推奨する時間,浸
せきする。
− 寒天印象材だけを満たした型は,製造販売業者が指定する口くう(腔)内で寒天印象材を冷却する温
度の水槽に,指定する時間,浸せきする。
6.3.5 試験中の時間計測
時間計測は,ストップウォッチなどで計測する。
6.3.6 合否判定
箇条7の各試験方法において規定するように,それぞれの試験項目の合否判定に用いる試験体の数は,3
個又は5個のいずれかとする。
a) 3個の場合,最初にまとめて3個の試験体を作製して試験する。3個の試験体のうち,2個以上が要求
事項に適合する場合は,合格とする。0個の場合,不合格とする。1個が適合する場合,3個の試験体
を追加で作製する。追加した試験体3個が全て適合すれば,合格とする。そうでない場合は不合格と
する。
b) 5個の場合,最初にまとめて5個の試験体を作製して試験する。5個の試験体のうち,4個以上が要求
事項に適合する場合は,合格とする。2個以下が適合する場合は,不合格とする。3個が適合する場合
は,5個の試験体を追加で作製する。追加した試験体5個のうち4個以上が適合すれば,合格とする,
そうでない場合は不合格とする。
――――― [JIS T 6512 pdf 9] ―――――
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6.3.7 試験結果の報告
試験に供した試験体の数及び合否を記録する。
7 試験方法
7.0 一般
試験体の作製を開始する前に,箇条6の内容を熟知しておく。
7.1 細線再現性試験
7.1.1 試験器具及び材料
試験器具及び材料は,次による。
a) 細線再現性試験用のテストブロック(図A.1参照)
b) 試験体作製用の附属品 孔あきリング及び固定リング(図A.2参照)
c) 粘土状,パテ状又はワックスなどの軟性で賦形性のあるシーリング材 注入したタイプ3又はタイプ
3Aの寒天印象材を保持するために,孔あきリングの孔を塞ぐもの。
d) ガラス板 約50 mm×50 mm,厚さ3 mm以上のガラス板。必要に応じて,片面を厚さ約0.035 mmの
ポリエチレンシートで覆って使用する。
注記 ガラス板の片面に高真空用グリスを薄く塗布し,ポリエチレンシートを密着して保持する。
e) 離型剤(タイプ3Aの寒天印象材の場合) テストブロックの表面にアルギン酸塩印象材が付着するこ
とを防止するために使用する。[離型剤の例 : テトラデシルアミン(tetradecylamine)の1 %アセトン
溶液]
f) 恒温器 テストブロックを35±2 ℃に維持できるもの。
g) 寒天印象材の溶解,貯蔵及びテンパリングに使用する機器,併用するシリンジ及びニードル,アルギ
ン酸塩印象材を計量・練和するために必要な器具。
h) 水槽 試験する材料に応じて,次の2台の水槽を使用する。
1) 製造販売業者が指定する口くう(腔)内で寒天印象材を冷却する温度に調整した水槽。
2) タイプ3Aの寒天印象材及びアルギン酸塩印象材を口くう(腔)内で印象採得する温度35±2 ℃に
調整した水槽。
i) C−クランプ 挟み幅40 mm以上で,深さ30 mm以上のもの。
j) 消毒剤 製造販売業者が指定する消毒剤。
k) 顕微鏡又は拡大鏡 倍率が412倍で,低角度照明の付いたもの。
7.1.2 試験器具並びに附属品の確認及び調整
試験器具並びに附属品の確認及び調整は,次による。
a) 顕微鏡又は拡大鏡を用いて,テストブロック上のラインに汚れが付着していないことを確認する。
注記 重炭酸ナトリウムの濃厚水溶液を入れた超音波洗浄器は,印象用トレー及び試験附属品から
アルギン酸塩印象材による汚れを除去するのに有用である。
b) テストブロックは,試験体作製の温度に調整するために,少なくとも15分,35±2 ℃の恒温器内に保
持する。
7.1.3 試験体の作製
7.1.3.1 少なくとも3個の試験体を作製する。
7.1.3.2 試験体作製の準備
試験体作製の準備は,次による。
――――― [JIS T 6512 pdf 10] ―――――
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JIS T 6512:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 21563:2013(MOD)
JIS T 6512:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 6512:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JIST0993-1:2020
- 医療機器の生物学的評価―第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
- JIST6001:2012
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6001:2021
- 歯科用医療機器の生体適合性の評価
- JIST6600:2016
- 歯科用石こう(膏)