JIS T 9207:2021 車椅子用可搬形スロープ | ページ 2

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走行面 センターライン
側壁
縁ライン
上端部−上端接地面
縁ライン

側壁
運搬用ハンドル
下端部−下端接地部
a) 一体形スロープ
走行面
下端部−下端接地部

上端部−上端接地面
幅 外壁
内壁
運搬用ハンドル
b) レール形スロープ
図2−各部の名称

5 種類

  スロープの種類は,形状によって次のとおり区分する。
a) 一体形
b) レール形
注記 スロープには,単純な1枚板のスロープ,折り畳み機構を備えたスロープ,伸縮機構を備えたス
ロープなどがある。

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6 要求事項

6.1 リスク分析

  リスク分析は,JIS Z 8051,JIS T 14971などによる手法を用いて実施する。また,リスク分析の実施手
順及び結果は,製造業者によって文書化し,維持しなければならない。

6.2 人間工学的特性

  高齢者及び障害者の特性(例えば,高齢者が持ち上げることが可能な製品の質量など)を考慮して設計
する。
注記 JIS Z 8071の7.4(身体の能力及び特性)などが参考となる。

6.3 外観

  外観は,7.3によって試験したとき,次による。
a) 手指などが触れる部分には,傷害を与えるようなささくれ,とがり,ばりなどがあってはならない。
b) 外部に現れるボルト,ナットなどの先端は,著しく突出してはならない。
c) 表面にめっき,塗装などが施されているものは,素地の露出,がれ,さび及び著しいむらがあって
はならない。

6.4 構造

  構造は,7.3によって試験したとき,次による。
a) 仕上げは,良好で,使用上支障になる変形があってはならない。
b) 走行面は,少なくとも車椅子のタイヤが通過する部分及び介助者が歩く中央部分に滑り止め加工が施
されていなければならない。
例 滑り止め加工には,粒子を含んだ塗装,研磨紙の貼付け,プレス加工などによって表面に細か
な凹凸を付ける方法などがある。
c) 走行面は,容易に消えない方法で,センターライン又は縁ラインを表示していなければならない。た
だし,側壁がある場合には,表示しなくてもよい。
d) レール形スロープは,内外端とも側壁(内壁及び外壁)を設けなければならない。

6.5 寸法

  寸法は,次による。
a) 幅 幅の許容差は,取扱説明書に記載した寸法の±1 %とする。
b) 側壁 側壁は,内寸高さが20 mm以上とする。
c) 走行面の幅 走行面の幅は,側壁がない一体形スロープについては,690 mm以上とする。
寸法は,JIS B 7516に規定する金属製直尺などを用いて測定することが望ましい。

6.6 走行面の滑り止め性能

  走行面の滑り止め性能は,7.4によって試験したとき,乾燥状態の上端部方向(μdry·up)及び下端部方向
(μdry·down)並びに散水状態の上端部方向(μwet·up)及び下端部方向(μwet·down)の全てにおける動摩擦係数μ
が0.75以上とする。

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6.7 固定性能

  固定性能は,7.5によって試験したとき,次による。
a) 固定性能I(スロープ上でのブレーキを想定した性能) 固定性能Iは,いずれの設置角度においても
スロープを引く力が140 N以上とする。ただし,試験面の長さが150 mm未満のスロープには適用し
ない。
b) 固定性能II(スロープへの乗り込みを想定した性能) 固定性能IIは,いずれの設置角度においても
スロープのずれが上端及び下端のいずれも10 mm以下とする。

6.8 耐たわみ性能

  耐たわみ性能は,7.6によって試験したとき,次による。ただし,試験面の長さが150 mm未満のスロー
プには適用しない。
a) たわみ量 たわみ量は,3.5度以下とする。
b) 残留たわみ量 残留たわみ量は,1.5度以下とする。

6.9 耐久性能

  耐久性能は,7.7によって試験したとき,亀裂,破損,使用上支障のある変形などがあってはならない
(スロープの端部及び荷重点を含む。)。ただし,試験面の長さが150 mm未満のスロープには,適用しな
い。

6.10 耐荷重性能

  耐荷重性能は,7.8によって試験したとき,亀裂,破損,使用上支障のある変形などがあってはならない
(スロープの端部及び荷重点を含む。)。ただし,試験面の長さが150 mm未満のスロープには,適用しな
い。

6.11 運搬用ハンドルの性能

  スロープに運搬用のハンドルをもつものは,7.9によって試験したとき,亀裂,破損などがあってはなら
ない。

7 試験方法

7.1 試験条件

  試験は,JIS Z 8703に規定された温度(23±5) ℃,相対湿度(65±20) %で行う。

7.2 試料の準備及び試験順序

  試料の数は,1台とする。試験の順序は,7.37.8の順に行う。
組立の必要があるスロープは,組み立てて試験を行う。ただし,組み立て終わったスロープと支持台と
を固定するために用いるピン,固定用プレートなどは除く。
なお,7.4の試験を行う場合,試験面の長さが不足するとき,又はスロープの伸縮機構若しくは折り畳み
機構による段差が試験結果に影響するときは,段差のない直線状の走行面を準備して,試料とする。

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7.3 目視触覚試験

  目視,触覚などによって試験する。

7.4 走行面の滑り止め性能試験

7.4.1 試験装置
試験装置は,テストブロック,フォースゲージなどをワイヤで接続し,テストブロックを定速で引くこ
とができるもので,次の条件を満足しなければならない(図3参照)。
a) テストブロック テストブロックは,附属書Aによる。
b) 測定装置 摩擦力の測定装置は,測定の結果が2 %以下の総合精度で,かつ,1秒間に1回以上の測
定頻度で連続して記録できるもの。
なお,総合精度(a)は,測定装置の連鎖を考慮した精確さで,次の式によって算出する。
a an 2
ここで, a : 総合精度(%)
an : 各測定装置の精確さ(%)
例1 記録装置は,フォースゲージ又はロードセルを自動データ記録装置に接続したものなどがあ
る。
c) 定速引張装置 定速引張装置は,テストブロックを(20±2) mm/sの速度で引くことができるもの。
d) 散水装置 散水装置は,テストブロック及びテストブロックが移動する部分の走行面に,6 mm/min以
上の散水量で一様に散水できるもの。散水量は,直径200 mmの円筒形容器に散水し,1分間にたまっ
た水の高さによって確認する。
例2 散水装置は,シャワーヘッドなどがある。
注記 散水量の6 mm/minは,JIS C 60721-3-7に規定された分類(7K4)の降雨量である。
走行面 フォースゲージ
定速引張装置
テストブロック
図3−試験装置の例
7.4.2 スロープの設置方法
スロープは,走行面が水平になるように設置して,走行面のごみなどを乾燥した布,ブラシなどで除去
する。
7.4.3 乾燥状態の動摩擦係数の試験方法
試験は,テストブロックを走行面に置き,走行面と平行に(20±2) mm/sの速度で200 mm以上の距離を
引いて,最初の200 mm移動したときの動摩擦力を測り,JIS Z 8401の規則Bによって0.1 Nの単位に丸

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める。
試験は,上端部方向(μup)及び下端部方向(μdown)について,左右それぞれ3回行う。テストラバーは,
測定の都度,A.4の調整を行う。ただし,明らかに上端部方向と下端部方向との走行面の状態が同一の場
合は,一方向の試験だけとしてもよい。
7.4.4 散水状態の動摩擦係数の試験方法
試験は,走行面の測定箇所及びテストブロックを置く箇所に6 mm/min以上で散水し,走行面が十分に
ぬれた後,テストブロックを置き,散水しながら7.4.3によって動摩擦力を測る。
7.4.5 試験結果の表し方
動摩擦係数は,移動する区間の動摩擦力の平均の力(Fn)を求め,次の式によって小数点以下3桁まで
算出し,JIS Z 8401の規則Bによって小数点以下2桁に丸める。
動摩擦係数(μ)の表記は,次による。
− 乾燥状態の上端部方向の動摩擦係数をμdry·up
− 乾燥状態の下端部方向の動摩擦係数をμdry·down
− 散水状態の上端部方向の動摩擦係数をμwet·up
− 散水状態の下端部方向の動摩擦係数をμwet·down
Fn 1
g
3 m
ここで, μ : 動摩擦係数
Fn : 1回の測定による平均の力(N)
m : テストブロックの質量(kg)
g : 自由落下の加速度(9.81 m/s2)

7.5 固定性能試験

7.5.1 試験装置
試験装置は,次の条件を満足しなければならない。
a) 支持台 支持台は,スロープの上端部及び下端部を載せる面の材質が,JIS G 4305に規定された
SUS304,表面仕上げNo.2Bのステンレス鋼板とし,幅がスロープの幅以上あり,試験荷重に耐えるも
のとする。スロープの下面側になるステンレス鋼板のエッジには,半径が1 mm5 mm程度の丸みを
付ける。
なお,支持台の長さは,7.5.3の試験に用いる場合には,スロープの設置長さに30 mmを加えた長さ
以上とする。7.5.4の試験に用いる場合には,試験用車椅子の前後の車輪間の距離に100 mmを加えた
長さ以上とする。試験用車椅子が接地する面は,ステンレス鋼板でなくてもよいが,スロープの端部
が載るステンレス鋼板と段差が生じてはならない。
b) 加圧ジグ及び加圧パッド 加圧ジグは,加圧パッドを含む合計質量を(10±0.5) kgとし,各加圧パッド
に均等に荷重を負荷できる構造のものとし,次による。
なお,加圧パッドの走行面側は,滑り及びきずの防止のために3 mm以下のゴムなどを貼り付けて
もよい。
1) 試験面の長さが700 mm以上のときの加圧パッドの寸法 加圧パッドの寸法は,図4による。

――――― [JIS T 9207 pdf 10] ―――――

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