JIS T 9207:2021 車椅子用可搬形スロープ | ページ 4

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7.6 耐たわみ性能試験

7.6.1 試験装置
試験装置は,次の条件を満足しなければならない。
a) 支持台 支持台は,スロープの上端部及び下端部を載せる面の材質が,JIS G 4305に規定された
SUS304,表面仕上げNo.2Bのステンレス鋼板とし,長さがスロープの設置長さに10 mmを加えた長
さ以上,幅がスロープの幅以上あり,試験荷重に耐えるもの。スロープの下面側になるステンレス鋼
板のエッジには,半径が1 mm5 mm程度の丸みを付ける。
b) 加圧ジグ及び加圧パッド 加圧ジグは,加圧パッドを含む合計質量を(10±0.5) kgとし,各加圧パッド
に均等に荷重を負荷できる構造のもの。加圧パッドの走行面側は,滑り及びきずの防止のために3 mm
以下のゴムなどを貼り付けてもよい。
1) 試験面の長さが700 mm以上のときの加圧パッドの寸法及び加圧パッドの配置 加圧パッドの寸法
は,7.5.1 b) 1) による(図4参照)。加圧パッドの配置は,7.5.1 b) 3)による(図6参照)。
2) 試験面の長さが700 mm未満のときの加圧パッドの寸法及び加圧パッドの配置 加圧パッドの寸法
は,7.5.1 b) 2) による(図5参照)。加圧パッドの配置は,7.5.1 b) 4) による(図7参照)。
c) 荷重負荷装置 荷重負荷装置は,試験荷重を加圧ジグに負荷できるものとする。
例1 圧縮試験機,油圧シリンダ装置などがある。
d) 角度測定器 角度測定器の精確さは,±0.5度のもの。角度測定器の寸法は,スロープと接する面の測
定方向の長さが100 mm以内のものとする。
例2 角度測定器の例として,傾斜計(クリノメータ)がある。
7.6.2 スロープの設置方法
伸縮など寸法調整機能をもったスロープは,最長位で試験を行う。支持台の上にスロープの上端部及び
下端部を製造業者が指定する設置長さ(指定がない場合は,最長40 mm)で試験面が水平になるように角
度測定器で測定し,設置する。
7.6.3 耐たわみ性能試験方法
耐たわみ性能試験方法は,次による。
a) たわみ量の試験 試験は,一体形は300 kg又は製品に表示された最大耐質量のいずれか大きい質量か
ら加圧ジグの質量を減じた質量,レール形は200 kg又は製品に表示された最大耐質量のいずれか大き
い質量から加圧ジグの質量を減じた質量を荷重負荷装置によって加圧ジグに加え,1分間経過した後,
基準(加圧ジグを載せた状態)からの角度の増加をはかり,試験結果とする。測定箇所は,測定器が
加圧ジグと接することなく,角度の増加が最大となる箇所とする(図10参照)。負荷荷重値の許容差
は,試験荷重の±3 %とする。
なお,一体形において試験面の長さが700 mm未満の場合は,300 kgの代わりに200 kgとする。

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図10−たわみ量の試験
b) 残留たわみ量の試験 試験は,a) に引き続き,加圧ジグを残して荷重を除去し,1分間経過した後,
基準からの角度の増加をはかり,試験結果とする。測定箇所は,角度の増加が最大となる箇所とする。

7.7 耐久性能試験

7.7.1 試験装置
試験装置は,次の条件を満足しなければならない。
a) 支持台 支持台は,7.6.1 a) による。
b) 加圧ジグ及び加圧パッド 加圧ジグ及び加圧パッドは,7.6.1 b) による(図4図7参照)。
c) 荷重負荷装置 試験荷重を繰り返し加圧ジグに負荷できるもので,許容差を試験荷重の±3 %とする。
例 荷重負荷装置は,繰返し圧縮試験機,油圧シリンダ装置などがある。
7.7.2 スロープの設置方法
スロープの設置方法は,7.6.2による。
7.7.3 耐久性能試験方法
試験は,一体形は300 kg,レール形は200 kg又はそれぞれの製品に表示された最大耐質量のいずれか大
きい質量から,加圧ジグの質量を減じた質量に相当する荷重を,荷重負荷装置によって加圧ジグに加える
負荷及び除去を1回として1分間当たり1回60回の速度で11 000回繰り返す。試験の終了後,目視,触
覚などによってスロープに亀裂,破損,使用上支障のある変形などがないかを確認する。
なお,一体形において試験面の長さが700 mm未満の場合は,300 kgの代わりに200 kgとする。

7.8 耐荷重性能試験

7.8.1 試験装置
試験装置は,次の条件を満足しなければならない。
a) 支持台 支持台は,7.6.1 a) による。
b) 加圧ジグ及び加圧パッド 加圧ジグ及び加圧パッドは,7.6.1 b) による(図4図7参照)。
c) 荷重負荷装置 荷重負荷装置は,7.6.1 c) による。
7.8.2 スロープの設置方法
スロープの設置方法は,7.6.2による。

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7.8.3 耐荷重性能試験方法
試験は,一体形は300 kg,レール形は200 kg又はそれぞれの製品に表示する最大耐質量のいずれか大き
い質量に1.5を乗じた質量から,加圧ジグの質量を減じた質量に相当する荷重を荷重負荷装置によって加
圧ジグに加え,1分間経過した後荷重を除去し,目視,触覚などによってスロープに亀裂,破損,使用上
支障のある変形などがないか確認する。
なお,一体形において試験面の長さが700 mm未満の場合は,300 kgの代わりに200 kgとする。

7.9 運搬用ハンドルの性能試験

7.9.1 試験装置
試験装置は,次の条件を満足しなければならない。
a) 試験装置 試験装置は,支持台に固定したスロープを,本体質量の4倍以上の力でけん引することが
できるものとする。
b) フック 長さが50 mm±10 mm,幅はハンドルに完全に掛かる大きさとし,ハンドルと接触する箇所
は滑らかなものとする。ただし,フックがハンドルに入らないときは,ハンドルに入る最大の長さと
する(図11参照)。
7.9.2 運搬用ハンドルの性能試験方法
スロープを,通常運搬する姿勢で支持台などに固定し,スロープ本体質量の4倍以上に相当する力でハ
ンドルを1分間けん引し(図12参照),力を除去した後,目視,触覚などによって亀裂,破損などの異常
の有無を調べる。
二つ以上のハンドルが取り付けられている場合には,それぞれについて試験する。
力は,フックを使って,ハンドル長さ全体にわたって均等に加わるようにけん引し,5秒10秒かけて
試験する力に達するように徐々に加え,試験する力に達してから1分間維持し,その後除去する。
単位 mm
図11−フック

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単位 mm
図12−運搬用ハンドルの性能試験

8 検査方法

  スロープの検査は,形式検査1)及び受渡検査2)とに区分し,検査の項目はそれぞれ次のとおりとする。
なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。
a) 形式検査項目
1) 外観
2) 構造
3) 寸法
4) 走行面の滑り止め性能
5) 固定性能
6) 耐たわみ性能
7) 耐久性能
8) 耐荷重性能
9) 運搬用ハンドルの性能
b) 受渡検査項目
1) 外観
2) 寸法
注1) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査をいう。
注2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計·製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める特
性を満足するものであるかどうかを判定するための検査をいう。

9 表示

  この規格の全ての要求事項に適合した製品には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければな
らない。
a) 規格番号
b) 製造業者,輸入業者又は販売業者の名称又はその略号

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c) 製造年月日若しくは輸入年月日又はその略号
d) 最大耐質量(kg)
e) 適用段差高さ範囲(cm)

10 取扱説明書

  製品には,次の事項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。ただし,当該製品に該当しない
事項は,省略してもよい。
なお,一般消費者が確認可能な大きな字体で明示する。
a) 取扱説明書を必ず読み,読んだ後保管する。
b) 手動車椅子又は電動車椅子の移動用以外には使用しない。
c) 寸法及び質量
d) スロープの設置方法及び適用段差高さ範囲(cm)
e) レール形スロープは,電動車椅子使用時の注意(電動三輪車,介助者のスロープ上の通行は,不可と
するなど)
f) 折り畳み式スロープ及び伸縮式スロープなどは,その使用方法
g) 組立が必要なものについては,その組立方法
h) 使用上の注意
1) 使用前に各部を点検後,使用する。特に,砂,雪などの付着がある場合は,清掃する。設置部の摩
擦,滑り止めの摩耗などの異常があるときは,販売店などに申し出る。
2) 砂又は雪がある場所など滑りやすい場所では,使用しない。
3) 設置後に,ずれ及びがたつきがないことを確認する。
4) 折り畳み式スロープ,伸縮式スロープなどについては,指などの挟み込みに注意する。
5) 最大耐質量を超える場合は使用しない。
6) 用途以外(例えば,荷物の運搬など)には使用しない。
7) スロープには,ゆっくりと真っすぐに進入し,進入時にスロープがずれないことを確認する。
8) 下るときは,通常後輪から進入する。
9) スロープ上で急停止しない。
10) スロープ上で方向を変えない。
11) 屋外に長時間置くと砂が付着したり,太陽光によって高温になる場合があるので注意する。
12) 車椅子のハンドリムが側壁に当たる場合は,ハンドリムと側壁の接触に注意する。
i) 使用後及び保管上の注意
高温の場所は,ゴム,樹脂などが劣化しやすくなるので避ける。
j) 製造業者,輸入業者又は販売業者の,名称,住所及び電話番号

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