JIS T 9254:2015 在宅用電動介護用ベッド | ページ 7

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ささくれ,ばり,亀裂,色むらなどについては,目視などによって調べる。異音及びきしみについては,
聴覚によって確認する。

10 検査方法

  ベッドの検査は,製品検査1) と完成品検査2) とに区分し,次のa) 及びb) の検査を実施したとき,この
規格に適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の協定によってその一部を省略することができる。
注1) 製品の品質が,設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
2) 既に製品検査に適合した設計・製造による製品の出荷をする場合,必要と認める特性が満足す
るものであるかどうかを判定するための検査。
a) 製品検査項目
1) リスクマネジメントによる設計
2) 構造及び外観
3) 寸法・形状
4) 性能
5) 表示
6) 附属文書
b) 完成品検査項目
1) 外観
2) 表示

11 表示

11.1 表示の見やすさ

  ベッドの外側に表示する注意書き,説明書き,安全標識及び説明図は,関連する機能を操作する人が意
図する位置から明瞭に見えなければならない。

11.2 表示項目

  この規格の全ての要求事項に適合したベッドには,容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
a) 規格番号
b) 製造業者名又は商標,住所,型式番号又は参照番号,トレーサビリティを可能にする手段。
c) ユニットに分解可能な部分のうち,誤識別が受容できないリスクを生じる可能性がある場合(誤組し
たときに受容できないリスクを生じる場合)は,製造業者名又は商標,住所,安全動作荷重,型式番
号又は参照番号,トレーサビリティを可能にする手段。
d) 安全動作荷重,及び最大利用者体重(記号は図24参照)。
図24−最大利用者体重及び安全動作荷重の図形記号

――――― [JIS T 9254 pdf 31] ―――――

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e) ベッドの附属品及び着脱可能な部位(サイドレール,ベッド用グリップ,ヘッドボード,フットボー
ド)で20 kg以上あるものにISO 7000-1321によるマーク“ ”及び2人以上で運搬する旨の注意喚
起。
f) 適合するサイドレール,ベッド用グリップ及びマットレスの製造番号又は形式番号
なお,適合機種の種類が多いなどの理由で表示が困難な場合には,“取扱説明書に記載のサイドレー
ル,ベッド用グリップ及びマットレスを使用すること”などの注意喚起を表示する。
g) 支持及び/又は懸垂装置の幅が調節式の場合は,幅のレンジを表示しなければならない。
h) 附属品,ベッド用グリップ及びサイドレールは,それらの製造業者又は供給業者の名称若しくは商標,
及び形式名称。
i) 荷重を支えることを意図した附属品への過度な荷重負荷が受容し得ないリスクを発生させる場合は,
附属品に安全動作荷重を表示しなければならない。
j) IP保護等級
k) ヒューズホルダが接触可能部分である場合は,ヒューズの種類及び全ての定格(電圧,電流,動作速
度及び遮断容量)をヒューズホルダの近傍に表示する。
l) ボトムの動きを防止する機能をもつ場合は,その旨。
例 ボトムの動きによって利用者が傷害を受ける可能性がある場合は,動作禁止制御を遂行するこ
と。

12 附属文書

12.1 附属文書に関する要求項目

  附属文書に関する要求項目は,次による。
a) ベッドには,少なくとも取扱いを説明した附属文書を備える。附属文書は,取扱説明書及び技術解説
とし,取扱説明書はベッドの一部分とみなす。
なお,技術解説は取扱説明書に含めてもよい。
b) 附属文書を電子的に,例えば,CD-ROMなどの電子媒体で提供してもよい。附属文書を電子的に提供
する場合は,ハードコピーとしても提供する必要がある情報,又はベッド上の表示,例えば,緊急時
の操作のために提供する必要な情報についてリスクマネジメントで考慮する。
c) 附属文書は,意図する操作者又は責任部門に要求する特殊機能,訓練及び知識,並びにベッドを使用
する場所又は環境に対する制限がある場合は,それを記載する。

12.2 取扱説明書

  取扱説明書は,次を含める。
a) 取扱説明書を必ず読む旨及び読んだ後の保管要領
b) 各部の名称(図で示す。)
c) 製造業者,輸入業者又は販売業者の名称,住所及び電話番号
d) 一般事項
− 製造業者が意図するベッドの用途,使用する場所及び環境に対する制限事項
− 頻繁に用いる機能
− ベッドの使用に対する既知の禁止事項
− 安全標識及び記号(ベッド上に表示したもの)の説明
− 取扱説明書は,意図する操作者に受け入れられる言語とする。

――――― [JIS T 9254 pdf 32] ―――――

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e) 最大利用者体重及び安全動作荷重
なお,安全動作荷重は,次の質量の総和である。
− 利用者
− マットレス
− ベッドの附属品(ベッドの支持機構によって支持されている場合に限る。)
− 附属品によって支持される荷重(利用者体重を除く。)
f) あらゆるベッド機能が,それが動いているとき受容できないリスクが生じる場合には,その停止手段
の説明
g) 警告及び安全上の注意
注記 一般的な警告及び安全上の注意は,取扱説明書の中の特に識別したセクションに記載するの
がよい。特定の操作又は対処だけに該当する警告又は安全上の注意は,操作説明よりも前に
記載することが望ましい。
1) 利用者に付添い人がいない場合は,落下による傷害のリスクを軽減するためにベッドを最低位置に
しておくことが好ましい,という警告。
2) 電源供給コードの不適切な扱い(例 ねじれ,せん断,他の機械的損傷)によって起こるハザード
に対する警告。
3) ベッドの中に他の機器のケーブルを通す場合,ベッドの部品間でそれらを圧迫することのないよう
予防策をとる旨の警告。
4) リフト(ホイスト)を使う場合の対応及び注意事項
h) マットレスの選択に関する,寸法及び性質を含めた情報
i) 適合するサイドレール及びベッド用グリップの選択に関する寸法及び性質を含めた情報
j) ベッドの質量。組立式ベッドの場合,ユニットに分解可能な部分の質量(kg)
k) 操作説明
1) ベッドを安全に操作できるよう,手元スイッチなどの詳細でかつ正確な使用方法及び取扱方法
2) 緊急ポジション及びその取扱方法
l) 発生するシステムメッセージ,エラーメッセージ及び故障メッセージの一覧
m) 清掃及び消毒方法
n) 保守方法 ベッドの継続的な安全な使用を確保するために必要な日常的保守の安全な実施についての
情報を提供する。
o) 緊急停止装置は,適切な使用方法。

12.3 技術解説

  技術解説には,次の事項を記載する。
a) 9.9による騒音の測定結果
b) 保守方法
− サービス要員が予防的検査及び保守を行う部分を特定する。これには適用する期間を含むが,その
ような保守の実施要領の詳細を必ずしも含める必要はない。
c) 清掃及び消毒方法
− 使用してもよい清掃又は消毒の方法についての詳細

――――― [JIS T 9254 pdf 33] ―――――

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附属書A
(参考)
個別指針及び根拠
A.1 一般
A.1.1 初めに
この附属書は,規格の内容を説明するものであり,原則としてIEC 60601-2-52の附属書AAを翻訳した
ものであるが,この規格で変更した部分については,JISの内容に沿った修正を加えた。
A.1.2 一般指針
1996年に,IECは病院用電動ベッドに関する個別要求の第1版,IEC 60601-2-38を発行した。この出版
は,病院用ベッドに特有なハザードを明示する世界的な標準として,市場からの要望に応える形で行われ
た。製造業者のリスクアセスメントと併せ,この国際規格は業界では安全に関する基本的なベンチマーク
として考えられるようになった。
1999年に発行されたIEC 60601-2-38の追補は,再び製造業者のリスクアセスメントと両方を用いること
で,サイドレールによる利用者の挟まれのリスクを軽減する必要性を認めた。これは本個別要求を改善し
たものであるが,まだ病院用電動ベッドに焦点が置かれ,その他の医療環境下での病院用手動ベッド及び
製品のことは未考慮であった。
2000年に,障害者の身体障害を緩和するために使うベッドを扱うEN 1970(障害者のための調節式ベッ
ド−要求事項及び試験方法)が発行された。このEN規格は,IEC 60601-2-38,後はIEC 60601-2-38の追
補と連結して広い適用範囲を提示しており,二つの規格を合体し公の国際規格として提示する好機である。
統合作業を始めるに当たって,IECは基本的安全性と基本性能上の方針を調整し,これらをIEC 60601-1
第3版に統合した。そのため,病院用ベッド国際規格は第3版に合わせた構成にする必要があった。病院
用ベッド国際規格は新しい番号IEC 60601-2-52となり,第3版との整合作業が始まった。
そのため,IEC 60601-2-52は再構成し,IEC 60601-2-52と,IEC 60601-2-38・EN 1970・IEC 60601-1第
3版との間の適用範囲の調整を実現したものである。IEC 60601-2-52は,利用者の病気及び障害者の障害
を緩和するために使用されるベッドの基本的安全性及び基本性能に対する現在の見解を表している。これ
は,IECとISOとの共同作業部会の成果である。
A.2 個別の箇条及び細分箇条の根拠
次に,この規格の特定の箇条及び細分箇条の根拠を示す。A.2に続く箇条及び細分箇条番号は,本体に
準じる。
A.2.1 適用範囲
ワーキンググループは,“大人”と“子供”の定義は国によって変わる身体的特性であることを認識して
いる。利用者及び操作者に対して最高レベルの安全性が達成されるならば,介護者は,個々人の身体的・
生理的・医療的ニーズだけでなく,利用者のし(嗜)好性も考慮した上で,各々の機器に対して,子供の
ニーズと大人のニーズとは違うというプロフェッショナルな判断に頼らなければならない。この規格の寸
法要求は,146 cmの女性から185 cmの男性までの利用者の人体計測データを元にしている。この範囲の
外にいる利用者への使用を意図したベッドの場合,この規格の寸法特性は調整されるべきである。

――――― [JIS T 9254 pdf 34] ―――――

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A.2.3 用語及び定義
A.2.3.15 トラッピングゾーン
挟まれという用語は,利用者がサイドレール,マットレス,ベッドフレームなどの空間に捉えられたり,
挟み込まれたり,巻き込まれたりする事象を意味する。
A.2.6 構造及び外観
A.2.6.2.1.2 意図しない動き
この規格では,動作禁止制御の概念を取り込んでいる。動作禁止制御は,様々な利用者のニーズを満足
する一つの手段として提供されている。ある利用者は,非常に高い利便性のある制御を求め,意図しない
動きもまれなのでリスクにさらされる可能性も低い。また,ある利用者は,仮に制御時の人間工学的配慮
を完全に犠牲にしてでも,可能性のある意図しない動きに対して通常以上の保護を要求する。動作禁止制
御を操作者のオプションとして用意することで,両方のニーズを満たすことができる。
動作禁止制御が実行されている場合,構成部品の故障による意図しない動作の確率は顕著に減少する。
ベッドの機械的ハザードの傷害を引き起こすには,幾つかの要因が同時に存在している場合であるため,
これらのうちの幾つかをなくすことによってリスクもなくなる。このハザードによるリスクは,ケア環境
によって変わる。集中ケア及び外来では,利用者は一般的にほぼ連続的な監視下にあり,利用者の特性又
はベッドの設計によるリスクは最小限となる。一方,長期ケアでは,ベッドの設計に保護が盛り込まれて
いなければ,間欠的な介護者の監視,居住者の身体能力及び/又はベッドの利用者の精神状態のためにリ
スクが比較的高くなる。
A.2.7 形状・寸法
箇条7の一般的な根拠 : リスク対有効度,又はリスク対リスクのトレードオフをベースとして受け入れ
られている認知されたリスクが存在する。特殊マットレスは,その臨床効果がその使用によるリスクより
も大きいため,また,その臨床効果を低下させることなく試験要求に合致することはできないため,試験
対象から外した。しかし,この規格では,リスクアセスメントを行うことを要求している。
要求は,他に示さなければマットレス支持台はフラット位置でだけ適用される。その理由は,ベッドが
あらゆる調節形態を可能にすることによって,様々な臨床効果が存在するためである。この要求がフラッ
ト以外の位置にまで適用された場合には,ベッド,特に最も技術的に進んで臨床効果の高いベッドの機能
が保たれるかは不明である。製造業者は,これに関係するリスクを理解し,分析によってこのリスクを最
小限にし,ベッドの臨床有効性を維持しつつこのリスクを緩和する斬新なアプローチをする努力をするこ
とが望ましい。
寸法要求は基本的なものであるが,全てのベッド用途に関連するものではなく,リスクを緩和すること
なく意図された使用を妨害することもあり得る。製造業者は,リスクアナリシスの中で特殊ベッド又は特
殊マットレスについてもその展開を正当に行う責任がある。
A.2.7.2.1 利用者の非可動部への挟まれに対する保護
図3,図4及び表3に示された寸法要求は,ベッドシステム内部又は周りの隙間を制限し,体の一部が
入れない,若しくは簡単に素通りできるようにするために設けられたものである。各々の要求は,一般的
に得られる人体計測データが元になっている。挟まれに最も弱い利用者は,認識障害のある方か,体動の
コントロールに問題がある方である。これらの利用者の多くは,虚弱,高齢又は混乱しやすい。マットレ
ス支持台がどの角度で,サイドレールがどの位置の場合に挟まれが生じるのかを示す有害事象報告は,ほ
とんどない。そのため,この規格では,製造業者がリスクアセスメントを通してベッドがフラットの位置,
角度のついた位置,サイドレールを最高に上げた位置及び中間位置で評価をすることを推奨している。

――――― [JIS T 9254 pdf 35] ―――――

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JIS T 9254:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-52:2009(MOD)

JIS T 9254:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9254:2015の関連規格と引用規格一覧