JIS T 9275:2015 福祉用具―体位変換用具 | ページ 4

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b) 1分間に10 cm±2 cmの速度で100 Nの力が加わるまで圧縮する。ただし,加圧子の中心が試料から
はみ出るときは,はみ出ない位置まで試料を移動してもよい。
c) 移動量及び力を1回/秒以上の頻度で連続的に記録する。
d) 負荷する力が急激に大きくならないことを確認する。
なお,急激に大きくなるとは,変化の勾配が30 N/mm以上のことをいう。

8 検査方法

  体位変換用具の検査は,形式検査1)と受渡検査2)とに区分し,検査の項目は,それぞれ次のとおりとす
る。
なお,受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協議によって定める。
注1) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。
2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しに際して,必要と認める特
性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。
a) 形式検査項目 形式検査項目は,次の項目を箇条7及び目視によって試験したとき,5.25.5,箇条9
及び箇条10の規定に適合したものを合格とする。
1) 材料
2) 外観
3) 構造
4) 性能
5) 表示及び取扱説明書
b) 受渡検査項目 受渡検査項目は,次の項目を目視によって試験したとき,5.3,箇条9及び箇条10の
規定に適合したものを合格とする。
1) 外観
2) 表示及び取扱説明書

9 表示

9.1 共通表示項目

  この規格の全ての要求事項に適合した体位変換用具には,容易に消えない方法で見やすい箇所に次の事
項を表示する。
a) 製品の名称,規格番号及び種類
b) 洗濯の可否。洗濯可能とする場合で,試料の調製をJIS L 0217の3.(試験方法)に規定する方法によ
って行った場合は,JIS L 0217の表1表4の記号を表示してもよい。
c) 難燃性を表明する場合は,試験方法名,規格番号,及び区分がある場合は区分。
d) 製造業者名又はその略号

9.2 体位変換用シートの表示事項

  体位変換用シートには,更に次の事項を表示する。
a) 引っ張って使用できないものは,引っ張ることを禁止する旨。
b) 材質
c) 滑りやすさの区分記号。シート形では,体位変換用シートと被介助者との間で滑らせるとき及び体位
変換用シート間で滑らせるときの結果を区別して表示する。

――――― [JIS T 9275 pdf 16] ―――――

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例 体位変換用シートと被介助者との間の滑りやすさ : B
体位変換用シート間の滑りやすさ : A

9.3 体位変換用クッションの表示事項

  体位変換用クッションには,更に次の事項を表示する。
a) 自由成形形及び形状固定形にあっては,クッション材及びカバーの材質。空気圧形にあっては,エア
バッグの材質。
b) 体位の保持を目的としないクッションには,体位の保持を目的としない旨。

10 取扱説明書

10.1 共通記載事項

  体位変換用具には,少なくとも次の事項を記載した取扱説明書を添付する。
a) 製品の名称及び規格番号
b) 使用方法
c) 使用上の注意(蒸れ,ベッドからの転落,踏んだときの転倒,底着き,敷いたままでの使用など)
d) 消毒の可否。消毒可能とする場合,その方法。
e) 洗濯の可否。洗濯可能とする場合,その方法(漂白剤,柔軟剤,乾燥方法を含む。)。
f) 製造業者名又はその略号及び連絡先
g) 保管方法
h) 使用者体重(ただし,体重制限があるものに限る。)
i) 製品質量

10.2 体位変換用シートの取扱説明書記載事項

  体位変換用シートの取扱説明書には,更に次の事項を記載する。
a) 材質
b) 滑り面の寸法(シートの縦方向,シートの横方向),必要な場合滑り面以外の部分を含めた最大寸法
c) 滑りやすさの区分記号及びその説明
注記 シート形では,体位変換用シートと被介助者との間で滑らせるとき及び体位変換用シート間
で滑らせるときの結果を区別して表示する。
区分記号 区分記号の説明の表示例
A 標準シートの滑りやすさより約4倍以上滑りやすい
B 標準シートの滑りやすさより約2倍以上滑りやすい
C 標準シートの滑りやすさより約4/3倍以上滑りやすい
例 シートを折り畳んで使う場合の滑りやすさは区分B,シートを折り畳まずに使う場合の滑りや
すさは区分Cである。
なお,区分Bはこの規格によって測定した滑りやすさが標準的なシーツより約2倍以上滑り
やすいものであり,区分Cは標準的なシーツより約4/3倍以上滑りやすいものである。

10.3 体位変換用クッションの取扱説明書記載事項

  体位変換用クッションの取扱説明書には,更に次の事項を記載する。
a) 自由成形形及び形状固定形にあっては,クッション材及びカバーの材質。空気圧形にあっては,エア

――――― [JIS T 9275 pdf 17] ―――――

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バッグの材質。
b) 寸法
c) 体位の保持を目的としないクッションには,長時間装着したままにしない旨の注意。

――――― [JIS T 9275 pdf 18] ―――――

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附属書A
(参考)
設計における配慮事項
A.1 福祉用具に関連して起こる可能性があるハザードの例及び関連する要因の例
福祉用具に関連して起こる可能性があるハザードの例及びそれらに関連する要因の例を示す。ただし,
全てを網羅しているわけではなく,ハザード及び要因を特定する手助けとなる。
a) 接触アレルギー誘発性などに関する危険性
例 材質に関してアレルギー誘発の可能性がある素材など適切な表示がされているか。
b) 他の機器と併用される場合の不適合性
例 ベッドサイドレールと組み合わせる場合に問題はないか。
c) 廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染
例 燃やすごみとする場合に有毒な物質を排出しないか。
d) 不適切な操作説明,例えば,
1) 複雑すぎる操作説明
2) 使いにくい,まとまりのない取扱説明書
例 専門用語を不必要に使っていないか。
e) 合理的に予見できる誤使用
例 浴室などの水回りでの使用,車椅子用クッションとしての使用,体を持ち上げるシートとして
の使用など。
f) 製品の寿命に関する適切な情報提供
例 充材の硬さが経時的に変化するなど。
g) 使用者の身体状況に適合させるための改造による危険性
例 クッションを切って使用する場合,タオルを巻いて使用するなど。
A.2 多様な使用者に対する人間工学的な要因による検討項目の例
高齢者,障害者などの身体機能の低下によって多様なニーズをもつ使用者に対する人間工学的検討項目
の例を示す。ただし,全てを網羅しているわけではなく,項目を特定する手助けとなる。
注記 JIS Z 8071の9.(心身の機能と障害の影響に関する詳細)などが参考となる。
a) 動作能力の低下,筋力の低下及び体力の低下による意図しない動き
b) 機器の操作力の低下による意図しない動き
c) 知的能力の低下及び短期記憶能力の低下した利用者による使用
d) 平衡を保ち転倒を避ける能力の低下した利用者による使用
e) 色知覚能力の低下,視力の低下,聴覚機能の低下,触覚感度の低下などによる不十分な情報取得

――――― [JIS T 9275 pdf 19] ―――――

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附属書B
(規定)
最大引張荷重の決め方
体位変換用シートの滑りやすさ試験において,摩擦力は,摩擦力測定システムによって波形として記録
される。体位変換用シートの摩擦力は,体位変換用シートの材質,構成などによって様々な特徴を示す。
この試験で測定される波形の例を,図B.1に示す。
各波形における,記録すべき最大引張荷重を丸印(○)で示す。
X 時間(秒)
Y 引張荷重(N)
図B.1−波形の例
測定において最大引張荷重は,頂点(複数ある場合は,最初の頂点)又は30秒以内に頂点が現れない場
合は,記録開始から30秒後の値とする。
参考文献
[1] ISO 105-F02,Textiles−Tests for colour fastness−Part F02: Specification for cotton and viscose adjacent
fabrics
[2] ISO 139:2005,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing
[3] ISO 8295,Plastics−Film and sheeting−Determination of the coefficients of friction
[4] BS 3424,Testing coated fabrics Part 10. Methods 12A and 12B. Determination of surface drag

JIS T 9275:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9275:2015の関連規格と引用規格一覧