JIS X 0522-1:2005 バーコードスキャナ及び復号器の性能試験方法―第1部:1次元シンボル | ページ 2

4
X 0522-1 : 2005 (ISO/IEC 15423-1 : 2001)
図 3 制限された読取領域の例 (MNOP)
3.12 読取率 (read rate) 特定のシンボルを100回読取試行したときの,読取りに成功した回数。百分率で
表す。
3.13 分解能 (resolution) 試験対象となる機器で読取り可能な最小エレメント幅。
3.14 走査 (scan)
名詞 : シンボル若しくはその一部を横切る1本の走査ビーム,又は画像読取装置で取り込まれる1画像。
動詞 : シンボル若しくはその一部を走査ビームで横切ること,又は画像読取装置で1画像を取り込むこと。
3.15 走査試行 (scan attempt) シンボルに対しスキャナが単一方向に走査する(又はその反対方向に走査
する。),又はトリガ若しくはアプリケーションによって2秒以内に1回動作させること。
3.16 走査率 (scanning rate) バーコードシンボルを1秒間に走査する回数。1秒当たりの走査回数又は走
査線数でも表す。
3.17 走査速度 (scanning speed) 1軸読取範囲図をもつスキャナにおいて,スキャナの読取部がバーコー
ドシンボルを通過するときの速度。

4. 記号及び略語

 CCDとは,電荷結合素子(Charge Coupled Device)の略号。

5. スキャナの分類

 この規格では,当該の読取装置及び設備を適切な試験をする目的で,適用可能な読
取範囲図に基づいてスキャナを三つのカテゴリに分類する。各種スキャナの例を,附属書Bに示す。各カ
テゴリを更に細分して,シンボルが読取領域に入る前に既に読取動作が始まっている“連続動作式”スキ
ャナと,読取動作が開始されるときにシンボルが既に読取領域にある“トリガ式”スキャナとに分類する
こともできる。

5.1 1軸読取範囲図をもつスキャナ

 z軸に沿って,スキャナの読取窓から最大読取距離まで,1本の線
として伸びる読取範囲図をもつスキャナをいう。したがって,その読取動作は,スキャナ又はシンボルの
どちらかをバー方向に対して垂直に移動させる必要がある。
この種類のスキャナの読取範囲図は,スキャナの読取窓から外側に伸びる1本の線で表すことができる

――――― [JIS X 0522-1 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
X 0522-1 : 2005 (ISO/IEC 15423-1 : 2001)
(附属書Bの図B.1参照)。

5.2 2軸読取範囲図をもつスキャナ

 z軸に沿って,スキャナの読取窓から最大読取距離まで広がり,か
つ,x軸方向に垂直に両側に広がる単一平面で示される読取範囲図をもつスキャナをいう。その読取動作
は,バーに対して垂直方向にシンボルを横切るように走査ビームを走査すること,又は感光アレイの各エ
レメントに結像されたバーコードシンボルの画像を順に電子的に取り出すことをいう。
この種類のスキャナの読取範囲図は,2次元形式で表すことができる(附属書Bの図B.2参照)。

5.3 3軸読取範囲図をもつスキャナ

 z軸に沿って,スキャナの読取窓から最大読取距離までの範囲にあ
って,x軸とy軸とに広がる読取範囲図をもつスキャナをいう。その読取動作は,バーに対して垂直方向
に連続した平行走査でシンボルを横切るように,角度の異なる読取ラインパターンでビームを走査するこ
と,又はエリアアレイの各感光エレメントに結像したバーコードシンボルの画像を順に電子的に取り出す
ことをいう。
この種類のスキャナの読取範囲図は,3次元形式で表すことができる(附属書Bの図B.3参照)。

6. 試験要件

6.1 試験方法

 製造業者が行う試験の手順は,必要に応じて,JIS Q 9001の要件に従うのが望ましい。
試験は,可能な限り,スキャナと復号器との両方を備えた完全な読取システムについて行うのが望まし
い。
スキャナ又は復号器の性能を個々に報告しなければならない場合には,それを代表する1台以上のスキ
ャナ又は復号器をそれぞれ接続して本体を試験し,当該の走査性能又は復号化性能に関するパラメタにつ
いてだけを報告する。使用したスキャナ及び復号器については,試験結果とともに報告する。
スキャナ又は復号器の単独での性能試験は,6.5.4.1又は6.5.4.2に規定する装置を使って製造業者が行っ
てもよい。ただし,場合によっては,結果がスキャナと復号器との両方を備えた完全な読取システムの試
験結果と一致しないこともある。

6.2 試験装置の選択

 試験は,製造業者の抜取方式によって,ある生産ロットで作られた少なくとも1
台以上の装置について実施する。
備考 選択した装置が,当該のモデル形式を代表するかどうかの判断は,製造業者に一任する。抜取
検査方法は,JIS Z 9015-1による。

6.3 試験条件

6.3.1  試験環境 試験は製造業者が指定する環境条件(電源,温度,相対湿度,外乱光条件など)で実施
し,その試験条件を試験報告書に明記する。
使用するテストチャートは,規定の温度条件及び湿度条件の下に適切な時間放置し,試験時の寸法の安
定性を確保しなければならない。
6.3.2 機器構成 次に示す試験対象となる被試験装置の設置に関する情報を記録する。
− スキャナ及び復号器の種類,形式などを含む測定器の構成
− インタフェースの種類などの物理的条件
− スキャナからの出力,スキャナから復号器に送られる出力などの論理的条件
例えば,アナログ波形,ディジタル出力など(この場合,読取装置全体としてではなく,スキャナ
又は復号器を個別に試験する。)

――――― [JIS X 0522-1 pdf 7] ―――――

6
X 0522-1 : 2005 (ISO/IEC 15423-1 : 2001)

6.4 テストチャート

 テストチャートはJIS X 0520によって測定し,JIS X 0521-1の検証器を用いて全
体で3.5以上のシンボルグレードでなければならない。ただし,テストチャートNo.2については,シンボ
ルコントラスト,エッジコントラスト及び変位幅のグレードを考慮せず,全体のグレードを,それ以外の
パラメタに基づいて算出しなければならない。
測定開口は,JIS X 0520の表1に基づく。テストシンボルの復号容易度を0.80以上の値とするとともに,
Z寸法を測って,それが当該のテストチャートに規定する許容値以内に収まるようにする。シンボルは,
JIS X 0503(コード39)又はJIS X 0504(コード128)によるが,これらのシンボル体系を処理できない
装置を試験する場合には,それに相当する別の適切なシンボル体系のテストシンボルを使用してもよい。
製造業者は,この規定範囲を超えて,シンボルパラメタ値(X寸法など)を拡張することもできる。
試験するスキャナと同じ波長の光源を使って測定する場合は,テストチャートの反射率及びシンボルコ
ントラストを次の仕様にしなければならない。測定するクワイエットゾーンは,シンボル体系仕様(許容
値は+1Z,−0Z)で定める最小幅とし,各クワイエットゾーン外側の境界線を垂直バーで示す。このバーは,
少なくとも10Zの幅をもち,その最大反射率は“[Rmin + max (RD) ] / 2”を超えてはならない。この場合,Rmin
とRDとは,JIS X 0520の定義による。テストチャートには,試験に用いる画像及びシンボルの領域で常に
一貫した画像特性を保つことのできる,寸法の安定した材質を用いるのが望ましい。
参考 Kodak Kodagraph Continuous Tone White Film (CTW7)は,透き通しの影響を最小限に抑えるため
に,背面を黒色不透明にしたとき,適切な材料の一つとなる。
この用途に合わせて材質を選択する場合,次の事項を考慮する。
− 寸法安定性に優れている。
− 基材の不透明性が高い(透き通しが最小限に抑えられる。)。
− 基材の表面反射率が均等である。
− 画像の反射率が均等である。
− 画像が明りょう(瞭)である(エッジの鮮明度又は明りょう度)。
− 表面仕上げ[つや(艶)消しされたきめ細かな表面]。
− 広域な画像反射率を実現する(連続した色調)。
参考 Z寸法は,特定のシンボル体系における実測した最小エレメント寸法又はモジュール寸法を示
す。

――――― [JIS X 0522-1 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
X 0522-1 : 2005 (ISO/IEC 15423-1 : 2001)
テストチャートNo.1 分解能,走査速度,読取範囲図,読取角度
このチャートは,各シンボル体系別に,X寸法のそれぞれの値でシンボル幅の1.5倍のY寸法をもった
二つのシンボルで構成する。
表 1 テストチャートNo.1のパラメタ
パラメタ 値
シンボル体系 コード39及びコード128
X寸法 0.10 mm0.50 mmで0.05 mmの間隔
間隔許容値 ±0.01 mm。すなわち,Zの最大値は“X + 0.01 mm”,Zの最小値は“X −0.01 mm”
エレメント幅許容値 ±0.05 Z
平均バー幅許容値 ±0.02 Z
Y寸法 シンボル幅の1.5倍(クワイエットゾーンを除く。)
太細比 コード39などの2値幅シンボル体系については3:1
Rmax 85 %±5 %
Rmin 3 %±3 %
シンボルキャラクタ構成 スタートコード及びストップコードを含む6個のシンボルキャラクタ
備考 Rmax及びRmimは,JIS X 0520に基づく。
テストチャートNo.2 シンボルコントラスト
このグループに属するチャートは,各シンボル体系別に2組のシンボルセットで構成する。表2に示す
とおり,それぞれが二つのX寸法をもち,各X寸法について9通りのシンボルコントラスト公称値をもつ。
シンボルコントラストに対する許容値の範囲は±4 %にする。それによって,個々の明及び暗の反射率許
容値の組合せによる影響を抑えることができる。シンボルコントラスト値Rmax及びRminは,660 nmをピー
クとする波長の光源で測定し,それをテストチャートに明記する。テストチャートには,同じ口径で633 nm
及び900 nmで測ったときのシンボルコントラスト値についても示す。測定時の幾何学的配置については,
JIS X 0520と同様にしなければならない。
表 2 テストチャートNo.2のパラメタ
パラメタ 値
シンボル体系 コード39及びコード128
X寸法 0.20 mm及び0.40 mm
エレメント幅許容値 ±0.05 Z
平均バー幅許容値 ±0.02 Z
Y寸法 20 mm
太細比 コード39などの2値幅シンボル体系については3:1
シンボルコントラスト 表3による。
シンボルコントラスト許容範囲 ±4 %
Rmax 及び Rmin 表3による。
Rmax 及び Rmin の許容範囲 ±4 %。ただし,シンボルコントラスト許容値を超えてはならない。
シンボルキャラクタ構成 スタートコード及びストップコードを含む6個のシンボルキャラクタ

――――― [JIS X 0522-1 pdf 9] ―――――

8
X 0522-1 : 2005 (ISO/IEC 15423-1 : 2001)
表 3 シンボルコントラスト
公称シンボル Rmax Rmin JIS X 0520
コントラスト シンボルコントラストグレード
47 % 80 % 33 % 2
30 % 80 % 50 % 1
25 % 80 % 55 % 1
20 % 80 % 60 % 1
47 % 57 % 10 % 2
25 % 35 % 10 % 1
20 % 30 % 10 % 1
15 % 25 % 10 % 0
10 % 20 % 10 % 0

6.5 試験装置

 測定には,正確,かつ,適切な分解能の試験装置を使い,その分解能を記録しなければ
ならない。
6.5.1 1軸読取範囲図をもつスキャナの試験装置
a) スキャナの物理構造に適した,直径60 mm(又はそれ以上)の回転ドラム,又は線形動作に対応可能
な支持物。これに対して,試験するテストシンボル又はスキャナを,シンボルのバー高さ方向が回転
方向又は動作方向に対して垂直になるように配置する。さらに,スキャナに対するシンボルの速度を
測定する手段も必要となる。
b) 走査ビームが確実にシンボルを横切るようにするスキャナ,テストシンボルを支持する手段,及び走
査ビームとシンボルとの交点でシンボル面に対して接線方向をなす平面について,走査ビームのスキ
ュー角だけでなく,スキャナ面からシンボル間の距離を変えたりして測定する手段。
6.5.2 2軸読取範囲図をもつスキャナの試験装置 スキャナの走査ビームを含む面の2軸間で動作する支
持物。これに対して,試験するシンボルを,面の中央軸に垂直で,バー高さ方向が面に垂直,かつ,バー
を横切る方向に固定する。さらに,スキャナ面に対するシンボルの位置及び角度を2次元的に測定する手
段も必要となる。
6.5.3 3軸読取範囲図をもつスキャナの試験装置 6.5.2で規定する装置と同類であるが,3軸方向の動き
に対応可能な装置。さらに,スキャナ面に対するシンボルの位置及び角度を3次元的に測定する手段も必
要となる。
6.5.4 補足的な試験装置
6.5.4.1 復号器から切り離してスキャナを試験する試験装置 スキャナを復号器から切り離して試験す
るには,スキャナからのディジタル信号を表示するオシロスコープ及び適切な時間単位で信号のパルス幅
を個々に記録及び解析する手段が必要である。
6.5.4.2 スキャナから切り離して復号器を試験する試験装置 復号器をスキャナから切り離して試験す
るには,信号生成器が必要である。信号生成器からの出力は,正しく符号化された1次元シンボルのバー
及びスペースパターンをエミュレートしたものでなければならない。エミュレーションは,試験するシン
ボル体系仕様に適合しなければならない。パルス列で表されるデータは,シンボル体系の全キャラクタセ
ットをカバーし,シンボル体系の任意選択特性を処理できる復号器の試験ができることが望ましい。パル
ス列の電気特性は,製造業者が定める復号器のインタフェース要件に適合していなければならない。また,
復号器によって出力されるデータを確認するための補助装置も必要となる。

――――― [JIS X 0522-1 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS X 0522-1:2005の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 15423-1:2001(IDT)

JIS X 0522-1:2005の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 0522-1:2005の関連規格と引用規格一覧