39
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
るかどうかを調べてもよい。
B.2.1.3.3 指標の定義
特定期間において利用されなかった物理的な資料の,所蔵数中の百分率(小数点以下は,四捨五入する。)。
この指標において,“利用された”資料とは,特定期間内に貸出記録がある資料又は図書館内で利用され
た記録がある資料をいう。館内利用は,図書館が利用を継続的に記録している場合だけ含める。
測定に用いる期間は,指標の使用者が決める。その期間は,図書館の使命及び方針を反映するように決
めることが望ましい。一般的に,適切な最短期間は,1年間である。
B.2.1.3.4 方法
B.2.1.3.4.1
図書館の所蔵資料から無作為標本を抽出する。それぞれの資料に対して,特定期間に貸出されたかどう
か,又は館内で利用された記録があるかどうかを調べ,記録する。
利用されない資料の所蔵率(IPSNU1)は,次の式による。
IPSNU1=(C−A−B)/C×100
ここに, A : 標本中の貸出された資料数
B : 標本中の館内利用は記録されているが貸出はされていない
資料数
C : 標本の資料総数
小数点以下は,四捨五入する。
B.2.1.3.4.2
コンピュータによる貸出システムの記録を用いて,特定期間に貸出された資料数を数える。
利用されない資料の所蔵率(IPSNU2)は,次の式による。
IPSNU2=(B−A)/B×100
ここに, A : 貸出された資料数
B : 貸出用所蔵資料の総数
小数点以下は,四捨五入する。
後者の方法は,貸出された資料だけ対象とし,館内利用された資料をデータに含まないため,実際の比
率よりも過大に推定する可能性がある。
B.2.1.3.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,0100の整数とする。この指標は,無作為に抽出された所蔵資料が特定期間に利用されな
い確率を推定したものである。数値が高いほど,利用率が低いことを意味する。
この指標は,次に示す幾つかの要因に影響される。
− 図書館の使命(例 図書館が資料保存の使命をもっているかどうか)
− 図書館の利用促進活動
− 収集・除籍に関する図書館の方針及び実務
B.2.1.3.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
− [15] pp. 36-39
− [25] pp. 132-136
B.2.1.3.7 関連指標
蔵書回転率(B.2.1.1)を参照。
――――― [JIS X 0812 pdf 41] ―――――
40
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
B.2.1.4 人口当たりダウンロードされたコンテンツ単位数(Number of Content Units Downloaded per
Capita)
B.2.1.4.1 目的
利用者が,求める情報を,電子的資源の中から得ているかどうかを測定する。
B.2.1.4.2 指標の適用範囲
全ての図書館。
B.2.1.4.3 指標の定義
特定の期間にそれぞれの電子的資源から一部又は全部がダウンロードされたコンテンツ単位の数を,サ
ービス対象者数で除したもの。
図書館職員による使用及び利用者教育のための使用も,ダウンロードされたコンテンツ単位の数に含め
る。
サービス対象者数を用いる方が望ましいが,特定のターゲット集団で代替させ,そのことを報告のとき
に記述するのでもよい。
B.2.1.4.4 方法
特定の期間にそれぞれの電子的資源からダウンロードされたコンテンツ単位の数を数え,当該期間の同
じ資源のサービス対象者数で除す。
人口当たりダウンロードされたコンテンツ単位数(INCUDC)は,次の式による。
INCUDC=A/B
ここに, A : 特定期間に特定の電子的資源からダウンロードされた
コンテンツ単位数
B : サービス対象者数
小数点以下は,四捨五入する。ただし,10未満の場合は,小数点以下第1位まで求める。
注記 特別な場合には,この指標を特定のターゲット集団(例 教員,上級生)に対して用いること
が必要となる。
B.2.1.4.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,上限のない整数とする。高い値は低い値よりもよいとされる。
この指標は,様々な要因,そのうち幾つかは図書館の管理外にあるものの影響を受ける(例 利用者ス
キルのレベル,ネットワークアクセスのレベル,利用又はダウンロードに課金されているかどうか,サー
ビスの利用促進)。
ダウンロードされるコンテンツ単位の数は,利用者の検索方法の品質及び効率の影響を受ける。
コンテンツ単位の種類によってサービスが異なるため(あるものは全文,あるものは書誌情報だけなど),
このデータをサービスの全体像を把握するために使うことは推奨できない。しかし,特定のサービスに関
して得たものは,比較してもよい。図書館が,次のような指標を用いたい場合は,この指標で使用するデ
ータ要素から導き出すことができる。
− データベースごとのセッション数
− 電子ジャーナル,デジタル資料又はデータベースごとのダウンロードされた資料数
B.2.1.4.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
[3](PI 4)
B.2.1.4.7 関連指標
――――― [JIS X 0812 pdf 42] ―――――
41
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
ダウンロードされたコンテンツ単位当たり費用(B.3.1.3)を参照。
B.2.1.5 人口当たり館内利用数(In-library Use per Capita)
B.2.1.5.1 目的
図書館内での資料の利用を測定する。
B.2.1.5.2 指標の適用範囲
全ての図書館。利用された資料を主題ごとに分析し,より詳細なデータを得てもよい。特定のコレクシ
ョンに対して用いてもよい。
B.2.1.5.3 指標の定義
1年間に図書館内で利用された資料数を,サービス対象者数で除したもの。
B.2.1.5.4 方法
標本を抽出する期間を決める。この期間中は,利用者に図書館内で利用した資料を自分で書架に戻さな
いよう依頼する。それらの資料を書架に戻す作業(再配架)の前に資料を数える。
人口当たり館内利用数(IIUC)は,次の式による。
IIUC=(A/B×C)/D
ここに, A : 調査期間中に数えられた資料数
B : 調査期間中の開館日数
C : 1年間の開館総日数
D : サービス対象者数
貸出された資料は,Aに含めない。
小数点以下は,四捨五入する。ただし,10未満の場合には,小数点以下第1位まで求める。
B.2.1.5.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,上限のない実数とする。
利用の多い資料は,再配架の前に複数の人に利用される可能性がある。一方,実際には利用されないの
に書架から引き抜かれる場合もある。サービス対象者以外の人に利用される可能性もある。
資料の計数の値は,雑誌の製本に関する図書館の方針の影響を受ける。
館内利用数は,職員がどの程度迅速に資料を再配架するか,及び再配架を待つ資料から出納できるかど
うかにも影響される。
B.2.1.5.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
− [24] pp. 56-61[“Collection Use(コレクションの利用)”]
− [29] pp. 55-59[“In-library Materials Use(館内資料の利用)”]
B.2.1.5.7 関連指標
人口当たり貸出数(B.2.1.2)を参照。
B.2.2 アクセス
B.2.2.1 人口当たり来館回数(Library Visits per Capita)
B.2.2.1.1 目的
図書館サービス全体について利用者を引きつけた程度を測定する。
B.2.2.1.2 指標の適用範囲
サービス対象者が明確な全ての図書館。
図書館の使命の相違及びサービス対象者の社会的・経済的要因の相違を考慮する場合には,図書館間で
――――― [JIS X 0812 pdf 43] ―――――
42
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
比較してもよい。
B.2.2.1.3 指標の定義
1年間の図書館への来館(物理的来館又は仮想訪問の双方)の総数を,サービス対象者数で除したもの。
この指標において,“来館”とは,図書館が提供するサービスの利用のために,図書館の中に入ること又
は図書館のウェブサイトにアクセスすることを指す。
B.2.2.1.4 方法
B.2.2.1.4.1
図書館に入館又は退館した人を自動的に数えるための入退館計数装置又は類似の装置を用いる。手動に
よる測定でもよい。入館及び退館の両方ではなく,いずれかを数える。
図書館のウェブサイトへの外部からの仮想訪問を数える。
人口当たり来館回数(ILVC1)は,次の式による。
ILVC1=A/B
ここに, A : 1年間の物理的来館と仮想訪問とを加えた
(入退館計数装置+外部からの仮想訪問)推計来館総数
B : サービス対象者数
小数点以下は,四捨五入する。ただし,10未満の場合は,小数点以下第1位まで求める。
B.2.2.1.4.2
一つ以上の標本抽出期間を決め,その間に図書館に入館又は退館した人を数える。入館及び退館の両方
ではなく,いずれかを数える。同じ標本抽出期間における,外部からの仮想訪問の数を計算する。標本抽
出期間の数及び長さは,指標の使用者が決める。年間の変動に関して入手し得る情報を活用し,外挿法に
よって,1年間の来館総数を推定する。
注記 公共図書館の場合には,通常,1週間の1期間程度とする。大学図書館の場合には,大学の定
期的な諸行事を考慮し,2期間以上とする。
人口当たり来館回数(ILVC2)は,次の式による。
ILVC2=A/B
ここに, A : 1年間の物理的来館と仮想訪問とを加えた
(入退館計数装置+外部からの仮想訪問)の来館総数
B : サービス対象者数
小数点以下は,四捨五入する。ただし,10未満の場合は,小数点以下第1位まで求める。
仮想訪問数の計測については,JIS X 0814:2011のA.5.3を参照。図書館は,この指標の使用に当たり,
これらのいずれかの方法を選ぶことが望ましい。
B.2.2.1.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,上限のない整数とする。通常,値が高いほどよいとされる。
入退館計数装置又は類似の装置を用いる場合には,図書館職員その他の非利用者が含まれるため,又は
利用者が様々な理由で外に出た後に再入館することがあるため,計測数は実際よりもかなり高くなる可能
性がある。
仮想訪問数の把握は,外部からの仮想訪問だけを抽出するための,計算方法,用いられるソフトウェア,
及び図書館の能力に左右される。
季節変動が大きい場合には,利用が比較的安定している時期に,期間を短めにして数回測定するのが望
ましい。
――――― [JIS X 0812 pdf 44] ―――――
43
X 0812 : 2012 (ISO 11620 : 2008)
B.2.2.1.6 出典
詳細は,次の参考文献を参照。
− [2] pp. 29, 34-35
− [6](PI 2.1)
− [25] pp. 112-119
B.2.2.1.7 関連指標
来館当たり費用(B.3.1.4)を参照。
B.2.2.2 情報要求サービスにおける電子的手段による申込割合(Percentage of Information Requests
Submitted Electronically)
B.2.2.2.1 目的
質問の申込み時における,電子メール,デジタルレファレンスなどの電子的なコミュニケーション手段
による利用を確認する。
B.2.2.2.2 指標の適用範囲
全ての図書館。
B.2.2.2.3 指標の定義
特定の期間に受け付けた情報要求の総数のうち,電子的に申し込まれた情報要求の百分率。
B.2.2.2.4 方法
代表的な(標本)期間に全図書館職員が受け付けた全ての情報要求について,その申込手段を記録する。
その内訳として,図書館のサービスポイント宛ての電子メール,個々の図書館職員宛ての電子メール,チ
ャットによるオンライン,その他のデジタルレファレンスサービスによるオンラインのいずれかに分けて,
電子的に申し込まれた情報要求の件数を数える。
情報要求サービスにおける電子的手段による申込割合(IPIRSE)は,次の式による。
IPIRSE=(A/B)×100
ここに, A : 特定の期間に電子的に申し込まれた情報要求の数
B : 同じ期間に受け付けた情報要求の総数
小数点以下は,四捨五入する。
B.2.2.2.5 指標の解釈及び指標に影響を与える要因
この指標は,0100の整数とする。この値は,図書館利用者が電子的なコミュニケーション手段に移行
している程度を示すものである。例えば,高い値は,次のような状況を意味する可能性がある。
a) 図書館利用者のうち高い割合で電子的メディアに満足しており,それらを用いて図書館サービスを利
用している。
b) 多くの利用者が図書館から少し離れた地域で利用している。
数値が低い場合には,次のような状況を意味する可能性がある。
− 利用者のうち高い割合で電子的メディアに精通していない(利用者教育又は電子的レファレンスサー
ビスの奨励が必要である。)。
− 図書館職員からの回答が遅い(例 1週間に1回だけ)ことから,利用者が電子的な申込みを避けて
いる。
この数値は,図書館のウェブサイトの使い勝手,又はオンラインレファレンスサービスの提供時間の制
約に影響される。
B.2.2.2.6 出典
――――― [JIS X 0812 pdf 45] ―――――
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JIS X 0812:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11620:2008(IDT)
JIS X 0812:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.140 : 情報科学.出版 > 01.140.20 : 情報科学
JIS X 0812:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
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