JIS Z 0664:2015 RFIDのサプライチェーンへの適用―リターナブル輸送器材(RTI)及びリターナブル包装器材(RPI) | ページ 4

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び発送人としての役割を果たす。
− 小売業の流通センター(RDC)は,受け取ったユニットを小売店に送る。この場合,RDCは,受取人
及び発送人としての役割を果たす。
− RDCは,使用後の空き箱を仕分けし,回収することができる。この場合,RDCは受取人及びサービ
スプロバイダとしての役割を果たす。
− プールオペレータは空き箱を回収し,仕分けする。この場合,プールオペレータは,RTI・RPI供給者
及びサービスプロバイダとしての役割を果たす。

6.4 業務工程の例

  次に説明するような業務工程は,この規格で想定される運用を示している。
− 荷受 : 積替え,保管,販売,データの記録,回収,仕分け,修復などに引き続き利用するために,商
品(空きの又は積載済みのRTI・RPI)ユニットロードを受け取る。
− 荷下ろし : 輸送手段からのユニットロードの物理的な移動をする。
− 受領 : 互いに区別するために,番号付けシステムに関するこの規格に従って対象物を体系的に判断及
び登録する(測定を含む。)。これには,電子識別(スキャニング)も含まれることがある。
− 検査 : 商品が空きの又は積載済みのRTI・RPI・ユニットロードの完全性の検査。商品が空きの又は積
載済みのRTI・RPI・ユニットロードが特定の定義された品質基準を満たしているかどうかを検査する。
− オーダピッキング : 注文(リスト)に従って商品を集めて,ユニットロードにまとめる。
− 固縛 : 輸送中のユニットロードの安全を保証するためにひもなどで固定する。
− 荷積み : ユニットロードの輸送手段への物理的な移動をする。
− 保管 : 商品が空きの又は積載済みのRTI・RPI・ユニットロードの在庫を倉庫に維持する。これには,
倉庫内の移動作業が含まれる。
− 積替え・クロスドッキング : 注文に従って,輸送の過程で一つの輸送手段から別の輸送手段に替える
ために,商品を空きの又は積載済みのRTI・RPI・ユニットロードに移動する。
− 出荷 : データの記録を含み,商品を空きの又は積載済みのRTI・RPI・ユニットロードで送り出す。
− ラベル付け : 物流データなどに関して,ラベルへ表示又はRFタグへデータを書き込む。
− 輸送 : ある地点から別の地点への輸送手段による商品が空きの又は積載済みのRTI・RPI・ユニットロ
ードを移動する。
− 倉庫作業 : 商品が空きの又は積載済みのRTI・RPI・ユニットロードで受け取り,保持し,荷扱い,発
送などの作業をする。
− 回収 : 注文に従って,ある場所から空のRTI・RPIを,データの記録を含め,取り戻す(返却物流)。
− 分別 : 継続して使用できるように,データの記録を含めて,異なる種類のRTI・RPIを分ける。
− 修復 : 修理,洗浄など,RTI・RPIの再利用を可能にする全ての物理的作業をする。
サプライチェーン内の異なる業務工程では,上に概要を示したとおり,明らかに異なる機能・手順が用
いられる。RFタグのデータの読取り,書込み,又は消去は,関係する製品及び手続きに関する識別及びデ
ータ取得のために行い,業務責任者の必要に応じて,工程に整合するように組み込まなくてはならない。
RTIとそれを利用するシステムは密接に関係している。さらに,RPIとその活用方法の性質上,他のサ
プライチェーン階層で生じ得る全てのバリエーションが,RPIにはある。

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7 データ内容

7.1 はじめに

  7.27.8で,RTI階層でのRFタグのデータ内容について説明する。これらは,特に次の点を明確にする。
− RFタグの必須又は任意のデータ要素
− データ要素を識別する方法(データの意味)
− RFタグのメモリ内データ要素の表現
− RFタグのメモリ内データ要素の配置
注記1 この規格の他の箇条で規定されているように,ISO/IEC 18000-63タイプC及びISO/IEC
18000-3モード3のRFタグを使用する。必要に応じて,このRFタグの特定の(メモリ)用
語を使用する。
注記2 RTIに使用するRFタグでは,読取り及び書込みが可能なRFタグだけを使用する。これは,
RTI(プール)所有者が,そのRTIに固有かつ恒久的なUIIを割り当てることができるように
するためである。

7.2 システムデータ要素

7.2.1  一意のRTI・RPI識別
適合するRFタグの最初のデータ要素は,ISO/IEC 15459-5で規定される一意の識別でなければならない。
ここで使用する一意の識別のデータ長及び性質は,この規格のデータ要素で定義する。ISO/IEC 18000-63
タイプCに適合するRFタグでは,一意の識別データ要素はメモリアーキテクチャによって追加の要素(ユ
ーザデータ)から区別する。一意の識別データ要素は,UIIメモリ(バンク01)に格納し,追加のデータ
はユーザメモリ(バンク11)に格納する。
リターナブル輸送器材の一意の識別データ要素は,データ識別子を含めずに,英数字で最大35文字の長
さにすることができる(an3+an..35)。受渡当事者間の相互合意がある場合には,この長さは50文字
(an3+an..50)まで拡張することができる。リターナブル包装器材の一意の識別データ要素は,データ識別
子を含めずに,英数字で最大50文字(an3+an..50)の長さにすることができる。附属書Bに符号化の詳細
を記載する。
7.2.2 データの意味
単にRTI識別を符号化する場合のRFタグは,ISO/IEC 15961に適合することが望ましい。このデータ
構造は附属書Bに示す。複雑なデータ構造又は比較的大きいデータセットを含むRFタグは,JIS X 0531
及びこの規格の附属書Bに適合するデータの意味を含むものとする。
7.2.3 データ構文
RTIだけを識別するコードをもつRFタグは,構文をもたないとみなされる。複雑なデータ構造又は大
きなデータセットを含むRFタグは,この規格の附属書Bに従わなければならない。
注記 複雑なデータ構造をもつ場合についてはJIS X 0533に規定がある。
7.2.4 RFタグの文字セット
データ識別子を用いるRFタグは,表B.1に示すように,次の文字セットの文字とスペースとを用いな
ければならない。0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, A, B,C, D, E, F, G, H, I, J, K, L, M, N, O, P, Q, R, S, T, U, V, W, X, Y, Z,
[, \, ], :, ;, <, =, >, ・, @, (, ), *, +, -, ., /, <GS>, <RS>, <FS>, <US>, <EOT>

7.3 RFタグの構造

7.3.1  RFタグヘッダ
RFタグヘッダは,ISO/IECで定義されたAFI又はEPCで定義されたアトリビュートビットを含まなけ

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ればならない。リターナブル輸送器材に関するISO/IEC 15961のAFIは,この規格の表1及び表5に示し
ているように,ビット0x180x1Fが0xA3となる。ビット0x17が1bに設定されている場合は,(AFIを
含む)ISO規格に対応していることを示している。又は,RFタグヘッダは,GS1 EPC TDSの記述に従っ
て,EPCヘッダを格納することができる。ビット0x17が0bに設定されている場合は,EPC標準に対応し
ていることを示している。
注記 96ビットのGRAIを表すRFタグには,EPCヘッダ値として0x33が書き込まれている。
7.3.2 RFタグメモリ
図3は,RFタグメモリを図式化したものである。
上位 下位
DSFID
・ プレカーソル, [OID],
・ データ長, オブジェクト
0x10 [7:0] 0x1F
データバイト数インジケータ <追加アクセス方式,
センサ,バッテリ補助
0x00DSFID[7:0] プレカーソル[15:8]
0x0F
2進表記 メモリバンク ISO/IEC 15961及び
ISO/IEC 15962参照
バンク 上位 下位
11 USER ・ MDID
・ (タグマスクデザイナ識別子)
バンク
10 TID 0x10 TID [15:0] 0x1F
タグモデル番号
シリアル番号
バンク 0x00 TID [31:16] 0x0F恒久ロックとしてIC製造時に
01 UII 焼付け又は書込み
バンク
上位 下位
00 RESERVED


0x220 XPCオプションW2 [15:0] 0x22F
0x210 XPCオプションW1 [15:0] 0x21F


UII [15:0]
・ UII (ISO又はEPC必須)
メモリバンク定義

2進表記 0x20 UII [N:N-15] 0x2F
PC (プロトコル制御)ビット,
00 RESERVED 0x10 PCビット格納 [15:0] 0x1F UII データ長インジケータ
UIIメモリのCRC 確認を含む
01 UII 0x00 CRC-16格納 [15:0] 0x0F
10 TID
上位 下位
11 USER

・ 全ての書込みのロック及び
0x30アクセスパスワード[15:0] 0x3F 無効化のパスワードを含む
0x20アクセスパスワード[31:16]0x2F
0x10無効化パスワード [15:0] 0x1F
0x00無効化パスワード [31:16] 0x0F
メモリ位置
詳しいメモリ位置を
左右に16進数で表記
注記 JIS X 0533フォーマットヘッダのフォーマット識別番号“06”データ識別子を用いたデータとの互換性を保つ
ため,上の図のユーザメモリ構造(データバイト数インジケータ)は,ISO 1736xシリーズ固有の使用方法であ
る。
図3−セグメント化メモリマップ

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7.3.3 RFタグメモリバンク
RFタグメモリは,四つの個別のバンクに論理的に分かれている。各バンクは,一つ以上のメモリワード
から構成される。論理メモリマップは,図3に示したとおりである。次に,各メモリバンクについて説明
する。
a) ESERVEDメモリ(MB00) : RFタグ無効化パスワード及びアクセスパスワードを格納する。RFタグ
無効化パスワードは,メモリアドレス0x000x1Fに格納する。アクセスパスワードは,メモリアド
レス0x200x3Fに格納する。RFタグで無効化パスワード及び/又はアクセスパスワードを使用しな
い場合,値0のパスワードをもつ形となり,RESERVEDメモリが存在する意味はない。
b) IIメモリ(MB01) : メモリアドレス0x000x0FにCRC-16,メモリアドレス0x100x1Fに,プロト
コル制御(PC)ビット,メモリアドレス0x20以降に,RFタグが添付されている又はRFタグが今後
添付される物品を識別するコード(UII)を格納する。プロトコル制御(PC)ビットは,メモリ位置
0x100x14のUIIメモリ長さ表示,メモリ位置0x15のUSERメモリ(MB11)の有無表示,メモリ位
置0x16のPC拡張インジケータビット,メモリ位置0x17のISO/EPC識別ビット及びメモリ位置0x18
0x1FのISOにおけるAFI/EPCアトリビュートビットに分割される。CRC-16,PC及びUIIでは,
MSB(最上位ビット)がはじめに格納される(CRC-16のMSBはメモリ位置0x00,PCのMSBはメ
モリ位置0x10,UIIのMSBはメモリ位置0x20となる。)。
c) IDメモリ(MB10) : メモリ位置0x000x07に,8ビットのISO/IEC 15963割当てクラス識別子を格
納する。TIDメモリは,リーダライタがRFタグで対応しているカスタムコマンド及び/又はオプシ
ョン機能を一意に識別するために,0x07より上位に十分な識別情報を格納する。
ISO/IEC 15963割当てクラス識別子が11100010b (0xE2)であるEPCタグでは,この識別情報は,メ
モリ位置0x080x13の12ビットのタグマスクデザイナ識別子(MDID)と,メモリ位置0x140x1F
の12ビットのタグモデル番号とで構成する。RFタグは,0x1Fより上位のTIDメモリ(MB10)に(タ
グシリアル番号などの)タグ固有データ及びIC製造業者固有データを含むことがある。
ISO/IEC 18000-63タイプCに適合して動作し,ISO/IEC 15963割当てクラス識別子が11100000b
(0xE0)であるISO/IEC 15459-5に適合したRFタグでは,この識別情報は,メモリ位置0x080x0Fの
8ビットのIC製造業者登録番号と,IC製造業者がメモリ位置0x100x3Fに割り当てる48ビットの
シリアル番号とで構成する。
ISO/IEC 18000-3モード3に適合して動作し,ISO/IEC 15963割当てクラス識別子が11100000b (0xE0)
であるISO/IEC 15459-5に適合したRFタグでは,この識別情報は,メモリ位置0x080x0Fの8ビッ
トのIC製造業者登録番号と,IC製造業者がメモリ位置0x100x3Fに割り当てる48ビットのシリア
ル番号とで構成する。
ISO/IEC 18000-63タイプC又はISO/IEC18000-3モード3に適合して動作し,ISO/IEC 15963割当
てクラス識別子が11100011b (0xE3)であるISO/IEC 15459-5に適合したRFタグでは,この識別情報は,
メモリ位置0x080x0Fの8ビットのIC製造業者登録番号,メモリ位置0x100x1FのISO/IEC 15963
に従った16ビットのUSERメモリ(MB11)及びサイズの定義並びにIC製造業者がメモリ位置0x20
0x4Fに割り当てる48ビットのシリアル番号とで構成する。
ISO/IEC 18000-7に適合して動作し,ISO/IEC 15963割当てクラス識別子が00010001b (0x11)である
ISO/IEC 15459-5に適合したRFタグでは,この識別情報は,メモリ位置0x080x0Fの8ビットのタ
グマスクデザイナ識別子と,メモリ位置0x100x2Fの32ビットのタグシリアル番号とで構成する。
JIS X 6351-2タイプAに適合して動作し,ISO/IEC 15963割当てクラス識別子が11100000b (0xE0)

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であるISO/IEC 15459-5に適合したRFタグでは,この識別情報は,メモリ位置0x080x0Fの8ビッ
トのタグ製造業者識別子と,メモリ位置0x100x3Fの48ビットのタグシリアル番号とで構成する。
d) SERメモリ(MB11) : ユーザ固有のデータを格納できる。ISO/IEC 15961及びISO/IEC 15962で規
定される格納フォーマットに,メモリ構成を定義している。MB11のUSERメモリにデータが存在す
る場合,PCビット0x15を1bとする。PCビット0x15が0bの場合は,MB11にUSERメモリがない
又はMB11内にデータがないことを示す。USERメモリ(MB11)の詳しい情報は,附属書Bに記載し
ている。
注記 ユーザ固有データとは,JIS X 0531で規定される識別子及びそのデータを意味する。ユーザ
が全く自由にデータ構造を決められるものではない。ユーザが固有に決定できるのは,DIの
選択だけである。

7.4 プロトコル制御(PC)ビット

  PCビットの情報はインベントリコマンドの応答としてUIIと共に返信される。PCビットは,UIIメモリ
(MB01)のアドレス0x100x1Fに格納され16ビットである。ビット値は,次のように定義されている。
− ビット0x100x14 : RFタグ返信(PC+UII)のワード単位のデータ長 :
− 00000b : 1ワード[UIIメモリ(MB01)のアドレス0x100x1F]
− 00001b : 2ワード[UIIメモリ(MB01)のアドレス0x100x2F]
− 00010b : 3ワード[UIIメモリ(MB01)のアドレス0x100x3F]
− 11111b : 32ワード[UIIメモリ(MB01)のアドレス0x100x20F]
− ビット0x15 : USERメモリ;USERメモリ(MB11)にデータのないRFタグ又はUSERメモリのない
RFタグは0bに設定し,USERメモリにデータのあるRFタグは1bに設定する。
− ビット0x16 : 拡張PC(XPC)ビットのない場合は0bに設定し,PCビットが追加の16ビットで拡張
されている場合は1bに設定する。
注記1 RFタグがXPCビットを実装する場合,PCビット0x16はXPCビット内容の論理ORとな
らなければならない。RFタグはこの論理ORを計算し,その結果をパワーアップ時にPC
ビット0x16内にマップする。リーダライタはこのビットを選択することができ,RFタグ
はそれを返信する。
注記2 XPCはUIIメモリの32ワード目(0x210)に位置する。リーダライタがXPCビットを選択
したい場合,リーダライタはこのメモリ位置をターゲットとするセレクトコマンドを発行
する。
注記3 インベントリコマンドでは,XPCオプション情報は返信されない。
− ビット0x17 : ビット0x180x1FでEPCアトリビュートビットとして使用する場合は0bに設定し,
ISO/IEC 15961 AFIとして使用する場合は1bに設定する。
− ビット0x180x1F : デフォルト値が00000000bのEPCアトリビュートビット。ISO規格に従ってRF
タグを符号化する場合は,ISO/IEC 15961で定義されるAFIとなる。EPCアトリビュートビットの
MSBは,メモリ位置0x18に格納される。ビット0x1Fは,GS1 EPCシステム内で,RTIが有害物を含
んでいることの指標として用いる。
注記4 GS1 EPC TDSにおいて,ビット0x1Fの有害物品を示す部分もEPCアトリビュートビット
の一部と規定されている。
デフォルトの(プログラムされない)PC値は,0x0000である。表5では,データ内容の概要を示す。

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JIS Z 0664:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 17364:2013(IDT)

JIS Z 0664:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 0664:2015の関連規格と引用規格一覧