JIS Z 0665:2017 RFIDのサプライチェーンへの適用―輸送単位 | ページ 5

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Z 0665 : 2017 (ISO 17365 : 2013)
光学的読取媒体を用いる場合には,図5の左端に示すそれぞれのJIS及びISO規格を用いる。
階層5 輸送モード
輸送モードレベル
(輸送モード) (トラック、船舶、鉄道、航空機)
RPI
階層4
貨物コンテナレベル コンテナ
ISO 6346 (OCR) 20/40 フィート海上コンテナ及びマルチモーダルコンテナ
(貨物コンテナ)
RPI
階層3
RTIレベル
JISX 0515
リターナブル リターナブル
輸送器材(RTI)
GS1 総合仕様書(GRAI) 輸送器材(RTI)
(三次包装)
RPI
階層2
輸送単位レベル
JISX 0515
輸送 輸送 輸送 輸送
単位
GS1 総合仕様書(SSCC) 単位 単位 単位
(三次包装)
RPI
階層1
製品包装レベル
JISX 0516
製品 製品 製品 製品 製品 製品 製品 製品
包装
GS1 総合仕様書(GTIN) 包装 包装 包装 包装 包装 包装 包装
(二次包装)
リターナブル包装器材(RPI)
階層0
物品レベル
ISO 28219 物 物 物 物 物 物 物 物 物 物 物 物 物 物 物 物

GS1 総合仕様書(GTIN) 品 品 品 品 品 品 品 品 品 品 品 品 品 品 品
(一次包装)
構成要素,部品,資材,サブアセンブリ等
図5−バーコード及び2次元シンボルについてのサプライチェーン規格

11 RFタグの仕様

11.1 データプロトコル

  データプロトコルは,附属書Aの要件に適合しなければならない。

11.2 最低性能要件(交信範囲及び交信速度)

  RFタグの性能は,ISO/IEC 18046-3によって測定しなければならない。最低性能要件は,RFIDの機能
用途によって異なる。表5に,256ビットのタグデータ転送のための三つのパッシブ(受動形)RFタグ及
び一つのアクティブ(能動形)RFタグの一般的な性能要件を示す。これらの仕様は,RFタグの書込みに
も関係する。RFタグへの書込みに比べて,RFタグの読取りの方が長い距離を達成できる4)。リーダライ
タの性能は,ISO/IEC 18046-2によって測定するものとする。システムの性能は,ISO/IEC 18046-1によっ
て測定しなければならない。
注4) 規制による制限で,使用環境中に存在するリーダライタの数よりも少ないチャネルしか使えな
い場合,この性能は他のリーダライタに対する適切なシールドを施さなければ達成できない。

――――― [JIS Z 0665 pdf 21] ―――――

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表5−RFタグの一般的な性能
パラメタ 860960 MHz 13.56 MHz 135 kHz未満 433.92 MHz
ISO/IEC 18000-63 ISO/IEC 18000-3 JIS X 6351-2 ISO/IEC 18000-7
(タイプC) モード3 (タイプA)
最小読取り距離 m 3 0.7 0.7 30
読取り可能な物品移動速度 km/h 16 16 0 16
最小同時有効読取り数 個/秒 200 a)又は500 b) 200 1 1
注a) 帯域幅200 kHzの場合
b) 帯域幅500 kHzの場合

11.3 環境パラメタ

  動作環境は,場所によって大きく変動する。RFIDに関連する各種環境要因の詳細は,ISO/IEC/TR 18001
に示されている。次の一般的なパラメタ一式は,輸送単位の利用者団体から得られる意見を考慮する。
− 輸送単位のRFタグは,−40+70 ℃の温度範囲で正常に機能しなければならない。また,−50+
85 ℃の,より過酷な条件にも規定時間の耐性をもたなければならない。
− 相対湿度が95 %の動作環境
− 棚を含む倉庫構造
− 輸送モード
− リーダライタ(アンテナ)に対するRFタグの移動速度及び方向
− リーダライタ(アンテナ)に対するRFタグの方向(すなわち,一定方向に制御するか,ランダムか)
− 読取り距離
− 書込み距離(該当する場合)
− モータ,蛍光灯及びその他の周波数帯を用いる機器からの電磁障害
− RFタグを付ける物品の包装及び内容物の電磁特性
− リーダライタのアンテナの形状及びサイズの制約並びにRFタグ付き物品のアンテナを無効化する要

− サイズ,形状,耐圧性,温度,湿度,洗浄及び汚染物質[ほこり,油(自然食品,石油及び合成),酸
並びにアルカリ]の面での形態要因の制約
− 耐性改善方法
− 熱,湿気及び衝撃に対するリーダライタ(アンテナ)の耐性
− 健康及び安全に関する規制
パッシブ(受動形)RFIDの性能(交信範囲及び交信速度)は,コンテナ,輸送単位又は(包装)製品
内に金属及び/又は液体があると低下することがある。干渉を低減するための適切なシールドを用いるこ
とができるものとする。
工程で連続して200タグ/秒を超える読取り速度が要求される場合,並列読取りを検討することが望ま
しい。

11.4 RFタグの方向

  取扱い作業では,輸送単位内の個々の(包装)製品の方向及び大きなRTI(ロールコンテナ,パレット
など)内の個々の小さなRTI(木枠,箱など)の方向を予測することはできないと考えるのがよい。この
ため,施設内の及び/又は配送中のリーダライタの効果的な使用が妨げられることがある。輸送単位がRTI
の役割も果たす場合については,JIS Z 0664の指針による。

――――― [JIS Z 0665 pdf 22] ―――――

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11.5 包装資材

  一次包装,小形の輸送単位及び大形の輸送単位では,様々な資材(木材,金属,プラスチック,ガラス,
紙,繊維など)が利用される。同様に,符号化及び識別のためのプレートなどの資材も追加で用いる。こ
れらの資材はRFID装置と干渉するおそれがある。

11.6 衝撃負荷及び摩耗

  一般に,各種の輸送単位は,物理的な取扱い中に様々な衝撃荷重を受ける。これによって,故意又は過
失によってRFタグを損傷することがある。RFタグの配置及び挿入は,衝撃による損傷を最小限にとどめ
る方法で行うことが望ましい。

11.7 RFタグの寿命

  輸送単位に添付するRFタグは,輸送単位の寿命を通じて継続的に使用する。
輸送単位に添付した全てのRFタグは,例えば,プラスチックの種類に関する情報を保持することによ
って,輸送単位及びRFタグ自体のリサイクルを容易にするために用いることができる。この点に関して,
サプライチェーンのデータ構造を損なわないことを条件として,再プログラミング後にRFタグを再使用
してもよい。実際にRFタグを再使用するかは,RFタグのコスト及び再使用並びにリサイクルの環境への
影響によって異なる。輸送単位のRFタグは,確実に輸送単位の寿命を通じて継続的に使用することがで
きなければならない。

11.8 システムの最低限の信頼性

  11.3及びISO/IEC 18046規格群の規定によってRFタグを配置し,プログラムし,リーダライタに提示
するシステムは,99.99 %以上の読取り信頼性(10 000回の読取り当たり,不読回数が1回)及び99.998 %
の読取り精度(100 000回の読取り当たり,検出されない不正確な読取りが2回)を備えなければならない。

11.9 エアインタフェース

  推奨するエアインタフェース仕様は,ISO/IEC 18000-63(タイプC)である。受渡当事者間の合意があ
る場合,JIS X 6351-2(タイプA),ISO/IEC 18000-3モード3のASKエアインタフェース,及びISO/IEC
18000-7も適用することができる。ISO/IEC 18000-63(タイプC)に対応するRFタグは,ISO/IEC 18000-3
モード3にも対応できることが望ましい。
注記 明確な受渡当事者間の合意がある場合は,JIS X 6351-2(タイプA)及びISO/IEC 18000-7を適
用してもよい。JIS X 6351-2(タイプA)及びISO/IEC 18000-7はEPCタグに対応しておらず,
この規格において必要とするセグメント化メモリ構造にも対応しない。

11.10 アプリケーションのメモリ要件

  輸送単位RFタグのメモリ要件は,96ビット,256ビット及び256ビット超えの三つの基本区分に分類
される。産業分野の調査結果から,RFタグIC製造業者に対し,2キロビット及び4キロビットのメモリ
容量製品が望ましい。この規格に別途指定がない限り,アプリケーションからのメモリ要件によって,そ
れぞれの形式又はRFタグデータ構造の最低及び必須データ要素を変更してはならない。

11.11 センサインタフェース(該当する場合)

  センサ及びバッテリ一体型RFタグに対する操作又は管理の手段が,この規格で要求しているRFタグの
動作を妨げることがあってはならない。
センサを取り付けた輸送単位RFタグは,有線又は無線インタフェースに対するISO/IEC/IEEE 21451-7
に適合しなければならない。
RFタグ又はアクセスポイントとセンサとの間の無線インタフェースには,ISO/IEC/IEEE 8802-15-4及
びIEEE 1451.5の2.45 GHz O-QPSKオプションを適用しなければならない。

――――― [JIS Z 0665 pdf 23] ―――――

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11.12 リアルタイムクロックのオプション

  センサを取り付け,アプリケーションによってタイムスタンプを要求する場合は,輸送単位RFタグに
リアルタイムクロックを搭載するものとする。協定世界時(UTC : Coordinated Universal Time)に対する時
間の精度は,1日当たり±5秒間の許容差を超えないものとする。時間表示はUTC ("Z" - Zulu)とし,JIS X
0301の規定によった形式,すなわち,yyyy-mm-ddThh:ssZ,例えば,2012-01-01T14:55Zとする。時間表示
の際には,文字“T”が“dd”と“hh”との間の区切り文字の役割を果たす。

11.13 安全性及び規制事項

  この規格に対応する全てのRFタグ,リーダライタ及びアンテナは,使用する国の安全性及び規制の要
件を満たさなければならない。パッシブ形又はセミパッシブ形(バッテリ補助)のRFタグの使用も,爆
発物又は可燃性ガスの近く又は周辺が危険な環境においては制限される。ただし,これらの装置が,適切
な機関によって安全であることが証明されている場合は,この限りではない。
この規格に対応する全てのRFタグは,電力,デューティサイクル及び電磁放散を含め,国内の安全及
び規制要件を満たさなければならない。

11.14 RFタグの再利用性

  全てのRFタグは,理論的にも技術的にも再利用可能である。輸送単位の一意の識別特性,RFタグの恒
久的な取付けの性質,RFタグ自体が低コストなことを理由に,小売商品及び日用品に関する製品レベルの
RFタグは一般に再利用されていない。
高価値で重要な役割を担う物品には,より高機能なRFタグ(読み書き機能,大容量のメモリ及び場合
によってはセンサ付き)を使用することができ,そのコストによって再利用するのがよい。再利用するRF
タグには,識別,再生及び返却を行うことができるように,適切な可読文字又はロゴを明確に表示しなけ
ればならない。再利用に先立って,再利用可能なRFタグは,データの完全性に関してヘッダを確認し,
USERメモリを消去するものとする。
注記 ここでいうヘッダとは,UII及びTIDを指す。

12 RFタグの取付け場所及び表示

  RFタグの取付け場所及び表示に関するガイドラインは,ISO/IEC/TR 24729-1による。
RFタグの位置及び表示は,輸送単位及び輸送単位に積まれている商品に対して,全方向からの読取り及
び一括読取りを同時に実行することを可能にするものでなければならない。損傷を最小限にするために,
RFタグの位置は,輸送単位の外側の奥まった場所又は輸送単位の内側でなければならない。

12.1 RFタグを取付け又は挿入する材料

  輸送単位内の金属又はその他の反射性材料,液体及びその他の吸収性材料が,無線信号に対する妨害を
最小限にするような設計をしなければならない。

12.2 包装の形状及びRFタグの環境

  製品及び製品包装は,無線信号に対する妨害をできる限り抑えられる方法で輸送単位の中に配置しなけ
ればならない。これは,輸送単位及びその中に含まれる製品の両方に関わるものである(ISO/IEC/TR
24729-1参照)。

13 リーダライタの要件

13.1 安全性及び規制上考慮する事項

  全てのRFタグ及びリーダライタは,IEEE C95.1及びICNIRP Guidelinesに従わなければならない。

――――― [JIS Z 0665 pdf 24] ―――――

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Z 0665 : 2017 (ISO 17365 : 2013)
全てのRFタグ,リーダライタ及びアンテナは,使用する国の安全及び規制要件を満たさなければなら
ない。パッシブ形及びセミパッシブ形(バッテリ補助)RFタグの使用は,爆発物又は可燃性ガスの近く又
は周辺が危険な環境においては制限される。ただし,これらの装置が適切な機関によって安全であること
が証明されている場合は,この限りではない。

13.2 データのプライバシー

13.2.1 集積データ
集積データのセキュリティは,集積者の責任とする。データ集積者及びデータ格納オペレータは,個人
情報の収集,格納,及び配布に関する全ての個人プライバシーの規制及び規則に従わなければならない。
RFタグの読取りによって,又はそれに付随して収集した個人情報には,他の手段によって収集する個人情
報と同じ保護及びセキュリティを付与しなければならない。
13.2.2 特定企業専用データ
企業の専用データは,事前に特定しなければならない。また,輸送単位RFタグから企業専用データの
収集の制限を希望する企業は,適切な形式のデータセキュリティを使用しなければならない。RFタグデー
タのセキュリティ及び保護は侵害されるおそれがあるため,秘密,機密又は専用データを格納するための
輸送単位RFタグの使用は制限するのがよい。

14 相互運用性,互換性,及び他のRFシステムヘの不干渉

  RFタグ,リーダライタを含む全てのRFIDシステムは,同じ周波数帯で動作しているその他の全ての無
線システムに干渉しないという厳格な基準に基づいて動作しなければならない。この規格に対応するRF
タグ及びリーダライタを含む全てのRFIDシステムは,特定の周波数で相互運用性及び互換性を確保しな
ければならない。
注記 RFIDシステムは,先ず使用する国の電波法への適合を優先する。

――――― [JIS Z 0665 pdf 25] ―――――

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JIS Z 0665:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 17365:2013(IDT)

JIS Z 0665:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 0665:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISX0301:2002
情報交換のためのデータ要素及び交換形式―日付及び時刻の表記
JISX0500-1:2009
自動認識及びデータ取得技術―用語―第1部:一般
JISX0500-2:2009
自動認識及びデータ取得技術―用語―第2部:光学的読取媒体
JISX0500-3:2009
自動認識及びデータ取得技術―用語―第3部:RFID
JISX0510:2018
情報技術―自動認識及びデータ取得技術―QRコード バーコードシンボル体系仕様
JISX0512:2015
情報技術―自動認識及びデータ取得技術―バーコードシンボル体系仕様―データマトリックス
JISX0531:2020
情報技術―自動認識及びデータ取得技術―GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子並びにその管理
JISX0532-1:2018
情報技術―自動認識及びデータ取得技術―ユニーク識別―第1部:個々の輸送単位
JISX0533:2003
情報技術―大容量自動認識情報媒体のための転送構文
JISX6351-2:2010
物品管理用RFID―第2部:135kHz未満のエアインタフェース通信パラメタ
JISZ0106:1997
パレット用語
JISZ0108:2012
包装―用語
JISZ0663:2017
RFIDのサプライチェーンへの適用―貨物コンテナ
JISZ0664:2015
RFIDのサプライチェーンへの適用―リターナブル輸送器材(RTI)及びリターナブル包装器材(RPI)
JISZ0666:2017
RFIDのサプライチェーンへの適用―製品包装
JISZ0667:2017
RFIDのサプライチェーンへの適用―製品タグ付け