JIS Z 1402:2014 木箱の構造 | ページ 2

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Z 1402 : 2014
a) I・A形(密閉)
b) I・B形(すかし)
c) I・C形(密閉合板)
図2−腰下付木箱の例

――――― [JIS Z 1402 pdf 6] ―――――

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a) 基本条件
1) 木材の許容強さ 木箱に用いる木材の許容強さは,表2による。
なお,算出方法については,附属書Bを参照。
表2−木材の許容強さ
単位 MPa
長さに直角な曲げ強さ 長さ方向の 長さ方向の
圧縮強さ 引張強さ
平方向 木端方向
10.5 8.1 6.0 15.0
木材の許容強さは,表13の木材のうち一般に用いられるラジアタ松の許容強さを採用したもので
ある。
なお,滑材,負荷床材,支柱,はり等の応力部材は,実際に用いる樹種によって表B.1に記載さ
れたその樹種の強さと,表2の強さとの割合で使用本数,及び部材の厚さ,幅を変えてもよい。
2) 内容品による荷重条件の分類 普通木箱の設計に当たっては,通常,木箱が受ける荷重条件によっ
て,次の2種類に分ける。ただし,等分布荷重,集中荷重の区分は,内容品の性質,流通条件及び
包装方法(個装,内装,固定,緩衝など)によって,区分を変更することができる。
2.1) 等分布荷重の場合
2.2) 集中荷重の場合
3) 上部荷重 腰下付木箱の通常予想される上部荷重は,次による。
3.1) 天井荷重 はりにかかる天井荷重は,クラス1は4.0 kPaとし,クラス2は2.7 kPaとする。
3.2) 積上げ荷重 積上げ荷重は内容品質量によらず,クラス1は10.0 kPaとし,クラス2は6.7 kPaと
する。
注記 この規格では,天井荷重は,主としてはりで支える上部荷重をいい,積上げ荷重は,主として
側で支える上部荷重をいう。したがって,天井の幅より小さい貨物を直接載せるときは,天井
荷重及び積上げ荷重が働き,また,同じ幅の貨物又は幅の大小に関係なく,天井幅以上の長さ
の適切な台木を用いて積み重ねるときは,積上げ荷重が主として働く。
b) 隙間 内容品が,木箱の内面に接触することによって損傷を起こすおそれのあるものは,その間に緩
衝材を用いるか,又は必要に応じて隙間を設ける。
c) 寸法の呼び方 木箱の大きさを表すには,次の内のり寸法又は外のり寸法のいずれかによる。
1) 内のり寸法 内のり寸法は,次による。
− 長さ 両つま板の内面間寸法
− 幅 両側板の内面間寸法
− 高さ (I形)蓋板と底板との内面間寸法
(II形)天井板と無負荷床材との内面間寸法
2) 外のり寸法 外のり寸法は,次による。
− 長さ 内のり長さ+(つま板の厚さ+つま桟の厚さ)×2
− 幅 内のり幅+(側板の厚さ+側桟の厚さ)×2
− 高さ (I形) 内のり高さ+蓋板の厚さ+蓋桟の厚さ+底板の厚さ+底桟の厚さ
(II形) 内のり高さ+天井板の厚さ+無負荷床材の厚さ+滑材の厚さ+すり材の厚さ

――――― [JIS Z 1402 pdf 7] ―――――

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d) 木材の寸法 木材の呼び寸法に対する最小寸法は,表3による。
表3−木材の厚さ及び幅の最小寸法
単位 cm
呼び寸法 最小寸法 呼び寸法 最小寸法
1.2 1.00 6.0 5.55
1.5 1.25 7.5 7.00
1.8 1.55 9.0 8.45
2.1 1.85 10.0 9.45
2.4 2.15 12.0 11.40
3.0 2.70 15.0 14.35
4.0 3.65 18.0 17.30
4.5 4.15 21.0 20.20
5.0 4.60 21.0を超えるもの (呼び寸法)−0.80

5.2 普通木箱(I形)の構造

  普通木箱は,側,つま,底及び蓋からなり,つまに側を取り付け,つま及び側に底及び蓋を取り付けて
組み立てる。
a) 普通木箱の種類 普通木箱は,つま板及びつま桟の構造によって,次の種類に分ける。
1) 桟なし木箱(1形) つまが1枚板の木箱で,内容品質量20 kg以下,内容品による荷重条件が,等
分布荷重の場合に用いる。ただし,内のり寸法の合計(長さ+幅+高さ)は130 cmを,高さは25 cm
を超えてはならない(図3参照)。
a) b)
図3−1形
2) つま縦桟木箱(2形) つまが縦桟で補強された木箱で,内容品質量150 kg以下の場合に用いる(図
4参照)。
a) b)
図4−2形

――――― [JIS Z 1402 pdf 8] ―――――

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3) つま横桟木箱(3形) つまが横桟で補強された木箱で,内容品質量150 kg以下の場合に用いる(図
5参照)。
a) b)
図5−3形
4) 内桟木箱(4形) つまが内側にある縦桟で補強された木箱で,内容品質量150 kg以下の場合に用
いる。つま縦桟の断面は,三角形のものを用いてもよい(図6参照)。
a) b)
図6−4形
5) べた額桟木箱(5形) つまが横桟と縦桟とで補強された木箱で,内容品質量200 kg以下に用いる。
ただし,C形は150 kg以下に用いる(図7参照)。
a) b) c)
図7−5形

――――― [JIS Z 1402 pdf 9] ―――――

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b) 部材の寸法 部材の寸法は,次による。
1) ・A形及びI・C形 I・A形及びI・C形の構造に必要な各部材の寸法は,表4による。
表4−I・A形及びI・C形の部材の寸法
単位 cm
内容品質量 木箱の種類 等分布荷重 集中荷重
(kg) 側・蓋・ つまの厚さ 桟の 側・蓋・ つまの厚さ 桟の
底の厚さ 厚さ×幅 底の厚さ 厚さ×幅
20以下 1形・2形・3形・4形 1.2 1.5 1.5×4.5 I形は適用外
40以下 2形・3形・4形 1.2 1.8 1.8×6.0 1.2 1.8 1.8×7.5
5形 1.2 1.5 1.2 1.5
(0.9) (0.9) (0.9) (0.9)
100以下 2形・3形・4形 1.5 1.8 1.8×7.5 1.5 1.8 1.8×9
(0.9) (0.9) (0.9) (0.9)
5形 1.5 1.5×7.5 1.8×7.5
(0.9)
150以下 2形・3形・4形 1.8 1.8 1.8×7.5 2形・3形・4形は適用外
5形 (0.9) (0.9) 1.8 1.8 2.1×9
(0.9) (0.9)
200以下 5形 1.8 1.8 1.8×9 1.8 2.1 2.4×9
注記1 ( ) 内は,合板の厚さを示す。
注記2 フォーク荷役の便のため,底桟を厚くしてもよい。
2) ・B形 I・B形に必要な板の厚さは,次のいずれかによる。
2.1) すかし比率による板厚の増加 各面の総幅に占めるすかし比率に応じ,表5によってI・A形の板
厚を増やさなければならない。
表5−I・B形の板厚
単位 cm
I・A形の板厚 各面総幅のすかし比率(%) I・B形の板厚
1.2 35以下 1.5
35を超え56以下 1.8
1.5 30以下 1.8
30を超え49以下 2.1
1.8 26以下 2.1
26を超え43以下 2.4
2.1 24以下 2.4
24を超え39以下 2.7
I・B形の板厚が,表4の桟の厚さを超えるときは,その桟も,この
表と同じ厚さのものを用いる。
2.2) 板の厚さを表4と同一にし,すかし比率と支持されない間隔との関係による方法 各面の板の厚
さは表4と同一にし,“支持されない間隔”は,表6に示された値を,各面の総幅とすかしとの比
率で縮小して用いる。
c) 板幅 板幅は,次による。

――――― [JIS Z 1402 pdf 10] ―――――

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JIS Z 1402:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 1402:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA5508:2009
くぎ
JISB1180:2014
六角ボルト
JISB1181:2014
六角ナット
JISG3141:2017
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISG3141:2021
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISZ0107:2014
木箱用語
JISZ0108:2012
包装―用語
JISZ1514:1994
ポリエチレン加工紙