JIS Z 2353:2021 超音波による固体中の音速の測定方法 | ページ 2

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Z 2353 : 2021
表1−変数及び波の記号
記号 内容 単位
(音速に関する記号)
V 音速 m/s
VL 縦波音速 m/s
VS 横波音速 m/s
VS1 異方性がある場合の二つの独立な横波のうち大きい方の横波音速 m/s
VS2 異方性がある場合の二つの独立な横波のうち小さい方の横波音速 m/s
VW 水中の音速 m/s
V' 音速設定値 m/s
(試験体及び超音波探触子の寸法に関する記号)
D 振動子直径又は振動子幅 mm
tD 遅延体の厚さ mm
tS 試験体の厚さ mm
(波,エコー及び波の伝搬に関する記号)
i 試験体底面での超音波反射回数 −
j 試験体底面での超音波反射回数(j>i) −
Bi 試験体底面でi回反射した底面エコー(第i回底面エコー) −
Bj 試験体底面でj回反射した底面エコー −
B1 試験体の第1回底面エコー −
B2 試験体の第2回底面エコー −
B1D 遅延体がある場合の試験体の第1回底面エコー −
B2D 遅延体がある場合の試験体の第2回底面エコー −
BR1 ゼロ点調整用試験片の第1回底面エコー −
BR2 ゼロ点調整用試験片の第2回底面エコー −
MB 送信パルス −
S1 探触子と試験体表面との間の水中又は遅延体を1往復した反射波(表面エコー) −
S2 探触子と試験体表面との間の水中又は遅延体を2往復した反射波(表面エコー) −
U 透過波 −
(超音波の伝搬特性を記述するための記号)
n 基準化距離 −
n1 遅延体がない場合の試験体の第1回底面エコーの基準化距離 −
n2 遅延体がない場合の試験体の第2回底面エコーの基準化距離 −
n1D 遅延体がある場合の試験体の第1回底面エコーの基準化距離 −
n2D 遅延体がある場合の試験体の第2回底面エコーの基準化距離 −
λ 試験体での超音波の波長 mm
λD 遅延体での超音波の波長 mm
ZA 空気の音響インピーダンス kg/(m2s)
ZD 遅延材の音響インピーダンス kg/(m2s)
ZT 試験体の音響インピーダンス kg/(m2s)
(超音波の伝搬時間に関する記号)
ΔT01 超音波が試験体を1往復するのに要する時間 s
ΔTij 底面エコーBiとBjとの伝搬時間差 s
ΔTFB 表面エコーと第1回底面エコーとの伝搬時間差 s
ΔtW 水浸法測定における探触子間隔の変更量 mm
R ゼロ点 −
TBS 試験体の第1回底面エコーB1について,起点から測定した伝搬時間 s
TE0 パルスエコー法でのゼロ点の時間 s

――――― [JIS Z 2353 pdf 6] ―――――

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Z 2353 : 2021
表1−変数及び波の記号(続き)
記号 内容 単位
(超音波の伝搬時間に関する記号)(続き)
TFS 表面エコーについて,起点から測定した伝搬時間 s
TISX 水浸法において,試験体があるときの透過波について,起点から測定した伝搬時間 s
TIX 水浸法において,試験体がないときの透過波について,起点から測定した伝搬時間 s
TIX1 水距離変更前の透過波について,起点から測定した伝搬時間(試験体なし) s
TIX2 水距離変更後の透過波について,起点から測定した伝搬時間(試験体なし) s
TMS MBとS1との時間差 s
TP1 パルスオーバラップ法において,第1の波の表示のために設定した遅延時間 s
TP2 パルスオーバラップ法において,第2の波の表示のために設定した遅延時間 s
TR1 ゼロ点調整用試験片の第1回底面エコーBR1について,起点から測定した伝搬時間 s
TR2 ゼロ点調整用試験片の第2回底面エコーBR2について,起点から測定した伝搬時間 s
TRH ゼロ点調整試験片の片道の超音波伝搬時間 s
TRX1 ゼロ点調整用試験片の透過波について,起点から測定した伝搬時間 s
TRX2 ゼロ点調整用試験片内部で更に1往復した透過波について,起点から測定した伝搬時間 s
TSi 底面エコーBiについて,起点から測定した伝搬時間 s
TSj 底面エコーBjについて,起点から測定した伝搬時間 s
TSX 試験体の透過波について,起点から測定した伝搬時間 s
TX0 透過法でのゼロ点の時間 s
(超音波のビーム路程に関する記号)
ΔLFB 表面エコーを起点とした第1回底面エコーのビーム路程 mm
LBS 試験体の第1回底面エコーB1のビーム路程 mm
LFB 試験体の第1回底面エコーB1のビーム路程(起点は表面エコーではない) mm
LFS 表面エコーのビーム路程(起点は表面エコーではない) mm
LISX 水浸法において,試験体があるときの透過波のビーム路程 mm
LIX 水浸法において,試験体がないときの透過波のビーム路程 mm
LIX1 水距離変更前の透過波のビーム路程 mm
LIX2 水距離変更後の透過波のビーム路程 mm
LR1 ゼロ点調整用試験片の第1回底面エコーBR1のビーム路程 mm
LR2 ゼロ点調整用試験片の第2回底面エコーBR2のビーム路程 mm
LRX1 ゼロ点調整用試験片の透過波のビーム路程 mm
LRX2 ゼロ点調整用試験片内部で更に1往復した透過波のビーム路程 mm
LSi 底面エコーBiのビーム路程(起点は表面エコーではない) mm
LSj 底面エコーBjのビーム路程(起点は表面エコーではない) mm
LSX 試験体の透過波のビーム路程 mm
(シングアラウンド法に特有な記号)
超音波送信周期が第i回底面エコーの超音波伝搬時間に依存する信号の巡回ループを形成した
TCi s
ときの超音波送信周期
超音波送信周期が第j回底面エコーの超音波伝搬時間に依存する信号の巡回ループを形成した
TCj s
ときの超音波送信周期
(電磁超音波共鳴法に特有な記号)
f1 隣接するピークの低い方の周波数 MHz
f2 隣接するピークの高い方の周波数 MHz
fi 共鳴ピーク(iは共鳴次数) MHz
fHi 異方性がある場合の小さい速度に対応した共鳴ピーク(iは共鳴次数) MHz

――――― [JIS Z 2353 pdf 7] ―――――

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表1−変数及び波の記号(続き)
記号 内容 単位
(電磁超音波共鳴法に特有な記号)(続き)
fPi 異方性がある場合の大きい速度に対応した共鳴ピーク(iは共鳴次数) MHz
f2
r −を四捨五入した整数(次数) −
f2 f1
単位の“−”は,無次元量又は数値ではないもの。

5 測定者

  測定は,JIS Z 2305に規定する超音波探傷試験の資格者又はこれと同等の有資格者であって,超音波の
伝搬に関して十分な知識をもち,測定装置の取扱いに習熟した技術者が行うか,又はそのような技術者の
指導の下で行う。

6 測定精度

  精度1 %を目安とする測定を普通精度の測定とし,精度1 %より高い精度を目指す測定を高精度の測定
とする。
なお,音速測定の精度は試験体の状態に大きく依存するので,高精度の測定方法及び普通精度の測定方
法がそれぞれ目安とする測定精度を保証するものではない。

7 測定に必要な事項

7.1 試験体

  測定対象は表裏面が平行な平板試験体とし,目標とする精度に応じて,表2に従って加工する。
試験体の厚さtSが大きいほど,機械的厚さ測定の相対誤差を小さくでき,かつ,超音波伝搬時間測定の
相対誤差を小さくできるが,試験体の厚さtSが大きくなりすぎると,超音波の減衰による波形変化を生じ,
音速測定の誤差が増大する。この二つの効果を考慮して試験体の厚さtSを決める。
表2−試験体に必要な精度及び寸法
項目 普通精度 高精度
表面及び裏面の粗さ Ra 6.3 μm程度 Ra 1.6 μm程度
厚さの測定精度 0.05 mm以内 0.005 mm以内
厚さ − 10 mm以上
λ·tS/D又はDのいずれか大きい値以上
振動子中心と端面との距離
ただし,λ : 波長,tS : 試験体の厚さ,D : 振動子直径又は振動子幅

7.2 測定装置

7.2.1 種類
音速測定は,パルス反射法を利用した測定器と探触子とを組み合わせたシステムを用いるのが一般的で
ある。この規格では,次のいずれかの装置を使用する。
a) パルサーレシーバシステム 波形の観測,記録及び伝搬時間測定は,デジタルオシロスコープを用い
たシステムが適している。波形表示をもたないAD変換系機器を用いる場合には,パーソナルコンピ
ュータと組み合わせて,波形の観測,記録及び伝搬時間測定を行う。3.4参照。

――――― [JIS Z 2353 pdf 8] ―――――

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Z 2353 : 2021
b) デジタル探傷器 JIS Z 2352に定義されたデジタル探傷器。ビーム路程などのエコー情報をデジタル
処理し,表示する機能をもつ。
なお,この規格でいうビーム路程は,デジタル探傷器をパルスエコー法又は2探触子法に設定した
ときに表示されるビーム路程である。
c) 超音波厚さ計 JIS Z 2355-1に定義された超音波厚さ計。厚さ測定結果をデジタル表示する。
d) 音速計 固体を通過する超音波の伝搬時間を測定し,その値と入力された固体の厚さとから固体中の
音速を測定し,デジタル表示する測定器。3.3参照。
e) シングアラウンド測定装置 音速測定に用いる場合は,超音波送信周期がエコーの伝搬時間に依存す
る信号の巡回ループを形成し,二つの異なるエコーを用いてそれぞれ信号の巡回ループを形成したと
きの超音波送信周期の差を測定することによって,二つの異なるエコーの時間差を測定する装置。3.6
参照。
f) 電磁超音波共鳴装置 バースト波を励振する電磁超音波探触子によって,導電性材料からなる試験体
厚さ方向に連続した横波超音波を発生させ,その周波数を掃引して鋭い共鳴ピークが発生する周波数
を検出する装置。共鳴ピーク周波数と厚さとから音速を測定する。3.8参照。
7.2.2 機器の精度
測定に使用する機器は,測定精度に応じて,表3又は表4に規定する精度を満たすもので,時間軸,周
波数測定機能などを校正したものとする。
表3−使用機器に必要な性能(普通精度測定)
使用機器 必要性能
パルサーレシーバシステム 時間分解能 : 10 ns以下
デジタル探傷器 距離分解能 : 0.1 mm以下
超音波厚さ計 厚さ分解能 : 0.1 mm以下
音速計 測定値のばらつき : 1 %以下
表4−使用機器に必要な性能(高精度測定)
使用機器 必要性能
パルサーレシーバシステム 時間分解能 : 2.5 ns以下
デジタル探傷器 時間分解能 : 2.5 ns以下
超音波厚さ計 時間分解能 : 2.5 ns以下
シングアラウンド測定装置 周期測定分解能 : 2.5 ns以下
周波数,振幅が変わったときの遅延時間安定性 : 1 ns/min以下
電磁超音波共鳴装置 周波数測定の分解能 : 0.2 kHz以下

7.3 基本となる測定系の構成及び探傷図形

  基本となる計測系の構成及び探傷図形は,次による。
a) 直接接触法を用いるエコーの検出 図2のように,接触媒質を介して試験体表面に探触子を密着させ,
底面で複数回反射したエコーの探傷図形を観察する。

――――― [JIS Z 2353 pdf 9] ―――――

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Z 2353 : 2021
MB : 送信パルス
B1 : 第1回底面エコー
B2 : 第2回底面エコー
B3 : 第3回底面エコー
ΔT01 : 超音波が試験体を1往復するのに要する時間
図2−直接接触法を用いるエコーの検出
b) 水浸法を用いるエコーの検出 図3のように試験体を水中に設置し,探触子からの超音波ビームが試
験体表面に垂直に入射するように調整して,試験体表面で反射した表面エコー及び試験体に入射し底
面で反射した底面エコーを観察する。遅延材を用いた直接接触法でも類似した探傷図形が得られる。

――――― [JIS Z 2353 pdf 10] ―――――

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