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Z 3063 : 2019
離)のY距離に,K走査基準線を設ける(図2参照)。
図2−K走査基準線のけがき
7 探傷装置の調整
7.1 音速の調整
被検材の鉄筋の試験に用いる音速は,3 240 m/sとする。音速の調整ができない超音波探傷器の場合は,
A3形系STBを用いて,測定範囲の調整及び音速の調整を同時に行う。
7.2 測定範囲の調整
測定範囲の調整は,汎用探傷器の場合には,被検材の鉄筋の透過走査における透過パルスが時間軸の範
囲内に表示できるように,A3形系STBを用いて行う。また,溶接継手専用探傷器の場合には,ゲートの
設定を被検材の鉄筋の呼び名に合わせる。
7.3 基準レベルの設定
基準レベルは,被検材の鉄筋の製造業者,種類及び呼び名が異なるごとに,設定する。汎用探傷器の場
合には,探触子間距離を2.8Dとした透過走査(図3参照)によって透過パルスの最大値を求めた後,透過
パルスの高さを表示器目盛の50 %となるようにゲインを調整し,基準レベルとする。また,溶接継手専用
探傷器の場合には,探触子間距離を2.8Dとした透過走査(図3参照)において,溶接継手専用探傷器の警
報ランプ又はバー表示によって最も高い透過パルスを求めた後,透過パルスの高さが各溶接継手専用探傷
器の指定の高さとなるようにゲインを調整し,基準レベルとする。
図3−透過走査による基準レベルの設定方法
――――― [JIS Z 3063 pdf 6] ―――――
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7.4 合否判定レベルの設定
合否判定レベルは,基準レベルの−20 dBとする。
8 探傷試験
8.1 探傷方法
溶接継手部の探傷試験は,合否判定レベル以上にゲインを調整した後に,溶接部を挟んだ両面両側の被
検材の鉄筋の相対するリブ上から,二面振動子斜角探触子によるK走査法に基づいて行う(図4参照)。
K走査基準線 K走査基準線
=1.4 =0 =1.4
=2.8 =2.8
T
R
B-T3 B-T1 B-T2 A-T2 A-T1 A-T3
B-R2 B-R1 B-R3 A-R3 A-R1 A-R2
T : 送信用斜角探触子
【平面図】 R : 受信用斜角探触子
B-T3 B-T1 B-T2 A-T2 A-T1 A-T3
T
B側表面 A側表面
70° 70°
70° 70°
B側裏面 A側裏面
B-R2 B-R1 B-R3 A-R3 A-R1 A-R2 R
【正面図】
図4−二面振動子斜角探触子によるK走査法に基づく探傷方法
8.2 走査方法及び走査範囲
二面振動子斜角探触子の走査方法及び走査範囲は,次による。
a) まず,溶接部の中心(Y=0)から鉄筋軸方向のY距離に設けたK走査基準線上のT1に,リブに平行
に送信用斜角探触子を置き,他方の受信用斜角探触子をR1にリブに平行に配置し,左右90°方向の
鉄筋外周部及び中心部の探傷を行う[図5 a)参照]。
b) 次に,送信用斜角探触子を溶接部に向かってT2の位置まで前後走査する。同時に,送信用斜角探触
子の走査に連動させて受信用斜角探触子をR2の位置まで前後走査させ,左右90°方向の鉄筋外周部
及び中心部から送信探触子を配置した表面1/2断面部分の探傷を行う[図5 b)参照]。
c) 最後に,送信用斜角探触子を溶接部から遠ざかるT3の位置まで前後走査する。同時に,送信用斜角
探触子の走査に連動させて受信用斜角探触子をR3の位置まで前後走査させ,左右90°方向の鉄筋外
周部及び中心部から受信探触子を配置した裏面1/2断面部分の探傷を行う[図5 c)参照]。
d) 上記a) c)の走査において,溶接部からのエコーが識別できる場合には,さらに,若干の前後・左右
走査によって送受信用斜角探触子の配置を微調整して最大エコーを検出した後で,溶接不完全部から
のエコーとして評価する。
――――― [JIS Z 3063 pdf 7] ―――――
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K走査基準線
=0 =1.4
=2.8 T1 : 送信用斜角探触子
R1 : 受信用斜角探触子
20° T1
R1
20°
【平面図】 ハッチ部 : 探傷範囲の模式図 T1
T1
表面
70°
裏面
R1 R1
【正面図】
a) 左右90°方向の鉄筋外周部及び中心部の探傷
K走査基準線
=0 =1.4
=2.8 T2 : 送信用斜角探触子
R2 : 受信用斜角探触子
T2
R2
T2 【平面図】 ハッチ部 : 探傷範囲の模式図 T2
表面
70°
裏面
R2 R2
【正面図】
b) 左右90°方向の鉄筋外周部及び中心部から送信探触子を配置した表面1/2断面部分の探傷
c) 左右90°方向の鉄筋外周部及び中心部から受信探触子を配置した裏面1/2断面部分の探傷
図5−二面振動子斜角探触子によるK走査法の走査方法及び走査範囲
――――― [JIS Z 3063 pdf 8] ―――――
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8.3 走査速度
走査速度は,60 mm/s以下とする。
9 合否判定
溶接継手部を挟んだ両側における二面振動子斜角探触子によるK走査法に基づく探傷試験で,7.4に定
める合否判定レベル以上の溶接不完全部からのエコーが検出されなかった場合を合格とする。
10 記録
探傷試験を行った後,次の事項を記録する。
a) 工事名
b) 鉄筋の製造業者名並びに鉄筋の種類及び呼び名
c) 溶接継手工法
d) 溶接工事施工業者名
e) 試験年月日
f) 試験技術者の氏名及び資格
g) 探傷器の型式及び製造番号並びに点検日時
h) 斜角探触子の製造業者名及び製造番号並びに点検日時
i) 接触媒質
j) 試験箇所
k) 合否判定結果
l) その他参考となる事項(指定事項,協議事項,抜取方法など)
――――― [JIS Z 3063 pdf 9] ―――――
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附属書A
(規定)
汎用探傷器の機能及び性能
A.1 機能
機能は,次による。
a) 探傷器 Aスコープ表示のパルス反射式超音波探傷器とする。
b) 探傷方法 一探触子法又は二探触子法のいずれでも使用できるものとする。
c) 周波数 5 MHzで作動できるものとする。
d) ゲイン調整器 調整量の最小値が1 dB以下で,総調整量が70 dB以上のものとする。
e) 電源 電源の電圧が適正範囲を逸脱して降下した場合には,その状態を表示し,かつ,電源を遮断す
る機能をもつものとする。
A.2 性能
性能は,表A.1による。
表A.1−汎用探傷器の性能基準及び性能測定方法
項目 性能基準 性能測定方法
時間軸直線性 ±1 % 時間軸直線性は,JIS Z 2352の6.1.1(時間軸直線性)によって
測定する。
増幅直線性 ±3 % 増幅直線性は,JIS Z 2352の6.2.2[増幅直線性(測定方法A)]
によって測定する。
感度余裕値 30 dB以上 感度余裕値は,A1感度とし,JIS Z 2352の6.6(斜角探傷の
A1感度及びA2感度)の6.6.2 a) によって測定する。
――――― [JIS Z 3063 pdf 10] ―――――
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JIS Z 3063:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.140 : 鉄及び鋼製品 > 77.140.15 : 鉄筋コンクリート用鋼
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.40 : 溶接継手及び溶接部分
JIS Z 3063:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3112:2020
- 鉄筋コンクリート用棒鋼
- JISZ2300:2009
- 非破壊試験用語
- JISZ2300:2020
- 非破壊試験用語
- JISZ2345:2000
- 超音波探傷試験用標準試験片
- JISZ2345-4:2018
- 超音波探傷試験用標準試験片―第4部:斜角探傷試験用標準試験片
- JISZ2350:2002
- 超音波探触子の性能測定方法
- JISZ2352:2010
- 超音波探傷装置の性能測定方法
- JISZ3001-4:2013
- 溶接用語―第4部:溶接不完全部
- JISZ3062:2014
- 鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試験方法及び判定基準