JIS Z 3906:1988 パラジウムろう分析方法 | ページ 2

6
Z 3906-1988
9.2.1 要旨 種別(2),(4)の場合は,7.2.1で得られたろ液 (B) を定容とし,その一定垂を分取し[残液は,
試料溶液 (C) とし,ニッケルの定量に用いる。],硝酸及び硫酸を加えて加熱蒸発し,硫酸の白煙を発生さ
せ,放冷した後水を加えて塩類を溶解する。種別(3)の場合は,8.2.1で得られた電解残液,電極B及び電
解用ビーカーなどに析出しているマンガンの酸化物を過酸化水素処理をして分解した後,定容とし,その
一定量を分取し[残液は,試料溶液 (D) とし,ニッケルの定量に用いる。],硫酸を加える。
このいずれかの操作で得られた溶液に混酸及びペルオキソ二硫酸アンモニウムを加えて煮沸し,マンガ
ンを過マンガン酸に酸化するとともに過剰のペルオキソ二硫酸アンモニウムを分解する。冷却後,亜ひ酸
ナトリウム標準溶液で滴定する。
9.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸
(2) 硫酸 (1+1)
(3) 混酸 水435mlに硫酸150mlを加え,冷却した後硝酸250ml,りん酸150ml及び硝酸銀溶液 (200g/l)
15mlを混和する。
(4) 過酸化水素
(5) ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液 (200g/l)この溶液は,使用の都度調製する。
(6) 亜ひ酸ナトリウム標準溶液 三酸化ひ素[0.500gをはかり取って,ビーカー (200ml) に入れ,水酸化
ナトリウム溶液 (40g/l) 20mlと水約100mlを加えて加熱して溶解し,冷却した後1 000mlの全量フラ
スコに移し入れる。これにフェノールフタレインエタノール溶液 (10g/l) を指示薬として2,3滴加え,
硫酸 (1+35) を加えて微酸性とし,炭酸水素ナトリウム溶液 (5g/l) 20mlを加えて水で標線まで薄める。
この標準溶液1mlに相当するマンガン量は,次によって標定する。
標準マンガン溶液(7)の一定量を正しく取り,三角フラスコ (1 000ml) に入れ,硫酸 (1+1) 10mlと
混酸30mlを加え,水で400mlに薄める[ニッケルを含む試料溶液の場合は分取した試料溶液中の含
有量に相当する電解ニッケルをはかり取り,三角フラスコ (1 000ml) に入れ,硫酸 (1+1) 10mlと混
酸30mlで分解した後,標準マンガン溶液の一定量を加え,水で400mlに薄める。]。
以下,9.2.3.1(3)の加熱操作以降の手順に従って操作し,次の式によって相当するマンガン量を算出
する。
V1
f=.0000 2
V2
ここに, f : 亜ひ酸ナトリウム標準溶液1mlに相当するマンガン量 (g)
V1 : 標準マンガン溶液の使用量 (ml)
V2 : 亜ひ酸ナトリウム標準溶液の使用量 (ml)
注(7) 標準マンガン溶液 (0.2mg/ml) の調製 マンガン(99.9wt%以上)0.100gをはかり取って,ビー
カー (200ml) に移し入れ,硫酸 (1+4) 50mlを加え加熱して分解し,常温まで冷却した後500ml
の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
9.2.3 操作
9.2.3.1 種別(2)又は(4)の場合 種別(2)又は(4)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。
(1) ろ液 (B) の分取 種別(2)の場合は7.2.4.1(3)で得られたろ液 (B) を,種別(4)の場合は7.2.4.2(4)で得ら
れたろ液 (B) をそれぞれ1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。その一定量を分
取し(8)[種別(4)の場合は残液を試料溶液 (C) とし,ニッケルの定量に用いる。]ビーカー (300ml) に
入れる。

――――― [JIS Z 3906 pdf 6] ―――――

                                                                                              7
Z 3906-1988
(2) 硝酸及び硫酸による処理 硝酸10ml及び硫酸 (1+1) 10mlを加えた後,時計皿で覆い加熱蒸発して硫
酸の白煙を発生させ(9)放冷する。水約100mlを加え,加熱して析出した塩類を溶解した後,水を用い
て三角フラスコ (1 000ml) に移し入れる。
(3) マンガンの酸化 溶液に混酸 [9.2.2(3) ] 30mlを加えた後,水で約400mlに薄め加熱する。煮沸し始め
たときに,ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液10mlを注意して加え,小気泡が大気泡となるまで2
3分間煮沸する。
(4) 滴定 溶液を流水中で25℃以下に冷却し,速やかに亜ひ酸ナトリウム標準溶液で滴定する。
注(8) マンガン量が約3mgとなるように分取する。
(9) 有機物の分解が不十分で褐色を呈している場合は,更に硝酸10mlを加え白煙発生を繰り返す。
9.2.3.2 種別(3)の場合 種別(3)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。
(1) マンガンの酸化物の分解 8.2.4(3)で得られた電解残液の約半分及び白金電極Bをビーカー (500ml)
に移し入れ,残りの電解残液に過酸化水素を少量ずつ加えて,電解用ビーカーの内壁に付着したマン
ガンの酸化物を分解した後,水を用いて白金電極Bを入れたビーカーに移し入れ,加熱してマンガン
の酸化物を分解した後,白金電極Bを水で洗浄して取り去り常温まで冷却する。
(2) 試料溶液の分取,マンガンの酸化及び滴定 溶液を1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線ま
で薄める。その一定量を分取し(8)[残液は試料溶液 (D) とし,種別(3)のニッケルの定量に用いる。],
三角フラスコ (1 000ml) に移し入れ,硫酸 (1+1) 10mlを加える。
以下,9.2.3.1 3),(4)の手順に従って操作する。
9.2.4 空試験 試薬だけを用いて9.2.3.1(1)又は9.2.3.2(1)以降の手順に従って試料と並行して操作する。
残液は10.2.4の空試験に用いる。
9.2.5 計算 試料中のマンガン含有率は,次の式によって算出する。
V3−V4 f
マンガン wt%= 100
m0 B1
ここに, V3 : 9.2.3.1(4)又は9.2.3.2(2)で得た亜ひ酸ナトリウム標準溶液の使
用量 (ml)
V4 : 9.2.4で得た亜ひ酸ナトリウム標準溶液の使用量 (ml)
f : 亜ひ酸ナトリウム標準溶液1mlに相当するマンガン量 (g)
m0 : 試料はかり取り量 (g)
B1 : 試料溶液及び空試験液の分取比
9.3 原子吸光法
9.3.1 要旨 7.2.1で得られたろ液 (B) に,硝酸を加えた後加熱してシロップ状とする。硝酸を加えた後
溶液を空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,原子吸光光度計を用いてその吸光度を測定する。
9.3.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸
(2) 硝酸 (1+1)
(3) 標準マンガン溶液 (0.2mgMn/ml) マンガン(99.9wt%以上)0.100gをはかり取って,ビーカー (200ml)
に移し入れ,硝酸 (1+1) 10mlを加えて時計皿で覆い,加熱して分解し,時計皿の下面及び内壁を
水を用いて洗浄し,常温まで冷却した後,500mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線ま
で薄める。
9.3.3 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料溶液の調製 7.2.4.1(3)で得られたろ液 (B) を1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで

――――― [JIS Z 3906 pdf 7] ―――――

8
Z 3906-1988
薄める。その一定量を分取し(10),ビーカー (200ml) に入れ,硝酸20mlを加え時計皿で覆い加熱蒸発
してシロップ状とする。硝酸 (1+1) 10mlを加え,加熱して可溶性塩を溶解した後,時計皿の下面及
びビーカーの内壁を水を用いて洗浄し,常温まで冷却し,水を用いて100mlの全量フラスコに移し入
れ,水で標線まで薄める。
(2) 測定 溶液の一部を水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴
霧し,波長280.1nmの吸光度を測定する。
注(10) マンガン量が13mgとなるように分取する。
9.3.4 空試験 試薬だけを用いて9.3.3(1)以降の手順に従って試料と並行して操作する。
9.3.5 検量線の作成 標準マンガン溶液 [9.3.2(3) ] の015.0ml(マンガンとして03.0mg)を段階的に
数個の100mlの全量フラスコに取り,硝酸 (1+1) 10mlを加え,水で標線まで薄める。以下,9.3.3(2)の手
順に従って操作し,試料と並行して測定して得た吸光度とマンガン量との関係線を作成し,その関係線を
原点を通るように平行移動して検量線とする。
9.3.6 計算 9.3.3(2)及び9.3.4で得た吸光度と9.3.5で作成した検量線とからマンガン量を求め,試料中
のマンガン含有率を,次の式によって算出する。
A1−A2
マンガン wt%= 100
m0 2B
ここに, A1 : 分取した試料溶液中のマンガン検出量 (g)
A2 : 分取した空試験液中のマンガン検出量 (g)
m0 : 試料はかり取り量 (g)
B2 : 試料溶液及び空試験液の分取比
10. ニッケル定量方法
10.1 定量方法 ニッケルの定量方法は,ジメチルグリオキシムニッケル重量法による。この方法は,種
別(4)及び(3)に適用する。
10.2 ジメチルグリオキシムニッケル重量法
10.2.1 要旨 種別(4)の場合は9.2.1で得られた試料溶液 (C) を用い,その定量を分取し,硝酸及び硫酸を
加えて加熱蒸発し,硫酸の白煙を発生させ,冷却した後水で薄める。種別(3)の場合は9.2.1で得られた試
料溶液 (D) の一定量を分取する。
この溶液に酒石酸及び塩化アンモニウムを加えた後,アンモニウム水を加えてアルカリ性とし,ジメチ
ルグリオキシムを加えてニッケル錯体を沈殿さぜる。ガラスろ過器でこし分け,乾燥した後その質量を量
る。
10.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸
(2) 硫酸 (1+1)
(3) アンモニア水 (1+1)
(4) 塩化アンモニウム溶液 (250g/l)
(5) 酒石酸溶液 (250g/l)
(6) ジメチルグリオキシム溶液 ジメチルグリオキシム1.0gをエタノール (95vol%) 100mlに溶解する。
10.2.3 操作
10.2.3.1 種別(4)の場合 種別(4)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。

――――― [JIS Z 3906 pdf 8] ―――――

                                                                                              9
Z 3906-1988
(1) 硫酸処理 9.2.3.1(1)で得られた試料溶液 (C) から一定量を分取し(11)ビーカー (500ml) に入れ,硝酸
10ml及び硫酸 (1+1) 10mlを加えた後,加熱蒸発して硫酸の白煙を発生させる(12)。放冷した後水約
100mlを加え,加熱して析出した塩類を溶解した後,ビーカー (1 000ml) に移し入れる。
(2) ジメチルグリオキシムニッケル沈殿の生成 溶液に酒石酸溶液10ml及び塩化アンモニウム溶液20ml
を加え,アンモニア水 (1+1) で中和した後,その3mlを過剰に加え,液量を約500mlに薄める。
溶液を約90℃に加熱し,かき混ぜながらジメチルグリオキシム溶液 [10.2.2(6) ] をニッケル予想含
有量0.01gにつき7mlの割合で加え,更にその5mlを過剰に加えて十分にかき混ぜた後,室温まで冷
却する。
(3) 沈殿のこし分け及び洗浄 沈殿をあらかじめ恒量としたガラスろ過器 (1G4) を用いてこし分け,温水
で十分に洗浄する。
(4) 沈殿の乾燥及びひょう量 沈殿は,ガラスろ過器と共に110120℃の空気浴中で約1時間乾燥し,デ
シケーター中で約1時間放冷した後,その質量を量り,恒量となるまでこの操作を繰り返す。
注(11) ニッケル量として30100mgとなるように分取する。
(12) 有機物の分解が不十分で褐色を呈している場合には,更に硝酸10mlを加えて白煙操作を繰り返
す。
10.2.3.2 種別(3)の場合 種別(3)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料溶液の調製 9.2.3.2(2)で得られた試料溶液 (D) の一定量を正しく分取し(11),ビーカー (1 000ml)
に入れる。以下,10.2.3.1(2)(4)の手順に従って操作する。
10.2.4 空試験 試薬だけを用いて10.2.3.1(1)又は10.2.3.2(1)以降の手順に従って試料と並行して操作する。
10.2.5 計算 試料中のニッケル含有率は,次の式によって算出する。
m1−m2 .2.032
ニッケル wt%= 100
m0 B
ここに, m1 : 10.2.2.1又は10.2.2.2で得られたジメチルグリオキシムニッ
ケルの質量 (g)
m2 : 10.2.4で得られた質量 (g)
m0 : 試料はかり取り量 (g)
B : 試料溶液及び空試験液の分取比
11. 鉛定量方法
11.1 定量方法 鉛の定量方法は,原子吸光法による。この方法は,鉛含有率0.01wt%以上0.1wt%未満の
試料に適用する。
11.2 原子吸光法
11.2.1 要旨 種別(1),(2)の場合は試料を硝酸で分解し,種別(3),(4)の場合は試料を王水で分解して定容
とする。その定量を数個分取し,各溶液に鉛の標準溶液を段階的に添加した後,定容とし,溶液を空気・
アセチレンフレーム中に噴霧し原子吸光光度計を用いてその吸光度を測定する。
11.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸 (1+1)
(2) 王水(塩酸3,硝酸1)
(3) 標準鉛溶液(25 最戀一 鉛(99.99wt%以上)0.100gをはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れ,
硝酸 (1+1) 10mlを加え時計皿で覆い加熱して分解し,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水を用い
て洗浄し,常温まで冷却する。水を用いて100mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄め原液

――――― [JIS Z 3906 pdf 9] ―――――

10
Z 3906-1988
(1 000 最戀一 とする。使用の都度この原液の一定量を水で40倍に薄め標準鉛溶液とする。
11.2.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,5.0gとする。
11.2.4 操作
11.2.4.1 種別(1)及び(2)の場合 種別(1)及び(2)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料の分解 試料をはかり取ってコニカルビーカー (300ml) に移し入れ,硝酸 (1+1) 50mlを加え,
時計皿で覆い加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水を用いて洗浄し,常温まで冷
却する。水を用いて100mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
(2) 試料溶液の調製 溶液10.0mlずつを4個の100mlの全量フラスコに分取し,標準鉛溶液 [11.2.2(3) ] の
020.0ml(鉛として0500 柿 を段階的に加えた後,水で標線まで薄める。
(3) 測定 4個の試料溶液を水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中
に噴霧し,波長283.3nm(13)の吸光度を測定する。
注(13) 波長217.0mmを用いてもよい。
11.2.4.2 種別(3)及び(4)の場合 種別(3)及び(4)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料の分解 試料をはかり取ってコニカルビーカー (300ml) に移し入れ,王水50mlを加えて,時計
皿で覆い加熱して分解する。時計皿の下面及びビーカーの内壁を水を用いて洗浄し,常温まで冷却す
る。水を用いて100mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
(2) 試料溶液の調製及び測定 1.2.4.1(2),(3)の手順に従って操作する。
11.2.5 検量線の作成 11.2.4.1(3)及び11.2.4.2(2)で得た鉛の吸光度を縦軸とし,11.2.4.1(2)及び11.2.4.2(2)
で添加した鉛の添加量を横軸として,関係線を作成し検量線とする。
11.2.6 計算 11.2.5で作成した検量線が横軸と交わる点から鉛添加量0の点までの距離に対応する鉛の量
を求め,試料中の鉛の含有率を,次の式によって算出する。
A
%
鉛 wt= 100
1
m
10
ここに, A : 試料溶液中の鉛検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)

――――― [JIS Z 3906 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Z 3906:1988の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3906:1988の関連規格と引用規格一覧