JIS Z 3906:1988 規格概要
この規格 Z3906は、JIS Z 3267に規定された化学成分(パラジウム,銀,銅,マンガン,ニッケル,コバルト)の分析方法について規定。
JISZ3906 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z3906
- 規格名称
- パラジウムろう分析方法
- 規格名称英語訳
- Methods for chemical analysis of palladium brazing filler metals
- 制定年月日
- 1975年3月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 25.160.50
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1975-03-01 制定日, 1978-04-01 確認日, 1983-10-01 確認日, 1988-11-01 改正日, 1994-02-01 確認日, 2000-10-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 3906:1988 PDF [12]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 3906-1988
パラジウムろう分析方法
Methods for Chemical Analysis of Palladium Brazing Filler Metals
1. 適用範囲 この規格は,JIS Z 3267(パラジウムろう)に規定されたパラジウム,銀,銅,マンガン,
ニッケル及び鉛の定量方法について規定する。
引用規格 :
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析のための通則
JIS K 0121 原子吸光分析のための通則
JIS Z 3267 パラジウムろう
JIS Z 3900 貴金属ろうのサンプリング方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050(化学分析方法通則),JIS K 0115(吸光光度分
析のための通則)及びJIS K 0121(原子吸光分析のための通則)による。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 試料の採り方
3.1.1 試料の採り方は,JIS Z 3900(貴金属ろうのサンプリング方法)による。
3.1.2 試料は,平均品質を代表するようにし,特に偏析,汚染などに注意しなければならない。
3.2 試料のはかり方
3.2.1 試料をはかり取る際には,よくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混入してい
ないことを確かめなければならない。
3.2.2 試料のはかり取りには,化学はかりを用い,0.1mgまで読み取る。
4. 分析値のまとめ方
4.1 分析回数 分析は,同一試料について原則として2回以上行わなければならない。
4.2 空試験 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,含有率を補正しなければならない。
4.3 分析値の表示 分析値は質量百分率で表し,二つ以上の分析値を平均して,JIS Z 8401(数値の丸め
方)によってパラジウム,銀,銅,マンガン及びニッケルは小数点以下1けたに,鉛は小数点以下2けた
に丸める。
5. 分析試料による分類及び分析順序 パラジウムろう分析方法は,系統分析方法によるため,便宜上パ
ラジウムろうの分析試料を4種別に分類し,その分析順序は次の表による。
――――― [JIS Z 3906 pdf 1] ―――――
2
Z 3906-1988
表 分析試料による分類及び分析順序
分析試料による分類 パラジウム
分析順序
種別 成分系 ろうの種類
銀定量−ろ液 (A) −パラジウム定量−ろ液 (B) −銅定量
Pd−Ag−Cu系 B Pd-1, 2, 4, 6
(6.2.4) (7.2.4.1) (8.2.4)
(pdf 一覧ページ番号 )
銀定量−ろ液 (A) −パラジウム定量
Pd−Ag系 B Pd-7
(6.2.4) (7.2.4.1)
銀定量−ろ液 (A) −パラジウム定量−ろ液 (B) −マンガン
定量
(2) Pd−Ag−Mn系 B Pd-9, 10
(6.2.4) (7.2.4.1) (9.2.3.1
又は9.3.3)
パラジウム定量−ろ液 (B) −銅定量−電解残液−マンガン
(7.2.4.2) (8.2.4) (9.2.3.2)
(3) Pd−Cu−Mn−Ni系 B Pd-12
定量−試料溶液 (D) −ニッケル定量
(10.2.3.2)
パラジウム定量−ろ液 (B) −マンガン定量−試料溶液 (C)
(7.2.4.2) (9.2.3.1)
Pd−Mn−Ni系 B Pd-11
−ニッケル定量
(pdf 一覧ページ番号 )
(10.2.3.1)
パラジウム定量−ろ液 (B) −ニッケル定量
Pd−Ni系 B Pd-14
(7.2.4.2) (10.2.3.1)
6. 銀定量方法
6.1 定量方法 銀の定量方法は,塩化銀重量法による。この方法は,種別(1)及び(2)に適用する。
6.2 塩化銀重量法
6.2.1 要旨 試料を硝酸で分解し,アンモニア水を過剰に加えてパラジウムをアンミン錯体とした後,酢
酸を用いて弱酸性とし,塩酸を加えて塩化銀を沈殿させる。生成した塩化銀はガラスろ過器を用いてこし
分け,乾燥した後その質量を量る[ろ液及び洗液はろ液 (A) とし,パラジウムの定量に用いる。]。
6.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+9)
(2) 硝酸 (1+1, 1+100)
(3) アンモニア水 (1+1)
(4) 酢酸 (1+1)
6.2.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は0.5gとする。
6.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料の分解 試料をはかり取ってコニカルビーカー (300ml) に移し入れ,硝酸 (1+1) 20mlを加え,
時計皿で覆い加熱して分解する。
(2) 塩化銀沈殿の生成 時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,水を加えて液量を約150mlとし,
アンモニア水 (1+1) を加えて微アルカリ性とした後,酢酸 (1+1) を弱酸性となるまで加える。溶液
をかき混ぜながら塩酸 (1+9) を少量ずつ加えて塩化銀の沈殿を生成させる。沈殿が生じなくなった
後,更にその1mlを過剰に加えて十分にかき混ぜ,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗い,加
熱して約5分間静かに煮沸する。
(3) 沈殿のこし分け及び洗浄 暗所に1夜間放置した後,あらかじめ恒量としたガラスろ過器 (1G4) を用
――――― [JIS Z 3906 pdf 2] ―――――
3
Z 3906-1988
いてこし分け,初めは硝酸 (1+100) で,次に冷水で十分に洗浄する[ろ液及び洗液は,ろ液 (A) と
し,種別(1)及び(2)のパラジウムの定量に用いる。]。
(4) 沈殿の乾燥及びひょう量 沈殿をガラスろ過器と共に約130℃の空気浴中で約1時間乾燥し,デシケ
ーター中で約1時間放冷した後その質量を量り,恒量となるまでこの操作を繰り返す。
6.2.5 空試験 試薬だけを用いて6.2.4(1)以降の手順に従って試料と並行して操作する。ろ液及び洗液は
7.2.5の空試験に用いる。
6.2.6 計算 試料中の銀含有率は,次の式によって算出する。
m1−m2 .0752 6
銀 wt%= 100
m0
ここに, m1 : 6.2.4で得られた塩化銀の質量 (g)
m2 : 6.2.5で得られた質量 (g)
m0 : 試料はかり取り量 (g)
7. パラジウム定量方法
7.1 定量方法 パラジウムの定量方法は,ジメチルグリオキシムパラジウム重量法による。この方法は,
種別(1)及び(2)並びに種別(3)及び(4)に適用する。
7.2 ジメチルゲリオキシムパラジウム重量法
7.2.1 要旨 種別(1)及び(2)の場合は,6.2.1で得られたろ液 (A) に塩酸を加え,煮沸した後,水で薄める。
種別(3)及び(4)の場合は,試料を王水で分解し,加熱蒸発してシロップ状とし,塩酸を加えてこの操作を繰
り返し硝酸を除去する。次いで塩酸を加え,水で薄める。
このいずれかの操作によって得られた溶液にジメチルグリオキシムを加えてパラジウム錯体を沈殿させ,
ガラスろ過器を用いてこし分け,乾燥した後その質量を量る[ろ液及び洗液は,ろ液 (B) とし,銅又はマ
ンガン,ニッケルの定量に用いる。]。
7.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (1+1)
(3) 王水(塩酸3,硝酸1)
(4) ジメチルグリオキシム溶液 ジメチルグリオキシム1.0gをエタノール (95vol%) 100mlに溶解する。
(5) エタノール (95vol%)
7.2.3 試料はかり取り量 種別(1)及び(2)の場合はろ液 (A) の全量を用い,種別(3)及び(4)の場合は試料は
かり取り量は0.5gとする。
7.2.4 操作
7.2.4.1 種別(1)及び(2)の場合 種別(1)及び(2)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 塩酸処理 6.2.4(3)で得られたろ液 (A) に,塩酸10mlを加え,加熱して静かに510分間煮沸した後,
水で約700mlに薄める。
(2) ジメチルグリオキシムパラジウム沈殿の生成 溶液をかき混ぜながらジメチルグリオキシム溶液
[7.2.2(4) ]をパラジウム含有量0.01gにつき3.0mlの割合で加える(1)。7080℃に約20分間加熱した後,
温所に約2時間放置する。
(3) 沈殿のこし分け及び洗浄 沈殿をあらかじめ恒量としたガラスろ過器 (2G4) を用いてこし分け,温水
で十分に洗浄し[ろ液及び洗液は,ろ液 (B) とし,種別(1)の銅又は種別(2)のマンガンの定量に用い
――――― [JIS Z 3906 pdf 3] ―――――
4
Z 3906-1988
る。],更にエタノールで1回洗浄する。
(4) 沈殿の乾燥及びひょう量 沈殿は,ガラスろ過器と共に約110℃の空気浴中で約1時間乾燥し,デシ
ケーター中で約1時間放冷した後,その質量を量り,恒量となるまでこの操作を繰り返す(2)。
注(1) ジメチルグリオキシム溶液の必要計算量は,パラジウム0.01gにつき2.2mlであるが,完全沈殿
には過剰が必要である。
(2) ジメチルグリオキシムパラジウムは,水にわずかに溶解するので,精度を上げる必要がある場
合には,既知合成試料を用いて並行試験を行い,パラジウム測定値を補正する。
7.2.4.2 種別(3)及び(4)の場合 種別(3)及び(4)の場合の定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料の分解 試料をはかり取ってビーカー (200ml) に移し入れ,王水20mlを加えて時計皿で覆い加
熱して分解した後,静かに加熱蒸発してシロップ状とする。
(2) 脱硝酸 塩酸10mlを加え,加熱蒸発して再びシロップ状とする。この操作を3,4回繰り返す。
(3) 塩酸溶解 塩酸 (1+1) 35mlを加え(3),析出した塩類を溶解した後,ビーカー (1 000ml) に水を用い
て移し入れ,水で約700mlに薄める。
(4) ジメチルグリオキシムパラジウム沈殿の生成及び分離 以下7.2.4.1(2)(4)の手順に従って操作する。
ただし,7.2.4.1(3)の操作で得られたろ液 (B) は,種別(3)の銅又は種別(4)のマンガン,ニッケルの定
量に用いる。
注(3) 沈殿生成の酸度は,ニッケルが共存しているので塩酸0.3mol/l程度がよい。
7.2.5 空試験 試薬だけを用いて7.2.4.1(1)又は7.2.4.2(1)以降の手順に従って試料と並行して操作する。
ろ液及び洗液は8.2.5の空試験に用いる。
7.2.6 計算 試料中のパラジウム含有率は,次の式によって算出する。
m1−m2 .0316 1
パラジウム wt%= 100
m0
ここに, m1 : 7.2.4.1又は7.2.4.2で得られたジメチルグリオキシムパラジウ
ムの質量 (g)
m2 : 7.2.5で得られた質量 (g)
m0 : 試料はかり取り量 (g)
8. 銅定量方法
8.1 定量方法 銅の定量方法は,銅電解重量法による。この方法は,種別(1)及び(3)に適用する。
8.2 銅電解重量法
8.2.1 要旨 7.2.1で得られたろ液 (B) に硝酸を加えて濃縮した後,硫酸を加えて加熱蒸発して白煙を発
生させる。放冷後,水及び硝酸を加えて電解し,陰極に析出した銅の質量を量る(電解残液は,マンガン,
ニッケルの定量に用いる。)。
8.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硝酸
(2) 硝酸 (1+1)
(3) 硫酸 (1+1)
(4) エタノール (95vol%)
8.2.3 装置及び器具 装置及び器具は,原則として次のものを用いる。
(1) 電解用ビーカー(付図1参照)
――――― [JIS Z 3906 pdf 4] ―――――
5
Z 3906-1988
(2) 白金電極A(付図2参照)
(3) 白金電極B(付図3参照)
(4) 半円形時計皿(付図4参照)
8.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) ろ液の酸処理 種別(1)の場合は7.2.4.1(3)で得られたろ液 (B) を,種別(3)の場合は7.2.4.2(4)で得られ
たろ液 (B) をそれぞれビーカー (1 000ml) に移し入れ,硝酸10mlを加えて時計皿で覆い,静かに加
熱蒸発さぜ約20mlとし,時計皿の下面とビーカーの内壁を水で洗い,電解用ビーカーに移し入れる。
硫酸 (1+1) 10mlを加え,加熱蒸発して硫酸の白煙を発生させる(4)。
(2) 硝酸溶解 放冷後,水50mlと硝酸 (1+1) 5mlを加え,加熱して可溶性塩類を溶解し,12分間静か
に煮沸して酸化窒素などを追い出し,室温まで冷却する。
(3) 銅の電解分離 水を加えて液量を約150mlとし,あらかじめ質量を量った白金電極Aを陰極に,白金
電極Bを陽極に用い,2個の半円形時計皿で覆い,室温で0.30.5Aの電流を通じ,56時間電解す
る(5)。少量の水で時計皿の下面,ビーカーの内壁及び両極の柄の液面上に露出した部分を洗い,電解
液面を約5mm上昇させて更に約30分間電解を続ける。新しく電解液中に浸った電極Aの柄に銅が析
出しなくなったならば電流を通じたまま水洗いしながら両極を徐々に引き上げる(6)[種別(3)の場合に
は,電解残液をマンガン,ニッケルの定量に用いる。]。
(4) 電極の洗浄,乾燥及びひょう量 次に,手早く新たな水中に浸して電極Aを離し,静かに数回上下し
て水洗した後,エタノールに浸してよく洗い直ちに約80℃の空気浴中で速やかに乾燥し,デシケータ
ー中で約30分間放冷した後その質量を量る。
注(4) この際,有機物の分解が不十分で褐色を呈している場合には,更に硝酸10mlを加え,白煙発生
を繰り返す。
(5) この電解条件は,昼間操作する場合の一応の目標を示したもので,0.20.3Aで1夜間電解して
もよい。
(6) 電解残液からマンガンを定量する場合は,[9.2.3.2.(1) ]を参照する。
8.2.5 空試験 試薬だけを用いて8.2.4(1)以降の手順に従って,試料と並行して操作する。電解残液は9.3.4
の空試験に用いる。
8.2.6 計算 試料中の銅含有率は,次の式によって算出する。
m1−m2
銅 wt%= 100
m0
ここに, m1 : 8.2.4で得られた質量 (g)
m2 : 8.2.5で得られた質量 (g)
m0 : 試料はかり取り量 (g)
9. マンガン定量方法
9.1 定量方法の区分 マンガンの定量方法は,次のいずれかによる。
(1) ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化亜ひ酸ナトリウム滴定法 この方法は,種別(2),(3)及び(4)に適用
する。
(2) 原子吸光法 この方法は,種別(2)の場合だけに適用する。
9.2 ペルオキソ二硫酸アンモニウム酸化亜ひ酸ナトリウム滴定法
――――― [JIS Z 3906 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS Z 3906:1988の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.50 : ろう付け及びはんだ付け